石英水煮粥│水晶水粥

難易度:☆ 調理時間:数日
本日の薬膳は知らなきゃ絶対に作れない『石英水煮粥│水晶水粥』という珍しい鉱物薬を使った料理です。

この薬膳料理で使う薬物は二種類、「白石英」と「磁石」です。薬膳料理シリーズでは何度か紹介している宋代《養老奉親書》という書籍に記載されている処方です。記載を抜き出してみましょう。

石英水煮粥方
食治老人腎氣損、陰萎、固痹、風濕、肢節中痛、不可持物。
白石英(二十兩) 磁石(三十兩,捶碎)
上件藥以水二斗,器中浸、於露地安置。夜則揭蓋、令得星月氣。每日取水作羹粥及煎茶湯吃、皆用之。用卻一升、即添一升。如此經年、諸風並瘥、氣力強盛、顏如童子。

なにやら神秘的なことが書かれていますが、要は水晶と磁石を浸けた水で料理を作ると、若返りの効果があるということだそうです。夜は蓋を開けて月や星の気を得ると書いていますが、なかなロマンチックな薬膳です。

レシピに書かれている「白石英」と「磁石」は現在でも中医学で使われる鉱物薬です。それぞれの特徴を簡単に記載しておきます。

白石英
性味は温、甘で、帰経は肺、腎、心です。温肺下気、温腎助陽、鎮心安神、通利小便の効能があります。主成分は二酸化ケイ素ですが、通常は多くの雑物、希土類元素などを含みます。いわゆる水晶です。

磁石
《本草綱目》にも記載されている鉱物薬、性味は辛、鹹、寒で、帰経は肝、心、腎。潜陽安神、聡耳明目、納気平喘の効能があります。主成分は四酸化三鉄、他にも少量の酸化マグネシウム、三酸化二アルミニウムなどを含みます。鉄分を多く含むので補血や中枢神経の抑制作用があり、白内障患者の視力回復に用いたりします。

これらが水に直接溶け出す量は多くありませんが、雑物の溶出、磁力による水分子の変性、微細な粉末の吸収などが体に影響を与えそうです。ちょっと珍しい鉱物を使った薬膳料理、興味があればお試し下さい。
[材料]
白石英 ……… 5g
磁石 ……… 8g
水 ……… 2000cc
米 ……… 適量

[効能]
補腎、益寿。不妊、不眠、高脂血症、老化など。

[作り方]
1.白石英と磁石を一度沸騰させた水に入れ、7日間冷蔵庫などで保存する。

2.調理する直前に必要量の水を取り出し、米を炊いて粥を作る。

Point!
水は使った分だけ追加しておくと長期に渡って使えるそうです。

水は飲用にも出来ますので、大量に作っておくとよいでしょう。長期服用しても毒性はありません。

磁石といっても工業用の合成したものではなく、自然に産出する磁鉄鉱のことです。漢方屋さんか科学機器のメーカーなどで注文すれば手に入ると思います。間違ってネオジム磁石や電磁石などを使わないで下さい。


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