雞肉燜筍塊│鶏むね肉とタケノコ煮込み

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中餐丙級證照」シリーズから『香菇燴蝦仁│シイタケとエビの中華風あんかけ』のレシピを紹介します。シイタケのだし汁のあんかけと揚げたエビをあわせて作る料理です。

もうすぐ「中餐丙級證照」シリーズもすべてのメニューが出揃います!長かった…(笑)。

この料理で使うのは「燜」 という煮込みの技法です。一度揚げるなどして加熱した食材を、食材が浸るくらいの水で弱火で煮詰めて作る手法を中華料理では「燜」と言います。中華には他にも多くの「煮込み」の手法があります。ここで一通りおさらいしておきましょう。

まずは最も基本となる「煮」、ただの煮込みの意味ですが食材にあわせて火力や時間を調節する技術が必要になります。

「煮」は火力や細かい調理法の違いによって弱火で煮込む「燉」、食材にスープを吸わせるように中火で煮込む「煨」、一度火を通した食材を多めのスープで煮込んであんかけにする「燒」 、あんかけにしない「乾燒」、火を通した食材を煮えたぎるスープに入れて短時間加熱する「扒」、煮込んだ後少量のスープを残してとろみをつける「炆」、湯通しする「」、しゃぶしゃぶにする「」などなど細かく数えると10種類以上に分けられます。また同じ漢字でも地方によって調理法方がまったく異なる場合があるので、分類はさらに細かく複雑になります。

煮るの手法だけでこれですから、焼く、炒める、蒸す、切るなどその他の手法をあわせると中華の技法は本当に膨大な数になってしまいます。日本の家庭で中華料理を作る場合はそれほど気にする必要はありませんが、中華料理の中級者以上を目指すなら代表的技法の漢字くらいは覚えておきましょう。

また「煮」という漢字そのものには「料理をする」という意味もあります。あらゆる中華料理の基本ともなる技法だと考えられているからこそかもしれません。ぜひいろいろな「煮」の技法をみにつけて料理のレベルアップを図りましょう。


香菇燴蝦仁│シイタケとエビの中華風あんかけ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中餐丙級證照」シリーズから『香菇燴蝦仁│シイタケとエビの中華風あんかけ』のレシピを紹介します。シイタケのだし汁のあんかけと揚げたエビをあわせて作る料理です。

シイタケの主要なうま味成分は「グアニル酸」という化合物です。今回は色々なうま味成分についてざっと見てみましょう。

我々がうま味を感じる「だし成分」はグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などに分けられます。

グルタミン酸はコンブに代表される乾燥させた海の幸に豊富に含まれるうま味成分で、小麦の「グルテン」から発見されたことでこの名がつけられました。人体では神経伝達物質としても使われるアミノ酸の一種です。このグルタミン酸が長く繋がったものを「ポリグルタミン酸」と呼ぶのですが、これが納豆の粘りの正体です。味の素などのうま味調味料にはナトリウムと結合させた「グルタミン酸ナトリウム」の形で入っています。

イノシン酸はアミノ酸ではなくヌクレオチドの一種で、煮干や鰹節のうま味成分です。イノシン一リン酸(IMP、Inosine monophosphate)とも表記されます。 ちょっと難しいことを書くと、このIMPは生体内ではプリンヌクレオチドの代謝中間生成物として、AMPとGMPの分岐点になる重要な化合物で、生化学や薬理学では非常に重要な化合物の一つ。生体にはIMPからAMP、GMPを生合成する酵素があるのですが、この酵素を阻害するのがアザチオプリンという免疫抑制剤。薬剤師なら誰もが知っている非常に有名な薬です。6-MP…とか習いましたねぇ…。

グアニル酸は上に書いたイノシン酸が代謝されてできるGMPのことです。グアノシン一リン酸(Guanosine monophosphate)とも言います。シイタケのうま味成分のほとんどをこのグアニル酸が占めます。

他にもコハク酸などの有機酸にも強いうま味があり、またこれらが相乗することによって人体は更に強いうま味を感じることができるそうです。うま味成分としては30種類ほどの化合物が知られています。また近年はクエン酸などの酸味成分に単独ではうま味を感じないが、うま味を増強させる作用があることが発見されてもいます。「味」というものを科学的に追求していくのも面白そうですね。


沙茶牛肉泡飯│牛サテソース炒めかけご飯

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾では定番の御飯メニュー『沙茶牛肉泡飯│牛サテソース炒めかけご飯』のレシピを紹介します。スープに白飯を混ぜて作るスープライス料理で、エスニックなサテソースの風味が香ります。

当ブログで何度も登場する「サテソース」とは中国南部から東南アジアにかけて普及している調味料です。サテソースとは"基本的"には串焼き(インドネシア語でサテー)にする肉につけるための調合されたソースのことで、ターメリックなどの香辛料や砂糖を使った甘く香ばしい味が特長です。しかしなぜか台湾においてのみ、サテソースはその味も形もその他の国・地域とはまったく別の代物に進化してしまいました。

台湾のサテソースは乾物を基本としたうま味調味料で、どの家庭にも必ず常備されています。中国語で「沙茶醬」と書かれ、台湾全土でこの調味料を使った「沙茶○○」という料理が食べられます。旅行時にレストランで「沙茶○○」の字を見かけたら、未経験の方はぜひ挑戦してみてください。台湾の家庭の味を楽しめると思います。

日本では台湾の「沙茶醬」なかなか手に入りません。この手の台湾調味料を手に入れたい方はぜひメールにてお問い合わせください。

それでは『沙茶牛肉泡飯│牛サテソース炒めかけご飯』のレシピ。お楽しみください。

香煎花生豆腐│ピーナッツ豆腐ハンバーグ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
豆腐ハンバーグに砕いたピーナッツを加えてアレンジした『香煎花生豆腐│ピーナッツ豆腐ハンバーグ』のレシピを紹介します。ヘルシーで、菜食主義者も食べられる料理です。

記事は後日!


嘉積鴨│海南風白斬鴨

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
海南省の名物料理『嘉積鴨│海南風白斬鴨』のレシピを紹介します。茹でたアヒル肉に各種調味料を混ぜたソースを添えて出す料理で、日本でも簡単に再現できます。

海南料理には海南四大名菜と呼ばれる四つの名物料理があります。その一つが今回紹介する『嘉積鴨』(他の三つは『文昌雞』、『東山羊』、『和樂蟹』) です。

『嘉積鴨』とは海南省南琼海市嘉積(加积)镇で養殖されているアヒルの品種の名前で、そのまま料理名にもなっています。300年以上前にマレーシアから導入された改良された品種のアヒルで、別名を「番鴨」と言います。中国大陸で養殖されている普通のアヒル(いわゆる『北京ダック』に使われるアヒル)とは見た目が大きく異なり、胴体が平べったく、灰色の体をしており、皮が薄く、肉質が柔らかいという特徴がある品種です。その肉のタンパク質含量は34%と豚肉や牛肉より高く、脂肪含量は他の家禽肉よりも低いという栄養学上の特徴があり、健康食品としても人気が高い品種です。

薬膳の材料として使われることもあり、通常は「冬虫夏草」など滋補の薬材と組み合わせて調理されます。

飼育方法も独特で、乾燥小魚や昆虫、糠、ダイズなど、特別な飼料を人為的に与えて飼育されています。様々な調理方法がありますが、今回のレシピのように最もシンプルに「白斬/白切」の方式で調理したものが、「嘉積鴨」本来のうま味を直接味わえる最高最善の方法といわれています。

調理は非常に簡単で、火の通し加減がすべての鍵を握ります。日本でもおいしい鴨、アヒル肉が手に入ります。鶏肉とは加熱の技が少し異なりますので、ぜひ腕を磨いておいしいアヒル料理に挑戦してみてください。


美顔湯│美肌羊肉爐

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
羊肉爐』のアレンジ料理『美顔湯│美肌羊肉爐』のレシピを紹介します。もともと薬膳要素の多い『羊肉爐』ですが、薬材を追加して美肌効果を高めています。(この名前で実在する料理です)

記事は後日!

紫米粥│紫米粥

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内+下準備
日本では珍しいお米を使ったスイーツ『紫米粥│紫米粥』のレシピを紹介します。紫米を使ったって作り、台湾をはじめ東南アジア圏を含めた中国南部では一般的なデザートです。おいしいですよー。

記事は後日!


東山烙餅│東山パイ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
海南省の名物料理『東山烙餅│東山烙餅』のレシピを紹介します。パイ生地のようなサクサクした生地でニンニクやネギを包んだ軽食です。

中国南部地域では米粉を使った軽食が多く小麦粉を使ったものは珍しいのですが、この『東山烙餅』は中国南部にありながら小麦粉を使った軽食ということでも有名です。海南省は多くの旅行客が訪れる有名な観光地ですが、特に中国北部から訪れる旅行客に故郷を感じさせる味として人気だそうです。当地では『奇味千層餅』とも呼ばれています。

海南料理は基本的に福建料理に含まれることが多いですが、ちょっと特殊な料理体系になっています。海南省はもともと多くの少数民族が暮らしていた土地で民俗料理をベースにしたものがあり、東南アジアのエスニック料理の要素を持つものがあり、福建広東料理から影響を受けた料理があり、観光客向けの中国各地の伝統料理にアレンジを加えたものがあり…、なんというか非常に雑多な料理体系となっています。

海南省は三国時代に呉に支配されてから中原に組み込まれます。古くは流刑地としても使われました。「中華人民共和国」が成立した時点ではまだ「中華民国」の支配地域でしたが、1950年に共産党軍の進行を受けて中華人民共和国に組み込まれました。歴史の「IF」が働いていれば今頃台湾の一地域だったかもしれない場所です。


現在は年中海水浴が楽しめる熱帯リゾートとして国内外から多くの旅行客を集めています。

海南料理と言えば『海南雞飯』をはじめ多くの有名料理が目白押しです。日本人の口に合うものが少なくないので、訪れた際はぜひ美食を楽しみましょう。台湾でも一部のレストランで本格的な海南料理が食べられます。

 

蜜糖紅蘿蔔│ニンジンの砂糖レモンソース炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
お手軽晩御飯『蜜糖紅蘿蔔│ニンジンの砂糖レモンソース炒め』のレシピを紹介します。今回は中華要素皆無!完全な洋食です(笑)。気になる方は最後にごま油でも加えてください。

当ブログでは珍しい「洋食」が登場したので、今回はこれに関連して中国における「西洋」という言葉を解説してみたいと思います。

日本における「西洋」はもちろんアメリカ、ヨーロッパを中心とした地域を指します。「The western world」の訳語ですね。これに対して中東地域よりも東、特に中国文化に強い影響を受けたアジア地域を東洋と呼ぶのはご存知のとおり。

さて、中国ではこの西洋、東洋という言葉の意味が少し日本と異なります。西洋東洋という言葉はもともと明朝初期に現れた言葉で、今の「ボルネオ」を境に西側を西洋、東側を東洋と呼ぶようになりました。アジアで最大の島であるボルネオを境に西と東を分けたのです。また明朝以前は今でいう西洋を「南海」と呼んでいました。

現代ではほぼ日本と同じ意味で西洋の語を用いますが、東洋に関してはほとんど「日本」の同義語として使われます。中国を中心に考えると海を挟んで東にある有名な国家が日本しかないことが原因です。新聞などで「東洋」の字を見かけたらまず日本のことだと理解しましょう。

西と東があればもちろん北も南もあるのが中国語。「南洋」という言葉は清朝時代から使われ始め、これはシンガポールやマレーシアなどの東南アジア国家を総称して指します。対して「北洋」の語は中国の北京、天津、山東省から中国東北地方、更には朝鮮半島あたりまでを総称する単語で、清末の混乱期から使われ始めました。李鴻章や袁世凱が北洋大臣という任についており、清末の混乱期にはこの地域の軍人、財閥、官僚がそれこそ一国を支配するほどに力を持っていました。歴史的に非常に意味ある単語です。

というわけで今日のレシピはヨーロピアンでアメリカンな西洋風料理。ステーキに付け合せてもいいですね。



馬蹄糕│シログワイケーキ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
ちょっと珍しい台湾伝統料理『馬蹄糕│シログワイケーキ』のレシピを紹介します。クワイの粉を使ってモチモチした点心を作ります。

『馬蹄糕』は台湾をはじめとする中国南部で広く食べられています。ハレの日の料理の一つで、『蘿蔔糕』や『芋頭糕』とともに年越しには欠かせません。

細切りにした豚肉を入れて塩味に作る方法もあるのですが、今回は普通の甘く作るものを紹介したいと思います。

さて、この料理で使う「馬蹄」は正式な中国語名は「荸薺」です。(「馬蹄」は広東省辺りの呼び名なので、元は広東料理なのでしょう。)カヤツリグサ科の植物で和名をシログワイ、学名を Eleocharis dulcis といいます。実は日本で食用にするオモダカ科の「クワイ」とは科から異なる別の植物で、食感もかなり違います。九州や沖縄では自生しているので、採取して食用にしてもよいでしょう。ナシやレンコンに似た食感でうっすらと甘みがあり、新鮮なものはそのまま生でも食べられます。台湾では果物代わりに食べたりもします。台湾では「白慈菇」の名前で売られていることもあるので、もし見かけたらぜひ一度「シログワイ」のおいしさを味わってみてください。

台湾では市場で生も乾燥させたものも粉も売っています。台湾製のものがほしい方は当方までメールで問い合わせください。日本ではなかなか売っていませんが、手に入れやすい普通のクワイで代用してもよいでしょう。クワイの乾燥品は日本の漢方薬局で「山慈菇」の名前で買えます(が、ちと高価です)。

それでは『馬蹄糕』のレシピです。


汆鵪鶉│中華風ウズラスープ

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
徐州の伝統料理からちょっと珍しい『汆鵪鶉│中華風ウズラ煮』という料理を紹介します。日本ではほとんど食べる機会がありませんが、材料はすべて手に入るので再現が可能です。

徐州の料理は徐海菜と呼ばれ蘇菜(江蘇料理)の一つに分類されます。徐州はいまでこそ江蘇省に属しますが、60年ほど前からどの省に属するのか非常に不安定な地域でした。近代に入ってすぐ、今はなき淮海省に属しましたが、すぐに山東省に編入され、一部が安徽省に編入されたあと正式に江蘇省に属することになりました。台北市内にも徐州路という道があるのですが、短い路なので何処にあるかご存知の方はかなりの台北通でしょうね(笑)。

実際の徐州は江蘇省の北西のぴょこんと飛び出した地域で、歴史的にも地理的にも江蘇省よりも山東省との関係が深いといわれています。淮揚菜を有する江蘇料理の下位分類とされながらも、山東料理の影響を色濃く受けた徐州料理は非常に歴史の古い江蘇菜の中にあっていわば異色の料理体系となっています。"あえてちょっと外した感"のあるラフな感じ、でもラフすぎないとでも言いますか…、とにかくどこか違和感のある、そしてそれが面白いという不思議な料理が多い菜系となっています。

今回の『汆鵪鶉』で使う食材は「ウズラ」。ウズラは高蛋白低脂肪低コレステロールの代名詞のような食材で、中華料理では鶏肉よりも珍重される食材です。高血圧、肥満、糖尿病など様々な疾病を持つ病人食としても有名で、その健康効果は非常に優れています。有名な漢方薬材である高麗人参と比べられ、「動物人参」と呼ばれることも有ります。今回の料理もスープに高麗人参や黄蓍を加えて薬膳風に仕上げるのも良さそうです。

それでは当ブログでは初めてのウズラ肉を使ったレシピ『汆鵪鶉』です。いろいろにアレンジしてお楽しみ下さい。

 写真はウズラ肉をそのまま煮込んでいますが、
これも『汆鵪鶉』と呼びます。

滷味│中華煮込み

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難易度: 調理時間:1時間以内
久しぶりに『滷味│中華煮込み』のレシピいってみましょう!日本でも手に入れやすい材料で中華風のオーソドックスな『滷味』を作ってみます。

普通に日本で暮らしているとカレー以外の香辛料料理を食べることは少ないですが、これを機に中華の香辛料料理を楽しんで見るのはいかがでしょうか?材料はすべてスーパーの香辛料コーナーで手に入ると思います。

『滷味(ルーウェイ)』は中国全土で見られる香辛料を使った煮込み料理です。地方によって味付けに大まかな違いがあり、「東酸、南甜、西辣、北鹹」の別があるとされます。頭部では陳皮などの柑橘類や酢を、南部では砂糖や枸杞、甘草などを、西部ではトウガラシや花椒を、北部では塩を多めに使って味付けしています。筆者もさすがに中国全土の『滷味』を食べたことがないのであくまでたぶん…なのですが、『滷味』を一口食べるだけで何処の地域のものか当てられる…そのくらいの差があるのだと思います。実際台湾北部と南部でも味付けが違うくらいです。舌に自信のある方は食べ比べてみるとよいでしょう。

それではレシピです!レシピ通りだとちょっと甘くなるので台南風ですね。

拔絲白果│中華風揚げ卵

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難易度:☆ 調理時間:30分以内

吉林省の伝統料理『拔絲白果│中華風揚げ卵』のレシピを紹介します。料理名に「白果」と入っていますがギンナンを使うわけではなく、卵だけを使ってパリパリフワフワした珍しい食感の料理を作ります。人によっては遼寧料理ということもありますが、まぁ、東北地方の伝統料理です。

さて吉林、黒竜江の両省は古来より多くの国が勃興し手は消えていった戦乱の多い地域です。当然暮らしは貧しく(あくまで"比較的に"ですが)産業や文化も中原地域に比べて華々しく発達することはありませんでした。しかし!清朝を建てた女真族はこの地域、満州に拠点を置く部族です。特に吉林省の伝統的な文化はそのまま清朝の王宮文化に変貌を遂げることになります。

中華王朝のバックグラウンドとなった文化が発達しないわけはありません。他の料理体系に比べて歴史こそ短いため八大菜系には入りませんが、吉林料理には他の料理体系にはない「宮廷菜」と呼ばれる下位分類の菜系があるのです。今から100年前に清朝が倒れるまで、約250年間に渡って当時世界最速で最先端の進歩を遂げた料理が吉林料理のうちの宮廷菜です。

吉林料理はつい最近までその下位分類がはっきり決まっていなかったのですが、1990年ごろから省総出で料理体系の研究が行われ数年をかけて民族菜、民俗菜、宫廷菜、山珍菜の四種類に大別することに決まりました。民族菜は言わずもがな少数民族の伝統料理、民俗菜は大衆料理、山珍菜は山間部の特殊な材料を使った料理、そして宮廷菜が清朝の宮廷で食べられていた料理です。現時点で省が認定する吉林料理の専門料理人はわずか80数名のみ!あれだけ広い中国で80人ちょっと…、吉林省以外で本格吉林料理を食べる機会は現状ほとんどないでしょう。

こうしてみると吉林料理、特に宮廷菜が一体どんなものなのか…気になってきますね。レシピは公開されているものが多いので、そのうち紹介してみたいと思います。

ひとまずはじめて紹介する吉林料理は民俗菜から『拔絲白果│中華風揚げ卵』!お菓子と間違うような料理ですが、シンプルでおいしいんです。


XO醬炒蘿蔔糕│ダイコン餅のXO醤炒め

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
続いく潮州菜シリーズ。今回は『XO醬炒蘿蔔糕│ダイコン餅のXO醤炒め』のレシピです。どちらかというと普通の広東料理です。材料さえ揃っていればあっという間に作れます。

この料理で使う『ダイコン餅』の作り方はこちら

ダイコン餅は通販でも買えます。


何度か紹介している中国八大菜系をその下位分類までまとめてみたいと思います。まずは八大菜系とその下位分類をざっと紹介してみます。下位分類は他の分類方もあるので一概には言えませんが、大体こんな感じになります。潮州料理が何処にあるか確認してみましょう。

鲁菜 山東料理
済南菜・胶東菜・孔府菜
川菜 四川料理
蓉派川菜・渝派川菜・塩帮菜
粤菜 広東料理
広府菜・潮州菜・東江菜・順德菜
蘇菜 蘇州料理
淮楊菜・金陵菜・蘇帮菜・徐海菜・無錫菜
閩菜 福建料理
福州菜・漳州菜・厦門菜・泉州菜・莆田菜
浙菜 浙江料理
杭帮菜・寧波菜・紹興菜・温州菜
湘菜 湖南料理
湘江菜・洞庭菜・湘西菜
徽菜 安徽料理
沿江菜・沿淮菜

いかがでしょうか?日本人になじみのある料理は四川、福建、広東料理くらいでしょうか?『北京ダック』に代表される北京料理や、このブログで紹介している台湾料理は上記の八大菜系には入らない「其他菜系」に分類されます。以下に其他菜系に分類される料理をざっとまとめてみます。

京菜 北京料理
津菜 天津料理
遼菜 遼寧料理
豫菜 河南料理
鄂菜 湖北料理
赣菜 江西料理
吉菜 吉林(及び黒竜江)料理
黔菜 貴州料理
滇菜 雲南料理
客家菜 客家料理
清真菜 イスラム料理
台湾菜 台湾料理

とまあこんな感じです。台湾料理は歴史的に福建料理の漳州菜、泉州菜、そして広東省の潮州菜に強い影響を受けています。

普通に日本に住んでいると、中華料理のレストランに足しげく通ったところで口にする機会があるのはこれらのごく一部に過ぎません。仮に中国に住んでいてもその地域の料理をほぼ毎日口にすることになります。が!台湾ではこれらの料理の半分以上を(多少アレンジされていますが)堪能することができるのです!台湾が食の都と呼ばれる理由が分かってもらえたでしょうか?食べたい料理があれば、「台北 ○○菜 餐廳」などのキーワードで検索してみましょう。

それではレシピです!


潮州川椒雞│潮州風鶏肉の花椒ネギ揚げ

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難易度: 調理時間:1時間以内
昨日に引き続いて今日も潮州料理。『潮州川椒雞│潮州風鶏肉の花椒揚げ』のレシピを紹介します。四川料理風の花椒を効かせた鶏肉料理です。

当ブログで何度か紹介してきたのでご存知の方もいるかと思いますが、もういちどおさらいしておきましょう。明末から清代にかけて大陸から台湾に渡った漢人の故郷は大きく分けて三つ。福建省の泉州と漳州、そして広東省の潮州の三つです。潮州の人口のほとんどが客家人で占められており、台湾に渡った客家のほとんどはこの潮州出身です。海に面し豊富な海産物が盛んに使われる潮州料理ですが、潮州出身の客家人はその他の地域の出身者に追いやられて台湾の山間部に住むことになってしまいました。


このため台湾の客家料理は潮州料理と共通する技法や加工方法に特徴を持っているのですが、使われる材料が大きく異なるという違いがあります。台湾で客家料理にハマッたという方は、ぜひ一度台湾客家料理の元祖ともいえる潮州料理も食べてみてください。客家料理が好きなら間違いなく口に合います。客家料理→潮州料理→広東料理と料理のルーツを遡って食べていき、共通点や変化を楽しむのも中華料理の楽しみ方です。

ちなみに潮州料理はなぜか日本ではほとんど食べる機会がありません。台湾旅行時にぜひ味わってみてください。旅行の楽しみが一つ増えましたね!


潮州小炒│潮州炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
潮州名物『潮州小炒│潮州炒め』 のレシピを紹介します。『客家小炒』にも通じる中華風の炒め料理で、様々な食材の食感とうま味を一度に楽しめます。晩のおかずに超おすすめです。

先日潮州料理のレシピを紹介して色々記事を書いていくうちに、急に潮州菜が食べたくなってしまいました。というわけで昨日潮州料理のレストランに行ってきました。いろんな料理を食べて研究してきましたが、とにかく潮州料理が日本人の口に合うことだけは間違いなく再確認できました(笑)。

今回紹介する『潮州小炒』は、千切りにしたサトイモ(タロイモ)を揚げた「芋頭酥」を、肉と野菜と一緒に食べる独特の料理です。食感を残したまま強火で火を通した色々な野菜と肉、そして口の中でパリパリと崩れる「芋頭酥」の組み合わせがとても面白く、ぜひ一度日本の家庭で再現していただきたいと思います。

百聞は一見に如かず!百文も一食に如かず!このおいしさを文章で伝えるには限界があります。

そんなときはそう!何を考えるよりも一度実際に作ってみれば良いのです!

それでは魅惑の潮州料理第一弾(?)『潮州小炒』のレシピです。


玉潔清心│豚ハツとハトムギの中華風煮込み

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
豚肉とハトムギ(薏仁)を使った一風変わった料理、『玉潔清心│豚ハツとハトムギの中華風煮込み』のレシピを紹介します。塩水で材料を煮込んで作るだけの簡単料理ですが、その分アレンジの幅が非常に広く、スープで生薬を煎じることで多くの薬膳に派生が可能な優れたレシピであります。

料理名に「清」の字が入っているので、これを機会に中国最後の王朝である「清朝」についてまとめてみます。

清王朝は正式な国号を大清といいます。後期には大清帝国などとも称しますが、実は「清」と名乗ることになった正確な由来は明らかになっていません。いろんな説がありますが、いまだ論争に決着が付いていないのです。もともと女真と呼ばれていた満州族が立てた国であり、異民族が漢族を支配した征服王朝の一つです。その昔女真族は中国北部を支配する「金(1115~1234)」という王朝を建てたことがあるのですが、これが後の清国に繋がります。

女真の王ヌルハチは1616年に明から独立して現在の満州の地で後金という王朝を建てます。明と小競り合いを起こしながらも後金は少しずつ領土を広げていき、ヌルハチの子ホンタイジが1636年に国号を清と変えて大清皇帝を名乗ります。このとき女真を「満州」と呼ぶことも決められました。明朝の住民支配も限界に来ていたのでしょう、1644年に李自成という人物が農民を指揮して明の王宮のあった北京を落とし、明の皇帝は自殺。明はあっけなく滅びてしまいます。(このとき逃げ延びた明王家の一族が台湾に渡り王朝を存続させようとするのですが、それはまた別の話…。)李自成は「順」という王朝を打ち立てるのですが、清は明を救うという大義名分を掲げて北京に入城、順はたった40日で北京を明け渡し、清はそのまま北京に居座って中華の支配を始めました。1644年清王朝の始まりです。

圧倒的多数の漢族に対してごく少数派に留まった満州族の支配はなかなか一筋縄ではいかないのですが、「明皇帝の仇討ち」を大義名分に掲げていた清はそれほど大きな混乱を引き起こすことはありませんでした。基本的に明の制度を踏襲した清は、ホンタイジの子、順治帝の親漢人政策なども相まって割と順調に支配を進めていきました。

そして順治帝から順に3代、康熙帝・雍正帝・乾隆帝の3皇帝の時代に清朝は最盛期を迎えます。中国史に明るくない人でも、この3皇帝の名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。それほど有名な皇帝たちです。特に康煕帝は唐の太宋と共に"中国史上"最高の皇帝とも称され、死後に送られた諡号は「聖祖」。歴代中国皇帝のうちたった二人しか持たない「聖」の字と、普通は王朝を開いた人にしか送られない「祖」の字を四代目であるにも関わらず送られたというとてつもない名君です。

康熙帝の時代。政治面では明の残党が残っていた台湾を完全に支配化に入れ福建省に組み込み、ロシアと条約を結び、チベットを支配し、モンゴルを支配し、現在の中国の版図をほぼ確定させました。文化面ではそれはもう語りきれないほどの功績を残しましたが、特に現在ほとんどすべての漢字字典の規範となっている《康煕字典》の編纂は特筆すべきでしょう。皇帝自身が倹約に努めて国家財政の安定を図り、官僚の汚職を厳しく罰するなどの政策もとりました。もちろん後代の研究による批判も数多くあるのですが、何せ文化的に残した功績があまりにも大きすぎるため、ほとんどの中国人は最高の皇帝という評価を崩しません。台北の故宮博物館を訪れることがあれば、彼の時代に残された宝物をそれこそ浴びるほど堪能できます。

その後の雍正帝は軍備を強化、官僚の腐敗を一層厳しく監視して国内の安定を強化し、乾隆帝(歴代史上最長の在位期間を持つ皇帝です)は食料の安定供給、衛生状況の改善、医療の整備などを行って中国各地の人口爆発を引き起こします。

乾隆帝の退位が1799年。乾隆帝の死後、怒涛の19世紀が幕を開けます。清国は鎖国していましたが、各国の支援を受けた軍閥が各地で暗躍し始めます。そして1800年頃から密輸入され始めたアヘン。これにより清の国家財政は悪化の一途を辿り、国力は徐々に低下。…そしてあるときを境に西洋列強の収奪にあうことになってしまうのです。

ここから先は日本の近代史とも密接にかかわってくる部分ですが、詳しくはまた別の機会に。そして1912年清朝滅亡です。

というわけでレシピです。ふー!当ブログでは料理と一緒に歴史も学べます(笑)。

筍乾蹄膀│干しタケノコと豚足の醤油煮込み

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難易度:☆ 調理時間:2時間
台湾の伝統料理『筍乾蹄膀│干しタケノコと豚足の醤油煮込み』のレシピを紹介します。炊飯器で炊いて作るので簡単に作れますが、味わい深くとてもおいしい料理です。筆者の大好物でもあります。以前も同名料理を紹介しています。以前のレシピはこちら

「蹄膀」 とは「蹄(ひづめ)の傍(かたわら)」のことで、豚の爪先に近い部位の肉のことです。「膀」」の字を使っているので分かりにくいですが、人の隣(傍)ではなく肉の隣(膀)くらいの意味だとご理解ください。日本だと膀胱くらいにしか使わない漢字です。蹄膀は台湾、福建や広東料理でで非常によく使われる材料のひとつです。日本でもそうとうな量が生産されていると思いますが、あまりスーパーなどで見かけないですね。一体何処に消えてるんでしょうかね?

ブタといえば西遊記でおなじみの猪八戒。台湾では道教の神様として(一部で)人気の神様です。しかし旅行客や一般人が参拝するような普通の廟には祀られていません。なぜでしょう?

道教では猪八戒をはじめと伝説の妖怪を祀ることがあるのですが、そのご利益は伝説とはいえ「何をした人物(妖怪)か」というのが重要視されます。西遊記で猪八戒は人喰い、浪費、好色、酒好きの妖怪として描かれています。つまり猪八戒を祭っているのはこれらを生業とする人々、賭博、飲酒、売春、詐欺団など表に出られない黒社会の住人たちということです。たいていはそういう事務所の屋上やそういうエリアの路地裏などに小さな廟があり、夜間に人目を憚ってそういう人たちにひっそりとお参りされます。とはいえ…、参拝客の業種柄集まる賽銭は廟の規模に比べると非常に多額で、いつも高価なお供え物がされていたりします。黒社会の神…、興味をそそられますが、一般人が安易に足を踏み入れて祀るような神ではないことは確実なようです。

それではレシピです!



清芙蓉雞│清芙蓉鶏

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難易度: 調理時間:2時間
広東省潮州の伝統料理『清芙蓉雞│清芙蓉鶏』のレシピを紹介します。真っ白フワフワのメレンゲで鶏肉を包んで作る美しい料理です。

広東省潮州は明清時代に台湾に多くの移民を送り出した地域の一つで、広東省の東端、福建省との省境に位置する都市です。海に面した歴史ある都市で"海鲁"や"岭海名邦"といった別名でも呼ばれます。広東料理の下部分類にあたる潮州菜と呼ばれる伝統料理があり、今回紹介する『清芙蓉雞│清芙蓉鶏』もその一つ。台湾にも多くの潮州料理の店があり、食材のうま味を引き出す調理を施された独特の料理が多数あります。日本人の口に合う料理がとても多いのが魅力です。

広東省の一部ですが、福建省南部で使用される閩南語の一種である「潮州方言」を話し、歴史的にも広東省というよりは福建省とのつながりの深い地域です。台湾にも祖籍を潮州に持つ多くの内省人(ほとんどが客家人)が暮らしています。台湾旅行中に「潮州」とか「潮菜」の看板を見かけたら、ぜひ入店しておいしい料理を楽しみましょう。大体は客家料理と一緒に食べられるので何を食べてもまずはずれがありません。

そんな潮州で、「真夏の雪」とも呼ばれる『清芙蓉雞│清芙蓉鶏』のレシピ。ぜひ日本の食卓で再現してみてください。


茄汁米豆烤豬排骨│ササゲと豚バラ肉のケチャップ焼き

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難易度: 調理時間:2時間
西洋風のオーブンを使った『茄汁米豆烤豬排骨│ササゲと豚バラ肉のケチャップ焼き』のレシピを紹介します。

この料理で使う「米豆」とは中国語でササゲの豆を意味します。ササゲは学名を Vigna unguiculata といい、アズキも同じササゲ属に属します。その昔の武士階級の人々には煮ると皮が破れてしまうアズキを切腹に通じるとして避けられ、代わりにササゲが使われていました。

ササゲは非常に熱さに強い種で、赤道直下の国々でも栽培が可能です(その代わり寒さには弱いです…)。アフリカでも生育しており、かつての奴隷らによりアメリカに持ち込まれソウルフードとして定着したという歴史もあります。

中国語では植物としてのササゲを「豇豆(Jiang1 dou4)」と呼び、食用にする豆を「米豆」などと呼びます。台湾や中国海南、福建、広東、また東南アジア諸国で非常によく食べられている野菜の一つです。餡としても加工され様々な中華菓子にも使われています。

ただ…、赤い色の付いた品種も多く出回っており、それらはほとんどがアズキと混同されて売られています。豆の形をよーく見ると分かるんですけどね。

それではレシピです。ケチャップとマメはなかなか相性が良いので、いろんな料理で試してみてください。

蒜蓉炒蝦│エビのニンニク炒め

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
エビを使ったお手軽料理『蒜蓉炒蝦│エビのニンニク炒め』のレシピを紹介します。これだけニンニクを使えばスタミナ補給もばっちりですね!

料理名にある「蓉」は日本ではあまり見かけない漢字ですが、皆さん意味をご存知でしょうか?

もともとフヨウ(芙蓉)というハス(蓮)に似た花を指す漢字なのですが、いつしか本物のハスと混同され芙も蓉も単独でハスを意味する漢字になってしまいました。元来のフヨウはアオイ科フヨウ属の木本で、学名を Hibiscus mutabilis といいます。学名から分かるようにハイビスカスの仲間です。水性のハス(Nelumbo nucifera)とはまったく別物なのですが、芙蓉がハスの別称として使われるようになってからは、混同を避けるためにそれぞれ木芙蓉、水芙蓉と呼び分けることもあります。

現代では「芙」の字も「蓉」の字も、どちらも美しさをたたえる形容詞として使われることが多く、今回の料理名に使われているのもこちらの用法です。また台湾では女性の名前にどちらかの字が使われることも非常に多く、どちらかの字をキーワードに使って画像検索などするとその例の多さに驚かれることでしょう。

芙蓉の木は湖南省では街中いたるところに植樹されており、湖南省は別名を芙蓉国とも呼ぶほど。更に芙蓉は四川省成都の市花でもあり、成都は別名を「蓉城」と称します。

フヨウは古代から人々を魅了してきた花の一つで、多くの園芸品種があります。品種によっては午前中と午後で花の色が変わり、一日中見ていても飽きない美しい花です。筆者も一度見たことがありますが、八重咲きで色の変わるフヨウの花はそれは本当に美しいものです。

ちなみにフヨウは台湾にも自生しています。それほど深い山に入らなくても見つかるので、植物好きな方は探してみるとよいでしょう。花期(真夏から晩秋)に当たれば美しい花を楽しむことができます。

それではレシピです。



潤餅│潤餅

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
少し前に『潤餅(皮)』のレシピを紹介してそれきりになっていたので、今回は『潤餅』本体のレシピを紹介します。といっても中身は何でもいいので紹介するほどのことでもないのですが、典型的なレシピを紹介しておきます。

『潤餅』のレシピには地域差があり、何を入れるかで大体出身地域が分かってしまうという郷土色の強い料理です。台湾南部では「豆腐乳」を入れたり「花生糖(ピーナッツの粉と砂糖を混ぜ合わせたもの)」を大量に加えたりします。今回紹介するレシピは北部エリアのレシピです。

もう過ぎてしまいましたが今年は4月5日が清明節でした。(ちなみにあと200年以上先まで清明節は4月4日か5日のどちらかです。)清明節の清明とは二十四節季で「春分」の次の節季である「清明」を指します。

天文学では太陽黄道が南から北に交わる点を春分点と呼び、この現象が起きる日を春分と呼びます。(逆に北から南に交わる点が秋分ですね。)春分は太陽黄道が天の赤道に交わる点からの角度、つまり黄経が0度になる日で一年をかけて同じ点に戻ってきます。知らない人には…ちょっと難しいですね(笑)。ぐるりと一周360度を24で割ると15度、春分点を0度として次の二十四節季は太陽黄経が15度になる日、この日こそが「清明」です。

清明とは「清浄明潔」の意味です。中国の古書《歳時百問》では"万物生長此時、皆清洁而明净、故謂之清明。"とあり、また《暦書》では"春分後十五日、斗指丁、為清明、時萬物皆潔齊而清明、蓋時當氣清景明、萬物皆顯、因此得名。"とあります。清明は中国では非常に重要な祭日で「春節」、「端午」、「中秋」に並ぶ四大節日の一つ、家族が集まり団欒する日とされます。また「除」、「盂」、「九三節」と並ぶ祭祖四大節日の一つでもあり、先祖を祭る大事な祭日でもあります。


清明節は中国各地でその土地その土地の風俗に合わせた盛大な祭りが行われます。またどの地域でも基本的に先祖の墓を掃除する日とされ、墓に向かう山道は渋滞を起こすことも。台湾では先祖の出身地の風習に合わせて清明節を過ごすので、この日の過ごし方で祖籍が何処にあるのかを知ることも出来ます。季節感の乏しい台湾の市街地に住んでいても(市民の帰省で)渋滞が解消されて間接的に季節を感じることができます(笑)。現在の日本ではほとんど重要視されない日ですが、これを機会に覚えておくと風流です。

そんな清明節に家族が集まって食べる料理といえばこれ!好きなものを包んで食べましょう。


茶香排骨│豚ばらのウーロン煮込み

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
茶葉を使った『茶香排骨│豚ばらのウーロン煮込み』のレシピを紹介します。烏龍茶を使って豚肉を煮込んで作る料理で、とってもいい香りがします。

この料理では烏龍茶を使います。

実は世界中で使われている「茶」をあらわす単語、例えば英語の Tea や、日本語のチャは"すべて"中国の「茶」という語が語源になっています。大きく分けて(今で言う)普通話を元にした「茶│チャ」系列の単語と、福建・台湾方言(閩南語)を元にした「茶│テー」系列の単語に二分されます。

日本語のチャ、韓国語の차│チャ、ロシア語のчай│チャイ、タイ語のชา│チャーなどはすべて前者の系列、対して英語の Tea、フランス語の thé、、マレーシア・インドネシア語のTehなどは後者の系列に属します。

西洋に紅茶が広まったのは17世紀中盤です。その当時清朝から茶葉貿易の許可を得ていた福建省(特にアモイ)の商人がオランダ人と取引をする過程で、彼らの使っていた閩南語であるTe│テーの発音が西洋を中心に広まりました。明かに一つの単語を語源とした単語が現在も世界中で使われているというのは言語学の世界でもあまり例がありません。日本発のこういう単語はないものでしょうかね?ニンジャとかでしょうか(笑)?

烏龍茶は茶葉の発酵を途中で止めた半発酵茶、青茶と呼ばれる茶の一種です。台湾では頭頂烏龍茶、当方美人茶、文山鉄観音と、世界的に有名な数種の烏龍茶を楽しむことが出来ます。茶葉も日本よりは安く手に入るので、お土産にいかがでしょうか?

但し!筆者の確認したところ文山鉄観音は生産量が非常に少なく、市場には多くの偽物が出回っています。あまり安いものはほぼ偽物(といっても別種の烏龍茶、例えば武夷岩茶など)ですので購入時に気をつけましょう。箱や茶葉で見分けるというより産地の茶行で直接買うのが間違いありません。相場は600g800-1000元ほどです。


山藥雞絲│ヤマイモと鶏むね肉のサラダ

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
簡単に作れて栄養豊富な『山藥雞絲│ヤマイモと鶏むね肉のサラダ』のレシピを紹介します。ローカロリー、そして理想的な栄養バランス!そしておいしい、簡単!料理人にもアスリートにも優しいすばらしい料理です。

ヤマイモは普通にスーパーで買える食材でありながら、非常に優れた薬効を持つ中薬材でもあります。特に抗老化の作用に優れ、頻尿、子宮下垂、下痢、労咳など様々な疾病に用いられます。「これだけ食べてればいいんじゃない?」と錯覚してしまうほど非常に優れた食材なのです。

ちなみに筆者の住んでいた九州では「ヤマイモ」と呼びますが標準和名は「ヤマノイモ」といいます。

ヤマイモは中国や日本だけでなく東南アジアでも近年重要視されるようになってきました。もともと山に生える植物ですので、山間部の痩せた土地でも栽培でき、栄養価が非常に高いのでその価値が高まりつつあるのです。ヤマイモは学名にも Dioscorea japonica と「日本」を意味する単語が使われており、マレーシアではヤマイモを「Ubi jepun(日本のイモ)」と呼びます。(ちなみにナガイモは「Ubi cina(中国のイモ)」だそうです。)

実は台湾にはヤマイモの亜種である基隆野山薬という植物があり、学名を Dioscorea japonica Thunb. var. pseudojaponica (Hayata) Yamamoto といいます。これも食べられるそうで、原住民は古来より食用にしていたそうです。台湾には他にもヤマノイモ属の植物が多数あり、市街地を抜けてちょっとした山間部にいくとわりと簡単に見つかります。台湾山薬と呼ばれる Dioscorea formosana は台湾固有植物として有名です。なぜか台湾ではあまり研究が進められていないようなので、どれが食用になるか、成分がどう違うのか、など研究してみるのも面白いかもしれませんね。



南瓜濃湯│カボチャのピュレ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
野菜の甘味が楽しめる『南瓜濃湯│カボチャのピュレ』のレシピを紹介します。フランス料理風にピュレとしていますが、『カボチャのポタージュ』と書いた方がわかりやすいかも知れません。

中国語では"日本で言う"ポタージュを「濃湯」、コンソメを「清湯」と表記します。ポタージュ(potage)もコンソメ(consommé)もどちらもフランス語ですが、日本で使われているポタージュとコンソメとは意味が異なるそうです。つまり中国語の「濃湯」も「清湯」もどちらもフランス語のポタージュとブイヨンとは意味が異なります。漢字の意味的にはあながち間違ってもいないのですが。

そもそもポタージュはフランス料理が現在の形に洗練されていく過程で田舎の郷土料理と対比した洗練された「スープ全般」を差す語として使われるようになりました。というわけでフランス語でポタージュといった場合は、そのまま「スープ」を指します。このポタージュの中にコンソメやブイヤベースやポトフなどが含まれます。とろみの付いたものから透明なものまで、ほとんどすべてのスープがポタージュです。

対してコンソメは動物から取ったダシに野菜をくわえて煮込み、アクと油分を取り除いて作る琥珀色のスープのことで、ポタージュの一種です。作り方は一種類ではありませんが、シンプルな見た目に反して実際に作るのは非常に手間がかかります。中国の『清湯』は、漉したり油分を取り除いたりするすることはほとんどないので、やはりコンソメとは別物です。

ある国の料理用語をその他の国の言語に翻訳するのは非常に難しいです。辞書のように長ったらしく説明できればそれなりに意味は伝わりますが、同じくらいの文字数でイメージが湧くように表すのはとても難しいのです。筆者も毎度頭を悩ませていますが、ある程度悩んで良いアイディアが思い浮かばない場合は適当に付けます(笑)。

中華料理にもなれてきたら、レシピのタイトルにある中国語名をそのまま覚えてみましょう。料理名からレシピを想像できるようになれば中華料理の上級者です!



泰式檸檬魚│タイ風蒸し白身魚のレモンソース和え

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾のタイ料理レストランでは定番の一品『泰式檸檬魚│タイ風蒸し白身魚のレモンソース和え』のレシピを紹介します。シンプルな蒸し料理ですがそのままレストランで通用するほどおいしいんです!

この料理は台湾市内各地にあるタイ料理レストランで必ずといっているほどメニューに載っているメニューです。タイという台湾と同じ東南アジアの国の料理が出てきたので、今回は台湾とタイの貿易について簡単にまとめて見ましょう。

2013年のデータを見ると台湾の総輸出額はFOBベースで3054億4100万ドル、そのうちASEANへの輸出額は587億800万ドルでほぼ20%を占めます。そのうちタイへは63億3600万ドル(全体の約2%)となっています。

総輸入額はCIFベースで2698億9700万ドル、うちASEANからは326億0500万ドル、タイからは37億5200万ドルとなっています。輸出の方が多いので貿易黒字の国ですね。(日本とは恒常的な輸入超過の状態にあり慢性的な貿易赤字です。)

台湾は世界中の電子部品製造基地だけあって各国へ輸出する品目の上位ほとんどが電子機器類となっています。実はタイへの輸出もほとんどがこれなのですが時系列で見ると少し減少傾向にあるのです。これは中国の新興企業の台頭によるもので、タイにおけるシェアをわずかながら奪われてしまった形になっています。

台湾政府ももちろん黙っていません。2013年末にはシンガポール、ニュージーランドとFTA(自由貿易協定)を結び、ほとんどの品目で即時関税撤廃が行われました。ASEANへはシンガポール経由で、南洋諸国にはニュージーランド経由での輸出拡大に本腰を入れることにしたのです。

ただ中国の新興企業も新たな手を打ってくるでしょうから、結局はやはり「需要と供給」がどこかでバランスすることとなるでしょう。

台湾を巡る経済状況はここ十年でめまぐるしく変化しました。また特にアジア諸国の経済成長が軒並み鈍化していることから、これからの十年は更に大きな変化を迎えることでしょう。今のところ貿易政策に関して悪手は売っていないように見える台湾ですが、国民感情を無視して中国よりの政策ばかり取り続ける大統領の支持率が10パーセント以下という体たらくですからね。投資家は薄い氷の上を歩くようなどきどきの経済発表をしばらく見守るしかないということになりそうです。

それではエスニックな風味香る『泰式檸檬魚│タイ風蒸し白身魚のレモンソース和え』をお楽しみ下さい。


潤餅(皮)│潤餅(皮)

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難易度:☆ 調理時間:2時間
本日2015年4月5日は清明節です。『潤餅(皮)│潤餅(皮)』のレシピを紹介します。

『潤餅』は『春捲│春巻き』に似た料理ですがその歴史は『春捲』よりも長く、一説によると春秋戦国時代にまで遡れると言います。戦国時代の北部の国家では春の祭祀時に『五辛盤(潤餅の原型)』という料理を食べる習慣がありました。『五辛盤(潤餅の原型)』とはネギ、ニンニク、ニラ、香菜、カブの五つの辛野菜を穀物で作った生地に包んで食べる料理で、五臓を開いて伏氣を去り、新しい気持ちで春を迎える目的で食べられていました。『五辛盤』は『春餅』とも呼ばれこれが『潤餅』と『春捲』の原型になったといわれています。

東晋の時代に戦火を避けるため中原の人々が退去して南部に押し寄せました。この時に北部からもたらされた『春餅』が現在福建、台湾地方で食べられている『潤餅』になるのです。

さらに伝説によると『潤餅』が現在の形になったのは明の時代1600年頃、福建省同安(生まれは金門県)の蔡復一という人の夫人が発明したある「妙案」が元になっていると言われています。蔡復一は独眼破足の障害を持っていましたが、科挙に合格し後に貴州、雲南、湖北、湖南、広西の五省に渡って総督の任についた才人です。彼はある日障害のため要らぬ嫉妬を受けては、49日以内に皇帝に献上する九箱の歴史文章を整理しなければならないという無理難題を与えられてしまいます。

彼は寝食を忘れて仕事に没頭しますが、常に字を書き続けないといけないため特に食事を取る暇がありませんでした。彼の妻は夫のため現在の『潤餅』に近い料理(『薄餅』)を考案し、彼女はそれを夫の口に運んで食べさせる方法で夫の食事を解決しました。

蔡復一は見事この難題をやり遂げ、それを支えた夫人の考案した『薄餅』は美談と共に後世に語り継がれることになります。

今回は皮のみのレシピです。古代の『五辛盤』を再現してみるよし、海苔巻きの海苔の代わりに使うもよし、好きなものを巻いて食べましょう。



正宗麻婆豆腐│超本格麻婆豆腐

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難易度: 調理時間:30分以内
本場のレシピをそのままの材料で作ってみましょう!本ブログで最も記事数の多い(!)『正宗麻婆豆腐│超本格麻婆豆腐』のレシピです。台湾の某四川料理レストランで作られているそのままのレシピでお届けします。

もちろん現地の食材と調味料で作ったものと、日本で手に入るものとで作ったものとでは少し風味が異なるでしょう。一つ一つの食材を丁寧に調理して作るので、レトルトの麻婆豆腐に慣れている人には面倒くさく感じるかもしれません。しかし!出来上がったものは一口で「本格」を感じられるおいしさとなっております。ぜひ一度家庭で試して欲しいレシピです。

一応"台湾"のレストランのものなので、辛さは本場四川ほどではありません。日本人でも十分に食べられる辛さになっています。

ただいま台湾は「兒童節」と「清明節」の四連休中です。明日は「清明節」(日曜日に重なるので月曜日が代休)ということで、『潤餅』のレシピを紹介したいと思います。


香拌空心菜│ヨウサイのサラダ

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
最近日本でもメジャーになってきた野菜『香拌空心菜│香拌空心菜│ヨウサイのサラダ』を使ったサラダを紹介します。サラダとはいいますが、ヨウサイは茹でて火を通してから調味料と他の材料とあわせます。

ヨウサイ(蕹菜)はサツマイモ科の植物で学名を Ipomoea aquatica といいます。ヨウサイと呼ぶよりクウシンサイやコンシンツァイと呼んだ方がわかりやすいかも知れません。中国語では「空心菜」と書きます。

中国語名から分かるように茎が空洞になっており、調味料と混ぜ合わせるとこの空洞に調味料が入り込んで濃厚な調味料の味を楽しめます。寒いところでは結実しないため、日本ではもともと自生していませんでしたが、最近のエスニック料理ブームに乗って栽培農家が増えています。(結実はしませんが種から発芽は出来ます。)韓国でも近年中華料理屋などで提供されるようになっており、漢字をそのまま韓国語で読んで「공심채(gong sim che)」と表記されます。

中国ではやはり北方よりも福建、湖南などの南部地域でよく食べられる野菜です。日本では九州以南で割と手に入りやすいでしょう。

台湾旅行初心者なら一度は食べておきたいヨウサイ料理。メニューに「空心菜」の表記を見かけたらぜひ注文してみましょう。クセになるおいしさですよ!



煮雞蛋柳松菇│ゆで卵とヤナギマツタケの炒め物

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
最近全国のスーパーでも目にするようになってきたヤナギマツタケを使った『煮雞蛋柳松菇│ゆで卵とヤナギマツタケの炒め物』のレシピを紹介します。シャキシャキとした食感が気持ち良いキノコの炒め物です。

ヤナギマツタケ(柳松茸)は名前にこそマツタケと付いていますが非常に身近なキノコで、季節になれば街のいたるところにある枯れ木から生え出てきます。古来より食用にされてきましたが、人工栽培が始まったのは近年になってからでようやく全国のスーパーで年中見かけることができるようになりました。中国語名も日本語名からちょっと変えただけの「柳松菇」といいます。

日本では長野県産が有名で、台湾では台中の石岡産が出回っています。というか台湾では石岡産のものがほぼすべてでしょう。日本での旬は春から初秋にかけてですが、台湾では…栽培しなくても公園や山道で年中見かけられます。まぁ、食べられるのを知っていて街中で採取している人がどれだけいるかは分かりませんが…。

キノコ好きな方は台湾で見かけたらこのキノコ食べられるよとお友達に教えてあげましょう。さすがの筆者も空気の汚い台北で道端のヤナギマツタケを採取して食べる勇気はありませんが、桃園から南ならぜんぜんありでしょうね。




牛蒡燉牛肉│牛蒡と牛肉のスープ

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
和風の中華料理『牛蒡燉牛肉│牛蒡と牛肉のスープ』のレシピを紹介します。ゴボウとニンジンと牛肉を和風に煮込んだ中華料理です。

こういった醤油を使った煮込み料理は和風なのか中華なのか区別が付きにくいのですが、和食と中華の最大の違いは何でしょうか?簡単に考察してみたいと思います。

和食は「引き算の料理」 とも言われ、素材の旨味を無駄なものを省いていかに引き出すかに重点が置かれています。削り節から旨味だけを抽出したり、スイカに塩を振って甘味を引き出したりという例が分かりやすいでしょう。そのためもともと旨味に乏しかったり、臭みのきつかったりする食材はあまり調理されません。またおいしい水が豊富に使用できる国土なので、水そのものを積極的に食材として使用するという特徴があります。食材の旬を重視するのも特徴です。

対して中華料理は「足し算の料理」と言われ、豊富な調味料を使って積極的に味付けして作る点に特徴があります。日本ではほとんど調理されないクセの強い食材をいかに調理するかという点にも主眼が置かれています。地域ごとに使う食材や調理方法は千差万別で、宮廷料理ともなると豪華な包丁技巧を凝らしたさながら芸術作品といったものさえ食卓に上ります。水資源に乏しい地域では水そのものに味をつけて飲むためのスープ料理が発達しました。調理法や食材があまりにも多岐にわたるため中華料理として簡単にまとめるのはなかなか難しいところがありますが、普通の日本人が知る中華料理というのは、広大な中華料理のホンの一部分でしかないことをご理解いただければ幸いです。

そんな和食と中華料理ですが、近年急速に料理文化の交流が進んでおり、中華料理を元にした多くの和食が開発され、また逆に和食を参考にした中華料理がたくさん生まれています。和食も中華料理も世界中に広がって発展を続けているので、世界各地でローカライズされた和食、中華料理が毎日のように生み出されています。

新しい料理に出会うのは世界の何処であってもすばらしい体験となります。未知のものに出会うのは旅行の醍醐味です。生涯をかけても食べつくせないほど豊富な種類を誇る中華料理の世界、食をテーマに旅行を楽しんでみるのも一興です。



 
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