Chicken Vindaloo│ヴィンダルーカレー

難易度:☆ 調理時間:2時間
アジアンカレー第四弾は本場インドから『Chicken Vindaloo│インド風ヴィンダルーカレー』の登場です。

この『Vindaloo』はもともとポルトガルの『Carne de vinha d'alhos』という豚肉とニンニクをワインで煮込んだ料理が改良されたものです。ポルトガルの『Carne de vinha d'alhos』がインドのゴアに伝わり、赤ワインの代わりに酢が、豚肉の代わりに鶏肉が用いられるようになり、それに各種香辛料を加えて現在の形になりました。

料理の伝来の過程から分かるように当初はまったく辛くない料理でしたが、アメリカやヨーロッパにインド料理が広がるうちになぜか「激辛カレー」として紹介されてしまいました。このため通常は四川料理並みのトウガラシを使って作ります。(レシピでは10-40gとなっていますが品種によっては食べるのが危険なほどの辛さになります。辛いのが苦手な方は極少量を使ってください。)

というわけでインドの基本情報いってみましょう。

Republic of India(インド共和国)

インド亜大陸の大半を占める巨大国家で、紀元前2000年以上前のインダス文明から連綿と歴史を受け継ぐ歴史ある国です。世界第七位の国土と、第二位の人口を持つ巨大国家で、公用語はヒンディー語。英語を準公用語としており、ほとんどの地域で通じます。ほかにも州ごとに話す言語がまったく異なり、全部で19の公用語があります。首都はニューデリーですが、最大の都市はムンバイで、ムンバイの人口は日本と同じ1億2千万人です。

香辛料を求めるヨーロッパ列強に植民地化されていた歴史がありますが、第二次世界大戦後に独立してからは順調に経済発展を続けています。憲法では禁止されていますが、古代から習慣として根強く残るカースト制度のため貧富の差が激しい国でもあり、現在でも世界中から非難が耐えません。

世界に名だたるIT強国として知られ、世界中のIT企業から仕事を請け負っています。一定のペースで人口が伸び続けており、2030年には中国を抜いて世界一の人口を要する国になると予測されています。残り15年ほどですので、インドが順調に経済発展を続ければ世界の市場が大きく動くことになるでしょう。経済発展を順調に続ければ…ですが。

隣国との関係はあまり良好とは言えず、つねにきな臭い話が絶えません。特にパキスタン、中国との関係は伝統的に悪く、毎年のように小競り合いが起こっています。

多くの哲学思想を生み出した国としても知られ、ゼロの概念、ダルマ、アヒンサーなどは有名です。またダンスやミュージカルを取り入れた独特の映画文化や、各州ごとに特長ある音楽など、文化・芸術方面にも世界中でファンが多くいます。説明し出すと長いのでこの辺でやめておきましょう(笑)。

見る角度によって様々に姿を買えるインドは、ある人には煌びやかに、ある人には混沌として映り、我々日本人の意識では全容を把握することが困難です。ダイナミックに変化を続ける国ですので、インドと聞いてあなたが思い浮かべるイメージは、すでに過去のものなのかもしれません。全てを飲み込んで流れるインダス川のように、その懐の深さから多くの人を魅了するインド、そのインドのカレーにはどこか深い哲学のようなものすら感じます。

インドはヨーロッパ人にしてみればアジアの入り口ですが、我々アジア人からすれば出口に当たります。ポルトガルから伝わった料理がインドで変化した『Chicken Vindaloo』は、食を通じて文化を体験をするにはうってつけです。材料のほとんどは日本でも手に入りますので、ぜひ再現してみてください。



[材料1]
鶏肉(骨なし) ……… 700g
紫タマネギ ……… 120g
水 ……… 150cc

[材料2]
ショウガ ……… 30g
ニンニク ……… 5個
干しトウガラシ ……… 10-40g
 (好みで調節する)
ターメリック(ウコン)粉 ……… 小さじ2
エシャロット ……… 80g
フェンネル(小茴香) ……… 大さじ1

[材料3]
マスタードシード ……… 小さじ1
カレーリーフ ……… 3枚

[調味料]
白酢 ……… 大さじ1
塩 ……… 小さじ1/2

[作り方]
1.鶏肉は一口サイズに切り分ける。紫タマネギは千切りにする。ショウガは皮を剥いて細かく切っておく。干しトウガラシは種を抜き、水に20分ほど浸けてやわらかくしておく。ニンニク、エシャロットは皮を剥いておく。

2.材料2を全て合わせてフードプロセッサーなどで滑らかになるまで粉砕する。

3.ボウルなどに鶏肉と作り方2で粉砕したスパイスペーストを混ぜ合わせ、全ての調味料を加えて15分ほど漬けておく。

4.鍋に大さじ4のサラダ油をひき、材料3のマスタードシードが割れて種が飛び出すまで炒める。続いてカレーリーフと作り方3で浸けておいた鶏肉と刻んだ紫たまねぎを加えて4-5分ほど中火で炒める。

5.作り方4の鍋に水を加えて沸騰させたら、時々混ぜ合わせながら鶏肉に火が通るまで煮込んで完成。

Point!
レシピ通りに作ると普通の日本人が食べられないほど辛いカレーになります。もともとこの料理がインドに伝わったときにはまったく辛くない料理だったそうなので、トウガラシ、マスタードシードを入れなくても作れます。トウガラシの量は好みで調節してください。

『Vindaloo』は欧米で人気のインド料理ですが、これだけがインドカレーのすべてではありません。あらゆる料理をカレーに変えるとも言われるインド、この料理だけで全てはとても語れません。


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