培根煎蛋│ベーコン卵焼き

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
中餐丙級證照」シリーズより『培根煎蛋│ベーコン卵焼き』のレシピを紹介します。中華料理の資格試験の課題料理ですが、もはや完全な西洋料理ですね(笑)。

中国では特定の時期に卵を立てて遊ぶ「立蛋」という風習が残っています。湖南省あたりでは立春、台湾の一部地域(新竹など)などでは端午に行い、旅行者でもタイミングと運が良ければ公園などで卵を立てる活動を体験できるかもしれません。2012年には台湾新竹の体育館で計4247個の卵を一斉に立て、ギネスブックに登録されました。最近は東南アジアでもこの卵立て遊びが流行しているといいます。

中国の少数民族にも卵立ての風習が残っており、満族では鏡の上(!)に、瑤族ではお椀に入れた米粒の上に卵を立てて子供の健全な成長を祈ります。他にも病気を治したり死者の魂を引き寄せたりのまじないとして多くの民族に卵を立てる風習が残っています。鏡の上に立てるのは相当難しいので心を落ち着けたい人は挑戦してみましょう。

ちなみに非常に滑らかな平面上でも卵が立つという原理を発見したのは日本人「中谷宇吉郎」氏。1947年に発表した著作≪立春の卵≫で卵の表面には0.2㎜の凹凸があり、この凹凸が三点支持を行うことで卵が立つことを知らしめました。

台湾の一部では「夜の12時ちょうどに月と地球の引力が釣り合うので卵が立ちやすい」という迷信を信じている人がいますが、けしてそんなことはありません(笑)。


菜粽│台湾式ピーナッツ粽

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難易度:☆ 調理時間:半日
リクエストにお応えして『菜粽│台湾式ピーナッツ粽』のレシピを紹介します。もち米とピーナッツで作る台湾独特の粽です。

以前台湾の粽の分類について説明した記事があるのでそちらも参照してください→『客家粿粽』。

この料理で使うピーナッツ(落花生)はご存じマメ科の植物。学名を Arachis hypogaea といいます。世界一の生産量を誇るのはやっぱり中国、全世界の生産量の1/3を一国で生産しています。ちなみに日本でも生産していますが、中国の1/1000ほどの生産量に過ぎません。

落花生は受粉後に子房柄が伸びて地中で結実するという珍しいマメで、収穫はもちろん地中から行います。紀元前9世紀頃からペルーで栽培が始まったとされ、中世に入るまで古代南アメリカ地域の重要な栄養源でした。大航海時代に世界中に一気に広がり、日本でも食べられるようになりました。中国経由で伝わったため当初は南京豆と呼ばれていました。

今回紹介する『菜粽』は台湾でも時々食べたことがない人がいるので、その字面から野菜を包んだ粽と考えている人も大勢います(笑)。この記事を読んだ人は勘違いしないようにしましょう。

材料は非常にシンプルで、日本でも簡単に作れます。調理時間の半分以上は材料に水を吸わせる時間ですので、ほとんど手間もかかりません。ぜひ再現してみてください!



豬血糕│豚血餅、豚血糕

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
リクエストにお応えして『豬血糕│豚血餅、豚血糕』のレシピを紹介します。作るのは簡単で材料も日本で手に入ると思いますが、手に入れるためには相当の勇気が必要かと思います。

まず必要なのが「豚の血」。しかも新鮮なものが必要ですので、どうしても屠畜を行っている場所に行って分けてもらう必要があります。感染症の危険もあるので、従業員の指示に従って迷惑にならない範囲で豚の血を分けてもらってください。台湾では屠畜場のすぐ横に工場がある、または屠畜場で製造しています。普通は製品を買ったほうが早いので自作する人はいません。

ちなみに料理名にある「糕」の字は、日本語では「こう」と読みます。穀物の粉と別のものを混ぜて蒸し固めたものの意味で、沖縄銘菓『ちんすこう(金楚糕又は珍楚糕)』の「こう」がこの字です。英語では Blood Cake と呼びます。

台湾では『豬血糕』のほかにも『鴨血糕』や『鵝血糕』など別の動物の血で作ったものがあり、それぞれ食感が少しずつ異なります。

もともとは台湾に移民が行われる以前の福建省の農民らが、少ない栄養源を少しでも有効活用するために考え出された料理だといわれています。その後移民らにより台湾に伝わり伝統食として定着しました。その由来から倹約の美徳を象徴する食べ物とされ、お寺などに備えられることも多い食材です。

夜市では串に刺して揚げたものにピーナッツの粉やコリアンダーをまぶして食べる光景がよく見られます。また鍋料理の具として欠かせません。動物の血を使ってはいますが血なまぐささや鉄の味は全くなく、本当に餅のようにして食べられます。日本での自作には豚の血を手に入れる必要があり、そこさえクリアーすれば非常に簡単に作れます。豚の血は通販でも手に入るそうですが、血液凝固防止剤などが加えられている可能性もあるので、そういうものはレシピ通り作っても固まらないかもしれません。ちなみに動物の血の種類によって固まりやすさが異なるため、別の動物の血では少しずつレシピが異なります。

鍋の具材として抜群のおいしさを誇る『豬血糕』、お土産に持ち帰っていろんな鍋料理に加えてみましょう。(加熱しているので日本に持ち込んでも問題ないとは思いますが、詳しくは税関に確認してください。)

というわけでレシピです!作成したらぜひご報告を!


泡泡冰│台湾アワアワ氷

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
昨日の『雪花氷』に続き、季節外れの氷物『泡泡冰│台湾アワアワ氷』のレシピです。こちらはかき氷機ではなくミキサーで作るきめの細かい氷が特徴です。

台湾各地にはいくつかの『泡泡冰』の有名店があります。とくに有名なのは基隆廟口夜市の『泡泡冰』でしょうか。20数種類の味を選んで食べられるため非常に人気があります。基隆の夜市は三件の別々の氷店がすぐそばで営業しています。正直味にも大差ないためどれを買っても変わりはないのですが、人間心理として少し並んでいるお店のほうがおいしく感じるのも事実。この三店はどれもが泡泡氷の元祖を自称しており過去には結構揉めたことがあったらしいのですが、どのように決着したのかは定かではありません。

今でこそ同じ夜市の中で営業している氷店ですが、もともとは1955年に基隆の別々の場所で開業したお店で、その頃はまだ夜市はありませんでした。たまたま同年に開業した氷店がその後同じ市場で営業することになったため生じた問題ですが、台湾の食品市場はこの手の問題が何と多いことでしょうか。

ちなみにこの手の民事訴訟はニュースになることもしばしばで、訴訟の過程でお互いの嘘が暴かれていき結局和解になったり、弁護士の手腕で不利だったお店が勝訴したりと、面白い判決が出ては世間をにぎわせています。

なんにせよ冷たいかき氷を味わいながら真夏の夜市を見学するのは台湾観光ならではの至福のひと時。自宅で簡単に再現できますので、様々な味を自作してお楽しみください。



雪花冰│台湾かき氷

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難易度:☆ 調理時間:3時間
台湾の夏も終わり台風一過、涼しくなってきたそうですが今回は“敢えて”台湾夏の風物詩『雪花冰│台湾かき氷』のレシピを紹介したいと思います。台湾を訪れた旅行者の方なら一度は食べたことのあるふわふわのかき氷を日本で再現してみましょう。

台湾にかき氷が伝わったのはもちろん日本統治時代、その後ほとんど形を変えずにひっそりと楽しまれていました。普通に小豆を乗せたものやシロップをかけたものが真夏に楽しまれていたのです。

いわゆる『雪花氷』が開発されたのはごく最近、2000年代に入ってからで、永康街発祥の『芒果雪花冰』が大流行、日本でも紹介され台湾といえば「マンゴーかき氷」というイメージが定着しました。

今では氷自体にフルーツを練りこんで削るフルーツ氷が開発され、台湾各地で多くのかき氷店がしのぎを削っています。店によって少しずつ味が違うのはこの氷に練りこむ練乳やフルーツの量によるところが多いです。

原料となる牛乳の小売り価格は実は台湾よりも日本のほうが安いので、日本で作ったほうが安価で再現できてしまいます。電気代やフルーツ代は別ですけど…。

夏は過ぎ、日によっては肌寒いくらいですのでなかなか再現する気にはならないかもしれませんが、作り方を覚えておいて来年の夏にはおいしい雪花氷を楽しみましょう。もちろん冬に食べても全然かまいません(笑)。


皮蛋芝麻拌豆腐│皮蛋ゴマ冷奴

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
『中餐丙級證照』シリーズから、超お手軽料理『皮蛋芝麻拌豆腐│皮蛋ゴマ冷奴』のレシピを紹介します。料理名にある材料がすべて。醤油をかけるだけで完成です。

日本では室町時代くらいから食べられていたとされる「冷奴」、江戸時代に現在のように冷奴と呼ばれるようになりました。この奴(やっこ)とは大名行列の先頭を歩く槍持ちのこと。この槍持ちを「槍持奴(やりもちやっこ)」と呼びます。

この槍持奴、どこの大名に雇われてもよいように「釘抜紋」と呼ばれる独特の紋を使用していました。彼らの半纏には下に示すような四角い紋が描かれており、形の似た食材である豆腐を「奴(やっこ)」と呼ぶようになりました。その後冷たいものを「冷奴」、暖かいものを「煮奴」と呼ぶようになり、冷奴の呼び名が現在にまで残っています。

釘抜紋、そういえば豆腐に見えないことも…。

この槍持ち以下、行列の先頭あたりは下級武士、時に農民や町民が荷物持ち代わりに臨時雇用されることが多く、彼らを見下して奴さん、奴(やつ)などの蔑称が生まれました。また凧揚げの奴凧、折り紙の奴さんなどは彼らの衣服を真似たものです。臨時雇用とはいえ、様々な大名行列に掛け持ちで雇われ、先頭の露払いを命じられていたため、任侠あふれる屈強な男子が雇用されていたようです。平時は大工などで生計を立てていたようです。

また芸者がこの身分の武士の男言葉を真似て流行しました。花柳界などでは今でも○○奴などの花名が名残として残っています。

豆腐にそのまま調味料を添えて食べる方法は日本料理の手法です。台湾に残る日本の心を感じながら食べましょう。



香菇蛋皮炒米粉│シイタケと錦糸卵の焼きビーフン

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中餐丙級證照」シリーズから『香菇蛋皮炒米粉│シイタケと錦糸卵の焼きビーフン』のレシピを紹介します。シンプルに作ってありますがうまいです!

ビーフンといえば台湾!日本でも多くの台湾製ビーフンが出回っていますが、みなさん食べたことありますか?台湾のビーフン製造のメッカといえばやはり新竹、台北から南に1時間半ほど下った地方都市です。

もともと風が強くビーフンの乾燥に適していたことから、日本統治時代に新竹地方の有志らが本籍地である泉州に渡りビーフンの製造方法を習得。台湾に戻り各家庭でビーフンの製造を始め、多くの日本人らに愛されました。現在新竹地方でビーフンの製造を行っているのはこの時代からビーフンを作っている老舗ばかり。100年を超える歴史を持つお店もたくさんあるのです。

昨年のいわゆる「毒澱粉事件」(詳しくはこちら)により、台湾全土で澱粉製品の表記などが見直され、ビーフンも例外にもれず法改正のあおりを受けました。

これにより現在台湾国内では100%米を原料としたもの以外「米粉(ビーフン)」と表記できなくなりました。それ以前のいわゆるビーフンは緑豆澱粉やトウモロコシ澱粉を混ぜて食感を高めていたものが多かったのですが、それらは現在「米粉」と表記できなくなりました。日本に輸出する段階ではある程度米以外の混ぜ物がされていても「ビーフン」の表記が可能です。台湾でも近年の健康志向の高まりや食の安全の問題もあり、米100%のビーフンは需要が高まっています。

筆者も某企業の取材に同行させていただき、新竹にある米100%の正真正銘のビーフンを作る工場にお邪魔させていただいたことがあります。台湾には確か全部で4件(だけ)、米だけを原料にびーーふんを作っている工場があるのですが、筆者が訪れた工場は正真正銘米の粒を原料に米をすりつぶすところからすべて手作業でビーフンを作る唯一無二の工場でした。(ほかの三件は米粉を仕入れて機械でビーフンを作っており、それぞれ無農薬栽培の米を使ったり、米のブランドにこだわったりと特徴があるつくり方をしています。)

米100%で伝統的な手作業で作られるビーフン、筆者もまさに出来立て乾燥前のビーフンを味わったことがあるのですが、口の中いっぱいに米の香りが漂い、まさにご飯を食べているのと同じ感覚を味わえます。この米100%のビーフンは実はどこも日本には輸出していません。

正真正銘の「米粉」は台北でも一部のお店でしか扱っておらず、観光客が探すのは至難の業。しかも筆者が訪れた米から作る工場の商品は新竹でしか買えません。知り合いに台湾のビーフンファンがいらっしゃるなら、こういった台湾でしか手に入らない食材をお土産にしても喜ばれるでしょう。

観光で台湾を訪れる方も、ぜひ本物の「米粉」を探し、普通のビーフンとどこが違うのかを食べ比べてみてください。打ってる場所が知りたい方はこそっとメールで質問してくださいね。


三色煎蛋│三色オムレツ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中餐丙級證照」シリーズから『三色煎蛋│三色オムレツ』のレシピを紹介します。普通はニンジンで赤をあらわすところですが、この料理は枸杞で赤を差します。

昨日午前の飛行機で日本に一時帰国しましたが、いやぁ、大変でした。

台湾から関空に飛んでそこから国内線で故郷に戻る予定でしたが、午前7時の飛行機が離陸延期で10時に、空港に到着したらさらにそこから遅れて午後2時に。結局予約していた午後4時の国内線には間に合わなくなってしまったため、予約を7時過ぎに変更しました。関空に到着してから全力疾走で国内線のターミナルに走り、締め切りの2分前にチェックイン。係員の人に大声で名前を呼ばれてました…(笑)。

いやぁ、久しぶりにため息つきました。

今回の台風も台湾各地に大きな爪あとを残していきましたが、台湾在住の方も、日本から旅行にこられる方も、台湾の台風と大雨にだけはお気をつけください。

というわけで、今回のレシピは補陰の効果を持つ枸杞を使って疲労回復にも効果のある簡単料理。見た目も美しく、非常に簡単に作れますのでぜひお試しください。


乾煸四季豆│四川風サヤインゲンのピリ辛炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
ここのところ四川料理が続いています。そうです、筆者がまたもやおいしい四川料理の店を見つけてしまったからです(笑)。この『乾煸四季豆│サヤインゲンのピリ辛炒め』はサヤインゲンをトウガラシや花椒などの香辛料で炒めたもの。香ばしい香りと脳髄を刺激する辛味が特徴です。ビールを用意して食べましょう。

以前紹介した同名料理はこちら(ただし漢字が異なります)。

色々と応用範囲の広い四川省の家庭料理で豚ひき肉を薄切り肉に変え、ホイコーロー風に作る『四季豆回鍋肉』や、豚肉を入れずに香辛料だけ作る『香辣四季豆』、ニンニクを大量に使った『蒜蓉四季豆』などに簡単に派生させられます。少量の醤油を加えてもよいでしょう。

生のサヤインゲンには少量ですが人体に有害な成分(サポニン類とヘマグルチニン)を含んでいます。100度以上で芯まで加熱するか、80度以上で長時間過熱するなど、完全に火を通してから食べましょう。生で食べると吐き気や頭痛を引き起こすことがあります。

ちなみに北京などの北方中国語ではサヤインゲンを「豆角」といい、南方の中国語では「四季豆」と呼びます。南方での呼び名はその名の通り一年を通していつでも食べられるからで、台湾でも四季豆と呼びます。地域ごとに違う食材の名前を覚えるのが中華料理を勉強する楽しみの一つですね。知っておくと料理好きな人との話題に事欠きません。

というわけで四川風のサヤインゲン料理、ぜひ日本でも再現してみてください。香辛料は甘口男を通じて格安で手に入りますよ!



蔥香牛肉│ネギ牛

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は『蔥香牛肉│ネギ牛』という四川料理を紹介します。大量の細ネギと牛の唐揚げを合わせた料理で非常に鮮やかな色合いとすばらしい芳香が特徴の料理です。

四川料理は辛さを特徴の一つとする料理体系ですが、ネギに関していえば辛味はそれほど重要視されません。四川ではネギは香りが命と考えられており、香りの高いものは価格が2-3倍も違うことがあるそうです。ちなみに西洋料理で使われるネギの仲間の香味野菜 Chives│チャイブ は実は中国から伝わったものです。

この『蔥香牛肉』は遠くから見てもネギの緑が鮮やかで一目で分かります。春の香りに包まれた牛肉には多めのクミンで味付けされており、ネギとクミンの香りのコラボレーションも楽しめます。一口食べるだけで多くの人を虜にする魅力を持った料理です。



風乾雞│風乾鶏

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難易度: 調理時間:数日
本日のレシピは四川省の絶品料理『風乾雞│風乾鶏』。非常に長い時間をかけて作る料理です。調理はそれほど難しくありませんが、浸け置き、乾燥できちんと作ると10日前後掛かります。根気よく作りましょう。

さて中国には「九大残忍料理」と呼ばれるものがあり、この『風乾雞』はその一つ。残りは『醉蝦』、『
龍鬚鳳爪』、『活叫驢』、『烤鴨掌』、『鐵板甲魚』、『澆驢肉』、『三吱兒』、『猴頭』です。有名な『蝦』や、超高級料理『猴頭』も入っています。

『風乾雞』のオリジナルのレシピは鶏肉丸ごと一匹の首を紐で縛って吊るし、そのまま乾かすので大量に干している光景は圧巻です。当レシピでは部位ごとに切り離して乾かします。まぁ、それほど残忍なイメージはありませんが、動物愛護の観点からは一考の余地があるのでしょう。

味はHigeneが保証します。美味いです。

手間はかかりますがぜひ一度自作にチャレンジしてみてください。


蘿蔔連鍋湯│大根と豚外腿肉のスープ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は四川省の家庭料理『蘿蔔連鍋湯│大根と豚外腿肉のスープ』のレシピを紹介します。シンプルに、シンプルに作る四川省の家庭料理です。

四川省で農業を営む人らに受け継がれてきた料理で、忙しい農耕作業の合間にスープと野菜を手軽に食べられる調理法として開発されました。野菜とスープを一緒にという意味で「連鍋湯」の名が漬けられています。最も有名なものがこの『蘿蔔連鍋湯』ですが、他にも『冬瓜連鍋湯』、『鰹魚連鍋湯』など様々なバリエーションがあります。

もともと農民らの家庭料理でしたが、現在は多くの四川料理の高級レストランやホテルの厨房で作られてもいます。家庭で作られるものはもっぱらこのレシピ通りの『蘿蔔連鍋湯』ですが、レストランではびっくりするような値段の高級『○○連鍋湯』がメニューに載っていることもあります。

四川省では日本でいうおでんのような扱いの料理ですので、特に冬場に体を温めるために食べられます。また薄切りにした豚肉をしゃぶしゃぶのようにして食べたりもします。

台湾はまだまだ残暑が厳しいですが、日本では地域によってもうそろそろ肌寒くなってきたのではないでしょうか?秋風を感じたら、中国の地方家庭料理で体を温めてみましょう。



廣式香腸│広東式ソーセージ

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難易度: 調理時間:数日
さて、いよいよ家庭で作れるかどうかは怪しいですが『廣式香腸│広東式ソーセージ』のレシピを紹介します。ソーセージを自宅で?と思われる方がほとんどかもしれませんが、実は思っているより簡単に作れます。作らない方も知識として作り方を知っておきましょう…(笑)。もちろん専用の機械をお持ちの方は簡単に作製が可能です。

レシピを見て分かるとおり、材料はとてもシンプルです。問題は製作に必要な時間です。半月ほど掛かりますので、根気が必要です。手作業でも作れますが、腸詰専用の機械を持っている肉屋さんなどが知り合いにいれば、下ごしらえしたものを持ち込んで作ってもらうのもいいでしょ。

現在中国・台湾で出回っている廉価なソーセージは本物の動物の腸ではなく、人工的に合成した多糖類の膜を使って作られています。また相当な量の保存料や着色料が含まれているため、健康に対する懸念が常に付きまといます。自作すればこれらの問題は全て解決できますが、長い時間が必要ですので、家族の協力や自身の根気を再確認してから作製を始めてください。

ソーセージには煙燻、風乾、熟、鮮の区別があり、それぞれ燻製にしたもの、乾かしたもの、一度火を通してから作ったもの、生のままのものがあり、今回紹介する『廣式香腸』、すなわち広東風のものは風乾の製法で作ります。

台湾のスーパーでは多くの種類の『香腸』が食べられ、中国各地のほとんどの種類の香腸が一箇所で食べられるのが魅力です。ホテルで調理して食べるのは難しいかもしれませんが、台湾人のお宅にお邪魔する時や、レストランで注文してみるのもいいでしょう。日本で食べ慣れた西洋風のソーセージとは味も風味もまったく異なるので好みが分かれるかもしれませんが、慣れると味が濃いので中華風の方がクセになります。未経験の方はぜひお試しを。

それでは、レシピいって見ましょう!


黑輪│台湾風おでん

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難易度:☆ 調理時間:2時間
日本がもたらして台湾に根付いた『黑輪│台湾風おでん』のレシピを紹介します。普通のおでんです。

おでんが台湾に伝わったのはもちろん日本統治時代。台湾だけでなく韓国や中国大陸北部など、様々な場所で気軽に食べられる軽食として広く分布しています。中国語でおでんは『關東煮』と呼ぶのが一般的で、これは日本の関西人が関東のおでんをさして言う言葉が定着したものだそうです。台湾では『黑輪』、『關東煮』の二種類の表記を使います。

台湾の屋台などでは『黑輪』の表記が多く、コンビニなどでは『關東煮』の表記を使っています。どちらも同じものです。『黑輪』は台湾語で「Oo Len(オーレン)」と発音し、これはにほんの「おでん」の発音が訛ったものです。当て字ですがたぶん竹輪の表記もかけられています。こういうのは台湾語での外来語表記の面白いところです。

台湾でもお店により具も作り方も様々ですが、すでに日本のおでんとは煮ても似つかないものとなってしまいました。韓国や中国のおでんもかなりアレンジされてほぼ原型をとどめていないので、どうも和食が海外に伝わった場合の現地化は他の国の料理より早いようです。

さて、最近台湾では再び日本ブームが到来しつつあるようです。今回はマンガや音楽などのサブカルや温泉やスキーなどの旅行商品ではなく、伝統的な工芸品や衣類、和菓子などにスポットが当てられているようです。日本の中小企業の皆さん!円高とはいえ台湾進出のチャンスかもしれませんよ!

ブログ開設当初からHigeneもいくつかの企業から台湾進出についてのアドバイスを求められたりしていますが、そのうちいくつかはいよいよ具体的に話が進んでまいりました。Higene も肩書きがいくつか増えそうです(笑)。

というわけで本日は日本のおでんを台湾風にアレンジした『黑輪』(オーレン)です。お楽しみください。


皮蛋鴨卷│ピータンの鴨皮巻き

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難易度: 調理時間:3時間+下準備
本日は四川省の絶品料理『皮蛋鴨卷│ピータンの鴨皮巻き』のレシピを紹介します。ピータンを調味料に浸した鴨の皮に包むだけ、しかしそのシンプルな見た目からは想像もつかないほどの手間と深い深い味わいのある絶品料理です。

難しい調理行程はなく時間だけがかかります。鶏の皮でも作れますので日本でも手間さえかければ再現が可能です。

台湾でもホテルなどに入っている四川料理のレストランで食べられます。機会があればぜひ食べてみていただきたい一品です。

さて、台湾人の間でまことしやかにささやかれている迷信の一つに「鴨肉には毒がある」というものがあります。特に中医学をかじったり、中医の診療所を受診したりした人たちに広く言われています。実際には鴨肉には毒素など一つもありませんが、今回はこの謎を追ってみましょう。

最も古く鴨肉に毒があると記載した中国の書物は宋代に書かれた《大觀本草》というものですが、この書物の以降数百年にわたり他に鴨肉に毒があると記載した書物はありません。ずっと時代は下って明代に書かれた《本草綱目》には「鴨肉:甘、冷、微毒」と記載されています。が、同時代に書かれたその他の本草書にはまったく「有毒」の記載がありません。ないどころか補益の食物として推奨されています。

この時代は毒といっても、少量を食べただけで昏倒するような強力なものは数えるほどしか知られておらず、鴨肉の毒とはいえ毎日食べれば健康を害するほどの意味だとは思いますが、それにしても有毒と記載された書物が少なすぎます。

いったい何を根拠に台湾人は「鴨肉は有毒」と信じているのでしょうか?

まず、中医学…どちらかといえば薬膳の観点から見れば、古代中国で多くの人が農耕にいそしみ、現代ほど生活が豊かでない時代、彼ら古代中国人は今に比べてはるかに虚弱でした。鴨の性味は甘、冷なので、体が虚弱な人が食べると体の働きを更に弱めてしまいます。宋代は中国医学でも特に温補学と呼ばれる学説が唱えられていた時期で、こうした背景も関係しているのではないかと考えられます。


《本草綱目》の注脚にも、「發冷利、腳氣不可食(寒性の下痢、及び脚気の患者は食べてはいけない)」と書かれており、鴨肉の微毒の由来がその冷性にあることが分かります。鴨肉の脂肪分が鶏肉などの家禽と比べて分解しにくい(またはし易い?)のが原因の一つなのかもしれませんね。

台湾は中国の他の地域と比べても湿気が多く、蒸し暑い気候です。また現在の社会制度上、多くの人々が社会ストレスにさらされ、体の中に熱を貯めては寝苦しい夜を過ごしています。そういう人には鴨肉はベストチョイスです。(ただし酒やショウガと一緒に調理する『薑母鴨』は体を温める作用が強いので注意!)

体質に合っているからこそ、食べ過ぎに注意を喚起するために「鴨肉には毒がある」と単純なフレーズで注意を喚起するのも、あながち間違いとは言い切れません。まぁ、妄信による弊害の方が大きいとは思いますが、そのうち改善してくれることを祈って…。

それではレシピいって見ましょう!



鱔魚意麵│台南風タウナギ焼きそば

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難易度: 調理時間:一時間以内
本日は『鱔魚意麵│台湾風タウナギ焼きそば』という台南の名物料理のレシピを紹介します。日本ではほとんど食べられませんが、台湾では良く使われる魚を使った絶品料理です。

台湾旅行時に街中の看板を注意してみているとときどき「鱔魚意麵」の文字を見つけられるかと緒思います。今回紹介する台南の名物料理『鱔魚意麵』を文字通りメインメニューに据えたお店で、台北市内のいたるところにお店があるので食べたことのある旅行者の方も多いかもしれません。この料理のおいしいお店を知っているという人は台湾グルメの中級者を名乗ってもよいでしょう(笑)。

タウナギは日本や中国、東南アジアなどに生息する淡水魚で、ウナギに似た魚。魚類なのに珍しく口呼吸も出来ます。日本ではあぜに巣を作り米作りに影響を与えるので農家に毛嫌いされていますが、台湾では食用魚として珍重されています。独特の風味があり美味です。

この『鱔魚意麵』は台湾の鱔魚料理を代表する料理です。ウナギやアナゴで代用すれば日本でも作れますので、ぜひ再現してみましょう。


芋頭鹹飯│タロイモ炊き込みご飯

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難易度:☆ 調理時間:一時間以内
台湾伝統の炊き込みご飯の一種『芋頭鹹飯│タロイモ炊き込みご飯』のレシピを紹介します。タロイモの甘味と中華スープの塩味が絶妙にマッチした中華風炊き込みご飯です。

もともとこの『芋頭鹹飯』は福建省の漢族らに食べられていた軽食で、清朝時代の移民らによって台湾にもたらされました。台湾は金門に程近い廈門や漳州では台湾に渡る以前の古いレシピで作った『芋頭鹹飯』が今でも食べられます。

タロイモは日本ではあまりなじみがありませんが、台湾では食材にデザートに非常に幅広く調理されて食べられる野菜で、漢字で「芋」 の字を見かけたらこのタロイモを指していると思って間違いありません。

タロイモの学名は Colocasia esculenta (L.) Schott といい、日本でおなじみのサトイモはこのタロイモの一品種、つまりもともと同じ植物です。もともと赤道地域が原産のタロイモですが、多くの品種のうち最も北方で栽培されるのがサトイモというわけです。ピーマンとトウガラシの違いくらいのものです。原産地はマレー半島といわれており、非常に栽培が容易であるため、発見とほぼ同時期から食用に使われるようになりました。古代の台湾原住民がフィリピン→マレーシアと移住先を求めて南下する過程でタロイモを発見、食用に使うようになり、そのまま南洋諸島やハワイに拡散していきました。東南アジアから日本、はたまた世界各地に分布する過程で各地の伝統料理に取り込まれて様々なレシピが存在します。台湾のタロイモ料理は大体サトイモで代用できますので、ぜひ日本でもお楽しみ下さい。


蝦皮薑絲絲瓜湯│オキアミと糸ショウガとヘチマのスープ

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難易度: 調理時間:30分以内
本日は「中餐丙級證照」シリーズから『蝦皮薑絲絲瓜湯│オキアミと糸ショウガとヘチマのスープ』のレシピを紹介します。現代の日本ではなかなか使わない食材で作るので、なかなか新鮮な体験が出来る料理です。中国語の名前も中間に「糸」が四つ並んでいて不思議な感じです(笑)。

この料理で使われる「蝦皮」とはエビの殻ではなくオキアミをゆでた後に干したもの。日本では一昔前までは普通に食べられていましたが、現在はほとんど見かけません。釣具屋さんで餌として売られているものを買った方が簡単です。釣具店で食材を買うのは勇気が居るかもしれませんが、普通の食品と同じように加工されているので食べられます。まずはこれを手に入れましょう。

以前も書きましたが、オキアミはエビとはかなり遠縁の動物です。台湾では有名な料理ブログや食材を紹介している専門書などでも「オキアミはエビの子供」と紹介されているので、多くの人が蝦皮│オキアミは「エビの子供」と信じています。食材の紹介をする書籍などにも堂々とj間違いが書かれているので「実はエビとは違うんだよね…」と教えてもなかなか信じてもらえないことも多いです(笑)。

通販などで干しオキアミを買って使うのもいいでしょう。

続いてヘチマです。台湾では普通に食材として使います。某小籠包の有名店では、小籠包の具としても使われます。特にスープの具として使われることが多く、台湾では多くの家庭料理に具として加えられます。スープに加えると清涼感のある甘みとフワフワした食感を楽しめます。自家栽培するか、手に入らない場合はゴーヤなどで代用しましょう。ヘチマの栽培は非常に簡単で、化粧水やたわしも作れるのでおすすめです。童心に帰って栽培を楽しんでみましょう。

日本ではなかなか食べないオキアミとヘチマがメインのスープ料理、材料入手に手をかければ日本でも作れます。ぜひ一度、再現に挑戦してみましょう。


客家粿粽│客家風粽

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難易度: 調理時間:1時間以内
本日は『客家粿粽│客家風粽』のレシピです。端午の節句を祝う地域では何処でも食べられるちまき、今回は客家のレシピで作ってみましょう。 普通に作ると端午の節句用のちまきになりますが、中の餡・具を変える事で様々なアレンジ料理が作れます。お弁当にも最適です。

さて、台湾には多くの種類のちまきがあり、それぞれ特徴が違います。簡単に見てみましょう。

○北部粽
 台北で食べられる粽は全てこちら。三角錐型でタケの葉で包んで作ります。深坑の蒸粽が有名です。米の粒が残ります。

○南部粽
 北部粽よりも小型で脂っこく、濃い味付けが特徴。茹でて火を通します。竹の葉以外の葉で包んで風味を付けることもあります。米の粒が残ります。

○菜粽
 落花生と米を混ぜ合わせて作る特殊な粽。主に南部地方で食べられます。普通はソースをかけて食べます。

○鹼水粽、又は甜粽
 デザートとして食べられる小さな甘い粽で、うっすらと黄色い色が付いています。シロップなどに浸けたり、砂糖をまぶして食べます。中には小豆餡などを包みます。

○客家粽
 米粽:蒸したもち米に干しエビなどを加えて作る客家風の粽です。米の粒が残ります。

 粄棕又は粿粽:今回のレシピで紹介するのがこちら。もち米を粉にして水に溶いてから作る粽です。他の粽と比べて独特の食感があります。

○原住民粽
 漢人が台湾に粽をもたらす以前に食べられていた台湾土着の粽です。一部の原住民に伝わる伝統的な食品です。タロイモの粉、粟、稗、もち米を使って作るのが特徴です。

以上のようになります。

台湾の粽の多様性は、広い中華料理界においても非常に珍しいと思います。古代から近現代まで様々な時代の様々な民族のちまきが、台湾で共存しているのは驚くべきことですね。筆者は原住民粽だけ食べたことがありません。いつか食べる機会があればぜひ報告したいと思います。

それでは、本日は客家風の『客家粿粽』です。非常にアレンジの幅の広い料理ですので、まずは一度レシピ通り作ってみましょう。



蚵仔煎│台湾風牡蠣オムレツ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾夜市で根強い人気の定番軽食『蚵仔煎│台湾風牡蠣オムレツ』のレシピを紹介します。これを食べずして台湾に行ってきたとはいえないほどの定番中の定番。日本でも再現可能です。簡易の『海山醤』の作り方も紹介します。

台湾を代表する軽食である『蚵仔煎』の歴史は明末まで遡ることが出来ます。明末の台湾といえば…歴史ファンの方にはおなじみ「鄭成功」。清朝に滅ぼされた明の王族と共に台湾に渡り、当時台湾を支配していたオランダ人を駆逐して漢人による支配体制を敷いた偉人です。台南にある名門国立成功大学にも名前が残っています。

その彼の父「鄭芝龍」は若かりしころは江戸時代初期の日本を拠点に活躍した商人でありました。(ちなみに鄭成功の母は平戸のマツという日本人。)日本が鎖国してからは台湾南部を拠点にオランダなどと貿易、時に海賊行為などを行い富を集めます。当時福建省いったいで最も権力を持っていた商人であったといわれています。当時の台湾海峡は倭寇が跋扈していた混乱の時代ですが、この倭寇を裏で操っていたともされています。商人であると共に巨大な軍事力も持っていたのです。また鄭芝龍は福建省から食糧不足にあえぐ大量の漢人を台湾に移民をさせました。現在の台湾住民のほとんどが漢人であるのは彼の功績によるところが大きいのです。

さて時は明末、清朝による明王朝打倒の機運が高まると鄭芝龍は明の亡命王朝に福建一帯の軍責を任されます。しかし意見の違いにより鄭芝龍は明軍を離脱して清朝に降伏、子の鄭成功は明王朝を支持、親子で袂を分かちます。

長くなるのでこの後の歴史はまた別の機会に語るとして…。

明対清の戦争の一環で、当時の台湾海峡は海上封鎖されていました。このため福建省からの米が台湾に輸送できず、台湾の米は東インド会社に独占されて市場に出回らない…。鄭芝龍や鄭成功らの軍隊は追い詰められた台湾で飢え、苦肉の策として編み出されたのがサツマイモなどの澱粉を水で溶き、加熱して膨らませて飢えをしのぐ方法でした。これがすなわち現在の『蚵仔煎』の原型です。明と清のいざこざのおかげで、清朝初期には台湾への移民は禁止されていました(それでも密航者は後を絶たなかったようですが)が、中期には解禁され多くの漢人が海峡を往復しました。そのときに「サツマイモ澱粉を水で溶いて焼く」手法が台湾から福建や広東にもたらされます。いまでは福建省や香港など各地で独自の発展をとげ、名物として多くの住民に愛されています。福建料理の流れを汲むシンガポールやマレーシアの中華街でも食べられます。

というわけで台湾史とも関連の深い『蚵仔煎』なのでした。料理を通じて台湾の歴史を知る、なかなか面白い試みかもしれません(笑)。

米が足りなかった時期に飢えをしのぐために編み出された苦肉の策が、今では国を代表するほど有名な料理となりました。未経験の方はぜひ一度台湾で本物を味わって見ましょう。一枚40-50元ほどです。

最後に…、日本のマンガ《きん肉マン》の作者ゆでたまごはご存知でしょうか?かれらの(現在の)中国語名も蚵仔煎と言います。台湾のゲーム掲示板の討論がきっかけとか…。何がどうなってゆでたまごが蚵仔煎になったのか興味は尽きませんが…ひとまずレシピ行って見ましょう。


清甜蓮子│蓮の実の砂糖煮

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難易度:☆ 調理時間:2時間
福建省から台湾にかけて食べられる『清甜蓮子│蓮の実の砂糖煮』のレシピを紹介します。蓮の実を砂糖で煮込んだだけの簡単料理ですが、そのままお菓子として食べられるほか、様々な料理に添えて提供されます。

福建料理は大きく分けて「福建料理(閩北料理)」、「閩南料理」、「閩西料理」に大別されます。このうち閩南料理が台湾料理の骨となるもので、多くの台湾料理の元になった料理や、共通する料理がたくさんあります。今回紹介する『清甜蓮子』は閩南(と広東)と台湾に共通して食べられる料理です。

いわゆる台湾料理の系譜をざっとまとめると以下の図のようになります。

福建料理
 ┣閩南料理 ━┓
 ┗閩西料理 ━┫
広東料理   ┣ 台湾料理
 ┗潮州料理 ━┫
日本料理 ━┫
その他 ━┛

閩西料理と潮州料理はいわゆる客家料理です。近代に入って台湾で生まれた台湾料理も多いので一概には言えませんが上の図を覚えておくと台湾料理をより楽しめると思います。

今回紹介する『清甜蓮子』は上記閩南料理の系統を受け継ぎます。そのままおやつとして食べたり、『割包』などにハムと一緒に挟んだり、宴席料理に添えられたり、ジュースに入れられたりと様々な場所で活用されます。閩南料理には他にも松の実やハトムギを使った『清甜○○』シリーズがたくさんあり、どれも独特の風味が特徴です。

材料は蓮の実と砂糖だけ!慣れたらいろんな材料でオリジナルの『清甜○○』を作ってみましょう。



芝麻球│ゴマ揚げ団子

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
夜市の軽食でおなじみ『芝麻球│ゴマボール』のレシピを紹介します。サックリふわふわの生地に好みの餡を閉じ込めたスナックです。中国では『芝麻棗』または『笑口棗』とも呼ばれます。

台湾の『芝麻球』はピンポン玉大のものが主流ですが、その他中華圏では野球のボールほどの大きさのものが主流です。米粉で作ったもっちりした生地の表面にゴマをまぶし、油で揚げて作ります。

ゴマ(胡麻)は名前から分かるとおり中国の西方(胡)からもたらされたものです。学名を Sesamum indicum L. といい、原産地はアフリカとされます。ナイル川流域では紀元前5000年以上前から栽培されていたそうです。古代から現代までその薬用効果が広く知られており、古代エジプトの象形文字で書かれた医学書にも健康に対する効果が書かれているほどです。大規模栽培が始まったのは紀元前3000年前のインドといわれており、中国にはインドから伝わったとされています。

現在の日本で使われる胡麻はほぼ全て(99.9%)が輸入したものですが、鹿児島の一部でひっそりと栽培が行われています。しかし日本での胡麻の利用の歴史は古く、縄文時代にはすでに胡麻の栽培と搾油、食用としての利用が行われていたようです。米よりも以前に日本に伝わってきた外来の植物の一つです。

世界最大の生産国はなんとミャンマー、続いて古代からの生産国インド、第三位に中国となっており、以下はずらりとアフリカの国々が並びます。日本のゴマはほとんどが中国産です。

中医学でも時々使われる薬物で性味は甘、平で、補益肝腎、養血益精、潤腸通便の効能があります。現代研究によると降血糖作用、副腎活性作用、抗炎作用、便秘改善作用、心血管保護作用などが報告されています。ゴマアレルギーでない人はどんどん食べて健康になりましょう!


蘿蔔糕│大根餅

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
今日は中秋節です。台湾では火鍋を食べたりBBQを楽しんだりします。団子の代わりではないですが『蘿蔔糕│大根モチ』のレシピを紹介しましょう。今回は最後の仕上げを炊飯器で行います。

以前の『蘿蔔糕│大根餅』のレシピはこちら。もともとは年越しの料理です。

この時期に月を愛でる習慣は中国では周代以前、日本では縄文時代からあったとされます。戦国時代に書かれたとされる《禮記》の月令には“仲秋之月、日在角、昏牽牛中、旦觜觿中。其日庚辛、其帝少皞、其神蓐收。其蟲毛。其音商、律中南呂。其數九。其味辛、其臭腥。其祀門、祭先肝。盲風至、鴻雁來、玄鳥歸、群鳥養羞。天子居總章大廟、乘戎路、駕白駱、載白旗,衣白衣、服白玉、食麻與犬、其器廉以深。是月也、養衰老、授几杖、行糜粥飲食。乃命司服、具飭衣裳、文繡有恒、制有小大、度有長短。衣服有量、必循其故、冠帶有常。乃命有司、申嚴百刑、斬殺必當、毋或枉橈。枉橈不當、反受其殃。”などと書かれています。中秋(仲秋)に月を拝むこと、冬の準備をはじめること、お粥を食べて祝うことなどが書かれています。また古代の中秋節は違法を摘発し刑罰を与える日でもあったようです。

民俗学者によると、もともとは中秋は秋の収穫と同時にその土地の神様を祭る日であったと考えられています。最初期は特に日付は固定されていませんでしたが、これが旧暦の八月十五日に決まったのはずっと時代が下って隋朝末。唐軍の将軍裴寂が大勝を祝って部下に月餅を与え、同時に兵糧としたのが始まりといわれています。これが唐代には臣下に褒賞を与える日となり、さらに変化して王侯貴族が民衆に食料を与える風習になりました。そして嫦娥伝説などとまざりあって明代に現在の中秋節の形が完成します。清代の中秋節のお祝いは盛大を極め、裕福な家庭では一家総出で月の出から月の入りまで贅沢な遊びの限りを尽くしたそうです。

日本以外にもベトナム、タイ、マレーシア、韓国などにも中秋の月を愛でる風習が残っており、各地の月にまつわる伝説と合わさって重要な祭日となっています。各地で食べる料理や風習はそれぞれ違いますが、この時期の美しい月を愛する気持ちは変わらないようです。

というわけで、中秋節とは何の関係もない『蘿蔔糕』ですが、炊飯器で炊き上げたばかりの形を月に見立ててお楽しみください。ちなみに台北は薄曇で、月が見えるかは微妙です…(笑)。

培根蛋炒飯│ベーコンチャーハン

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
「中餐丙級證照」シリーズから『培根蛋炒飯│ベーコンチャーハン』のレシピを紹介します。様々な小技で、シンプルながらとてもおいしいチャーハンを作ります。必見のレシピです!

中国の記録に初めて炒飯(らしきもの)が登場するのは隋の時代、越の国王楊素という人が好んだ『碎金飯』とされます。現在で言う『卵炒飯』です。その後1000年を経た宋の時代、米食が中国全土で定着し従来の薪よりも強い火力で過熱できる石炭による調理が可能になると、炒める、揚げるなど中華料理を代表する様々な調理法と中華なべなどの様々な調理器具が登場します。我々の知る炒飯はほぼこの時代に形が完成し、各地で様々な形式の炒飯が生まれることになるのです。

特に江蘇省揚州に伝わる『揚州炒飯』はキングオブ炒飯として中国全土で非常に有名です。そのうち紹介したいと思います。この『揚州炒飯』に次いで有名なのが福建省の『福建炒飯』。これは移民らによって海外に広められ、台湾を始めマレーシアやインドネシア、シンガポールで食べられる炒飯の元になりました。『福建炒飯』はシルクロードを伝ってトルコ以西のヨーロッパにも伝えられ、『ピラフ』や『パエリア』になります。『福建炒飯』の流れを汲む炒飯は米をスープなどで炊いて作るのが特徴です。

日本には遣唐使によって伝わっていたとされます。隋の時代にはすでに愛好者がいたほど非常に古い歴史を持つ炒飯。歴史を噛み締めながらいただきましょう。


枸杞拌炒高麗菜│キャベツと枸杞炒め

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
「中餐丙級證照」シリーズより、『枸杞拌炒高麗菜│キャベツと枸杞炒め』のレシピを紹介します。非常に簡単、炒めるだけの薬膳料理の一種です。

この料理で使う枸杞は、よく使う有名な生薬の一つ。中医学では枸杞子とも言います。ナス科クコ Lycium chinense Mill. の果実を乾燥させたもので、普通の中華料理や薬膳料理にも用いられます。葉を枸杞葉、根皮を地骨皮といいどちらも薬用にします。全体が薬になるとても有用な植物です。古代は本当に植物全部を薬用にしていたようで、《本草綱目》には“春采枸杞葉、名天精草。夏采花、名長生草。秋采子、名枸杞子。冬采根、名地骨皮。”と書かれています。花も薬用にしていたのですね。

効能効果は滋腎補肝、明目、潤肺で特に陰気を補う力に非常に優れています。簡単に言うと壊れたブレーキを修理してくれる作用と考えればいいでしょうか?尿漏れや肝気の亢進による目の充血、視力の低下などに良く効きます。他にも若白髪、不眠、皮膚の乾燥、体力低下など陰気不足により引き起こされる様々な疾患に使われる有名な生薬です。脂肪肝の改善作用やがん細胞の成長を抑制する作用もあります。

近代では男性の不妊症や慢性胃炎などにも使われるようになってきており、応用の幅は広がっています。また月経促進と子宮収縮作用があるので、妊婦さんには大量に食べさせてはいけません。

この『枸杞拌炒高麗菜』はキャベツとクコの甘味がほど良い酸味と合わさり食欲をそそるお手軽薬膳料理です。枸杞子が手に入りましたらぜひお試し下さい。


臘八粥│八宝粥

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難易度: 調理時間:1時間以内
仏教と縁の深い中華料理『臘八粥│八宝粥』のレシピを紹介します。様々な穀類を混ぜて作った栄養たっぷりのお粥です。

『臘八粥』は別名を『佛粥』ともいい、材料の数に合わせて『八寶粥』、『七寶粥』、『五味粥』などとも呼ばれます。中国の言い伝えによるとインドから伝わったといわれています。

中国では農暦十二月八日を「臘八節」と呼び、伝統的に先祖の霊を祭る重要な日となっています。この日は(仏教の宗派にも寄りますが)釈迦が悟りを開いた日ともされ、中国各地の寺院でも盛大なお祭りが行われます。仏典によると釈迦が悟りを開いたその時、四大天王が天から降りてきて、金、銀、琉璃、瑪瑙の鉢に『八宝飯』を盛り付けて捧げたそうです。釈迦はそれを受け取り、全てを混ぜ合わせて食べたとされます。これを記念して一部の仏閣ではこの日に粥を作って仏の供養をし、あわせて信者に振舞うことにしました。これが同日の先祖崇拝の祭りと混ざり合いの現在の「臘八節」に繋がります。

唐や宋の時代にこの風俗は非常に流行し、この日には街中いたるところで『臘八粥』を信徒に振舞う僧尼の姿を見ることができたと言います。清の時代には家庭で作られるようになり、先祖を同じくする一族や親しい友人らに粥を分け与えるようになりました。宮廷でも「臘八節」は盛大に祝われ、皇帝、皇后が臣下や支配地域の寺院に米を施す習慣がありました。

人が食べるだけでなく、犬や鶏などの飼育動物の餌に少量の粥を混ぜたり、果樹の幹に粥を塗ったりして「六畜興旺」と「果實豐收」の願いをかけたのです。広大な中華圏全土でこの風習は見られ、長い歴史を持ち、数々の文献でも取り扱われていることから、各時代、各地域のレシピを比較、分析するという試みも行われています。このような研究により、小豆や菱の実などの植物がどのように栽培地域を広げて食用にされることになったのかを、大まかに知ることができるのです。貴族と民衆の食べるものの違いなども知ることが出来、なかなか面白そうな研究です。

もともとは仏教食であったため使うのは穀物のみでしたが、宮廷などで食べられていたものは羊肉やバターなど動物性の材料も使われています。皆様も様々な材料で工夫を凝らした『臘八粥』を作ってみてください。今回紹介するレシピは台湾風のものとなっています。


蘿蔔乾煎蛋│切り干し大根オムレツ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中餐丙級證照」シリーズから、『蘿蔔乾煎蛋│切り干し大根オムレツ』のレシピを紹介します。台湾料理のレストランなら大体何処でも食べられる定番中の定番の台湾料理です。

この料理で使う「蘿蔔乾」とは、いわゆる中華風の切り干し大根のこと。大根の漬物は日本から東南アジア一帯に広く分布し、各国で微妙に作り方が異なります。

実は台湾にはいわゆる「蘿蔔乾」は二種類あります。

ひとつはもちろん福建省や広東省に広く分布する「鹹菜脯(菜脯)」。この料理で使う大根の漬物ことです。砂糖やごま油、トウガラシなどを一緒に漬けて風味を増しています。中華料理で食べられる大根の漬物は主にこちらを指します。

そしてもうひとつは、純和風の「タクアン」です。日本統治時代に台湾に伝わり、今では様々な台湾料理に付け合せとして欠かせないものになっています。『滷肉飯』や『雞肉飯』に添えられるのはもっぱらこちらです。日本から直接伝わったもののため、台湾のお年寄りはそのまま日本語で「タクアン」と発音することもあります。スーパーでも普通に売られており、普通の家庭で食べられるのはこちらの方が多いかもしれません。

日本で作るなら切り干し大根を水で戻して再現するのが一番です。卵だけのオムレツに大根おろしを添えたようなさっぱりとした風味が楽しめます。


筒仔米糕│台湾風竹筒ちまき飯

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難易度: 調理時間:1時間以内+下準備
台湾の伝統料理『筒仔米糕│竹筒米』のレシピを紹介します。竹筒に具ともち米をつめて蒸して作る料理で、祭祀などにも用いられます。

今でこそ台湾料理として有名な筒仔米糕│竹筒米』はかなり古い歴史を持つ料理で、書物に始めて登場するのは北宋の時代、蘇軾によって書かれた《仇池筆記》という書物に『盤游飯』という名前で登場します。 

盤游飯谷董羹
江南人好作盤游飯、鮮脯鲙炙無不有、埋在飯中、里諺曰「掘得窖子」。羅浮穎老取凡飲食雜烹之、名谷董羹。詩人陸道士出一聯云「投醪谷董羹鍋内、掘窖盤游飯碗中。」

長江より南の地域で多く食べられていた料理が由来になっているようです。研究によると中国では竹筒を使って米を蒸した料理は早期農耕時代から作られていたようです。狩りや農作業のお弁当として使われていたのでしょうか?

台湾に伝わってからはもっぱら軽食として食べられるようになり、現在では簡単のため竹筒ではなくステンレスの器で作られることが多くなりました。竹筒で作るととてもいい香りがするので、再現時は竹筒で作るのをお勧めします。また『肉粽』などと同じく台湾の南北で作り方の違う料理です。(レシピは蒸して火を通すので北部の製法です。)

日本では気にする必要はありませんが、台湾で祭祀に供える場合は出来上がりの具の上下(卵黄が上、間に具、もち米が下)を気にします。レシピ通りに作ればOKです。卵黄が神(太陽)、米粒が人をあらわしています。

台北では小型の夜市やレストランで食べられます。お弁当にも最適です。



蟛蜞醬醉肉│福建風豚肉のカニソース和え

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難易度: 調理時間:1時間以内
日本ではまず食べることのできない福建の絶品料理『蟛蜞醬醉肉│福建風豚肉のカニソース和え』のレシピを紹介します。福建伝統の『蟛蜞醬│福建カニソース』という独特の調味料を使って作るシンプルな料理です。

この料理のポイント「蟛蜞醬」とは福建省伝統のカニを使った調味料で、台湾では「蟛蜞膏」や「蟛蜞汁」という名前で“ごく希に”売られていることがあります。「蟛蜞」は福建省の河川に住むカニで詳しくはこちらの記事を参照してください。

以前の記事で書いた「蟛蜞醬」は、正確には『蟛蜞酥』というそうで、それをすりつぶしたものを「蟛蜞醬」と言うそうです。日本では蟛蜞が手に入らないので、レシピではワタリガニの甲羅とエラを外して作っています。

この『蟛蜞醬醉肉│福建風豚肉のカニソース和え』はたぶん台湾の金門でも食べられると思いますので、福建料理ですが台湾料理の一部ともいえます。今まで何度か紹介していますが、台湾にも福建省の部分があるので本場の福建料理を食べたい方は金門、媽祖まで足を伸ばしてみるとよいでしょう。台湾に何度も足を運んだことのあるベテラン旅行者の方も知らないことが多いのですが、台湾(中華民国政府)の実行支配地域は(旧)台湾省と福建省の二省にまたがっています。現在は省区分による政府機能は凍結されているので、台湾で○○省というのを意識することはほとんどありませんが、今でも福建省の表記は公的機関や資格試験の証書などに残されています。

さて、福建省名物である「蟛蜞」というカニは非常に旨みが強く、古くから多くの人に美食として愛されてきました。唐代の詩家白居易も「香味珍蟛蜞、時鮮貴鷓鵠。」とその味を絶賛しています。一度本場の味を味わってみたいものです。日本で手に入るといいんですけどね。


汀洲豆腐乾│汀洲風干し豆腐の香辛料煮込み

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難易度: 調理時間:3時間
台湾老街などで有名な小吃『豆腐乾』、今回は福建省閩西地方の伝統的な製法で『汀洲豆腐乾│汀洲風干し豆腐の香辛料煮込み』を作ってみましょう。醤油と香辛料で豆腐を煮込んだ後天日干しにした絶品料理です。

『汀洲豆腐乾』は明代には汀洲に駐留していた将軍朱亮祖が愛したといわれ、数百年の伝統を持ちます。台北の道の名前にもなっている「汀洲」は、いまでこそ福建省長汀県汀洲鎮という福建省の一部の地名ですが、歴史は唐代にまで遡れます。今も昔も住民のほとんどは客家で、料理も客家料理が主流となっています。現在の汀洲は福建省龍岩市にありますが、清代までは汀洲と呼ばれる地域に龍岩という地名がありました。中華人民共和国になってから土地の包摂関係が逆転した例の一つで、…漢族支配にも関係があるのかも知れませんね。


この地域の料理を福建料理の中でも特に「閩西料理」と呼び、台湾に伝わった多くの客家料理の源流ともなっています。台湾関西地方の『仙草凍』も、もともとこの地方の『仙草粄』が名前を変えたものです。先日紹介した『姜鶏』もこの地方の宴席料理です。この地域の客家料理の主食は米で豚肉を多用し、塩と醤油で濃い目に味付けしたおかず料理が多く、日本人の口にも合いやすいと思います。

閩西料理には「閩西八大干」と呼ばれる名物の乾物料理があり、『汀洲豆腐乾(または長汀豆腐乾)』はその一種。のこりは『連城地瓜乾』、『武平猪胆乾』『明溪肉脯乾』、『寧化老鼠乾』、『上杭蘿蔔乾』、『永定菜乾』、『清流笋乾』となっています。最初の二文字はどれも閩西地方の地名です。興味があれば調べてみましょう。

ちなみにいわゆる福建料理はあれだけ広い中国国全土でも、福建省と海南省以外ではほとんど食べられません。ところがいったん中国国外に目を向けると、華僑の多いマレーシアやシンガポールでは中華料理といえば福建料理であり、その他東南アジア地域でもチャイナタウンで食べる中華料理の多くは福建料理なのです。日本の『長崎ちゃんぽん』や熊本の『太平燕』も福建料理がベースであることを考えると、中国国内よりむしろ国外で普及している中華料理といえます。

 もちろん我らが台湾料理は福建料理、とくに閩南料理がベースとなっています。当ブログの読者のほとんどは台湾料理を愛する方だと思いますが、台湾料理をきっかけにその源流である福建料理にも興味を持っていただければ幸いです。


 
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