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紅燒海參│ナマコのオイスターソース炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾では宴席料理としてよく食べられる『紅燒海參│ナマコのオイスターソース炒め』のレシピを紹介します。干しナマコと使うことも多いですが、今回は海産物市場で売られている生のナマコを使い、オイスターソースその他の調味料で味を調えて作る料理です。炒め物というよりは餡かけ料理で、コリコリとしたナマコとさっくりした野菜の食感を楽しめます。

ナマコは棘皮動物と呼ばれる動物の一群、棘皮動物門に属する動物です。同じ棘皮動物にはヒトデ、ウニがおり、海中の生活に特化した原始的な生物です。すべての棘皮動物は五放射相称という星形に対称な体を持ちます。特にヒトデでは明確です。ウニも体を割るとこの形状が明瞭です。棘皮動物にあってナマコだけはこの射相称を横にした構造を持っています。というか棘皮動物で横向きに射相称を持つ動物をナマコと呼ぶというのがナマコの定義です。他の棘皮動物に比べて体が細長く進化しています。

ナマコには口と肛門があるので前後の区別は容易です。また背中と腹の区別も五放射相称の体から二次的に進化しています。ですが頭部(中枢神経)はなく、血管や排泄器もありません。その代り海水を体中に流す水管系という特殊な構造が発達しています。水管系の水を排出してしまうと驚くほど体が縮んでしまいいます。

乾燥重量は少ないですが大量に水を吸う性質があるのでスープ料理との相性がよく、広東料理などで多用されます。正直和食などと合わせても美味だと思いますが、そのグロテスクな見た目からあまり使われないようです。

どんな食材でもおいしく調理してしまうのが料理人の腕の見せ所です。いろんな食材を自由自在に扱える料理人になりたいものですね!



韭菜炒鴨腸│ニラと鴨モツ炒め

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難易度:☆(材料入手による) 調理時間:30分以内
屋台や熱炒の店でもおなじみな台湾の家庭料理『韭菜炒鴨腸│ニラと鴨モツ炒め』のレシピを紹介します。カモ(アヒル)の腸をニラと一緒に炒めた料理です。日本ではまず手に入らない食材ですので豚モツや牛モツなどで代用してみましょう。

カモ(アヒル)のモツは日本では友人に猟師さんがいるなら、頼んで手に入れてもらうのが一番早い入手の方法かもしれません。ただし普通は肉の臭みを抜くために仕留めてからすぐに取り除いてしまいますので、きちんと仕留めたその場で塩水などを使ってよく洗ってもらう必要があります。。中にはもちろん排せつ物が詰まっているので、その場できれいに洗浄しないと臭くて食べられなくなってしまいます。これを引き受けてくれる猟師さんはまれだと思うので、どうしても入手難易度が高くなってしまいます。

アヒルを養殖している場合は数日間絶食することできれいな腸を手に入れることができます。台湾ではこちらの方法で加工されていることが多いようです。普通にスーパーの精肉コーナーで手に入るので、台湾で調理が可能な方はぜひ料理に挑戦してみてください。

他にも台湾では鴨モツは屋台で串焼きにされていたり、滷味の具にされたりと様々に活用されています。台湾で手に入る食材のほとんどは日本でもなんとか手に入れることができるのですが、この鴨モツだけは食文化の違いから入手が難しい(そして輸入も難しい)食材となっています。

もし手に入ることがあれば、ぜひ挑戦してみましょう。

写真は葉ニンニクで作ったもの。

北耆杞子燉乳鴿│仔鳩の黄耆と枸杞スープ煮込み

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難易度: 調理時間:1時間以内
久しぶりの本格薬膳、福建料理から『北耆杞子燉乳鴿│仔鳩の黄耆と枸杞スープ煮込み』のレシピを紹介します。特に小児の気虚に高い効果を発揮する薬膳で、大人の陽虚証にも使われます。メインの小鳩ですが、野生のものではなくきちんと養殖されたものを使いましょう。

日本の公園などで当たり前にみられるハトはカワラバト Columba livia という種です。もともと外来種で日本には1000年以上前に家畜として中国からもたらされたと考えられています。伝書鳩としてもおなじみですね。伝書鳩は電話も手紙も普及していなかった頃は安価な連絡手段として重宝されました。伝書鳩を撃ってしまう可能性があるため狩猟が禁止されていますが、そのため都市部で爆発的に数を増やし、獣害を発生させています。

ミミズなどの餌をヒナに与えることもありますが、親ハトはピジョンミルクと呼ばれる高たんぱくの栄養分を喉から排出することが可能で、これをヒナに与えて育てます。哺乳類以外で授乳(?)を行う数少ない動物の一つです。そのうち大量生産されるようになるかもしれませんね。

中国ではハトは食肉として養殖されています。というか日本以外では割と一般的な食材なので、海外旅行時に食べてみるとよいでしょう。台北では広東料理のレストランなどで食べられます。鶏よりも味がしっかりしていて美味です。



清蒸石雞│カエル肉の中華蒸し

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難易度: 調理時間:1時間以内
カエル肉を使った安徽省の伝統料理『清蒸石雞│カエル肉の中華蒸し』のレシピを紹介します。カエル肉とその他の具材をチキンスープに浸け、容器ごと蒸して作る料理です。カエル肉はちょっと…という方は鶏肉で作ってみましょう。

学校では習わないので知らない人も多いのですが、実はカエルには肋骨がありません。首の下から腹まで肋骨に守られることなく内臓が詰まっているのです。そのため解剖が簡単で、内臓機能を観察するための試料に使われることがあります。俗にいうカエルの解剖というやつです。ちなみにカエルには横隔膜もありません。おなかぷにぷにです。

「石鶏」は中国では同名の鳥がいるので紛らわしいのですが、カエルの一種です。学名を Quasipaa spinosa、中国語の標準名は棘胸蛙と言います。中国南方の山間部、渓流の岩の間などに生息して、主に夜間に活動します。古くから滋養強壮などの薬用にも用いられた有用動物で、皇帝への献上品としても長い歴史を持ちます。近年価格が高騰気味で乱獲により急激に数を減らしている動物の一つで、保護が叫ばれていますがどうなることでしょう。代用のカエル肉はたくさんあるので、数年捕獲を禁じれば数は元に戻りそうですけどね。人口養殖の研究も進んでいます。

その身は蛋白で柔らかく、 上等の山の幸とされます。日本でも加工済みのカエル肉が手に入るようになってきたので、ぜひ挑戦してみてください。



鹹檸檬鴨湯│レモンの塩漬けとアヒルのスープ

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難易度: 調理時間:3時間以内
先日作った『鹹檸檬│レモンの塩漬け』を利用した潮州料理『』のレシピを紹介します。塩漬けレモンの酸味と塩分を使って、とんこつと鴨肉を煮込んだスープ料理です。食欲増進効果があり、産後の体力回復などに食べられる栄養豊富な料理です。材料となる『鹹檸檬│レモンの塩漬け』は自分で用意するしかありません。ぜひ再現してみましょう。

この料理で使う『鹹檸檬│レモンの塩漬け』はそれほど長期間漬けたものでなくても使えます。2週間から3か月ほど漬けたものを使って調理しましょう。

アヒルは鴨を家禽化したものです。イノシシを家畜化したブタみたいな関係です。

さて、一時期日本のセルフィー界を席巻した「アヒル口」ですが、中国語では「鴨(子)嘴」といいます。日本語からの直輸入ですが、アヒルが鴨に先祖返りしているのが面白いですね。台湾では大変に流行し、一時は台湾のほとんどすべての女性のSNSが、アヒル口の写真にきりかわったということも。(ちょっとだけマネして元の写真に戻すという人も多数いました。)

台湾では日本初のオタク文化や萌え文化がそのまま輸入されて定着していますが、近年はSNSの力か日本の流行もほぼリアルタイムで台湾に紹介されることも多いです。しかも台湾での流行は日本より早く全国に飛び火し、あっという間に廃れ、また次の流行を待つ空白期間が生じる…という熱しやすく冷めやすい特性があります。気質の違いなんでしょうねぇ。

実は台湾人の流行に敏感で、熱しやすく冷めやすいという性格は「映画のマーケティング」にぴったりで、ハリウッド発の大型映画が本国より先に台湾で公開されたりもします。中国のように検閲もないので本国そのままノーカットで上映でき、個人の年間映画鑑賞件数がほどほどに高く、映画館をビデオで撮影するような人もおらず、 流行に敏感で、アメリカの文化もそのまま受け入れ、そして適度な人口と経済力を持っているという映画マーケティングの理想郷なのです。

日本では夏公開の大型映画が、台湾では前年の冬に世界最速で見られることもあるのです。映画好きには何という僥倖でしょうか!字幕なしでも映画見られるよ(または中国語の字幕でもいいよ)!という方は、 旅行中に台湾の映画館で最新のハリウッド映画を楽しむのも悪くないと思います。なんと一本700円ほど!日本の半額以下で映画が見られます。

それではレシピです。


錦繡中華│中華絢爛盛り合わせ

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難易度: 調理時間:1時間以内
浙江省の名菜『錦繡中華│中華絢爛盛り合わせ』のレシピを紹介します。材料に火を通して薄切りにして並べるだけと、調理は非常に簡単なのですが、カボチャで彫刻をするのが必須という変わった料理です。技量の限りを尽くして美しい彫刻を彫り上げてください。調理時間のほとんどはカボチャに彫刻することになります。

この料理の中心となる彫刻は「華表」と呼ばれる中国各地にあるトーテムポールのような柱をモチーフにします。最も有名な華表はやはり北京天安門にある二対の華表でしょう。白玉で作られた高さ10mほどの八角柱で、先端には四肢を地に着け天を見上げた望天(犼とも)と呼ばれる生き物が彫られています。望天は九匹いる竜の子供の一つで、"主君の帰りを待つ"という意味がこめられているそうです。天安門の華表は500年以上の歴史があります。

元々は民の平和と賢帝を望む祈りが望天の姿を借り、徐々に民間信仰となったものといわれています。裏を返せばそれだけ世が乱れ、優れた統治能力を持った皇帝がいなかったということです。中国も毎度大変です。

筆者も数度天安門を訪れたことがありますが、今回のレシピを書くまで華表というものがあることを知りませんでした(笑)。あれだけ大きな広場と目の前に広がる紫禁城を見てしまうと、高さ10mほどの石の柱には気付かないものです。次回訪れる機会があればしっかりと目に焼き付けてきたいと思います。

華表は中華の象徴として各地の大学、役所、寺廟などに設置されることの多いようです。台湾では特に寺廟の入り口に設置されていることが多いので、見かけたら写真でも撮ってこの料理を作るときの参考にしてみてください。

天安門の華表。
望天の下部には雲をモチーフにした彫刻もあります。

精武鴨頸│武漢風カモ頸煮込み

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難易度: 調理時間:半日
湖北省武漢の名物料理『精武鴨頸│武漢風カモ頸煮込み』のレシピを紹介します。カモの頸を各種香辛料で煮込んだ料理で、かなり手間をかけて作ります。また排草(排香草)という特殊な香辛料と色付けに紅曲米という特殊な材料を使います。日本では手に入れにくいので代用して挑戦しましょう。

この料理以外にはまず使わないと思われる食材「排草」について記します。

排草は生薬・香料として使われる植物で、基原となる植物が数種類あります。通常生薬として用いる排草は学名を Lysimachia capillipes というサクラソウ科の植物が指定されています。お寺のお香の原料として使うこともあるので、台湾でもは少量が流通しているのですが、台湾市場で流通している排草はどう見ても土藿香と同じものです。台湾で香料として流通しているものは習慣的にこちらを使っているのでしょう。

生薬の問屋でも本物はまず手に入らない、というか長年流通に関わっている仕入れの専門家ですら知らないほどの珍しい生薬で、本物を手に入れるなら産地に行って自分で採ってきた方が簡単かもしれません。それほどレアです(笑)。

調べてみたところ土藿香 Agastache rugosa の別名に「排草香」というのがあり、こちらと混同されているようです。まぁ、この土藿香もかなりレアな香料ですけど…。料理に使う場合は手に入りやすく香りの似ている藿香などで代用するとよいでしょう。

今まで生薬学者が注目してこなかったのも基原が曖昧になっている理由の一つでしょう。こういったマイナー生薬を現地に赴いて調べるのも、伝統医学や生薬学の重要な研究分野です。今後の研究が待たれます。ちなみに筆者の専門の一つです。興味ある方の連絡お待ちしております(笑)!

もう一つ、この料理で使う「紅麹米(簡:紅曲米)」について説明します。

紅麹米とは紅麹の原料となる麹菌を繁殖させた米のことで、これを原料に紅麹や紅麹酒を作ります。日本酒の麹の育成と同じように、製作には過酷な肉体労働と職人技が必要な材料で、現在でも大量生産ができていない比較的高価な食材です。中国と日本が共同で大量生産の研究を行っているようですが、まだまだ経済規模での機械生産には成功していないようです。

排草も紅麹米も日本では手に入れにくいので他の材料で代用して作りましょう。鶏の頸肉でも同じように作れますが、カモの方が大型で肉が多いので食べやすいです。


紅燒赤壁│上海風スッポンの醤油煮込み

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難易度: 調理時間:2時間
珍しい名前の上海料理『紅燒赤壁│上海風スッポンの醤油煮込み』のレシピを紹介します。スッポンの甲羅周囲、鼈裙と呼ばれる部位の肉とハムと鶏肉をメインに、醤油と紹興酒で味付けして作ります。

スッポンは漢字で鼈(bie1)と書きます。肉の色が黒く壁(bi4) と音が似ていることからこれを岩壁に見立て、さらに"紅"焼とハムの色の赤をかけて「赤壁」とする言葉遊びから料理名が名付けられています。なかなか凝った名前です。

さて、この料理の元になっている「赤壁の戦い」は多くの日本人が知る三国志の有名な戦いです。劉備孫権の連合軍が、曹操率いる数十万の軍が長江を挟んで対峙し、陸や河上を舞台に大規模な戦闘を行うという場面で、長大な三国志の物語りのクライマックスといえます。最終的に曹操軍は敗退し、多くの兵と領地を失うことになります。今から1800年前、西暦208年の話です。映画、マンガ、ゲームの影響が強いと思いますが、それでも今なお多くの人が1800年前の戦いを具体的に想像できていうるというのもすごい話ですね。

三国志を題材とした料理も多数存在し、『曹操鶏』など一部の料理は三国志の時代からほとんど形を変えずに現在に伝わっています。歴史が苦手という方は料理を通して学ぶというのも言いアイディアかも知れません。

高湯、上湯│中華スープ(基礎)

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難易度:☆ 調理時間:半日
中華・台湾料理の基本となる『高湯、上湯│中華スープ(基礎)』のレシピを紹介します。スープの素を使うと簡単ですが、市から作るやり方をおさらいしておきましょう。ラーメンと同じでスープを取って使い分けられるようになると、料理の深みが増します。

中華料理では食材を煮込むのに様々なスープが用いられ、これらのを総称して『高湯』と呼びます。『上湯』は広東料理での言い方です。通常肉・骨類をベースに、ハーブや酒などの調味料、少量の野菜などを弱火で煮込んで作ります。表面に浮いてくるアクや油分は除去されるので、ベースとなる肉・骨類の風味がスープに大きな違いとなって現れます。

スープに油脂分を残して白濁させた状態のものは『奶湯』と呼び、『高湯』を更に加熱して鶏肉を吊るして入れ、ダシが出たら取り出すという過程を数度繰り返して作るスープを『吊湯』と呼び、高級料理に使われます。

いわゆる『ブイヨン』は『清湯』と表記されますが、これは『高湯』とほぼ同じ意味で用いられます。

今回のレシピではどんな肉・骨類、調味料、野菜を使っても作れる分量の黄金比を以下に紹介しちゃいます。

【高湯作りの黄金比】
ルール1 骨:肉:野菜:水 = 2:1:1:8 の比率に近くなるようにすること。

この比率さえ覚えておけば、骨、捌いた後の魚骨、クズ野菜や野菜の皮を使って家庭でもプロ並みのレシピを作れてしまいます。その他の調理のポイントは作り方を参考にしてください。

香辛料を使う場合はルール2 香りを付ける香辛料(月桂葉など)を水(リットル)と同じ量(グラム)、味を付ける香辛料(胡椒など)をその倍加えれば完璧です。

ルール3 肉や野菜の比率を増やす場合はそのぶん骨の割合を減らしていきます。この比率をしっかり覚えて家庭でもおいしいスープを作ってみてください。

まとめると
ルール1 骨:肉:野菜:水 = 2:1:1:8

ルール2 香りを付ける香辛料は水(リットル)と同じ量(グラム)、味を付ける香辛料(胡椒など)をその倍。

ルール3 肉や野菜の比率を増やす場合はそのぶん骨の割合を減らす。
となります。

これらを工夫してぜひオリジナルの絶品スープを作ってみてください。


燴海參│ナマコあんかけスープ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
近くのスーパーで海瓜子売ってませんでした。明日にでも海鮮市場行ってきます。

またまた福建料理から。『燴海參│ナマコあんかけスープ』のレシピを紹介します。その名の通り、ナマコを使ったとろみの付いたスープです。台湾でも食べられます。

ナマコを使った中華料理は広東省や福建省、台湾など中国南部の海岸沿い地域に多く有ります。日本でも古来から食用にされてきた歴史があり、日本産のナマコは今でも中国に盛んに輸出されています。

日本の市場に流通するものはほとんどがマナマコという種だそうで、しかも近年漁獲されるほとんどが乾燥ナマコに加工されて中国に輸出されているそうです。ナマコは漁獲も簡単なので漁師の言い副収入になっているといいますが、乱獲による資源減少も懸念されています。

筆者の得意先である漢方問屋ではたくさんの乾燥ナマコが量り売りされています。滋養強壮の薬物・食材として人気が有り高級品です。半養殖は難しくないようなですが、まだまだ普及していないそうなので台湾のどこかの海岸線で実験してみても良さそうですね。



萬壽羹│湖北風万寿スープ

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難易度: 調理時間:3時間
今回は湖北の伝統料理から。すばらしい名前の『萬壽羹│湖北風万寿スープ』という料理のレシピを紹介します。万寿、即ち鶴と亀を材料(のモチーフ?)にして作る吉祥の料理です。もちろん現代では鶴肉は世界中どこを探してもまず手に入らないので鶏肉で代用します。亀肉はスッポン肉が手に入りやすいので、日本でも再現可能です。お年寄りの誕生パーティーなどで作ってみてはいかがでしょうか?

この料理は『鶴龜延年湯』、『萬壽吉祥羹』などとも呼ばれます。

湖北料理は別名を鄂(e4)菜といい、そのまま湖北省の料理を指します。実は中華料理には良く知られた八大菜系とは別に十大菜系と呼ばれる分類もあり、湖北料理はこの十大菜系の一つに数えられています。湖北料理の下位分類には武漢菜、荊沙菜、黃州菜、襄鄖菜があり、春秋戦国時代にあった「楚」の王宮料理を受け継いでいることに特徴があります。

日本ではほとんど食べられない中華料理なので、湖北料理の名前を知っている人は稀でしょう。しかし現在杭州名物として知られる『東坡肉』は、もともと湖北料理として生まれたのはご存知でしょうか?

一般的には浙江料理の名物とされる『東坡肉』ですが、実はこの料理、もともとは湖北の黄州で生まれた『紅燒肉』という料理が元になっています。『東坡肉』を生み出した蘇軾は最初に左遷された先の黄州で名物の豚肉を醤油で煮込んだ『紅燒肉』という煮込み料理を考案しました。その後更に左遷された先の杭州で住民らから送られた豚肉と紹興酒で作った『紅燒肉』が後に『東坡肉』と呼ばれるようになり現在に伝わりました。もともとの湖北の『紅燒肉』も今では『(湖北)東坡肉』と呼ばれて湖北料理の店で食べることができます。

湖北料理は特に水産物の加工に定評があり、古い時代の宮廷料理の風格を残していることから、宴席料理として根強い人気があります。残念ながら台湾には一軒も湖北料理のレストランがないため、筆者も自分で作ったものしか食べたことがありません…。湖北料理は大体パーティー向けで、多人数で食べるのに向いているので、再現時はぜひ皆で集まってご賞味ください。



糝│山東粥

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難易度:☆ 調理時間:3時間
山東の伝統料理、古い歴史を持つ『糝│山東粥』のレシピを紹介します。レシピでは鶏肉で作っていますが、牛、豚、羊、はたまた鹿、イノシシ、キジ、馬など何の動物の肉でも作れる肉粥料理です。

料理を表す漢字「糝」は数通りの読みがあり、それぞれ意味が異なります。料理とも深く関係があるので、まずはこちらを簡単にまとめます。

一つ目は糝(糁)[Sa2]、これは山東方言での発音で今回の料理は正しくはこの読み方で読みます。元々は煮込んで火を通した穀物の意味ですが、非常に古くから料理名として書物に登場します。古代中国の礼法を記録した《禮記・內則》にも"糝:取牛羊豕之肉、三如一小切之、與稻米;稻米二肉一、合以為餌煎之。"という風に記載があります。同時代の他の古書にも登場するのですが、どれも作り方は現在とほとんど同じです。これが今回紹介する『糝│山東粥』のレシピの元となっています。

二つ目は糝[Shen1]、こちらは普通話の発音で、穀物を粉にしたものの意味です。玉米糝(トウモロコシの粉)のように使います。

三つ目は「San3」、普通話で米粒の意味です。実はこの料理、歴史的にも山東省辺りが発祥とされ、正式な名称は一つ目の[Sa2]の音が正しく、現地でもこの料理を[Sa2]と呼ぶびます。ですが[Sa2]の音は山東省の方言音とされており、普通話の辞書にも[Sa2]の音が載っていません。というわけで山東省以外の地域ではこの料理を「San3」の発音で『糝湯』と呼びます。普通話の範疇ではこちらも間違いではないのですが、本場山東省ではまず通じないのでご注意ください。台湾語で発音しないと通じない『蚵仔煎』見たいなものですね。ただ…山東省以外で食べられる『糝湯』は山東省の『糝』とは少しだけ作り方が違うのでご注意ください。

ちなみにこの料理、中国では2500年ほど前から食べられていたことが分かっていますが、更に歴史を遡ると古代アラブ地方からもたらされたことが分かっています。非常に古い歴史がありながら現在のものとほとんど形が変わらないという珍しい中華料理の一つです。 まさに生きた化石!(の中華料理版)。シルクロードに思いを馳せながらお楽しみください。


北京烤肉│北京焼肉

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中国北部で食べられる焼肉料理『北京烤肉│北京焼肉』のレシピを紹介します。タレに漬け込んだ牛肉を鉄板で焼いて作る料理で、ビールのお供に最適!ごま油を漬け汁に使うと一気に中華風になりますね。

我々日本人が良く知る北京料理といえば『北京烤鴨│北京ダック』があまりにも有名です。『北京烤鴨』や今回紹介する『北京烤肉』を含む北京一帯の料理を「北京菜」と呼び、中華料理の一体系とします。

さて、台湾にある中華民国の政府では(公式には)北京をペキンと呼ばないことをご存知でしょうか?現在の北京地域は古代は「北平」という名前で呼ばれており、元代に大都、明代に北京(北の首都の意味)と呼ばれるようになりました。中華民国の母体となった国民政府は首都を南京においていましたが、北にもう一つ首都を意味する「北京」があるのはマズイということで、北京を古い呼称の「北平」に戻しました。その後台湾に移転した中華民国政府はそのまま北京を北平と呼び続けており、現在も公式には北京の名称は北平ということになっています。台湾にも多くの北京料理の店がありますが、すべて「北平料理」などと表記されているので頭の中で変換して読みましょう。台湾の街中で「北平」の字を見かけたらすべて北京の意味です。

そんなわけあって台湾では『北京烤鴨』も『北平烤鴨』と呼ぶのです。多くの旅行者は知らないとスルーしてしまいそうですね。

本日はそんな北京の伝統料理から。韓国の『양념갈비│味付けカルビ』のようなご飯が進む味付けです。晩御飯のおかずに悩んだらどうぞお試しください。




他似蜜│タシミ、回族羊肉甘辛炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
清王宮でも食べられていた清真料理『他似蜜│タシミ、回族羊肉甘辛炒め』のレシピを紹介します。万漢全席のメニューにもなっているとか。羊肉をテンメンジャンベースのソースと絡めて炒める絶品料理です。回族発祥の料理ですが、レシピではなぜか酒を使います。本物のイスラム教徒には酒を使わず作ってあげましょう。

『他似蜜』は歴史あるイスラム料理の一つとされます。その生まれは清朝の最晩年、西太后が某レストランを訪れた時の創作料理に遡ります。料理人が知恵を絞って編み出したこの創作料理は西太后に賞賛され、この料理の名前は何かと側近に尋ねました。しかしその場で生まれた創作料理であるため、側近の賢者らの誰もこたえることができません。全員が頭を抱えているところ急遽料理人がその場に呼ばれ、この料理は新しく創作したものでまだ名前がないことを告げられました(普通料理人は西太后などの位の高い人とは面会できません)。この料理人は肝も据わっていたのでしょう、その場で「西太后さまにこの料理の名前を頂戴したい」と打ち明け周囲を驚かせました。西太后はその対応に大いに喜び、その味を指して「これ(他)は蜜に似る」、即ち「他似蜜」と名付けました。その後この『他似蜜』は名付け親である西太后の好物となり、清王宮紫禁城の食卓にたびたび乗せられたということです。

というわけでこの『他似蜜』、なんと名付け親はかの西太后でした。歴史の重みを感じさせる料理ですね。清も後期になると日本の明治維新との関連が深くなり、現代に生きる我々が身近に感じるような故事も増えてきます。台湾が日本の領土となるものこの時期ですので、一度歴史をおさらいしてみてはいかがでしょうか?

清末に絶大な権力をふるった西太后が愛した料理、ぜひ日本でも再現して味わってみましょう。



嘉積鴨│海南風白斬鴨

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
海南省の名物料理『嘉積鴨│海南風白斬鴨』のレシピを紹介します。茹でたアヒル肉に各種調味料を混ぜたソースを添えて出す料理で、日本でも簡単に再現できます。

海南料理には海南四大名菜と呼ばれる四つの名物料理があります。その一つが今回紹介する『嘉積鴨』(他の三つは『文昌雞』、『東山羊』、『和樂蟹』) です。

『嘉積鴨』とは海南省南琼海市嘉積(加积)镇で養殖されているアヒルの品種の名前で、そのまま料理名にもなっています。300年以上前にマレーシアから導入された改良された品種のアヒルで、別名を「番鴨」と言います。中国大陸で養殖されている普通のアヒル(いわゆる『北京ダック』に使われるアヒル)とは見た目が大きく異なり、胴体が平べったく、灰色の体をしており、皮が薄く、肉質が柔らかいという特徴がある品種です。その肉のタンパク質含量は34%と豚肉や牛肉より高く、脂肪含量は他の家禽肉よりも低いという栄養学上の特徴があり、健康食品としても人気が高い品種です。

薬膳の材料として使われることもあり、通常は「冬虫夏草」など滋補の薬材と組み合わせて調理されます。

飼育方法も独特で、乾燥小魚や昆虫、糠、ダイズなど、特別な飼料を人為的に与えて飼育されています。様々な調理方法がありますが、今回のレシピのように最もシンプルに「白斬/白切」の方式で調理したものが、「嘉積鴨」本来のうま味を直接味わえる最高最善の方法といわれています。

調理は非常に簡単で、火の通し加減がすべての鍵を握ります。日本でもおいしい鴨、アヒル肉が手に入ります。鶏肉とは加熱の技が少し異なりますので、ぜひ腕を磨いておいしいアヒル料理に挑戦してみてください。


汆鵪鶉│中華風ウズラスープ

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
徐州の伝統料理からちょっと珍しい『汆鵪鶉│中華風ウズラ煮』という料理を紹介します。日本ではほとんど食べる機会がありませんが、材料はすべて手に入るので再現が可能です。

徐州の料理は徐海菜と呼ばれ蘇菜(江蘇料理)の一つに分類されます。徐州はいまでこそ江蘇省に属しますが、60年ほど前からどの省に属するのか非常に不安定な地域でした。近代に入ってすぐ、今はなき淮海省に属しましたが、すぐに山東省に編入され、一部が安徽省に編入されたあと正式に江蘇省に属することになりました。台北市内にも徐州路という道があるのですが、短い路なので何処にあるかご存知の方はかなりの台北通でしょうね(笑)。

実際の徐州は江蘇省の北西のぴょこんと飛び出した地域で、歴史的にも地理的にも江蘇省よりも山東省との関係が深いといわれています。淮揚菜を有する江蘇料理の下位分類とされながらも、山東料理の影響を色濃く受けた徐州料理は非常に歴史の古い江蘇菜の中にあっていわば異色の料理体系となっています。"あえてちょっと外した感"のあるラフな感じ、でもラフすぎないとでも言いますか…、とにかくどこか違和感のある、そしてそれが面白いという不思議な料理が多い菜系となっています。

今回の『汆鵪鶉』で使う食材は「ウズラ」。ウズラは高蛋白低脂肪低コレステロールの代名詞のような食材で、中華料理では鶏肉よりも珍重される食材です。高血圧、肥満、糖尿病など様々な疾病を持つ病人食としても有名で、その健康効果は非常に優れています。有名な漢方薬材である高麗人参と比べられ、「動物人参」と呼ばれることも有ります。今回の料理もスープに高麗人参や黄蓍を加えて薬膳風に仕上げるのも良さそうです。

それでは当ブログでは初めてのウズラ肉を使ったレシピ『汆鵪鶉』です。いろいろにアレンジしてお楽しみ下さい。

 写真はウズラ肉をそのまま煮込んでいますが、
これも『汆鵪鶉』と呼びます。

麒麟象肚│長汀風豚モツ香肉詰め

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難易度: 調理時間:3時間
福建・台湾地方の珍しい料理を続けます。普通の中国人はまず食べられない福建地方の伝統名物料理『麒麟象肚│長汀風豚モツ香肉詰め』のレシピです。

今回は『麒麟象肚│長汀風豚モツ香肉詰め』というちょっとグロテスクな見た目の料理で、『麒麟鑽象肚』とも呼ばれます。長汀は現在の福建省龍岩市長汀県のことで、唐代にまでさかのぼる歴史ある都市です。台北市の淡水河に沿って走る汀洲路の「汀洲」もこの地区にあります。住民のほとんどが客家で、「客家料理の故郷」の異名を取る地域でもあります。この料理もその意味では客家料理の一つに数えても良いでしょう。

この料理では普段は使わないある肉を使って作るので、日本で完全再現したいと思う人は希でしょう。まぁ、こういう料理もあるんだよということで紹介することにしました。日本でも手には入ると思いますが、この料理で使う肉は普通には売っていません。また調理がすこし忙しいので難易度は☆三つです。腕に自身がある人は羊肉を使って挑戦してみてください。レストランで食べると一品1万円を超えるような高級料理です。羊肉を使えば材料費2000円ほどで作れると思います。

料理名にある「麒麟」は龍や鳳凰にならぶ中国伝説の聖獣で、ご存知の方も多いことでしょう。ビール会社の商標としてもおなじみですね。あらゆる鳥の王とされる鳳凰に対して麒麟はあらゆる獣の王とされます。非常に穏やかな性質の聖獣とされ、あらゆる殺生を好まず、能力のあるものが仁政を敷くときに現れるとされる瑞獣の一種とされます。

孔子と非常につながりの深い生き物とされ、孔子誕生のときに現れては人々を驚かせたと言います。このことから儒教の象徴ともされ、また傑出した子供を麒麟児、または麟児と呼ぶようになりました。明、清代には諸侯や上位武官の「补服(制服のようなもの)」の正式な図案として採用されていました。

麒麟は現在も中華のあらゆる文化階層で広く崇拝を集めています。台湾の街中にも意外なところに麒麟の図案が隠れていたりして面白いですよ!

それではレシピです。


老鴨湯│貴州鴨汁

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
貴州名物『老鴨湯│貴州鴨汁』のレシピを紹介します。塩漬けにしたダイコンでダシを取る鍋料理です。台湾でも食べられます。

この料理が名物の貴州は台湾から海峡を越えてずーーッと西に向った場所にある貴州省という地域。台湾とほぼ同じ緯度で雲南省や広西省と接する場所です。

省の80%が石灰岩に覆われたカルスト台地で、「貴州に三里の平地なし」と呼ばれるほどの険峻な土地が広がります。少数民族を多く抱える省としても知られ、カルスト台地に由来する鍾乳洞などと共に観光資源化されています。

紀元前は夜郎国というミャオ族による国が置かれており、漢による統治の時に夜郎の王が残した"漢孰與我大(漢と我いずれが大なるか?)"という言葉により、「夜郎自大(無知による自信過剰の意味)」という故事成語も生まれました。

貴州は南は四川、東は湖南に挟まれた地域であります。このため貴州料理は四川料理や湖南料理を越える辛さが特徴の料理であると言われます。また険しい地形から得られる独特の天然素材と少数民族による伝統的な調理方式を応用した料理がずらりと並びます。筆者もときどき台北にある貴州料理のレストランを利用しますが、日本人にはなんとも表現し難い独特の味付けの料理がたくさんあり行く度に驚かされます。注文する料理一つ一つがまったく別の味といえば良いでしょうか…。慣れないと食事中舌が混乱しっぱなしになります(笑)。けしておいしくないわけではないので、珍しい食事が食べたいと言う人は挑戦して見ましょう。

というわけで本日は貴州の『老鴨湯│貴州鴨汁』。レシピを見てどんな味か興味が湧いたらぜひ再現してみましょう。

鵝油飯│ガチョウ脂ご飯

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難易度: 調理時間:30分以内
これを食べたことがある人は台湾中級者! 黄金に輝く『鵝油飯│ガチョウ脂ご飯』のレシピを紹介します。台湾では瓶入りの「鵝油」を買うだけで作れますが、日本では原料の入手から行う必要がありそうです。

ガチョウの脂は日本にも確実に存在はしていると思いますが、それが手に入るかどうかは別の問題です。食肉店で問い合わせるか通販で外国製のものを購入しましょう。「グースファット」の名前でフランス製のものなどが手に入ると思います。大量のガチョウの皮を集めれば「鵞脂」を集められますので、まずはこれを手に入れてください。(原料の入手が難しいので難易度☆3つとさせていただきました。)



ガチョウ(鵞鳥)はカリ(雁)を家禽化したもので、飛行能力がほとんどなく、粗食でも丸々と太り、肉は食用に、羽は装飾に使えることから主にヨーロッパで養殖が盛んです。犬と同じように見知らぬ人に吠え掛かり攻撃する性質があるため、「番鳥(?!)」としても飼育されます。台湾では卵を塩漬けにした『鹹鵝蛋』という商品もあります。

普通の日本人の皆様は「ガチョウの脂」と効いてもピンとこないかもしれませんが、西洋、特にフランス料理では一般的な食材です。ご存知フォアグラの副産物として大量に収穫でき、スープ料理に少し加えて風味をつけたり、なによりフォアグラを焼くときの脂として活用されます。低温で解けて体内に蓄積しにくいという特徴があり、健康食品としても注目されています。

紀元前2000年前の古代エジプトの壁画にはガチョウを飼育している姿が描かれており、その歴史の古さが伺えます。ニワトリは紀元前4000年ほど前からインドの歴史に登場するのでそれより少し遅れますが、家禽としての歴史が非常に長い鳥類です。

中国の歴史に最初に登場するのは紀元前400年ほど前の《荘子》。書名は皆さんご存知かと思います。"命豎子殺雁而烹之、豎子請曰、其一能鳴其一不能鳴、請奚殺。主人曰、殺不能鳴者。"という記載がありこの頃にはすでに雁を家禽化する技術があったものと推察されています。

エジプトからヨーロッパに伝わったガチョウと中国で飼育されるガチョウは実は元になる雁の種類が異なり、その家禽化の歴史も異なると推察されています。今後の遺伝子解析の研究が待たれます。

今回紹介する『鵝油飯』は非常に香り高く、ご飯だけでおかずが必要ないほどのおいしさです。日本ではまず食べられませんが、台湾ではガチョウ肉の店で食べられます。ぜひこのおいしさを体験してみてください。


薑母鴨│姜母鴨

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難易度: 調理時間:2時間
台湾冬の風物詩『薑母鴨│姜母鴨』のレシピを紹介します。鴨肉をメインに食べるのは今まで紹介した同名料理のレシピと変わりませんが、今回は他の材料を入れて一緒に食べれる鍋料理風に作ります。

『薑母鴨』の歴史は過去の記事で紹介しているので、今日は漢字「薑」についてみてみましょう。「薑」は日本語や簡体字では「姜」と書きます。これは同じ発音の漢字を代用したもので、姜の字にショウガの意味はありません。もとの「薑」の字は古くからショウガをあらわす字として中国で使われてきました。古代中国の漢字字典《說文解字》には"禦溼之菜也。从艸彊聲。 "と記載されており、薬用として使われていたことが分かります。清代に書かれた《說文解字》の解説書《說文解字注》には更に詳しく、
"  御溼之菜也。 ― 御、鉉作禦。神農本艸經曰。乾薑主逐風溼痹、溼病也腸澼、匹辟切腸閒水下痢。生者尢良。久服去臭氣、通神明。按生者尢良、謂乾薑中之不孰而生者耳。今人謂不乾者爲生薑。失之矣。
  从艸。彊聲。 ― 居良切。十部。"
と解説があります。こちらも薬効に関する説明を加えたもので、腸内の溼(湿)を取り去り下痢を治すことなどが書かれています。

『薑母鴨』は1980年代に今の新北市中和で生まれた正真正銘の台湾料理で、現在はたくさんの店で様々な味の『薑母鴨』が楽しめます。基本のレシピはほとんど変わらないので、好みの具を加えて自分だけの『薑母鴨』を作ってみてください。


 
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