豆瓣蒸豆腐│蒸し豆腐の豆板醤ソースかけ

難易度:☆ 調理時間:30分以内
四川風の家庭料理『豆瓣蒸豆腐│蒸し豆腐の豆板醤ソースかけ』のレシピを紹介します。豆腐に豚ひき肉と混ぜた豆板醤ソースをかけて蒸した料理です。ピリ辛で濃いめの味付けなのでお酒のおつまみなどに食べたいですね。

豆板醤も豆腐もマメから作られます。 マメは世界中で主食として、調味料として欠かせません。

大学時代はマメ科植物について研究していたこともあり、筆者はマメについては一家言を持ちます(笑)。そんなマメについて今回は簡単に紹介してみたいと思います。

ディープなマメの世界へようこそ(笑)。

筆者が研究していた当時、広義のマメ科はマメ科、ジャケツイバラ科、ネムノキ科の三つに分裂する危機を迎えていました。筆者も「え?マメ科が分裂しちゃう!どうしよう!」とドキドキしながら研究の進展を見守っていたものです(笑)。現在は遺伝子系統解析により広義のジャケツイバラ亜科にマメ亜科、ネムノキ亜科が内包されることが分かっており、まとめてマメ科と呼びます。分裂の危機は免れました。

マメ科は植物界最大の属であるAstragalus属(2000-5000種) を含む巨大な科で、多くの動物にとって食用となるだけでなく、根粒菌との共生という生物全体にとって非常に重要な役割を果たしています。

すべての生物は体内に炭素原子と結合した窒素原子を持ちます。窒素と言えば空気の大部分を占め、地表の大部分に存在する元素ですが、窒素分子は強力な三重結合で結合しており、普通の生物はこの空気中の窒素をそのままの形で利用することができません。

多くの栽培植物は窒素肥料(アンモニアなど)を土壌に導入しないと成長することができないのが分かりやすいでしょうか。そしてそういった窒素を含む動植物を栄養として摂取しないと動物も成長できません。

それでは大元となる固定された窒素は誰がどうやって空気中から土壌に取り入れているのでしょうか?

その答えがマメ科植物にあります。マメ科植物の根には根粒菌という細菌が規制しており、この細菌は地表において、ほとんど唯一空気中の窒素を有機物として固定できる機能を持っています。マメ科植物から栄養と生息の場所を提供してもらう代わりに、空気中の窒素を栄養として交換しているのです。田んぼに生えているナズナやクローバーを引き抜いて、根を見て見ましょう。細い根の所々にプックリとした粒のようなものがあるのがわかると思いますが、これが根粒菌がいる場所です。田んぼにナズナの種をまいて、鍬混むのはこうしてナズナの根に窒素が固定され、肥料代わりになるからなのです。

マメ科植物以外ではソテツや一部のシダ類などが窒素固定を行うことができますが、ごく少数です。ほとんどすべての生物の体内にある窒素はマメ科植物の根によって空気中から取り入れられたものということですね。マメ科なくして生物なし、といっても過言ではないでしょう。

このようにマメ科植物は自前で窒素を栄養として利用することができるため、やせた土地でも生育することができ、世界中のほとんどの土地に進出していくことができます。地表のほとんどすべての地域でマメ科植物が生育しており、連作障害も少なく、人類の住むほとんどの地域で太古よりマメが食用にされているというのも頷ける話ですね。

あなたの体を流れるマメの力を感じることができたでしょうか(笑)?

これ以外のマメの素晴らしさはまた別の機会に。

それではレシピです。




[材料]
豆腐 ……… 500g
豚ひき肉 ……… 60g
ショウガ ……… 10g
ネギ ……… 15g

[調味料]
豆板醤 ……… 大さじ2
酒 ……… 大さじ1
一味唐辛子 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 小さじ1
ごま油 ……… 小さじ1

[作り方]
1.豆腐を2cmほどの厚さに切り、耐熱容器に並べておく。

2.ショウガをみじん切りにする。ネギをみじん切りにする。

3.すべての調味料とショウガと豚ひき肉を混ぜ合わせ、作り方1の豆腐の上に乗せる。容器にラップをし、蒸し器にかけて強火で15分蒸す。取り出してラップを外し、ネギを散らして完成。

Point!
ソースには刻んだシイタケやグリーンピースを入れても美味です。味噌や醤油を少量加えても味が深まります。


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