難易度:☆ 調理時間:1時間以内
本日は台湾伝統の年越しのお菓子『發糕│台湾蒸しパン』の作り方を紹介します。手軽に作れる蒸しパンです。
『發粿』は福建省、台湾で広く食べられており、中国南部からマレー半島一帯にまで広く分布する伝統的なお菓子です。普通話では『發糕』、客家語では『鉢粄』、『發粄』などと呼ばれます。
古くはこのお菓子の作り方で一年の財運を占ったとも言われるお菓子で、名称にもある「發(発)」の字にはお菓子の形態と共に「發財」の意味が掛けられています。より大きく膨らんだもの、より大きく切れ込みが入ったものを良しとします。沖縄のお菓子『アガラサー』の原型となった料理です。
上手く膨らませるポイントは米粉:水:砂糖の比率を約2:2:1にすること。酵母を使うと本当に爆発的に膨らみますが、レシピでは重曹を使っています。あと上手く膨らませるには蒸すときの火力がポイントです。最初から最後まで強火でがんがん蒸気を送り込みましょう。
レシピでは米粉と小麦粉をブレンドして作っていますが、米粉または小麦粉100%でも作れます。小麦粉で作ればチョコレートチップやドライフルーツなどを入れて現代風にアレンジも可能です。
もともとは年越し料理なのですが、台湾では食用色素で色を付けたカラフルな『發粿』がパン屋などで年中食べられます。どこか懐かしい中国伝統のお菓子をぜひお楽しみください。
[材料]
米粉 ……… 200g
薄力粉 ……… 150g
砂糖 ……… 200g
冷水 ……… 300cc
重曹 ……… 小さじ1/4
[作り方]
1.ボウルに砂糖を入れ、冷水を注いで完全に溶かす(→Point)。続いて残り全ての材料を加え、泡だて器で泡が立たないように軽く混ぜ合わせる。
2.15分ほど放置してボウルの中の気泡がほぼ消えたら、器(茶碗など)の8分目まで流し込んで、蒸し器に入れる。強火で25-30分ほど蒸したら荒熱を取って完成。
Point!
10度の冷水300ccを使っても砂糖200gは溶け切りますが、とても時間がかかります。熱湯にあらかじめ砂糖を溶かしておいてから冷蔵庫などで冷やしておく方が簡単です。
最初から最後まで強火にしておくのは不安かもしれませんが、途中で火力を弱めると膨らんでいた生地が一気に萎んで失敗します。蒸し器の水量は30分強火で加熱しても大丈夫な量をあらかじめ入れておきましょう。
お猪口くらいの器で作れば加熱時間は15分ほどでOKです。器の大きさ(深さ)で加熱時間を変えてください。
酵母を使って膨らませる場合は、同じく小さじ1/4ほどを加え常温で約3倍ほどになるまで膨らませてから器に入れましょう。こちらも蒸すときは最初から最後まで最大火力です。
台湾では「發粿粉」と呼ばれる材料が全て混ぜ合わされたものも売られています。レシピとちょっと違うのは発泡剤として重曹と極微量のクエン酸が混ぜられていること。水に混ぜるとたくさん細かい泡が立つので、水と混ぜたらそのまま時間をおかずに蒸して作ります。
砂糖を黒糖に変えればそのまま『黒糖發粿』、『アガラサー』に!食用色素で色をつければ写真のようにカラフルな『發粿』も楽しめます。
2 コメント :
台湾在住のものです。せっかく住んでいるので台湾ならではのものを作ってみたいと思いこちらにたどり着きました。質問ですが、材料の米粉はこちらではどういった名前で売られているものですか?買うものより自分で作ったものの方が子供に与えるのも安心なのでぜひ作ってみたいと思っています。
普通に「米粉」の名前で売っていますよ。コメや卵を売っている雑貨店で買えますし、精米店で注文すると作ってくれます。自宅にミキサーがあればコメを挽くだけで自分でも作れます。筆者は専ら自作しています。
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