難易度:☆☆☆(食材の入手による) 調理時間:2時間
「足のあるものは椅子以外なんでも食べる」でおなじみの広東料理からちょっと珍しい食材を使った『』のレシピを紹介します。覇王花という夜に咲くサボテンの花を使った料理で、広い中国でも広東地方くらいでしか食べられない特殊な料理です。出張時などにぜひ一度食べてみましょう。
さて、この「覇王花」と呼ばれる食材ですが、もともと中国語普通話では世界最大の花「ラフレシア」の中国語名として通用しています。覇王花がサボテンの花を指すのは広東(または海南)地方だけで、中国語でも方言にあたる表記なので注意が必要です。他にも量天尺花、龍骨花(海南)、三角柱、三棱箭(北京)、三棱劍、劍花、七星劍花、霸王鞭(海南、廣東)、假曇花など多くの別名を持ちます。
食材としての覇王花は南アメリカ原産のサボテン科 Hylocereus undatus という学名の植物で、成長すると最大で2-3mほどの高さになる直立サボテンの一種です。食材として使うのは広東省くらいですが、観賞用としては世界中で栽培されています。他に近縁の H. ocamponis や H. escuintlensisの二種も食用に使うようです。
新鮮な覇王花を使う場合もあり、その場合は粘液が多いためスープの口当たりが滑らかになるのだとか。また粘液には潤腸効果があるそうです。乾燥させたものは中薬でいう清熱の効果があり、肺にたまった熱をとる効果があるそうで、インフルエンザの食事療法に使ったりもするそうです。
南アメリカ原産のサボテンの花をなぜ広東料理の食材として使うようになったのかは不明ですが、何でも食べる広東人のこと、香港にこの植物がもたらされた直後から食材として利用しはじめたのではないでしょうか?みたことのない料理、食材に出会ったら「ひとまず食べてみる」の精神は我々日本人も学ぶところが多そうです。
ちなみに覇王花を使った料理は他にも『霸王花瘦肉湯』、『霸王花蒸雞
』などがあり、香港で食べられます。いいスープが取れるので香港を訪れることがあれば購入して日本で試して見ましょう。多くの広東料理店のある台湾でも、筆者の知る限り食べられません。
[材料]
覇王花 ……… 100g
骨付き豚肉 ……… 500g
大棗 ……… 2個
(なくてもよい)
[調味料]
塩 ……… 適量
水 ……… 適量
[作り方]
1.骨付き豚肉を食べやすい大きさに切り、沸騰したお湯にくぐらせてアクを抜いておく。覇王花を水に浸けて戻しておく。
2.鍋に覇王花、骨付き豚肉、大棗を入れ、豚肉より水面が高くなるように水を加える。加熱して沸騰したら蓋をして弱火で2時間煮込む。最後に塩で味を整えて完成。
Point!
本場では土鍋で調理します。
弱火で煮るだけなので、おそらく炊飯器でも調理できそうです。
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