三絲米粉湯│三色ビーフンスープ

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本日は「中餐丙級證照」シリーズから『三絲米粉湯│三色ビーフンスープ』のレシピを紹介します。いやぁ、早く全メニューコンプリートしたいのですが、まだまだ半分も行ってないですね。このシリーズいつまで続くことやら…。

今回の料理にはビーフンを使います。

台湾を訪れた日本人が驚かされるのは統治時代に残された「日本語」の多さ。「父さん」、「母さん」、「運ちゃん」、「こんにちは」、「さよなら」などの単語はそのまま台湾で使えます。 特に南部ではあまりに自然に生活に溶け込みすぎていて、使っている台湾人すらこれらの単語が日本語由来ということを気づいてないことがあるほど。ある20代の台湾人は大学で日本語を学ぶまで、「さよなら」が日本語だということを知らなかったそうです(!)。こんな例がたくさんあります。おっと、以前紹介した『阿給』も忘れてはいけませんでした。

これ以外にも自動車修理、建築現場、スポーツの現場などでは多くの単語が日本語の発音そのままで今でも使われています。これは統治時代の日本語を排除する動きのある韓国でも同じです。統治時代に日本経由で現地に導入された近代大衆文化では、特に日本語の残存が顕著な傾向があります。統治時代の日本語を公式には徹底的に排除する動きの韓国でも、実はかなりの分野で日本語が残っており政府は頭を抱えているようです。韓国南部でビリヤードや卓球をプレイすると、用語の多くで日本語が保存されています。また学術用語の言い換えなど、韓国政府は四苦八苦しているようです。
 
さて、日本語から諸外国語になった例は数多くありますが、では逆はないかというともちろんあります。台湾語から日本語に伝わった物で代表的なのは「ビーフン」。特に食品に関して例が多いようです。

ビーフンはうるち米から作る麺で、福建省を中心に、ベトナム、インドネシアなど東南アジアに広く分布する食材です。日本でビーフンといえばソーメンのような細い物ばかりですが、台湾をはじめその他の地域では太さ、幅、長さがさまざまな物が売られています。

そんなビーフンを使ったスープ料理です。


難易度:


調理時間:
30分以内

樟茶雞│樟茶鶏

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本日は少々珍しい料理のレシピを紹介しましょう。その名も『樟茶雞│樟茶鶏』、四川の名物料理で、名前から分かるように、樟と茶葉を使って鶏肉を燻製にした料理です。

さて、樟(くすのき)と台湾には切っても切り離せない深いつながりがあることは台湾通の皆様ならよくご存知でしょう。ご存じない方のために日本統治時代に全世界の大半を算出していた台湾の樟脳についてざっと概説したいと思います。

樟を水蒸気蒸留してえられるd-カンファー、いわゆる樟脳は古来より防虫剤などとして用いられてきました。もともと中国南部や台湾、日本などの狭い地域でしか育たない植物で、これに目をつけた日本政府は台湾領有後すぐの1899年に専売制をしき、台湾での樟脳のプランテーション栽培を始めます。(当時台湾で専売制が敷かれたのは、阿片、樟脳、塩、酒、タバコの5品目。)

19世紀末に人類初の人工熱可塑性樹脂セルロイドの原料として世界的に需要が高まると、台湾の樟脳は世界需要の6割以上を生産するようになり、日本の経済だけでなく世界中の化学工業の発展を後押ししました。当時の用途は映画のフィルム、おもちゃ、写真乾板、医薬品など用途はさまざまですが、1920年に化学合成法が確立するまで台湾の樟脳は世界の需要を満たし続けます。プラスチックが実用化されて以降はほとんど使われなくなりますが、当時は「作っても作っても追いつかない」と表現されるほどの需要がありました。今でもピンポン玉やボールペンの材料などとして日本でも少量が生産されています。

日本が専売をしいていた上記製品については栽培、採取、生産、加工、工場などの資料は大量に残されており、社会・経済・人文系の分析・研究のテーマとして根強い人気があります。鈴木商店との関連も強いので、現在の日本経済につながる面白い物語がたくさんあります。中国語の分かる方は論文や著作を探して読んでみるとよいでしょう。

今回の料理は樟のチップと茶葉で鶏肉をいぶして作ります。オーブンで作れるので、チップをさまざまに変えてオリジナルの香りを作ってみてください。その場合は料理名を「○茶鶏」に、○に使ったチップの名前に変えましょう。



難易度:
☆☆☆

調理時間:
半日

雙鮮涼拌豆芽│中華風モヤシサラダ

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本日のレシピは『中餐丙級證照』シリーズより、『雙鮮涼拌豆芽│中華風モヤシサラダ』の紹介です。

台湾もすっかり涼しくなってきましたが、日中はまだまだ残暑が厳しい季節です。こういうときはやっぱり涼しげな料理が食べたくなりますね。

今では日本の食卓に欠かせない食材となった「モヤシ」ですが、実はこれほど普及したのは戦後になってから。特に全国で一般的になるほど普及したのは1990年以降というから驚きです。そういえば筆者が子供の頃は今ほどモヤシを食べてなかったような気が…。

さて、モヤシは「大豆」から作ると思い込んでいる方がいらっしゃいますが、正確には間違いで現在日本で普及しているモヤシは大部分が「緑豆」のモヤシ。大豆のモヤシもあるにはあるのですが、中華料理屋さん用など流通はごく一部に限られます。ちなみに中国や台湾のモヤシは大豆が主体で日本のものとは食感が異なります。

ちなみに台湾の大豆生産量はほぼゼロ(!)。そのほとんどをアメリカからの輸入に頼っています。その輸入量は世界なんと第五位(ちなみに日本は第四位)。ほとんどが搾油用ですが、食用の大豆もほとんどがアメリカかカナダからの輸入品です。市内いたるところで見られる「豆漿」のお店の大豆はほとんどは輸入品ということですね。台湾の食用油はほとんどが大豆から抽出されていますが、その油を絞るための施設はほとんどが内陸から東海岸に位置しています。中国との緊張が続いていた時代の名残ですね。台湾における大豆とその加工品の流通や価格に関しては非常に面白い話がたくさんあるのですが、レシピとは何の関係もないのでここでは割愛します。興味があれば自分で調べてみましょう。


「台湾の大豆はほとんどが輸入品だよ」と台湾人に言っても、「市場で買ったのは国産だから安全だ!」とか言って聞く耳を持たない人もいます。

現在台湾では中国との間で日本とアメリカのTPPに似た条約を締結するかどうかもめています。TPPと同じように秘密条約で、例外品目のみを記載して除外する方式で、しかも大統領権限で締結を調整しているとあって、日本と似たように特に農林関係者から大きな反対の声が上がっています。実際のところは農業だけでなく、台湾の健康保険制度や司法制度に中国の関与が可能になりそうだということで識者の間では多くの議論がなされているようです。中国も明らかにTPPを意識して条約を結ぼうとしているようですが、日本ではこういうことはほとんど報道されませんね。しっかりとした知識を身につけ、グローバリズムという言葉に踊らされないようにしましょう。

というわけで、今日はもやしを使った料理です。



難易度:


調理時間:
一瞬

蝦甘味煮│中華風エビのうま煮

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本日は『蝦甘味煮│中華風エビのうま煮』のレシピです。

日本名を見て分かるように日本のおせち料理を中華風にアレンジした物で、紹興酒の香りが食欲をそそります。

台湾は旧正月、日本は新正月を盛大に祝い、そのときに年菜や年が明けてからおせち料理を食べるのも似ています。新年前後に特定の料理を食べる習慣は、中国古来の風俗が日本に伝わったものですが、逆に日本統治時代に台湾に伝わった習慣も数多く、例えば台湾でも家によっては大晦日の大掃除をしたり年越しそばを食べたりするそうです。

一部のおせち料理は現地でアレンジされ、年菜として食べられます。この料理もその一つで、酒を使うところが紹興酒になっているのがポイントですね。 年菜として出される時はヒゲは切らなかったりしますが、食べるだけなら関係ないので今回のレシピでは切り落としています。





難易度:


調理時間:
30分以内

茄汁鳳梨雞│中華風鶏肉のケチャップ炒め

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本日は『茄汁鳳梨雞』という料理のレシピを紹介します。 結構手軽にできますので、ぜひぜひお試しください。

当ブログでも類似の料理を数々紹介してきました。グラタン風の『茄汁鯛魚│鯛のケチャップグラタン』や今日の料理と材料の違う『茄汁肉片│豚肉のケチャップ炒め』など、ケチャップを使った料理は手軽に作れるのがいいですね。以前の記事で紹介したようにケチャップはもともと福建省が由来。世界一周してまったく形は変わってしまいましたが、今ではさまざまな中華料理に使われます。

台湾で栽培されるトマトは実はほとんどが日本で開発された品種ばかり。台北市からすこし南に行けば、多くのトマト栽培農家があり現地の農協でも売られています。台湾でも近年はフルーツトマトのような甘い品種が人気で、栽培トレンドが日本のものとほとんど同じなのも特徴です。「トマトの健康効果!」や「果物?野菜?」などのタイトルでテレビでも紹介されることがありますが、この辺は広告の手法が日本の丸パクリで、常に財政難にあえぐ台湾のテレビ局の懐事情が伺えます(笑)。芸能人がトマト農家で無農薬トマトをかじって、「甘い!こんなの食べたことない!」と叫ぶのも一緒です。

というわけで、台湾のトマトは日本のものとほとんど変わりません。幸い品質管理も日本を真似ているので、とても安心して食べられます。台湾で日本食が懐かしくなったら、トマトを探して丸かじりというのもいいかもしれません(笑)。

というわけで、本日はケチャップを使った鶏肉料理です。美味しいですよ!



難易度:


調理時間:
30分以内

銀芽炒粄條│モヤシ焼ききし麺

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本日は「中餐丙級證照」」シリーズより『銀芽炒粄條│モヤシ焼ききし麺』のレシピを紹介します。きし麺(粄條)で作る焼きそばだと考えればいいでしょう。

粄條とは米で作った幅広の麺で、客家を代表する食材の一つです。米粉で作られているため、ご飯の代わりに食べられます。ベトナム料理で食べられる河粉(フォー)も類似の料理です。

1885年、清仏戦争のときベトナムにおいてフランス軍を打ち破った清軍のリーダーは客家出身でした。勝利を祝うため当地の河粉料理を食べた彼は、「われわれの粄條と似ているが、こんなにおいしい物は食べたことがない」と言って何度もおかわりをしたという故事もあるそうです。

確かに…、ベトナムの米麺は美味しいですからね…。 客家の粄條は蒸して作るためベトナムのものよりもっちりしています。お腹にたまりやすく作っているのでしょう。レシピではきし麺で作っていますが、粄條は正確にはきし麺と製法が異なるので注意です。粄條は米粉を熱水で溶いて平底の器に広げてから、蒸し器で蒸して作ります。乾燥させずにそのまま食材として調理するので、食感がよいのが特徴です。台湾訪問時に客家料理のレストランにいくことがあれば、一度チャレンジしてみてください。


難易度:


調理時間:
30分以内

紅燒獅子頭煲│中華風ミートボールスープ

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本日のレシピは『紅燒獅子頭煲│中華風ミートボールスープ』です。ミートボールを中華スープで煮込んで作る料理で、一から作るとなかなか手間がかかりますが、ぜひ挑戦してみましょう。

この料理の獅子頭とは肉団子の事を指しますがが、日本ではもっぱら獅子舞の頭の部分を指します。中国語では獅子舞を「舞獅」といい、獅子舞は、日本、台湾、中国はもちろん、韓国、ベトナム、シンガポール、マレーシアなどでも吉祥の踊りとして伝えられています。どの国でも祝祭や開業開店のお祝いとして、龍舞と合わせて演じられることが多いようです。

実際の中国(大陸部)の近代獅子舞は裏社会の人々とのつながりがあることが多く、実は人々にそれほど全面的に受け入れられているわけではありません。というか近年は忌避される傾向すらあります。要は開業開店時に、どこの誰がバックについているぞと誇示するためのアピールでもあるのです。華やかな演技の裏にある負の一面ですね。

さて、台湾では打って変わり小学校での文化教育課程の一環として獅子舞を学習します。タイミングがよければ小学校の校庭で獅子舞を学んでいる子供たちの姿を見かけることもできます。練習では笑顔が絶えないながらも、全身運動であるので結構ハードなようで、早々に疲れた生徒は隅でサボっていたりします(笑)。もし旅行中に見かけたら観察してみてください。

台湾の祭りで行われる有名な獅子舞では、著名な武術家が中に入り演技を行うこともあります。動きの質にも注目です。台湾を含め中華圏で行われる獅子舞は各団体による試合形式で行われることが多く、もっとも有名なのは2年に一度7月、マレーシアで開かれる「雲頂世界獅王爭霸賽」で、1994年の第一回大会から現在までマレーシアの団体が不動の1位を死守しています。今後どの国の団体がマレーシアを王座から引きずり落とすのか注目されます。観光にもうってつけですので、時期が合えばぜひ観覧したいものです。来年の大会にはHigeneも観覧に訪れる予定…です。

というわけで、今日は料理の獅子頭を作ってみましょう。


難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

蘆筍炒牛絲│アスパラロースー

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本日のレシピは『蘆筍炒牛絲│アスパラロースー』です。アスパラガスと同じくらいの太さに切った牛肉をいためて作る料理で、非常に食感のいいお手軽料理です。美味しいアスパラガスが手に入ったらぜひ挑戦していただきたいと思います。

牛肉の太さによって『蘆筍炒牛柳』や『蘆筍炒牛肉』などと呼ばれたりしますが、基本的に同じ物です。

アスパラガスはあまりにも西洋名が定着しているため、和名があることを知らない人が多い植物です。ここでおさらいしておきましょう(笑)。和名をオランダキジカクシ(阿蘭陀雉隠)といい、成長すると雉が隠れてしまうほど枝が育つことから名付けられています。オランダと付いているだけあって、無印のキジカクシという植物があり、こちらも日本でが古来より食用にしてきました。同じ属のクサスギカズラ(草杉蔓)という植物は天門冬という生薬の起源植物です。

栄養学を多少かじった方はアスパラギン酸というアミノ酸の名前を知っていると思いますが、このアスパラガスから見つかったことで名付けられました。というわけでアスパラガスはうまみ成分であるアスパラギン酸を豊富に含みます。栄養学の歴史を感じながらおいしく食べましょう(笑)。

それではレシピいきます!



難易度:


調理時間:
30分以内

培根炒高麗菜│ベーコンとキャベツ炒め

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本日は『中餐丙級證照』シリーズから『培根炒高麗菜│ベーコンとキャベツ炒め』のレシピを紹介します。ベーコンとキャベツを炒めるだけの簡単料理で、忙しい朝などには最適ではないでしょうか。

広い中国でキャベツを「高麗菜」と呼ぶのは実は台湾など広い中華圏のごく一部地域だけで、その他の地域では「捲心菜」や「洋白菜」などと呼びます。広東省では「椰菜」と呼ぶことも。字を見て分かるように韓国と関係が有りそうですが、真相はいかがでしょうか?

キャベツはラテン名を「colis」といい、オランダ語で「kool」、英語で「coleslaw(cole)」、ドイツ語で「Kohl」、スペイン語で「col」など、キャベツが台湾に伝えられた当時台湾に在住の外国人たちの間ではほぼ似たような発音で呼ばれていました。「コール」、「コーリ」などの西洋の呼び名に「高麗」の字をあてただけというのが有力です。ちなみに韓国人はまた別の説を主張しています。

胃潰瘍を予防する成分であるS-メチルメチオニン(キャベジン)という成分が大量に含まれ、日本では同名の医薬品の主成分にもなっています。近年はキャベツなどに含まれるイソチオシアネートに抗がん作用が見つかったりと、栄養的にも非常に優秀な野菜となっています。

ベーコンとの相性は抜群でとても簡単に作れるため、ぜひ一度家庭でもお試しください。



難易度:


調理時間:
一瞬

清燉羊肉│清燉羊肉煮込み

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本日は『清燉羊肉』というシンプルな羊肉料理を紹介します。生薬と煮込むことで羊肉独特の臭み押さえて作る料理で、レシピでは普通の鍋で作っていますが本来は「電鍋」という特殊な調理器具を使って作ります。

さて、台湾の家庭に行けば必ずおいてある「電鍋」という調理器具、皆さんは見たことがあるでしょうか?ぱっと見旧型の炊飯器のような見た目で、台湾ではさまざまな家庭料理に使われます。台湾のコンビニエンスストアに入ったとき、入り口付近に必ず『茶葉蛋』がおいてありますよね?あれを保温しているのが電鍋です。台湾の家庭料理はこの電鍋が無ければ作れない料理も数多くあるため、当ブログでも過去何度かアレンジに四苦八苦したことがあります。台湾料理好きな日本人はわざわざこれを買って持って帰ることもあるようです。蒸し器と炊飯器の中間のような機能を持つ家電で、家庭で作る大部分の蒸し料理や低温煮込み料理はこの機械で作られます。

台湾で「電鍋」といえば「大同」製のものが有名で、ほとんどの電器店で買うことができます。

1955年に日本の東芝が初の実用的な電気炊飯器を発売(※開発者は東芝ではありません)します。当時まだ日本と国交のあった台湾では、およそ5年後、1960年台に東芝と大同が共同で史上初の電鍋の販売を始めます。去年(だったかな…)は大同電鍋誕生50周年でさまざまなイベントが開催されていました。筆者としてはもう少しデザインをどうにかできないものかと思いますが、台湾人には「あの形」でなければならないようです(笑)。

ちなみに同じ「清燉」料理でも『清燉羊肉(湯)』と『清燉牛肉(湯)』とでは香辛料の配合がけっこう違います。 羊肉のほうは独特の臭みを消すために香りの強い香辛料・生薬が多くなります。きちんとつくられた「清燉」料理は肉の匂いが完全に消え、びっくりするほどの香りと味が楽しめます。今回は当帰しか使っていないのですこし匂いが残りますが、まぁ、おいしく食べられます(笑)。いつか本格的名のを作ってみましょう。

本日の料理は本来電鍋を使って調理しますが、普通の鍋でも作れるようにアレンジを加えております。それではレシピいって見ましょう。




難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

実践:符離集燒雞

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久しぶりの実践編です。安徽省の名物料理である『符離集燒雞』を手元にある材料だけで再現してみました。

日本だけでなく台湾でもまず食べる機会の無いとても珍しい料理で、食べた人たちからは非常に喜ばれました。完全再現とは行きませんでしたが、ものすごく美味しくできたので作り方を紹介します。

『符離集燒雞』のレシピはこちら。手元に水あめが無かったため濃い目の砂糖水で代用しましたが、結果的に無くても大丈夫でした(笑)。

日本ではなかなか作れないと思いますが、それぞれの香辛料の味と香りが分かる方は味を想像してみてください。レシピ通り香辛料と生薬を配合して作ってみましたが、想像を超えるすばらしい香りの料理ができました。

この料理では花椒の麻味が刺激としてではなく他の香りを包み込むマスクのような感じで使われています。花椒には舌を麻痺させるような味がありますが、肉を飲み込んでしばらく後、ほのかな麻味がふと消えた後に他の香辛料の香りが口中に広がります。まさか花椒をこういう風に使うとは!恐るべし中華料理!食べた皆で、「おお!」と驚きの声を上げながら食べました(笑)。

では、実践編です!



塔香地瓜葉│サツマイモの葉とバジル炒め

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本日はリクエストいただきました『塔香地瓜葉│サツマイモの葉とバジル炒め』のレシピを紹介します。リクエストしていただいた方は以前台湾の学生街(おそらく公館か師大)で、(たぶん)この料理を食べ、その味が忘れられないのだそうです。

作るのは…とっても簡単、ワンステップでできてしまいます。材料が手に入ればぜひ挑戦していただければと思います。

台湾でよく食べられるサツマイモの葉の料理といえばこの『塔香地瓜葉』か、「破布子」とあわせた『燙地瓜葉』くらいなので、学生街で食べたのならおそらくこの料理で間違いないかと思います。

まずは一度レシピ通り作ってみて、それから自分なりのアレンジを加えていけばどんどん美味しく作れようになると思います。他の葉野菜や茎野菜を同じ調理法で作っても美味しくできると思いますので、いろいろとお試しください。



難易度:


調理時間:
一瞬

西芹鵝肉片│ガチョウ肉のセロリサンド

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本日のレシピは『西芹鵝肉片│ガチョウ肉のセロリサンド』です。ガチョウ肉を使うのは当ブログでも初めてだと思います。西洋風のパンに挟むサンドイッチではなく、ガチョウ肉でセロリの茎を挟んで食べる中華料理です。伝統的な料理というよりは台湾での創作料理と言えます。

ガチョウは雁を家禽化したもので、ニワトリと同じくらい長い飼育の歴史があります。ちなみにガチョウはカモの仲間(カモ科)、ニワトリはキジの仲間(キジ科)で、くちばしの形に特徴がありますね。漢字を見ていただけると分かりますが、ガチョウを表す字が日本と中国で異なります。日本では「鵞」と上下に、中国では「鵝」と左右に並べて書き、面白い対比となっています。

「西芹」は西洋の芹の意味でセロリを指します。

さて、台湾の伝説でガチョウに関するモノを見つけたので紹介しましょう。

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「ガチョウのお母さん」
昔々あるところに一人の男がいました。ある日、男は街から一日をかけて遠くに住む母親の元を訪ねて行きました。母親はたいそう喜び、飼っているガチョウを殺してもてなすことを決めました。これを聞いていたお母さんガチョウは、お父さんガチョウに「私が食べられたあとも、子供たちを頼む」と言い残し覚悟を決めました。

男は鳥語の分かる人間で、物陰でこのガチョウたちの会話を聞いていました。彼らに同情した男は、まさに母親がお母さんガチョウを殺そうとするその瞬間静止してお母さんガチョウの命を救います。

先ほど聞いたガチョウたちの会話を母親に伝え、母親もガチョウを殺すのは止めることにしました。お母さんガチョウは非常に感謝し、何度も何度も頭を地面に叩きつけるようにしてお礼をしました。

それ以来お母さんガチョウの頭にはコブができるようになりました。めでたしめでたし。
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ガチョウのお母さんの頭(鼻のあたり)にコブがあることを教える物語でしょう。最近台湾の民間伝承を研究していて、結構な量の文献が集まりました。時々ブログでも紹介したいと思います。

さぁ、それでは料理、これは料理ブログです!レシピ言ってみましょう。

難易度:


調理時間:
30分以内

鳳梨拌炸蝦仁│エビの天ぷらのパイナップル添え

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本日は『中餐丙級證照』シリーズから『鳳梨拌炸蝦仁│エビ天ぷらのパイナップル添え』を紹介します。パイナップルを使ったエスニックな料理で、見た目がとても豪華なのでお客さんをもてなす時などにも使えそうです。

台湾には同じくパイナップルを使った『鳳梨炒豬肺│豚肺のパイナップル炒め』、『鳳梨苦瓜雞』などの料理があり、台湾土産として有名な『鳳梨酥(2)│パイナップルケーキ(2)』も人気レシピの一つです。

パイナップルは国際取引されるトロピカルフルーツの中でバナナについで第二位の取引量があり、世界的にも非常に重要な商品作物です。2003年ののパイナップル産出量を上位から国別に見るとタイ(1,700,000)、フィリピン(1,650,000)、ブラジル(1,400,190)、中国(1,316,280)、インド(1,100,000)、ナイジェリア(889,000)、コスタリカ(725,224)、メキシコ(720,900)、ケニア(600,000)、インドネシア(467,395)などとなっています(カッコ内はトン)。ちなみに日本は13,000トン、台湾は10,000トンほどで、意外にも日本の方が生産量がおおいのですね。生産量は年2%ずつほど増加しています。(data source: FAO)

実は台湾のパイナップル生産量は1972年には334,000トンほどもあり、なんと当時世界第二位の生産量を誇っていました。多くは生または加工食品として輸出されており、国家経済の発展に大きく寄与したといいます。しかし当時のパイナップル市場の急激な縮小などによりパイナップル農家は大打撃を受け、現在その規模は全盛期の数十分の一まで縮小してしまいました。そんなパイナップル農家が苦しい時期、泣く泣く捨てられていたパイナップルを使って開発されたのが『鳳梨酥』なのです。いい原作があれば面白い映画が撮れそうです。

パイナップルを食べて口が痛くなるのは未成熟な果実に含まれるシュウ酸の針状結晶のためです。口が痛くなるのは未成熟な証なのですがパイナップルは収穫してから後熟しないので、しっかりと熟した果実を切ってすぐに食べるのが一番美味しく食べられます。またブロメラインというタンパク質分解酵素を含み肉類を柔らかくするために使われたりしますが、大量に食べ過ぎると口から出血したりしますので注意です。この酵素は60度以上の加熱で失活するので、肉と一緒に過熱して調理する料理では過熱する前に肉と混ぜ合わせておきましょう。

パイナップルの栽培は実はとても簡単で、水はけのよい酸性土壌なら大体どこででも生育します。皮をむいた時に時々見られる黒い粒が種で、これを蒔いても発芽しますが、パイナップルの上についているシュート(パイナップルの頭の葉っぱの部分)を切って土に植えておくだけでも生えてきます。シュートからでも数年で実が収穫でき、子供がいる家庭などなら試してみる価値はありそうです(笑)。詳しい栽培方法は各自でお調べください。

きれいに並べて模範的に作ってもいいですが、ざっくり混ぜ合わせて豪快に盛り付けるのもいいでしょう。余った缶詰は『糖醋排骨』にでも使ってください。 さて、というわけで本日は缶詰のパイナップルを使ったトロピカルな料理です。


上の写真は南投縣でのパイナップル栽培風景

難易度:


調理時間:
30分以内

什錦蒸蛋│中華風茶碗蒸し

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本日のレシピは中華風の和食である『什錦蒸蛋│中華風茶碗蒸し』です。出汁の代わりに中華スープを使って作るだけで、思った以上に中華料理の雰囲気がでます。

茶碗蒸し自体はれっきとした日本料理なのですが、昨日紹介した「ゴボウ」と同じように、台湾、韓国、中国東北部で食べられます。台湾では日本料理の店で普通の茶碗蒸しを食べられますが、台湾料理の店でも時折メニューに載っていることがあります。台湾のものは中華風なアレンジが加えられていることがあり、料理の進化をリアルタイムで楽しめてなかなかおもしろいですよ。

筆者としてはぜひ台湾の客家料理で茶碗蒸しをアレンジしたものを食べてみたいものです。そのうち自分で開発するかもしれません(笑)。

お菓子を作る方はご存知かもしれませんが、茶碗蒸しの出汁の変わりに牛乳と砂糖を入れて作るとプリンになります。台湾の洋菓子店でもプリンは定番のメニューで、有名店のものはお土産としても人気です。

茶碗蒸しはベースとなるダシを変えれば、世界中どこでもご当地茶碗蒸しを作れるほどの応用力の高い料理です。タイやマレーシアなどで香辛料を効かせたエスニックな茶碗蒸しや、ヨーロッパのブイヨンで作る茶碗蒸しもおいしそうですね。いろいろとアレンジを考えるだけで楽しい茶碗蒸し、今回は中華風で作ってみましょう。


難易度:


調理時間:


椒鹽牛蒡絲│ゴボウとイカの塩コショウ揚げ

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本日のレシピは『椒鹽牛蒡絲│ゴボウとイカの塩コショウ揚げ』です。千切りにしたゴボウとイカを油で揚げたあと、塩コショウを絡めて食べる料理で、台湾の家庭で食べられます。

台湾でゴボウの料理と言えば『涼拌牛蒡絲』のような冷性の料理ばかりで、あまり煮物や鍋に入れたりはしません。ゴボウが苦手な台湾人はこの冷性料理の香りが苦手なことが多いようです。

Higeneは甘口男の火鍋にゴボウを入れて台湾人に振舞うことが多いのですが、いつもはじめて食べる人は「鍋にゴボウ?!」と怪訝な顔をします。本当に台湾では汁物にゴボウを入れることが少ないようです。実際に食べてもらうと「何これ!美味い!」と火鍋とゴボウの相性の良さに驚いてもらえるのです。

実はゴボウを水にさらした時に出る茶褐色の色素はクロロゲン酸というポリフェノールで、抗酸化作用がある健康成分です。水にさらすと容易に流出してしまうので、健康のことを考えるのはゴボウを長時間水にさらして調理しないようにしましょう。(レシピではまったく逆のことをしていますが、これは台湾料理の調理方法なので健康のことは考慮していません(笑)。)

ゴボウはキク科の植物で、西洋ではハーブとして用います。漢方薬でも「牛蒡根」や「悪実」などの名で薬として使われます。もともと日本に伝わったのも薬用としてで、食用にするのは江戸時代に始まりました。日本による統治を受けた台湾、韓国、中国 東北部では現在もゴボウの根を食べますが、それ以外の国・地域ではゴボウを野菜として食べる習慣がありません。ちなみに筆者が知る台湾在住の西洋人に料理をご馳走し たときもゴボウサラダをおいしそうに食べましたが、実物を見せるとものすごい怪訝な顔をしました(笑)。

今日のレシピは牛蒡の栄養成分を洗い流して調理する少々残念なレシピですが、その分食感は抜群でイカと合わせて非常においしく食べられます。健康のためのレシピはPointに記載していますので、そちらも参考にしてください。



難易度:


調理時間:
30分以内

芋頭甜湯│タロイモのスイーツスープ

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本日のレシピは『芋頭甜湯│タロイモスープ』です。台湾伝統のタロイモを甘いスープで煮込んだもので、冬はもちろん夏でも楽しめる暖かいデザートです。

台湾で「芋頭」といえばタロイモのことで、日本の「里芋」も同じタロイモの一種です。日本とは品種が異なるため食感が若干違いますがもともと同じ植物です。このブログでも材料に「里芋」と書いてあればほとんどの場合タロイモの代用として使っています。

台湾のタロイモは各種デザートに使うことが多く、豆花や各種スープの具として定番中の定番。ドリンクステーションで『タロイモのミルクティー』が売られているくらいなので、興味がある方は注文してみましょう。さらさらして美味しいですよ。

今日はそんなタロイモを砂糖で煮込んだ簡単スイーツ。もちろん里芋でも作れます。風邪を引いたときなどに食べてもいいでしょう。スープを冷やし、砕いた氷と小豆餡や果物を加えても美味しいので、いろいろとアレンジをお試し下さい。



難易度:


調理時間:
1時間以内

蔥油雞│葱油鶏

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本日のレシピは『蔥油雞│葱油鶏』です。台湾のお弁当屋さんでは定番の料理ですね。レストランのメニューとしてはあまり見かけませんが、家庭ではそれなりによく食べられます。

煮込んだ鶏もも肉に糸ネギをのせごま油を振りかけて食べる料理で、白ご飯との相性が抜群。骨から取り外して弁当のおかずにしたり、おにぎりの具にしてもいいでしょう。弁当屋の定番メニューということで、台湾でももちろんご飯とあわせて食べます。

そういえば台湾各地で見かける「便當」の文字、もちろん「弁当」を意味しているのですが、日本語と漢字が違うことに気づきましたか?

「弁当」はもともと「便當」と書くのが正しく、その語源は南宋時代(1127年—1279年)の文献にまで遡ります。意味はそのまま「便利な(便)もの(当)」。これが日本に伝わり当て字で「便道」、「辨當」などとかかれるようになります。そのうち「辨當(弁当)」の字が定着し、日本ではこの字を用いるようになりました。日本による統治を受けた台湾にも「弁当」が逆輸入され、大衆文化として定着するのですが、さすがに当て字はまずいと思ったのかオリジナルの「便當」の字を使っているようです。また台湾では日本の駅弁をまねて、各地の有名駅で「鐵路便當」が売られています。台湾列車の旅を計画されている方はこちらも楽しみですね。

現在台湾では99%の公立小中学校で給食が提供されています。アジア圏ではかなり珍しい普及率です。台湾でも1930年代にはすでに一部の学校で給食制度がとられていましたが、公立学校での給食制度が確立したのは90年代以降、つまりそれ以前はみんな弁当を持って学校に通うのが当たり前でした。お母さんが作ったものだけでなく、通学時に路上で売っている弁当を自分で買って学校に持っていくというスタイルも受け入れられていました。安くて、美味しくて、栄養豊富、そしていろんな料理が食べられる台湾の「便當」は給食制度が始まり、子供たちが弁当を必要としなくなった後も、忙しいサラリーマンたちの昼食の定番として、しっかりと根付いています。

市井の弁当屋はあまり観光客向けではないため、中国語ができないと購入するのが難しいかもしれません。台湾の友人に「弁当が食べたい!」と伝え、連れて行ってもらいましょう。それがダメなら日本で自作です(笑)!


難易度:


調理時間:
30分以内

香菇片扒青江│中華風シイタケとチンゲンサイのあんかけ炒め

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本日は『中餐丙級證照』シリーズから『香菇片扒青江│中華風シイタケとチンゲンサイのあんかけ炒め』のレシピを紹介します。シイタケとチンゲンサイだけを使って作るシンプルな料理ですが、見た目が美しいため会食時などの定番メニューとして食べられます。

本当にシンプルな料理なのですが、なぜか美しく盛り付けることを要求されます。時に点対称に、時にアシンメトリックに盛り付けて食べる人の目も楽しませましょう(笑)。

ちなみに料理名にある「扒」とは、中華料理の調理方法の一種を指します。日本でこの漢字は使いません。もともとは山東料理の一技法で、「スープでしばらく煮込んだ後とろみをつける」という調理方法を表しています。この料理ではシイタケを煮込んで、そのスープにとろみをつけている部分を指して「扒」なのですが、台湾料理ではほとんど使いません。

シイタケとオイスターソースの旨みがぎゅっと詰まったスープをチンゲンサイに絡めて食べる料理です。ぜひ挑戦してみましょう。



難易度:


調理時間:
1時間以内

沙茶烤蝦│エビのサテ風味オーブン焼き

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本日のレシピは『沙茶烤蝦│エビのサテ風味オーブン焼き』です。台湾のサテソースを使ってエビを丸ごと焼き上げて作ります。

以前にも紹介しましたが、台湾の『サテソース』はマレー半島の元祖サテソースから独自の進化を遂げ、ほとんど独自の調味料といっていいものになりました。 日本で売られているサテソースはほとんどがマレー半島のもので、味がまったく違います。台湾のサテソースはスーパーなどで手に入りますので、旅行時に買っておきましょう。

今日の料理は、混ぜて、オーブンで焼くだけ、非常に簡単ですので、ソースを自作するか手に入れてぜひ挑戦してください。美味しいですよ!



難易度:


調理時間:
30分以内

糖醋排骨│豚カルビの甘酢ソース

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本日のレシピは『糖醋排骨│豚カルビの甘酢ソース』です。以前『糖醋○○│○○の甘酢ソース和え』という記事でざっと作り方を説明していましたが、今回は改めてレシピをおさらいしながら豚カルビを使って作ってみましょう。

この『糖醋排骨』は日本中華の定番である『酢豚』の原型にもなっている料理です。韓国の中華料理屋さんで何人か集まって『짜장면、자장면│韓国風ジャージャー麺』を食べる時に、追加で注文する料理といえば『탕수육│糖醋肉』が定番ですが、こちらもこの料理が原型になっています。台湾をはじめ、もちろん中国、日本、韓国と因縁浅からぬ国家ではよく見かける中華料理なのですが、なぜか他のアジア地域では見かけることの少ない料理です。日韓中台以外のアジア地域では広東料理の店くらいでしかほとんど食べられません。不思議なものですね。ちなみにインドネシアでは『Keluyuk』と呼びますが、こちらは『咕嚕肉』を広東語で読み、現地の音を当てたもの。たしかに似ている料理なのですが、混同が見られますね。何でそんなこと知ってんだという話はさておき…(笑)。

和風中華である『酢豚』は日本独自の発展を遂げ、鶏肉を使った『酢鶏』や黒酢を使った『黒酢豚』などもあるそうです。韓国の『탕수육』はテイクアウトを頼むと、揚げた豚肉とソースを別々にして配達してくれます。今後も各国、地域で独自の発達を遂げていくことでしょう。未来が楽しみな料理です。

日本でなら冷凍食品やレトルトで簡単に作れてしまうので、なかなか自作する人はいないと思いますが、そこであえて手作りに挑戦するのが台湾・中華料理ファンというもの。それほど難しいものではないですし、ぜひ自作に挑戦してみてください。


難易度:


調理時間:
30分以内

酸辣花枝羹│イカすり身サンラースープ

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本日のレシピは『酸辣花枝羹│イカすり身酸辣スープ』です。

以前紹介したことのある『酸辣湯│酸辣スープ』に「花枝羹」というイカのすり身で作った練り物を加えたもので、日本ではなかなか食べられない珍しい中華料理といえます。台湾の街角ではいつでも食べられますので、旅行時に探してみてください。

調理方法が独特で面白い食感の料理のため、特にお子さんのいる家庭では喜ばれるのではないでしょうか。その食感を敢えて文字で表すなら「フワフワツルプニ」。未体験の方はぜひ自作に挑戦していただきたいと思います。

台湾の街角では「花枝羹」以外にも「肉羹」と呼ばれる豚赤身を使った料理が食べられます。どちらも台湾軽食では定番といえるほど普及しており、街中いたるところで買うことができます。食べるときは具沢山のスープにも注目です。台湾に友人がいるなら、美味しい『肉羹湯』が食べたいといえば喜んで食べさせてくれることでしょう。

本日ベースになるスープは『酸辣湯│酸辣スープ』ですが、他の中華スープとも相性は抜群です。いろいろなスープ料理と合わせてお試しください。

 


難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

八寶菜│八宝菜、中華うま煮

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八大菜系シリーズラストは粤菜(広東料理)から日本でもおなじみ『八寶菜│八宝菜』のレシピを紹介します。今までもけっこう広東料理のレシピは紹介しているので、今回は少々趣向を変えて和風中華のレシピを紹介したいと思います。

シューマイ、チャーシュー、ワンタンなど挙げればキリが無いくらい、広東料理は日本どころか世界中で最も有名な中華料理体系です。香港やマカオの料理、一般の客家料理、台湾ではお粥で有名な潮州料理も広東料理の体系に入ります。超一級と呼ばれる料理人を多数輩出している土地としても有名で、日本にも彼ら超一級料理人が開いた多くの広東料理のレストランがありますね。
 
いわゆる「中国人は足がついていれば椅子以外なんでも食べる」という言葉は、広東料理を指して言います。天然記念物、愛玩動物、毒を持つもの、地中生物、深海魚、虫…、広東料理では文字通り「なんでも」調理して食べてしまいます。中国人の食に対する情熱を体現したかのような体系といえるでしょう。

さて日本では給食のおかずとしても出てくるほど有名な八宝菜ですが、冷凍食品コーナーで簡単に手に入るため、自作したことのある人は逆に稀かもしれません。 『八宝菜』の「八」の字は食材が多いことを表しており、具が文字通り八種類である必要はありません。これをご飯にかけた『中華丼』は日本独自の料理ですが、中国人ももちろん『八宝菜』とご飯を一緒に食べます。

作り方は材料ごとに調理方法が異なり、実は意外と手間のかかる料理です。最後に別々に調理した食材がまとまって一つの料理になる、作っていて楽しい料理です。別々の主人公が最後に集まって盛大に盛り上がるストーリーというか、そんな感じですね(笑)。

八大菜系シリーズはひとまずこれでおしまいです。しかし!広大な中国にはこの八大菜系に分類されない多くの料理体系があります。北京、東北、モンゴル、そして台湾料理(!)などがそうです。折を見てこれらも紹介していきたいと思いますので、ご期待下さい。リクエストもお待ちしております。

今回のシリーズ記事は『その他地方料理シリーズ』でまとめる予定ですので、時々見てみてくださいね。


難易度:
☆☆

調理時間:
30分以内

符離集燒雞│符離集焼鶏、安徽風薬膳鶏煮込み

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八大菜系シリーズ第七弾は徽菜(安徽料理)から『符離集燒雞』の紹介です。13種類の香辛料で鶏一匹を丸々煮込んだ料理で、安徽料理といえばまずこれを紹介しないわけにはいきません。

安徽料理は八大菜系のほかの料理と比べて知名度が低く、ほとんどの日本人は安徽料理を一度も食べることなく一生を終えてしまいます。本場中国人ですら安徽省以外の人が安徽料理を食べることは簡単ではないのでしかたありません。そして残念ながら台湾にも安徽料理の店はありません。

名前にある「符離」とは安徽省宿州市の北にある符離鎮という地名のこと、その歴史は実に2000年に及ぶという非常に高名な料理なのですが、安徽料理自体が余り有名でないため日本で(それどころか台湾でも)紹介されることはほとんどありません。おそらく日本語のレシピは史上初公開でしょう。材料さえ揃えばわりと簡単に完全再現が可能ですので、興味のある方はぜひ挑戦してみてください。もともと年越しやお祭りのときに食べるおめでたい料理だそうです。

『符離集燒雞』は山東の『德州扒雞』、遼寧の『溝幫子熏雞』、河北の『道口燒雞』と合わせて中国四大名鶏(料理)ともいわれます(ちなみに当地ではもちろん簡体字)。生きているうちに全部食べてみたいですね。何とかレシピを探して当ブログでも紹介したいと思いますので、気長にお待ちください。

もともと符離鎮では『符離集燒雞』のいろんなお店があり名前がそれぞれ違っていたのですが、中華民国政府が1951年に名称を統一し現在の名前になりました。それ以前は『符離滷雞』などと呼ばれていたそうです。その昔は皇帝も食べたといわれるほどの本当にいろいろと由緒ある料理なのですが、2006年に本家最寄の符離集駅が旅客営業を停止してしまい、訪れる観光客もなく地元の料理店が絶滅の危機に瀕しているようです。まぁほとんどが名前だけ使用した偽料理の店らしいですが…。安徽省の別の地域ではしっかり伝統的なものが食べられるそうですが、地元符離鎮にあるしっかりした『符離集燒雞』を作る店は非常に困惑しているようです。

安徽料理にはこのようにマイナー故のなんともやるせないニュースがたくさんあります…。

本日のレシピは日本で作れる数少ない安徽料理のレシピです。筆者もいずれ再現し実践編を紹介する予定です(香辛料は全部揃ってますし)。さぁ、作りたい人は今すぐ漢方薬局にレッツゴー!メールかメッセージいただければ甘口男でも調合済みの香辛料を送りますよー。

非常に香り高い肉質の柔らかい料理ができますので、完成したら家族やお客さんを招いて味わってみましょう。


難易度:
☆☆☆(香辛料の入手による、作るだけなら☆☆)

調理時間:
半日

無錫排骨│無錫カルビ

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八大菜系第六弾は蘇菜(江蘇料理)から『無錫排骨│無錫カルビ』のレシピを紹介します。昨日までの八大地域の料理とはちょっと違い、今回は俗っぽい(?)料理です。

江蘇料理は日本でも有名な文学都市蘇州や、旧首都である南京などの料理を含み旬の素材を調理する淡白な味付けが特徴です。上海料理の原型にもなっています。

『無錫排骨』の無錫とは蘇州の隣にある無錫市のこと。その名の通り「錫が無い」を意味する地名なのですが、その昔は反対に有錫と呼ばれ「錫が有る」を意味していました。そのため武器や農具の加工で非常に発展しましたが、紀元前までに錫を掘り尽くしてしまい無錫と呼ばれるようになったといいます。大躍進政策や文化大革命で壊滅的な打撃を受けて経済的にも貧しい土地になっていましたが、近年は工業、観光都市として国が力を入れて発展を後押ししているため、見事な巨大都市に生まれ変わりました。

80年代から大量の観光客が押し寄せ、無錫の飲食店はそれぞれ熾烈な競争を繰り広げるようになります。どうすれば観光客の目を引けるか、どうすれば食べやすく、そして美味しく作れるか、各店の苛烈な新料理の開発競争が始まります。中国人の食に関する執念はすさまじいもので、清朝末期に無錫市で人気を博していた『無錫肉骨頭』という料理に改良に改良を重ねついに『無錫排骨』が完成します。精肉店の余った材料でも作れ、原価が安く、観光客が歩きながらでも食べられ、しかも美味い。見事に大ヒットした『無錫排骨』は今でも当地の人気料理として観光客の胃袋を鷲掴みにしています。

結構簡単に作れるので、日本でもそのまま再現が可能です。日本でも売れると思いますので小さなお店を構えてみるのもいいかもしれませんね。それではレシピいきます。



難易度:
☆☆

調理時間:
30分以内

金銀滿倉│金銀満倉、大根と干し貝柱蒸し

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八大菜系シリーズ第五弾は浙菜(浙江料理)から『金銀滿倉』というすばらしい名前の料理を紹介します。

浙江省は東部を海に面し、北部には網目のように水路が張り巡らされ、南西部には丘陵地帯(日本とはスケールが違います)が広がる土地で、山野の幸、海川の幸が豊富に取れる食材天国。観光や『トンポーロウ』で有名な杭州、お酒で有名な紹興、そして台湾ではワンタンでおなじみの温州などが有名な都市です。

中国には「上(天)に天堂(天国)あれば、下(地)に蘇杭あり」の諺があるほど風光明媚、なによりその豊かな食材は中華随一で、浙江省で獲れる水産物だけでも500種類を超えるといいます。じっくりと時間をかけて食材の味を引き出すように調理する料理が多く、精緻な飾り包丁や美しい装飾が施されているのも特徴です。

本日紹介する料理は名前もめでたい『金銀滿倉』という料理、干し貝柱と大根、そしてブロッコリーだけで作るシンプルかつ美しい料理です。貝柱が金、大根が銀をそれぞれ表しています。日本で言う『餅』のような縁起を担ぐための料理です。ぜひ、レシピに忠実に作っていただきたいと思います(笑)。

それではレシピいって見ましょう。



難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

南煎猪肝│福建風豚レバ炒め

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八大菜系シリーズ第四弾は閩菜(福建料理)から『南煎猪肝│福建風豚レバ炒め』の紹介です。単に『南煎肝』と呼ぶこともあります。

みんな大好き台湾料理も広義には福建料理に分類されます。素材の形態や味を生かした香り高い料理が特徴で、四川料理が辛さなら福建料理は”味”が特徴だといわれています。更に言えば、台湾で食べられる客家料理の大部分は福建料理にルーツを持つものが多く、台湾の客家料理を食べたことがある方ならその味のイメージが掴みやすいことでしょう。


当ブログでも過去いくつもそれと明記せずに福建料理を紹介しているので、興味のある方は探してみてください。

本日紹介する『南煎猪肝』は、豚レバをタケノコと絡めて炒めた料理です。口の中に滑り込んでくるように片栗粉の衣をまぶしてあるのが特徴で、伝統的な福建料理の一つに数えられます。材料を見てもらえば分かるとおもますが、特別なものは必要なく日本でも簡単に再現できます。

食感が非常に独特で面白く、しかも美味しいというお客さんをもてなしたりする時には最適な料理です。ぜひ身につけてレパートリーに加えましょう。

ちなみに福建料理の大部分は台湾でも食べられます。台湾で「福州料理」の看板を見かけたら迷わずに入店しましょう。日本人が好みの味付けの料理ばかりですので、漢字だけ見て適当に頼んでも満足できると思います。



難易度:
☆☆

調理時間:
30分以内

麻辣牛肉片│湖南風激辛牛肉炒め

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八大菜系シリーズ第三弾は当ブログでも人気の湘菜(湖南料理)から『麻辣牛肉片│湖南風激辛牛肉炒め』を紹介します。

四川料理より辛いといわれる湖南料理ですが、今まで当ブログで紹介してきたのは辛くない湖南料理ばかり。これを気に本格的な湖南料理を(ちょっとアレンジして)紹介したいと思います。

名前から分かるように非常に辛い料理で、辛い物好きの四川省にも同名料理があったりするのですが、どうやらこちらが元祖のようです。辛さは他の味に比べて遅れて感じることがおおいので、強烈な旨みのあとからやってくる辛さという二段階の驚きが楽しめる料理です。

そういえば湖南省出身の人たちと中国語で話すときには、少々注意が必要です。彼らが普通話を話すときは開音節の”N”の音が”L”に変化するので、何を言っているのか分からなくなってしまうことがしばしば…。自分たちの故郷の湖南│Hu-nan、フーナンという発音ですらHu-lan、フーランと発音するため台湾華語や中国普通話に慣れきっているととてもギクシャクした会話になります(笑)。「ライライ」がお婆ちゃんの意味の「奶奶│ナイナイ」だと気づくまで20分も辞書を片手に不毛な会話を続けたのはいい思い出です…。

台湾の土産物屋でも同名の特産品が変えますが、台湾のものはビーフジャーキーでまったく別物です。金門などの名産です。

それでは本格的な湖南の辛さの世界をお楽しみください。(ただし何とか食べられる程度にはアレンジしております。)
 

難易度:
☆☆

調理時間:
30分以内

九轉大腸│九転大腸、山東風豚モツ炒め

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目指せ八大菜系制覇シリーズ(笑)第二段は魯菜(山東料理)から、中でも済南地方の名物料理の一つである『九轉大腸』のレシピを紹介します。

名前の由来がなかなか面白いので紹介しておきます(ただしあくまで伝説です)。清朝末期の済南地方に九華楼と呼ばれる有名なホテルがあり、毎日多くの客で非常に賑わっていました。経営者はとにかく”九”の字が好きでたまらず、自分の経営する会社のすべてに”九”の字を冠していたといわれます。ホテル九華楼は規模は小さいながら有名な料理人を多数抱えていたといわれ、ホテルのレストランでは人気料理だった「紅燒大腸」に改良を重ね新たな料理を生み出しました。

経営者の開く宴会では必ずこの料理が出され、招待された客は皆この料理を絶賛し、初めて食べる客は皆この料理の名前を尋ねました。経営者は道教の秘薬の一つである「九轉仙丹」にちなんで、『九轉大腸』と呼ぶと説明していましたが、彼の”九”好きを知る親しい友人たちは、「また”九”か…」と大いにあきれたといいます。

というわけで、この料理は『紅燒大腸』がベースになっているのですが、より香り高く、より柔らかく、より食欲をそそる味付けがなされています。すこし手間はかかりますが、日本でも再現が可能ですので、ぜひお試しください。ちなみに台湾でも食べられます。



難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

虎皮青椒│青唐辛子炒め

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今日からしばらくはいつもと趣向を変えて、台湾以外の各地の珍しい料理を紹介していきたいと思います。目指せ八大菜系制覇!

第一弾は川菜(四川料理)から『虎皮青椒│青唐辛子炒め』という料理の紹介です。軽くこげた青唐辛子の表面が虎の模様のように見えることから「虎皮」と名付けられています。

ちなみに中国語では通常「青椒」といえばピーマンのことを言います。ただし「青椒」の種類は非常に多種に及び、文字通り赤くないトウガラシ全体を広義には意味します。従って韓国で使うような青くて辛い唐辛子も「青椒」と呼び、この料理ではその青くて辛いトウガラシを使います。さすが四川料理!

ちなみにピーマンはトウガラシの栽培品種で、もともとは同じ植物です。同じ植物でも固体によって花の色が違うように、ピーマンは辛くないトウガラシを選んで品種改良しただけ、もちろん学名も Capsicum annuum L. とまったく同じです。近年は白や紫などのピーマンもあります。

ピーマン(及びトウガラシ)のビタミンC含有量は通常人間が食べる食物の中ではダントツのトップ。しかも大量のフラボノイドを含むので、加熱してもビタミンCが破壊されにくいというなんとも体にありがたい野菜です。

自宅でトウガラシを栽培している方は、成熟する前の青いモノを使えばいいでしょう。スーパーでも青唐辛子は売られていると思うので、手に入れて使ってください。辛いのが苦手な方は小ぶりのピーマンを使ってください。

この料理で使う材料は青唐辛子のみ。店によっては中にひき肉を詰めて作ることもありますが、今回はシンプルに青唐辛子のみで作ってみます。醤油と塩で焼くだけのシンプルな料理ですが、非常においしいのでぜひお試しください。



難易度:


調理時間:
30分以内

 
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