難易度:☆ 調理時間:30分以内
日本では余り好まれませんが、台湾では石老の名で親しまれる魚イラを使った『酸白菜石老│白菜漬けとイラの蒸し物』のレシピを紹介します。日本で作るならキンメダイなどの中型の白身魚かコブダイの切り身などを使って作りましょう。
イラは学名を
Choerodon azurio といいます。中国語での正名は「藍豬齒魚」といい、台湾では石老の名で食用魚として親しまれています。日本では九州辺りで摂れます。日本では身が水っぽいとして余り人気がないそうですが、台湾では美味とされ高級魚に分類されます。海域で味が変るのかもしれません。
さて、今回は魚の話はこれくらいにして…。
台湾では1月16日の総統選が近づいてまいりました。日本の選挙公報のようなものも各家庭に配布されました。日本ではなかなかお目にかかる機会もないと思うので、台湾の大統領選の選挙公報を紹介したいと思います。
B2サイズ(たぶん)の大きな紙に今回の総統と副総統選挙に出馬する3党の候補が書かれています。この後のページには原住民や各小選挙区の候補や各政党の紹介がずらり。B2サイズの両面を使って5枚と結構なボリュームです。
同時に行われる立法(国会)議員の候補の紹介には各候補の政見が列挙されているのですが、総統候補には政見欄がありません。上の写真の通り、学歴や経歴の欄が大きくて各人のマニュフェストや理念はまったく紹介されていないのです。総統=党の方針ということなのでしょうか。大統領なので党を越えてかなりの権限を持っているはずなんですけど…。
誰が総統になるかで日本との関係も少し変ってくるかも知れません。総統選に候補者を送り出している三党の政策を紹介したいと思います。
まずは民主進歩党(民進党)。
1.五大政治改革の推進:世代正義の実践。政府効率の革新。国会改革の実施。トランジショナルジャスティスの実施。政治汚職の終結。そして人権保障の推進、憲政および司法の改革
2.五大社会安定計画:永続、公平、安全な社会体制の構築。安心の住宅、食品の安全、コミュニティの保護、年金の永続性、治安の回復などの推進。
3.五大研究計画のスタート:ベンチャー、就業、適切な分配による新しい経済発展の方式をもってアジアシリコンバレー、生命科学技術、人工知能、クリーン技術および国防産業などの産業経済政策を推進する。
4.永続的で優良な農業の構築:農民の所得と食料自給率の向上。クリーン農業の奨励。農業保険の推進。家畜の疫病リスクの低下。市場販売と農産品付加価値の強化。
5.国土および環境保護の強化:国土の利用限界の強化。水資源の利用効率の向上。空気品質の改善。脱原発の推進。環境正義の保護。完全なるリスク対策。
6.多元教育と文化の発展:国民教育の向上。技術教育職の競争力向上。大学の特色の発展。文化公民権の実施。文化多様性の確保。コミュニティ発の豊富な文化。
7.族群平等の保障:母語教育の推進。社会福祉待遇の平等化。地場産業の発展。創業就業の促進。原住民自治の推進。新移民の教育および就業機会の向上。
8.労働者および社会弱者の権益の確保:各専門職及び非正規雇用者の権益の確保。労働災害の予防と保護の強化。社会弱者の住居、教育、就業、介護保障の促進。
9.財政改革とインフラ整備の促進:政府債務増大のコントロール。資源の効率的分配。財政効率及び修繕効果の向上による共同建設の応援。
10.自由民主の現状強化。両岸の平和の維持および交流の透明化と公開。外交と国防の強化。
続いて親民党。
1.台湾経済利益の確保を前提とした両岸モノ及びサービス貿易の協商を立法する。「参与、透明、監督」を原則に、《両岸協議監督条例》及び両岸事案を推進する。
2.対外情報機関を設置し、外交による台湾企業の発展を支援する。「小、精、強」の国軍を発展させ国防と経済を相互に支援して発展させる。
3.国会再造、革新プログラム委員会、議事の透明化、閣揆同意権を推進するためテレビの国会チャンネルを設立する。また投票権を18歳まで引き下げる。
4.財政規律の整理、財政問題の緩解、健全な租税体制の構築:消費者金融の保護重視、オンライン販売の発展。
5.TPP及びRCEPへの参加支持。ただし産業転換を導き、中小企業の商機を保護する。
6.人民の食の安全の保証。食品安全管理機構を設け、「産品最終責任法」を推進する。
7.健康保険を保護し、医療看護従事者の就業環境の改善と薬価の公開、透明化を主張する。
8.台湾を一周するブルーライン(海路)、鉄道の整備。住商一体型都市環境の整備、インターネット品質の改善、メディアの保護。
9.低炭素経済の推進。環境保護教育の実施。グリーン建築と代替エネルギーの発展。
10.三生農業の発展。農地分類の見直し。小規模農業の精密化。農業の科学化。科学技術による養殖の発展。観光漁業。
11.青年の負担の軽減:奨学金、宿舎費用の補助。32393計画。育児負担の軽減。産学連携、技術教育による就業率の向上。若者の創業補助。
12.婦女幼児、一人親家庭の保護。銀髪住宅、銀髪友善運動の提唱。
13.客家文化の重視、客家産業の促進。原住民文化の保存、原住民自治の実施。就業機会の増加。新住民専門機構の設立、言語格差の改善、子女教育の扶助、貧困栄民の調査、補助、生活保護。
14.観光と体育国際行事の結合。冬春期の運動訓練基地の建設。オンライン競技を体育項目として加える。
15.民間、地方を優先し、他元素が融合した特色ある文化政策を支持する。
16.防災総署を設立し、災害救助体系を構築する。
17.花、東、嘉、屏、澎観光を推進し、無煙産業を構築する。
最後に中国国民党(国民党)。
台湾はグローバリズムの波の中で、数々の重大な挑戦に遇った。しかし中国国民党執政団体と民衆は強い協力の下、1997年のアジア通貨危機、2008年のサブプライム問題、2011年のヨーロッパ通貨危機などの試練を安全に乗り切り、国家を安定して発展させてきた。
中国国民党は2008年に政権を失って以来「九二共識、一中各表」の基本の上に、両岸交流を推進してきた。2015年に両岸統治者会談を為しとげ、両岸の平和発展を強固なものにした。これは台湾海峡の安定化だけに留まらず、アジア太平洋区域の平和と安定に大きな寄与をした。
未来に向かって責任ある政党として、中国国民党は「民有、民治、民享」の精神で、台湾経済、社会、政治、文化など各方面の発展を促進してきた。中国国民党の立法委員候補は皆「関懐、分享、公義」の理念の下、「推建設」、「新制度」、「調法規」および「強人力」の四大主軸を通して、「成長、均富、永続」という目標を達成する。人民のため以下の願いを実現させる:外にはブルーラインを創設し、 中には生産力の向上;環境保護を強化し、優れた環境を作る;富を創設し、永続的にシェアし、社会均衡を発展させる;教育品質を高めて均等化し、青年の才能を伸ばす;司法正義を実現させ、低エネルギー政府をつくる;政府改造を実施し、行政効率を強化する。
民衆の困難を解決し、台湾人民の幸福な未来を作り、国家の軌道を健康で美しい道に乗せるのが中国国民党の指名である。中国国民党の候補は皆社会弱者、専門家、国会議員経験者、社会賢達などの各層の一員である。候補者の誰もが政党の意思を貫徹し、民衆の福祉を勝ち取るために全力を尽くし、国会の監視機能を発揮するだろう。全国民の願いを裏切りません。
です…。疲れた…。
もともとが漢字ばっかりなので、翻訳も漢字ばかりです。時間もないので大分適当に訳してますが、それでも各政党の方針くらいは読み取れるのではないでしょうか?法律や政策の名前は中国語そのままなので、意味の分からない単語が出てきたら自分で調べてみて下さい。
あくまで私見ですが…、国民党の政見は全く具体的なことが書いてなく、何がやりたいのか見えてきません。議席維持は諦めちゃったのでしょうか?逆に内容の善し悪しは別として、予想外に良い線いってるのが万年泡沫候補の親民党です。今回の選挙で民進党が思ったより票を伸ばせなかった場合、第三党として政治地位を一気に高める可能性があります。他にも今回は無所属や小規模政党が多数議席を獲得しそうなのですが、これらが超党派で団結すると国政を左右する権力を握りそうで面白いです。この辺はまた別の機会にでも解説したいと思います。
台湾政治の勉強にもなる当ブログをこれからも宜しく(笑)!
では、レシピです!