難易度:☆ 調理時間:30分以内
四川風にピリ辛の味付けをした『川味馬鈴薯│四川風ポテトサラダ』のレシピを紹介します。ジャガイモとキュウリをラー油と花椒で和えた料理です。夏場の前菜にぴったりですね。
強烈な辛味としびれる麻味が四川料理の特徴です。四川省はもともと蜀、巴蜀などと呼ばれていましたが、清代に四川と呼ばれるようになりました。四川とは省の西南部にある四川盆地と呼ばれる地名に由来します。更にこの四川とは岷江、沱江、嘉陵江、烏江の長江の四つの支流に由来するという説、または宋代にこの地方に置かれた川峡路が後に益州路、利州路、梓州路、夔州路の四つに分割され、川峡四路と呼ばれたことから名づけられたという二つの説があります。二、三百年前のことなのに地名の由来がわからないという中国の歴史からすると珍しい事態です。中国語の「川」は、「河」や「江」よりも小さな水の流れを表すため漢字の意味的には後者の説を支持したいところです。
四川省の重慶(現在は重慶特別市)は中華民国国民党が台湾に渡る直前まで政府機能を置いていた場所です。中国内陸部にありますが台湾ともなじみの深い土地の一つで、重慶から台湾に伝わった伝統芸能なども多数残されています。
さて前述した川、河、江の違いですが、渓の字も加えてもう少し詳しく見て見ましょう。まず「川」の字は中国では河川の名称としてはほとんど使用されません。これは川の字がその成り立ちから、「単なる水の流れ」を表すのに過ぎないのと、四川省の略称として使われることなどが理由です。あとは人名、料理の技法(川:熱湯にくぐらせる)としても使われるので使用頻度は割と高いです。
中国語では「河」が水の流れを表すので、日本語の川の意味に近いです。「江」はもともとは大河の意味なので、江>河の図式が成り立つのですが、地名として使われるときは河も江もあまり区別して使われません。中国北方では河を多く使い、南方では江を多く使うという違いがあるくらいです。興味がある人は地図を広げて中国の川の名前を調べてみましょう。
日本語で「江」を「こう」と読むように、中国語の上古代音では江を「kroong(コーン)」のように発音しました。これは川を意味するモン語のクルン、ベトナム語のソンなどとも関連があるとされ、中国南方で江の字が多用されることと関連があると言われています。なお海外の河川は一律して「河」の字を用います。
「渓」は山間を流れる小さな河の意味です。台湾は山岳部が多く、そこから発して急峻な流れで直接海まで続く河川はほとんど「渓」の字が付けられます。乾季と雨季の流量の差が極めて大きいのが特徴です。台湾で河が付けられている河川はあまり多くなく、流量も渓のつけられている河川より小さいことが多いですが、年間を通して流量が割と安定しているのが特徴です。
一年を通して台湾に住むことがあれば、特に台風襲来時の河と渓の流れを比べてみましょう。ちょろちょろと流れていたはずの○○渓が洪水を起こすほどに流量を増す変化と、それに翻弄されてきた昔の人々に思いを馳せてみましょう。
[材料]
ジャガイモ ……… 300g
トウガラシ ……… 1本
ニンニク ……… 3個
キュウリ ……… 1本
花椒 ……… 小さじ1
[調味料]
七味唐辛子 ……… 小さじ1
ごま油 ……… 大さじ1
ラー油 ……… 小さじ1
塩 ……… 少々
胡椒 ……… 少々
砂糖 ……… 少々
[作り方]
1.ジャガイモの皮をむき、千切りにする。トウガラシを千切りにする。ニンニクをみじん切りにする。キュウリを千切りにする。
2.熱したフライパンにごま油をひき、ごま油以外のすべての調味料を加えて混ぜ合わせる。弱火で加熱しながら香りが出るまで加熱する。
3.作り方2のフライパンにジャガイモ、トウガラシ、ニンニクを加え、ジャガイモが柔らかくなるまで炒めたら、キュウリを加えてよく混ぜ合わせて完成。
Point!
ジャガイモは茹でて火を通し、残りの材料と合わせてもよいでしょう。冷やしても食べられます。
花椒は粒で用いてもよいですが、粉にしてドレッシングに溶かし込むとさわやかな麻味を楽しめます。
辛さと麻味はトウガラシと花椒の量で調節して下さい。
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