窩窩頭│トウモロコシ饅頭

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
漢族に伝わる伝統饅頭料理『窩窩頭│トウモロコシ饅頭』のレシピを紹介します。トウモロコシの粉で作る蒸しパンです。

『窩窩頭』は中国北方に伝わる漢族の伝統料理で、トウモロコシ、または雑穀の粉を使って作ります。食物繊維含量がとても高く、便秘や腸炎など各種の腸の病気に効果があるとされます。

もともとトウモロコシの粉だけを使って頭のへこんだ円錐形に作り、このため『窩窩頭』(へこんだ頭)という名称がつけられていますが、現在売られているものはほとんどが雑穀で作ったもので、形も球形になりました。トウモロコシで作った『玉米窩窩頭』の他にも『黒米窩窩頭』、『高粱窩窩頭』、
紅薯窩窩頭』、『緑豆窩窩頭』、『糯米窩窩頭』など様々な『窩窩頭』があります。穀類でなら何でも作れると考えましょう。もちろん…味はそれなりです(笑)。

もともと労働者、特に苦力に主食として食べられていた料理でその発祥は明らかではありませんが、明朝時代の文献には名前が登場し少なくとも300年以上の歴史があることが分かります。明の頃は『窩窩』、『愛窩窩』、『御愛窩窩』などと呼ばれていたようです。

苦力の主食として食べられていたため、貧困や過酷な労働を象徴する食べ物でもあり、味よりもまず手軽におなかを膨らませられることが重要視されました。「一生窩窩頭を食べる」というような蔑視語も多数あったようです。

西安に落ち延びた西太后があまりの空腹に、道端の百姓の『窩窩頭』を要求しおいしく食べたというような故事も伝わっています。持ってきた食料をすべて食べつくし、臣下が食料を探しに行く暇さえ我慢できないほどの空腹に襲われた西太后は、臣下に何かお菓子を要求します。臣下らは各地に食材を探しに向いますが、近くに村も店もありません。あまりの空腹に「もう遠くまで探しに行かなくて良いからとにかく今すぐ何か持って来い」と命令します。そんな時、ふと遠くに見える百姓がなにかおいしそうに食べているではありませんか。西太后はあれを持ってこいと命じ、臣下はおっかなびっくり百姓の食べていた『窩窩頭』を献上しました。空腹は最高の調味料と言いますが、西太后はお腹一杯になるまで『窩窩頭』を食べ非常に満足したといいます。後に宮殿に戻り再び美食の限りを尽くした西太后は、ある日に「この料理も美味いが、あの時食べた窩窩頭が忘れられない」とこぼしました。この言葉が宮廷の厨房にも伝わり、その後は贅の限りを尽くした料理の脇に、必ず『窩窩頭』が添えられるようになりました。苦力らの主食が、中華王朝最後の皇后の膳に並ぶことになったという不思議な話です。

そんな歴史を噛み締めながら『窩窩頭』を再現してみましょう。そのまま作っても味気ないので、レシピには少し手を加えています。オリジナルのレシピはPointを参照してください。味はまぁ…こういう料理です(笑)。中にチョコレートやココアを入れたり、材料を工夫したりすると一気に流行るかもしれませんね(笑)。



小籠包│ショウロンポー Step 4

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難易度: 調理時間:30分以内
これまで作ってきた素材をあわせ、ついに『小籠包』を完成させるときがやってきました。超本格小籠包シリーズ第四弾、ラストは『小籠包│ショウロンポー Step 4』のレシピです。

今までのレシピはこちら!
小籠包│ショウロンポー Step 1 [ベース肉餡]
小籠包│ショウロンポー Step 2 [皮凍│にこごり]
小籠包│ショウロンポー Step 3 [皮│皮]

今回はラストということで、台湾小籠包の代名詞「鼎泰豐」について簡単に解説してみます。

ほとんどの方が聞いて驚かれるかもしれませんが、鼎泰豐はもともと油屋でした。もともと大陸山西省に住んでいた初代社長の楊秉彝は国共内戦で荒れる中国大陸を離れ、叔父を頼って台湾に渡ります。叔父は現在の永康街で油屋を営んでおり、楊はまず油屋の配達員の仕事を任されました。楊は配達員として2年ほど働いたあと、その勤務態度を認められて店内の管理を任されることになり、この時同じ店で仕事をしていた従業員と結婚します。その後3年ほど店の管理を行っていましたが、叔父が投資に失敗して油屋は倒産の危機に。この時楊は自立を決意し、もともとの出身会社である恆泰豐と得意先だった「鼎美油行」から一文字とって、「鼎泰豐油行」という油屋を開きます。1958年のことです。

当時の台湾では電話番号の申請が非常に難しかったのですが、楊は故郷の山西省同郷会に赴き、電話番号を売ってもらうことにしました。この番号が現在でも本店で使われている"(02)-2321-8927"で、この時の同郷会で知り合った有名な書家「于右任」にかいてもらった「鼎泰豐油行」の看板は現在も永康街本店の軒先に飾られています。

その後順調に油販売で業績を伸ばしますが、1980年ころから台湾で販売され始めた缶入りサラダ油により、伝統的な油の販売は大打撃を受け、楊の経営する鼎泰豐油行も毎日の食事に困るほど困窮してしまいます。この状況を打破するため、油店の半分を唐という老兵に貸し出し小籠包の販売を始めます。

この小籠包の売り上げがまことにすばらしく、商機を悟った楊はこの老兵に小籠包の作り方を学び、本格的に小籠包の店に模様替えすることになりました。その後、口コミが口コミを呼び店は連日大行列、1993年にNYタイムスで世界十大名店に選ばれてからは、世界じゅうから観光客が訪れるようになりました。その後台湾各地だけでなく、アジア、そしてニューヨークにも出店を続け、現在の形になりました。

鼎泰豐で一年で作られる『小籠包』の数はなんと"一億個"!台湾を訪れたことのある外国人の"8割"が台湾を代表する料理に小籠包を挙げるほどの人気店となりました。現在は二代目社長楊紀華氏により、小籠包発祥の地とも言われる上海への出店も果たし、世界最高の小籠包を目指して経営を続けています。…中国大陸部には他にも多くの分店を出店していたのですが、本店の基準に従わないメニューをいくつも販売しており、偽の鼎泰豐の出店が後を絶たなかったことから…2010年に一部を残してすべての分店を撤収してしまいました。

まぁ、あくまで観光客向けのお店であることは頭の片隅においておいてください(笑)。台湾には他にもたくさんのガイドブックに乗っていない『小籠包』の名店があります。こういった店を探すのも台湾旅行の楽しみですよ。

というわけで、鼎泰豊に負けない『小籠包』を自宅で作ってみましょう!家庭で毎日のおかずにするにはちょっと複雑すぎるレシピですが、休日に本気で料理を楽しみたい人は挑戦してみてください!


小籠包│ショウロンポー Step 3 [皮│皮]

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難易度: 調理時間:30分以内
自宅で作るレストラン並みの『小籠包』シリーズ第三弾は生地!『小籠包│ショウロンポー Step 3 [皮│皮] 』のレシピです。普通に作るものとほうれん草を練りこんだ緑色の生地を2種紹介したいと思います。

前回紹介した上海とは別に『小籠包』を名物料理として持つ無錫。上海に程近い江蘇省にある工業都市です。無錫といえばもう一つ『無錫排骨│無錫カルビ』という名物があります。覚えていらっしゃいますか?

無錫の『小籠包』は他の地域のものに比べて大型で、生地を少し発酵させて作るのが特徴です。また大きく分けて伝統的なものと現代的なものの二種類の『小籠包』が食べられます。清の乾隆帝が江南地域を視察に訪れた時、無錫恵山の寄暢園に住居を構えました。園主の秦氏一族らは皇帝をもてなそうと、秦氏一族に伝わる『蟹粉小籠』という料理を作り献上しました。この時点で『蟹粉小籠』は秦氏一族34代に代々伝わる料理であったとされています。こちらが伝統的な無錫『小籠包』の源流とされます。34代とは…何百年も歴史を遡れそうですが、記録に残っていないのが残念です。そしてもう一つ、1922年に上海で料理を学んだ王庭安という人が現在の崇安寺城中公園の側に「王興記」という店を構え『小籠包』を売り出しました。こちらが現代風の無錫『小籠包』の源流となっています。その他の地域のものより甘く作られるのが特徴です。

 上海からちょっと(120kmほど)西に足を伸ばせば無錫です。上海名物の『小籠包』を味わったら、ぜひ一度もう一つの『小籠包』のメッカを訪れてその違いを味わってみてください。

明日は今まで作った三つの材料を合わせて、いよいよ本格『小籠包』を作り上げます。記事の内容は台湾で生まれた小籠包の世界的名店「鼎泰豐」について解説してみます。
 

小籠包│ショウロンポー Step 2 [皮凍│にこごり]

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難易度:☆ 調理時間:3時間
超本格『小籠包』を作るシリーズ Step 2 は『小籠包│ショウロンポー Step 2 [皮凍│にこごり]』のレシピを紹介します。皮を破るとあふれ出るあの肉汁の正体とは…!ちなみに『小籠包』の具としてだけではなく、冷やして固めればそのまま醤油をつけても食べられます。

清代1871年の上海。現在の嘉定区南翔鎮に「古猗園」と呼ばれる庭園がありました(今もあります)。それほど平和な場所と時代ではありませんが、当時の上海の文人らはここに集い交流を行っていたそうです。この古猗園の八字橋の側に「日華軒糕團店」と呼ばれる饅頭屋がありました。この饅頭屋の店主「黃明賢」が肉入りの饅頭を売り出したところ大ヒット、ところが模倣する店が後を立たなかったため黃明賢は皮を薄く、小型にした『小籠饅頭』を開発します。それまで日華軒糕團店を真似していただけの模倣店も商品開発に追従し、それぞれ砕いたゴマを入れて香りを高めたり、カニやエビを入れて風味を増したりと、見せごとに研究、改良を重ねました。それらの成果は来園客らに非常な好評を博しますが、元祖の日華軒糕團店は内心複雑なものがあったことでしょう。古猗園園内の外食店はついにはすべての店が「古猗園南翔小籠」という看板を掲げるまでになってしまいました。

しばらく時は流れて1900年。黃明賢の元で小籠包の作り方を学んだ吳翔昇と趙秋荣は、上海の城隍廟の側に「長興樓點心店」という店を開きます。この店は現在も観光客に愛される「城隍廟南翔饅頭店」の前身です。上海を訪れた際にはぜひ立ち寄ってみましょう。有名な観光地「豫園」の側にあります。



南翔小籠包は現在では厳格にその製作工程が保護され、2007年には上海市で始めての非物質文化遺産に指定されました。これだけ書くと上海が小籠包の発祥の地のように思われますが、前回の記事にもあるように『小籠包』は華南地区ではとても一般的な料理です。次回は無錫地区の小籠包について簡単に解説したいと思います。


小籠包│ショウロンポー Step 1 [ベース肉餡]

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難易度: 調理時間:30分以内
ついに!このレシピを公開するときがやってきました。台湾料理の代名詞とも言える『小籠包│ショウロンポー Step 1 [ベース肉餡]』のレシピを紹介します。有名店に負けない味を目指すレシピですが、その分手順が多くなってしまうのはご了承ください。実際に台湾のお店で作られている小籠包のレシピです。今回のStep 1 では『肉餡』を、次回のStep 2 ではあふれ出る肉汁の素となる『皮凍』を、Step 3 で生地を、最後の Step 4 ですべてをまとめて調理します。


中にスープの入ったアツアツの『小籠包』の起原は北宋時代にまで遡れると言います。当時の河南開封には『灌湯包』という料理があったそうです。「靖康の変」と呼ばれる政変で北宋は金に華北地域を奪われ、北宋の王室は南部に渡ります。この時に『灌湯包』が南方に伝わり、特に江浙一帯の名物料理となりました。その後清の時代になると常州、無錫、紹興などの地域で独自に現代のような『小籠包』(のような)料理が発明されました。これらは今でも当地の名物料理となっています。

現在台湾で食べられる『小籠包』とほぼ同じ形の料理が作られたのは清の時代の1871年、上海のある菓子店が最初だといわれています。

次回はこの上海から始まった近代小籠包について簡単に解説したいと思います。お楽しみに。



韭菜米粉包│ニラビーフンまん

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
麵糰│肉まんベース』を使った「○○まん」シリーズ!今回はニラとビーフンを使った面白い食感の『韭菜米粉包│ニラビーフンまん』のレシピを紹介します。

前々回から続く原住民の名前について。

国民党の遷台後、1953年に交付された《修正台灣省人民回復原有姓名辦法》、《姓名條例》および《姓名條例施行細則》により原住民も漢姓を持つことが法律により定められました。漢名を持たない原住民は居住区の役所に自分の名前を申請することが義務付けられたのです。

その申請猶予期間はなんと3ヶ月。それを過ぎると役所の職員が"勝手に"漢姓を与えるというむちゃくちゃな内容でした。日本時代にひらがなやカタカナの教育により"いちおう"伝統的な名前を保存していた台湾原住民ですが、その使用も禁じられてしまいます。

教育水準が高かったとはいえない原住民らの知る漢字は多くなく、多くの原住民がほとんど同じ姓を名乗ることになってしまいました。また申請の間に合わなかった原住民は役所職員により適当な姓をつけられてしまいますが、多くは家族関係を無視した適当なもので、一家族で別々の姓を持つことになったり、同じ集落のものがすべて同じ姓を持つことになったりとめちゃくちゃでした。その命名方法も高山族なので「高」、河の側に住む番人なので「潘」、温泉の湧く地域に住むので「湯」、また国父孫文にちなんで「孫」など、適当なものです。ひどいものになると原住民の無知を利用した「怠惰」、「男性生殖器」などといった侮蔑的な意味を持つ語を姓に付けられた者さえいたそうです。

台湾で原住民が人口に占める割合は2%ほどですが、原住民同部族同士の婚姻は現在でも多く、家族間で異なる性をつけられてしまった原住民らは、血縁関係があると知らずに結婚し子供を残してしまうこともしばしばあったそうです。
 
その後二二八事件などもあり原住民をはじめとする民衆の原論は封殺されたまま時は流れます。1998年に戒厳令が解除されると原住民らによる「正名回復運動」が起こり現在に到ります。

正名回復運動により様々な調査が行われ、現在ほとんどの原住民は伝統的な方式の"正名"を持ちます。表記方法はインドネシア語のようなアルファベットを使った方式ですが、これらの正名は未だに公的に使用できず戸籍は漢字を使ったものに限定されています。

台湾原住民は我々の知るものとは大きく異なる姓名のシステムを持ちます。これを従来の方式で処理しようとする方が土台無理な話であり、現在でも時々戸籍登録時などに問題が発生しています。誰もが納得できる形で早期に解決できる方法が見つかることを祈っています。

というわけで、今回は『韭菜米粉包│ニラビーフンまん』びレシピです。ヘルシーでおいしいですよ!


蝦仁鮮肉包│エビ肉まん

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
麵糰│肉まんベース』を使った「○○まん」シリーズ!豚ひき肉の一部をエビで置き換えた『蝦仁鮮肉包│エビ肉まん』のレシピを紹介します。エビの食感を残しつつ、食べやすい大きさに切って作るのがポイントです。

さてさて前回から解説の続く台湾人の名前。今回は原住民の名前について解説したいと思います。

清朝による台湾統治が開始してまもなく、多くの漢人が台湾に移入しました。この時漢人らは正しい「姓名」を持たない原住民らを、家族関係を混乱させるものとして忌み嫌い、当時から平地で漢人らと共同生活を行っていたいわゆる「熟番」に潘、機、斛などの性を下賜しました。今も昔も中国の姓は皇帝から与えられたものです。清朝による支配は250年にわたり、この間に漢人とほぼ変わらぬ生活をしていた熟番らは伝統的な命名法をほぼ失いました。

しかし山地に居住していた「生番」らは漢名に改名した賽夏族を除き、全面的に伝統的な命名法を保存します。その伝統的な命名法が以下に示すものです。

阿美族: 個人名 + (母/父親名) + (氏族名) (かっこ内は部族により省略)
賽夏族: 個人名 + 父名 + 氏族名
布農族: 個人名 + 氏族名
鄒族:  個人名 + 氏族名
噶瑪蘭族:個人名 + 氏族名
邵族:  個人名 + 氏族名
泰雅族: 個人名 + 父名
賽德克族:個人名 + 父名
太魯閣族:個人名 + 父名
排灣族: 個人名 + 家屋名
魯凱族: 個人名 + 家屋名
卑南族: 個人名 + 家屋名
達悟族: Si + 個人名(子供のいないもの)
     Si aman + 長子名(長子の父) → 夏曼・○○
     Si nan + 長子名(長子の母) → 希婻・○○
     Si apen + 長子名(長子の祖父母) → 夏本・○○


個人名に父/母の名前を付けたものは、誰の子供かだけが明らかで姓の概念がありません。同姓での婚姻を避ける傾向のある中国人からすれば、非常に恐ろしく感じられたことでしょう。個人名の後に氏族、家屋の名前を付けたものは漢人の姓の概念に近いといえます。

面白いのは蘭嶼諸島に住む「達悟族」(一昔前は雅美族とも言われました)の命名法です。「名前は子供から与えられる」という風習があり、子供が生まれると家族全員の名前が変わります。これは他の台湾原住民に見られない独特の方法です。面白いですね!

清朝による支配が終わり日本統治が始まると、山野に居住していた「生番」らも版図に組み込まれ、その後始まった皇民化政策により和風の苗字を持つことになります。この辺は以下の映画やコミックを参照してください。(KANOのDVDはまだ日本で販売されていないんですね…。)



日本統治によって日本名を与えられた原住民らは同時に日本のひらがなカタカナを習得しました。それまで文字文化を持たなかった原住民らは公式には日本名を持ちながら表音文字を使って伝統的姓名(および言語)を(ある程度)保存することができたのです。また多くの日本人研究者らにより台湾原住民の言語や文化の研究が一気に進みます。それまで謎とされてきた部族や士族のつながりや分布の謎が近代的な手法により明らかにされていきました。その多くは詳細な記録が残っており、現在も参照することが可能です。

そして50年に渡る日本による統治が終わると…、大陸から国民党がやってきます。そしてこの時、原住民の姓名は壊滅的な打撃を受けることになるのですが…、これはまた次回に解説することにしましょう。

名前で辿る台湾近代史みたいになってきましたね(笑)。もうちょっとだけお付き合いください。

それではエビ肉まんのレシピいって見ましょう。


鮮肉包│豚まん

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
前回の『麵糰│肉まんベース』を使った「○○まん」シリーズ!最初はオーソドックスに『鮮肉包│豚まん』のレシピを紹介します。このままでコンビニの肉まんよりおいしく作れますよ!

前回の記事で『肉まん』は三国時代の諸葛亮が行った呪いに由来すると書きました。三国志ファンでなくとも誰もがご存知のこの「諸葛亮孔明」、彼の苗字は中国では珍しい複姓(二字姓)の「諸葛」です。

台湾にも数は少ないですが複姓を持つ人がいます。有名どころでは「歐陽菲菲」氏の「歐陽」姓ですね。台湾内政部の資料から台湾の上位10位の複姓を抜き出して見ましょう。

1.歐陽
2.司徒
3.上官
4.諸葛
5.皇甫
6.申屠
7.尉遲
8.司馬
9.軒轅
10.夏侯

ほとんどが歴史書に登場する有名な姓なので見たことや聞いたことはあっても、実際にこれらの姓を持つ人には会うのは至難の業です(笑)。逆にこれらの性を持つ人はすぐに名前を覚えてもらえるので、自己紹介のときには有利でしょう。もし台湾でこれらの姓を持つ人と友達になれたら、ぜひ苗字ネタで盛り上がってください。ちなみに二字の複姓は登録上533種あります。上に示したもの以外はほとんどが林黃、陳張などの婚姻後の女性の二重姓、そして守屋、池田など日本人が帰化して登録した日本の姓、そして原住民の姓です。さらに三字、四字の複姓というものもありますが、こちらは佐佐木(佐々木)、賈西亞(García)などほぼ間違いなく海外の姓です。

せっかく台湾人の姓についての話題なので原住民の姓氏について簡単に触れておきましょう。台湾原住民の氏名は民族ごとに命名規則が異なる上、伝統的に「姓」の概念を持ちません。戸籍の登録上仕方なく「名前」以外の部分を姓として登録している場合がほとんどで、仕方なく漢姓で登録したもの、名前以外の部分の音に漢字を当てたもの、意味を漢字で置き換えたものなど、多種多様な姓が存在します。次回は台湾原住民の氏名についてもっと詳しく解説してみたいと思いますのでお楽しみに!


2015年2月第1週 台湾ヒットチャート

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国語

順位 曲名 歌手
1 小蘋果 筷子兄弟
2 泡沫 鄧紫棋
3 想你的夜 (未眠版) 關喆
4 算什麼男人 周杰倫
5 傷心的人別聽慢歌 (貫徹快樂) 五月天
6 以後別做朋友 周興哲
7 我還是愛著你 MP 魔幻力量
8 喜劇之王 李榮浩
9 缺口 庾澄慶
10 東區東區 八三夭



台語

順位 曲名 歌手
1 人生的歌 黃乙玲
2 落雨聲 江蕙
3 夢中的情話 江蕙、阿杜
4 家後 江蕙
5 傷心酒店 施文彬、江蕙
6 追追追 黃妃
7 海波浪 黃乙玲
8 愛情限時批 伍佰、萬芳
9 雲中月圓 王識賢、孫淑媚
10 好膽你就來 阿密特(阿妹)

以下に各部門上位3曲のYoutubeのリンクを貼り付けておきます。過去に紹介しているものは飛ばして順次下位の曲を紹介していますので、上位曲のビデオは過去のチャートを参照してください。

国語部門
4 算什麼男人 - 周杰倫


10 東區東區 - 八三夭


台語部門
10 好膽你就來 - 阿密特(阿妹)



>>2015年台湾ヒットチャート目次
<<2015年1月第4週のヒットチャート
>>2015年2月第2週のヒットチャート

麵糰│肉まんベース

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
久しぶりに続き物で肉まんを作ってみたいと思います。最初はあらゆる『○まん』の生地となる『麵糰│肉まんベース』を作ります。発酵が必要なのでドライイーストを準備しておきましょう。あとは蒸し器があれば何でも作れます。

台湾のコンビニには年中「肉まん」の蒸し器が置いてあります。日本と同じように客が好みの○まんをレジに持っていって会計するスタイルです。日本のように『あんまん』は売っておらず、ほとんどが様々なバリエーションの『肉まん』または餡の入っていない『蒸しパン』を販売しています。筆者も小腹がすいたときに良く食べますが、正直…コンビニの肉まんは日本のものの方がおいしいです。

中国全土にある『肉まん』の様な料理は、三国時代に諸葛亮孔明が氾濫した河を鎮めるために使った生贄代わりの小麦粉人形が元になっているとされます。このため『饅頭』には「頭」の字が入っているのです。

今回は生地の作り方を紹介しますが、中に何を包んでもかまいません。生地度同重量の餡を包んで少し寝かせ、15分蒸せば色々な『○まん』の完成です。色々オリジナルのものを作ってお楽しみください。

明日からはこの生地を使ったオーソドックスな『肉まん』から、ちょっと珍しい『○○まん』までを紹介していきたいと思います。お楽しみに!

豆干涼拌豆芽│岩豆腐とモヤシの中華風サラダ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
丙級廚師証照」シリーズから『豆干涼拌豆芽│岩豆腐とモヤシの中華風サラダ』のレシピを紹介します。「豆干│岩豆腐」とモヤシを一度湯通しして調味料と合えた料理です。

久しぶりに「豆干」を使った料理を紹介しますので、「豆干」についてあらためておさらいしておきましょう。

「豆干(豆乾)」は「豆腐干(豆腐乾)」とも言い、固めに作った豆腐を圧縮、脱水して作ります。日本でも木綿豆腐を綿の袋に入れて口を縛り、二枚のまな板の間に挟んで漬物石を1-2日ほど上にのせておけば自作できます。素食の発達した台湾ではこれを加工して肉の代用品にしたりもします。

台湾ではこれを醤油に浸けた『醤味豆干』や滷汁で煮込んだ『滷味豆干』など、様々な味付けのものがあります。台北から程近い桃園県大渓地区の豆干は非常に有名ですので、時間がある方は大渓まで足を伸ばして本場の豆干を味わってみてもよいでしょう。

「豆干」は保存食の一種でかなり日持ちします。台湾の旅行時に購入しておけば日本でもいつでも食べられますので、好きな人はたくさん買いこんでおきましょう。




椒鹽霜降豬│中華風ピートロの胡椒焼き

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
『椒鹽霜降豬│中華風ピートロの胡椒焼き』という中華風の焼肉料理を紹介します。豚の頸肉を塩胡椒で炒めてごま油の風味をつけた簡単料理です。

豚の頸肉は日本語でよくピートロ、豚トロなどと呼ばれています。以前の法律では豚肉は「豚ヒレ」、「豚ロース」、「豚かた」、「豚かたロース」、「豚ばら」、「豚もも」、「豚そともも」の七種類の名称だけが小売りで使用することが可能でしたが、最新の分類で「豚ネック」が追加され小売店でもピートロや豚トロを豚ネックの名称で販売することが可能になりました。そういえば我々が子供の頃は豚トロなどという言葉はなかったような気がします。

中国語でも豚肉は部位によって分類されています。よく見かける表記は以下の通りです。

肩胛(肩から前脚):梅花肉、 胛心肉、豬腳、 蹄膀、腱子肉
背脊(背中):大里肌(背肌肉)、小里肌(腰内肉)、二層肉
腹脅(腹):五花肉
後腿(後脚):後腿肉、豬腳、蹄膀、腱子肉

豚の頸肉は固定した名称がなく、「松坂猪肉」や「霜降豬」と呼ばれます。

一匹の豚から数百グラムしか取れないという「豚ネック」。多少値が張るとはいえコリコリとした食感と染み出す脂は時々無性に食べたくなりますね。

普通の焼肉にごま油かけただけじゃん!という突っ込みはぐっと飲み込んで...、これで立派な中華料理なのです。ぜひご賞味ください。

蛤蜊肉丸煲│ハマグリとミートボールの中華風シチュー

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
ハマグリとミートボールを使った中華風シチュー『蛤蜊肉丸煲│ハマグリとミートボールの中華風シチュー』のレシピを紹介します。以前も同名料理を紹介していますのでそちらも参考にしてください。今回は市販の冷凍ミートボールを使って作ります。

以前紹介した『獅子頭』は江蘇省の淮陽料理の一種ですが、同じ肉団子を他の地域では『肉丸』と呼びます。他にも鎮江や南京あたりでは「劗肉」、安徽省では「徽州丸子」と呼ばれる肉団子があります。台湾では新竹の「貢丸」が有名です。

「肉丸」の名称に使われている「丸」の字は円ではなく球を表しており、"丸剤"などでも同じ意味で使われます。もともとは「丸い玉を弓の弦に当てた様」の象形文字だそうですが、パチンコみたいな武器の弾丸として使われていたのでしょうか?

肉を丸めて焼いたり煮込んだりした料理は世界中にあるので、興味のある方はそれぞれの作り方や特徴を調べてみるとよいでしょう。もちろん中華の肉団子料理は甘口男にお任せください!

それではレシピです。



櫻花蝦米糕│サクラエビの炊き込みご飯

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
台湾での年越しには欠かせない『米糕』料理の一つ『櫻花蝦米糕│サクラエビの炊き込みご飯』のレシピを紹介します。『米糕』は日本で言う赤飯のようなおめでたい日に食べる料理で、今回は干しエビを使った醤油風味に仕上げます。

ほとんどの米食国家・地域ではうるち米を主食とし、もち米は補助的に使用されるに過ぎませんが、唯一ラオス(他にタイ北部、中国南部のごく一部地域)だけがもち米を主食としているそうです。

もち米とうるち米は同じ植物の品種違いで、栄養学的には差がありません。もち米はアミロペクチンという分岐した澱粉鎖がほとんどなのに対し、うるち米の澱粉はアミロースという直鎖型の澱粉を主とします。これが粘りや冷えた後の食感の違いになって現れます。

専門的な話をするとグルコースのα1→4結合だけが延びるとアミロースに、α1→6の結合が増えるとアミロペクチンになるのですが、これにはGBSSとSSS、BEと呼ばれる酵素が関わっています。...それぞれの酵素が何の略称なのか、どういう働きをするのかはここでは解説しませんので、興味のある方は「デンプン 生合成」などの単語を検索してみてください。

三つの酵素がすべて揃っていると普通のお米になりますが、GBSSが欠損するとモチ性を持つようになります。(他にもそれぞれの酵素のバランスの違いでアミロペクチンの含量が変わったりもします。)酵素の欠損でもち性を持つということで、もち米は普通のお米が突然変異してできたものであることが分かりますね。またもち性を持つ植物は普通の品種との他家受粉を行うことでモチ性を失うという性質があります。例えば周りを普通の米に囲まれた場所でもち米を育てても、あまりうまくいきません。もち米を安定して収穫するには、まとまった場所でいっせいにもち米を作る必要があるのです。

上のようなもち性の研究はトウモロコシを主要な作物とするアメリカが最先端ですが、イネの研究では日本も負けていません。トウモロコシもイネもどちらも全ゲノム情報が明らかになっているので、後はちょっとしたひらめきの差が大きな研究成果の差になって現れることでしょう。世界中で主食とされるイネやコムギ、トウモロコシの研究が進めば、それこそ地球上から飢餓を根絶することも可能なのです。

それでは海の幸里の幸が上手く合わさった『櫻花蝦米糕│サクラエビの炊き込みご飯』 のレシピです。おめでたい日にどうぞ!


泰式白肉│タイ風豚肉のしょっつるドレッシング和え

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
タイ風味の中華料理『泰式白肉│タイ風豚肉のしょっつるドレッシング和え』のレシピを紹介します。タイ風ということでナンプラーを使いますが、料理名にはナンプラーに類似の日本の調味料「しょっつる」を使ってみました。

『蒜泥白肉』の類似料理で、今回はタイ風の甘、辛、酸、そして旨味の詰まったドレッシングをかけて食べます。

ナンプラー│魚醤はアジア各地に伝わる魚介類を原料とした発酵調味料で、特に東南アジアの各国で作られるものが有名です。日本にも各地に魚を原料とした発酵調味料が伝わっており、秋田の「しょっつる」は皆さん聞いたことがあることでしょう。

ナンプラーはタイ語「น้ำปลา│Nam Pla」を日本語読みしたものです。インドネシア語では「Kecap Ikan」といい、魚のケチャップを意味します。以前紹介したケチャップとルーツを同じにする調味料です。 各地でベースとなる魚の種類や製法が異なるため、同じ魚醤でも少しずつ風味が異なります。ものによっては強烈な臭気を持つものもありますが、どの地域のものも強い旨味と塩気が特徴で、各地の料理を特徴付ける味わいを持っています。

この料理もナンプラーを使えばタイ風の、「ヌックマム│nước mắm」を使えばベトナム風の、ケチャップを使えば西洋風の、そして醤油を使えば和風の『○○白肉』が作れます。どれも一口食べるだけでその国独特のお母さんの味を楽しむことができます。輸入食品店では各国の魚醤を手に入れることが出来ます。いろいろな国の「お袋の味」を楽しんでみてください。



紅燒魚翅羹│フカヒレの醤油スープ煮込み

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難易度: 調理時間:2時間
当ブログではフカヒレをメイン食材にした料理は初めててかもしれません。フカヒレを使ったスープ料理『紅燒魚翅羹│フカヒレの醤油スープ煮込み』のレシピを紹介します。

フカヒレはご存知サメのヒレを乾燥させた高級食材です。非常に有名な食材でありながら、おそらくほとんどの日本人が調理方法を知らないため、台湾で安く手に入るのにお土産として人気がないという状況です。水で戻してスープで煮込むだけなので調理はとても簡単なんですけどね。

フカヒレにはいくつかの等級があります。上位等級のものの価格はそれこそ天井知らずですが、実は等級が下位のものは庶民にも手が届く価格で手に入ります。まぁ、フカヒレ自体にはほとんど味がないので、サメと類縁のエイのヒレで代替することも可能です。近年は環境保護のあおりを受けて、フカヒレ料理に対する風当たりも強まっており、ゼラチンを使った人工品も売られています。エイヒレで代替したり、人工品を使ったりすれば普通の晩ご飯の食卓に乗せることも可能です。

スープの旨味をたっぷり吸い込んで、プリプリした食感と滑るような喉越しで食べる人を極楽に連れて行くとされるフカヒレ。調理はとっても簡単なので、おいしいスープ料理を作る自信のある人はぜひフカヒレを調理に取り入れてみましょう。 今回のレシピが調理の参考になれば幸いです。


燒酎雞│焼酎鶏

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難易度:☆ 調理時間:数日
甘口男オリジナルの中華料理『燒醉雞│焼酎鶏』のレシピを紹介します。といっても人気のレシピ『醉雞│酔っ払い鶏』を焼酎で作るだけです。焼酎の銘柄で千差万別の味わいが楽しめます。お気に入りの焼酎があればぜひ一度挑戦してみましょう。☆大人限定のメニューです。

今ではすっかり下火になってしまいましたが、一時期日本で韓国式焼酎の「소주│ソジュ」というものが流行しました。韓国では伝統的に米を蒸留したものを「소주│ソジュ」と呼びますが、現在はタピオカやジャガイモなどその他の澱粉を発酵させたものも作られています。単一の澱粉源で作られているものが少ないので、日本のように○焼酎、△焼酎などの分類はしません。

韓国「소주│ソジュ」の漢字表記は「燒酒」、これは中国語の「燒酒」をそのまま韓国語で読んだもので、もちろんそのまま焼いた酒、即ち蒸留酒をあらわします。英語ではワインを蒸留したものをブランデーと呼びますが、こちらはフランス語の「vin brûlé│焼いたワイン」がオランダ経由でイギリスに伝わったときにオランダ語で「brandewijn│焼いたワイン」と直訳されて伝わり、いつしかワインを意味する「wijn」が取れてただ「brande」と呼ばれるようになりました。これがブランデー(Brandy)の語源ですが、洋の東西で蒸留酒がどちらも「焼いた酒」と表現されるのは面白いですね。

ちなみに現代の中国語で焼酒(焼酎)は主に「白酒」と表記されます。

中国に蒸留酒が伝わったのは1200年ごろ。モンゴル人に征服されたペルシアのアラックという蒸留酒の製法が伝わったものです。蒸留酒の製法が韓国に伝わるのはもちろん中国経由ですが、日本に伝わるのは実はシャム王国(現在のタイ)から琉球を経由した特殊なルートによるもの。中国に遅れること300年、1500年頃の話です。もちろんシャム王国の蒸留酒もペルシアのアラック由来で、伝わった当時の日本では焼酎を「あらき酒」、または「らんびき(蒸留器│Alambic)」と呼びました。

ペルシアの蒸留酒の製法が世界中にもたらされ、各地で上流方法が洗練され高純度のアルコールが精製されるようになると…、そう、アルコール消毒という医療技術が発見されることになります。ペルシアでは蒸留酒の発見とほぼ同時期にアルコールによる消毒がなされていたというから愕きです。

それでは焼酎にまつわる知識をざっと詰め込んだところで、焼酎を使った『醉雞』、『燒酎雞│焼酎鶏』をお楽しみください。


獅子頭│中華風肉団子

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難易度: 調理時間:1時間以内
本日は年越し料理の定番『獅子頭│中華風肉団子』のレシピを紹介します。普通のスープで煮込んだ肉団子の料理です。

『獅子頭』はもともと江蘇省の淮陽料理の一つです。他の地域にも同類の料理はありますが、名称が異なります。

日本で「獅子頭」といえばご存知獅子舞の頭部のことです。日本の獅子舞は二人が獅子の中に入って踊る神楽系と一人が獅子の中に入って踊る風流系の二つに大別され、神楽系のものは中国から伝来したもの、風流形はもともと各地にあった猪や鹿を模倣した舞が神楽形のものに影響されて変化したものとされています。

本家とされる中国にはもともと獅子、即ちライオン(またはそれに似た動物)はおらず、龍や麒麟と同じく伝説上の動物に過ぎませんでした。中国の獅子舞が現在の形になったのは清の時代ですが、それ以前にも非常に長くに渡って獅子を模した舞は中華圏全土で踊られており、唐代には宮廷舞踊の一つとして人気を博していたりもしたそうです。

獅子舞が始まったのは漢の時代、西域(インドあたり)から朝貢品として本物のライオンがもたらされ、これを模倣した舞が踊られるようになったというのが有力な説です。その後仏教の隆盛と共に各地に獅子舞がもたらされ、一部では武術の要素を取り入れながら中華圏各地に広がりました。中国各地でそれこそ千差万別な獅子舞が伝わっており、獅子の装飾や動作を分析することで源流を辿ることもできるようです。

台湾に伝わるのはもちろん福建系の口が開閉するタイプの獅子舞で、台湾の一部地域では小学校の体育授業の一環として獅子舞を取り入れていることもあります。また台湾には福建系とは別の客家獅子舞も伝わっておりこちらは四角い頭が特徴です。

肉団子から学ぶ獅子舞の簡単な歴史でした。それではレシピです!



薑母鴨│姜母鴨

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難易度: 調理時間:2時間
台湾冬の風物詩『薑母鴨│姜母鴨』のレシピを紹介します。鴨肉をメインに食べるのは今まで紹介した同名料理のレシピと変わりませんが、今回は他の材料を入れて一緒に食べれる鍋料理風に作ります。

『薑母鴨』の歴史は過去の記事で紹介しているので、今日は漢字「薑」についてみてみましょう。「薑」は日本語や簡体字では「姜」と書きます。これは同じ発音の漢字を代用したもので、姜の字にショウガの意味はありません。もとの「薑」の字は古くからショウガをあらわす字として中国で使われてきました。古代中国の漢字字典《說文解字》には"禦溼之菜也。从艸彊聲。 "と記載されており、薬用として使われていたことが分かります。清代に書かれた《說文解字》の解説書《說文解字注》には更に詳しく、
"  御溼之菜也。 ― 御、鉉作禦。神農本艸經曰。乾薑主逐風溼痹、溼病也腸澼、匹辟切腸閒水下痢。生者尢良。久服去臭氣、通神明。按生者尢良、謂乾薑中之不孰而生者耳。今人謂不乾者爲生薑。失之矣。
  从艸。彊聲。 ― 居良切。十部。"
と解説があります。こちらも薬効に関する説明を加えたもので、腸内の溼(湿)を取り去り下痢を治すことなどが書かれています。

『薑母鴨』は1980年代に今の新北市中和で生まれた正真正銘の台湾料理で、現在はたくさんの店で様々な味の『薑母鴨』が楽しめます。基本のレシピはほとんど変わらないので、好みの具を加えて自分だけの『薑母鴨』を作ってみてください。


臘味炒寧波年糕│塩漬け肉と餅炒め

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難易度: 調理時間:1時間以内
今回はちょっと見慣れない食材を使った『臘味炒寧波年糕│塩漬け肉と餅炒め』のレシピを紹介します。うるち米で作ったお餅「寧波年糕(寧波モチ)」と「廣式臘腸(広東式腸詰)」を炒めて作る料理で、宴会の席などで食べられます。

「寧波年糕(寧波モチ)」は韓国の「떡:トック」に似にたうるち米ともち米から作るお餅です。うるち米ともち米の比率により食感が多少変わりますが、「寧波年糕(寧波モチ)」と「떡:トック」は基本的に同じ材料で作り、形状だけが異なります。「寧波年糕(寧波モチ)」は太い円柱状のものを薄切りにしたもの、「떡:トック」は細い円柱状のものをぶつ切りにしたものです。台湾ではどちらもスーパーの冷凍食品コーナーなどで普通に買えます。米粉ともち米粉を1:1ほどの比率で混ぜ合わせ、水で捏ねてから一度下茹でし、最後に蒸し器で蒸すと作れます。そのうち作り方を紹介したいと思います。

寧波は浙江省の都市の名前です。明の時代には日本と日明貿易で栄えました。

もう一つの食材「廣式臘腸(広東式腸詰)」はその名の通り広東省で作られる腸詰のことです。ソーセージのような形状ですが、サトウキビ汁(糖分)と酒を多用して作るため西洋のソーセージとは風味がまったく異なります。広東省の高温多湿の気候でも長期間にわたって保存できるように作られた独特の食材です。「廣式臘腸」は台湾での呼び名で、他にも「港式臘腸」などとも呼ばれます。現地ではもちろんただの「臘腸」です。輸入しているものもありますが台湾でも作られており、普通のスーパーで買えます。

 今回は上記二つの食材を組み合わせた料理です。日本でなら韓国式のモチと普通のソーセージで作れると思います。ぜひ挑戦してみましょう。

蔥油雞│葱油鶏

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難易度:☆ 調理時間:2時間
お手軽調理で鶏の旨味を存分に味わう『蔥油雞│葱油鶏』のレシピです。ゆでただけの鶏肉を、葱と塩胡椒でいただきます。

台湾でももちろん食肉用にブロイラーが養殖されています。ブロイラーは台湾では「白肉雞」などと呼ばれますが、これに対してそれ以外の品種、特に雑種で品種がよく分からなくなってしまったものを「土雞」と呼びます。土鶏は日本統治時代に日本から連れてこられたものが、それ以前のニワトリと交雑を重ねたものとされています。

鶏むね肉を好む西洋人に対して台湾人は鶏もも肉を好みます。この好みの差により腿の太い鶏が選択されて、土鶏はほぼすべて立派な鶏ももを持ちます。この土鶏を山林で放し飼いにして育てたものを「放土雞」、「仿土雞」など呼び、高級鶏肉とされます。

ブロイラーはヒヨコから半年で2kgまで成長するのに対し、土鶏は1年と倍の時間をかけて成長します。(もちろんどちらも成長ホルモンの混ざった餌を与えて育てます。)今台湾にどれだけ自然に成長させた土鶏がいるかは知りませんが、それほど数は多くないのは確実でしょう。

台湾にて安全でおいしい鶏肉を捜すのは、日本以上に手間もお金もかかると思います。ある程度は妥協が必要で、それを飲み込む寛容さも食には必要ということでしょう。

今回の『蔥油雞│葱油鶏』は鶏肉の品質がそのまま味に現れます。日本で再現される方は地元のおいしい鶏肉を使ってチャレンジしてみてください。


四神鱸魚湯│スズキ入り四神スープ

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難易度:☆ 調理時間:2時間
筆者の最も愛する台湾スープ料理の『四神湯』の豚モツの代わりに魚を加えた『四神鱸魚湯│スズキ入り四神スープ』のレシピを紹介します。豚モツの処理の手間を考えるとこちらの方が簡単に作れます。

本ブログでもたびたび登場する『四神湯』は清代に宮廷で作られた薬方が元になっており、もともと「四臣湯」と呼ばれていました。この臣の字の発音が閩南語で神と似ているため、台湾では訛って四神湯と呼ばれるようになったのです。

もともとは「茯苓、芡実、蓮子、山薬(淮山)」の四つに豚モツを合わせて水で煮込んだものが「四臣湯」です。筆者も再現したことがありますが、お酒を使わないと少し臭みが出ます。

台湾では多くの『四神湯』のお店があります。各店で材料やその配合割合が異なるため、一店ごとに少しずつ味が異なります。大手レストランチェーンの四神湯もなかなかいい味だったりします。筆者のような熱烈な四神湯ファンは自分だけの名店をいくつも知っているものです(笑)。台湾旅行も数回目という方は、自分だけの行き着けの店を作っておくと旅行が楽しくなるでしょう。

台北市内だけでも多くの『四神湯』の名店がありますが、その多くは個人経営の小店ばかり。それだけにおいしいお店を探し当てたときの喜びは何者にも勝ります。日本ではなかなか口に出来ない『四神湯』ですが、手に入らないなら作ってしまえばいいのです!何度も作ると自分だけの材料黄金比が出来てきます。おいしいレシピが出来たら、ぜひ筆者にも教えてください。



2015年1月第4週 台湾ヒットチャート

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国語

順位 曲名 歌手
1 小蘋果 筷子兄弟
2 泡沫 鄧紫棋
3 想你的夜 (未眠版) 關喆
4 第三人稱 蔡依林
5 以後別做朋友 周興哲
6 喜劇之王 李榮浩
7 我還是愛著你 MP 魔幻力量
8 傷心的人別聽慢歌 (貫徹快樂) 五月天
9 缺口 庾澄慶
10 聽見下雨的聲音 魏如昀



台語

順位 曲名 歌手
1 落雨聲 江蕙
2 人生的歌 黃乙玲
3 家後 江蕙
4 夢中的情話 江蕙、阿杜
5 傷心酒店 施文彬、江蕙
6 海波浪 黃乙玲
7 追追追 黃妃
8 愛情限時批 伍佰、萬芳
9 雲中月圓 王識賢、孫淑媚
10 心裡有針 蕭煌奇

以下に各部門上位3曲のYoutubeのリンクを貼り付けておきます。過去に紹介しているものは飛ばして順次下位の曲を紹介していますので、上位曲のビデオは過去のチャートを参照してください。

国語部門
10 聽見下雨的聲音 - 魏如昀



台語部門
10 心裡有針 - 蕭煌奇



>>2015年台湾ヒットチャート目次
<<2015年1月第3週のヒットチャート
>>2015年1月第5週のヒットチャート

肉絲炒海帶│豚肉と昆布の千切り炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中華家庭料理『肉絲炒海帶│豚肉と昆布の千切り炒め』のレシピを紹介します。豚肉と昆布を炒めて作るさっぱりとした料理です。

古代の地球で海中から地上に植物が進出する過程で、海岸の岩場などに根を張って体を固定する能力を身に付けたものが藻類です。それまでの植物は根と茎といった器官を持たず、海中を浮遊して生きていました。海岸は深浅によって届く光の波長が異なります。それを有効活用できるように葉緑素を濃さを変え、藻類は緑藻、紅藻、褐藻と呼ばれる三種に分かれました。コンブは褐藻と呼ばれる古植物が進化した生物です。これら藻類のうち最も浅いところで生活していた緑藻が、コケに進化し、コケがシダに、シダが裸子植物に、裸子植物が被子植物に進化することで現在の地上の植物相が完成します。


コンブ(マコンブ)の仲間の褐藻網にはモズク、ワカメ、ヒジキ、ハバノリなど食用にされる多くの海藻が含まれます。

植物の進化は被子植物が地上を覆ってからも、大規模な気候変動があったり、動物や人間との共生関係があったりで非常にダイナミックです。興味のある方は植物の進化の歴史を辿ってみましょう。絶対に眠れなくなりますよ(笑)!

それでは渇藻を代表する食材であるコンブを使った料理です。進化の過程を考えながら味わってください。



醬炒鮮干貝│貝柱のXO醤炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
年越し料理シリーズ。今回は貝柱を使った『醬炒鮮干貝│貝柱のXO醤炒め』のレシピを紹介します。新鮮な貝柱をXO醤で炒めて作ります。

この料理で使う貝柱は中国語で「干貝(乾貝)」、「珧柱」、「瑤柱」といいます。ホタテの貝柱が最も有名ですが、他にものアズマニシキ (カスミニシキ) Chlamys farreri 、タイラギAtrina pectinata なども使われます。

台湾で使われている貝柱は大きなもので日本産と明記されていればまず北海道産ホタテガイの貝柱で非常に高級品です。対して比較的安価に出回る小型のものはタイラギの貝柱で、味は薄いながら市場には多く流通しています。

さて日本の貝柱は高級食材として中国でも欠かせない食材となっていますが、ホタテの養殖には実はある大きな問題が付きまといます。そう、残された貝殻の処理です。主成分が炭酸カルシウムのため、チョークなどに加工できないこともないですがこの場合原価が高くなりすぎて実用的ではありません。一昔前は堆肥などに利用されていましたが、近年重金属を高度に蓄積した個体が見つかることがあり、肥料に使えなくなってしまいました。重金属を含むことがあるというので焼却処理も出来ず、毎年大量に発生する貝殻の処理には多くの業者が頭を悩ませています。

数千年前の人類が残した貝塚のように、現代に生きる我々が処理に困った貝殻もいずれ遺跡として時代を超えて伝えられていくのかも知れませんね。

それでは新鮮な貝柱を使った炒め料理『醬炒鮮干貝│貝柱のXO醤炒め』です。濃厚な旨みが特徴で、あらゆる料理に合います。ぜひお試し下さい。



淡菜沙鍋雞│ムール貝と鶏肉の土鍋焼き

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中華年越し料理シリーズ!『淡菜沙鍋雞│ムール貝と鶏肉の土鍋焼き』のレシピを紹介します。土鍋を使ってムール貝と鶏肉を炒めて作る料理です。

日本ではちょっと旬を外れていますが、今回はムール貝を使った中華料理を紹介しましょう。

ムール貝はイガイと呼ばれる食用外の総称で、イガイ、ムラサキイガイ、ヨーロッパイガイなどの種を含みます。中国語の正名は「貽貝」で、上の和名を持つ貝はそれぞれ厚殻貽貝、地中海貽貝、藍貝などと呼ばれます。もともとヨーロッパ原産の種が多い貝ですが、ここ50年ほどで急速に生息域を広げました。中華料理ではここ十数年で使われるようになり、各地でムール貝を利用した様々な新しい料理が生まれています。

ムール貝の殻を除いた貝肉を「淡菜肉」、「青口」などと呼び、そのおいしさから「東海夫人」の別名でも呼ばれます。タンパク質含量が60%と非常に高く、薬膳食材としても注目されています。またイガイ類は糞や体内に入った雑物を粘膜に包んで排泄し沈殿させるという特徴があり、この働きを利用した水質浄化に使われることもあります。まぁ、繁殖力が高く、非常に強固に足場に固定されるので除去が難しく、生態系を破壊する可能性があるという問題はありますが…。

今回はそんな世界各地で養殖も盛んで、日本の食卓でもおなじみのムール貝を使った中華料理です。とてもおいしいのでぜひ作ってみてください。



百花香菇│百花シイタケ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
年越し料理シリーズ『百花香菇│百花シイタケ』のレシピを紹介します。シイタケのかさに肉餡を盛り付けて蒸して作る料理で、蒸すときに出るスープを加工してダシを取ります。

料理名にある百花とは文字通り百の花、転じて多くの花、多くの優れたものの意味です。料理名とは関係ありませんが、今回はこの百花にまつわる故事成語についておさらいしておきましょう。

百花といえばまず「百花繚乱」の熟語が思い浮かぶと思います(「百家争鳴」は花ではなく家なので注意です)。百花繚乱とは種々の花が咲き乱れること、転じて多くの識者や有力者が一堂に会することを意味します。日本では結構目にする熟語なのでご存知の方も多いと思いますが、実はこの熟語、台湾や中国ではほとんど使われません。調べてみると百花繚乱の出典は《祇役遇風謝湘中春色》というタイトルの唐詩でした。作者は熊孺登という人です。中身を見てみましょう。

水生風熟布帆新
只見公程不見春 應被百花撩亂笑
比來天地一閒人

比來:ちかごろ
閒人:暇人

春が来たのに仕事に忙しいばかりで、そんなことでは咲き誇る花に笑われてしまうよという内容です(たぶん…)。現代日本にはドキリとしてしまう人も多いかもしれません。どれだけ忙しくても花を愛でたり、季節の移り変わりを楽しんだりする心は忘れたくないものですね。

それではレシピです。 味付けにアレンジの幅が広いので、オリジナルのものを作って晩御飯のおかずにしてもよいでしょう。


薏仁排骨湯│ハトムギと豚バラのスープ

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難易度:☆ 調理時間:下準備+1時間以内
久しぶりの薬膳はいかがでしょうか?体力回復やイボに効果のある『薏仁排骨湯│ハトムギと豚バラのスープ』のレシピを紹介します。

この料理で使う「薏苡仁│ヨクイニン」は日本でもハトムギなどの名前でおなじみの植物の種子のこと。台湾料理ではとても良く使う食材の一つで『四神湯』などにも入っています。中医学、日本漢方でもイボの薬としても使われています。普通の調剤薬局ならヨクイニンのエキス製剤が必ず置いてあると思います。

ヨクイニンは和名をジュズダマ、学名を Coix lacryma-jobi といいます。ジュズダマの栽培種ハトムギ C. lacryma-jobi var. mayuan の方が有名でしょう。学名の lacryma-jobi とは「lacryma」が「Tears」即ち涙、jobiは「Job's」即ち「ヨブ(人名)の」 、全体で「ヨブの涙」という意味です。ジュズダマの英名はこの学名をそのまま英訳した「Job's Tears」といいます。西洋では数千年前から穀物やビーズとして用いられており、その形状とサイズが涙に似ていること、聖書ではヨブが多くの涙を流したことからこの名前が付けられました。

漢字では「薏苡仁」と書き、《神農本草經》にも記載があります。古代から食用・薬用に使われています。漢字の「薏」、または「薏苡」自体がジュズダマを表すので、「薏苡仁」または「薏仁」がそのままジュズダマの種の意味になります。栄養価値的には同じイネ科のコメと比べて三倍のタンパク質と脂肪を含み、中国では「イネ科植物の王」の別名で呼ばれることもあります。

ヨクイニンはイボのウイルスに効果があることが知られており非常に有名ですが、他にも美肌、筋肉の痙攣止めなどにも良く使われます。近年の研究では抗がん作用、動脈硬化改善作用、免疫力増強作用、降圧作用、血糖高価作用などが見つかっており健康食品としても優秀な食材です。

今回はそんなヨクイニンに滋養強壮の高価のあるヤマイモ、そして豚バラ肉をあわせて贅沢なスープにして見ます。 薬膳ですがスープ料理としてもクセになってしまうくらいおいしいですので、ぜひ挑戦してみてください。


杏汁雞湯│鶏肉のアーモンドスープ

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難易度:☆ 調理時間:下準備+1時間
アーモンドを粉砕し、溶いたスープで鶏肉を煮込んだ珍しい料理『杏汁雞湯│鶏肉のアーモンドスープ』のレシピを紹介します。

アーモンドは学名をPrunus dulcis といいます。バラ科サクラ属の植物です。(知らない人にアーモンドがサクラの仲間であると教えると驚かれます。)和名をヘントウといいます。扁桃腺のヘントウです。

バラ科の広義のサクラ属は、モモ亜属、スモモ亜属、サクラ亜属、ニワウメ亜属、ウワミズザクラ亜属、バクチノキ亜属にそれぞれ分けられますが、それぞれの亜属を属にする分類方法もあり、覚えるのが面倒くさい属の一つです(笑)。そして研究が進めば近いうちにも大幅に分類が再編されるでしょう。 これまたややこしい限りです。サクラ属の植物は見た目が美しいものが多く観賞用として飢えられる他、その硬く軽い幹は木材として、また食材、薬物として有用なものもたくさんあります。興味のある方は一通り覚えておきましょう。

アーモンドは食品中でビタミンEの含量が最高で、不飽和脂肪酸、ポリフェノールを豊富に含み、西洋では旧約聖書以前の時代から薬用にも使われてきました。カロリーは高いですが、健康効果に優れた食材です。今回の料理で使うスープは西洋ではアーモンドミルクとも呼ばれそのまま飲んでも健康効果に優れます。




醃篤鮮│金華ハムとタケノコのスープ

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難易度:☆ 調理時間:2時間
浙江省の名物料理『醃篤鮮│金華ハムとタケノコのスープ』のレシピを紹介します。厚切りにした金華ハムと豚バラ肉のダシがスープをうっすらと濁らせた名品です。

浙江省は中国東部、海に面した省で省都は日本人にもおなじみの「杭州」。省のGDPも毎年全国4-5位と高く、経済発展も著しい土地です。

浙江省の浙とは省内を流れる河川「錢塘江」のことで、湾曲が激しいことから「折れ曲がる江」、即ち浙江と名付けられました。南部の温州、麗水は福建省と接し、台湾でも餛飩料理などで有名です。他にも金華ハムで有名な金華、紹興酒で有名な紹興などを有し、各地で作られるあまりにも有名な特産物は、日本の中華料理ファンにもおなじみですね。ちなみに省都の杭州より南部の温州のほうが人口が多いです。

浙江省にある約7000年前の遺跡からは日本の米の先祖に当たるDNAを持つ籾殻が見つかっており、日本の米の祖地であることも分かっています。浙江省の料理は浙菜と呼ばれ、中国八大菜系の一つ、トンポーロウに代表されるように甘く、こってりしたものが多く、素材を長時間煮込んでダシを抽出し、それを別の材料に移して食べるなどの調理技法が特徴です。また省内各地の風光明媚な環境を模した美しい細工が施された料理にも優れます。

日本の米の故郷である浙江省、日本のお米との相性はもちろんばっちりです!今回の『醃篤鮮』もぜひ金華ハムを手に入れて再現してみてください。おいしいですよ!


 
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