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炸湯圓│揚げ白玉

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の家庭料理『』のレシピを紹介します。米粉で作った団子に片栗粉などで衣をつけ、油で揚げて火を通して食べる料理です。結婚式などのめでたい席などでは「円満」の象徴として食べられる宴席料理の一つで、今回はピーナッツ粉と砂糖をまぶして作ってみます。

記事は後日!


黑糖發糕│黒糖蒸しケーキ

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
台湾の家庭料理『黑糖發糕│黒糖蒸しケーキ』のレシピを紹介します。黒糖をたっぷりと使ったふわふわもっちりの蒸しケーキです。(相当に)慣れると30分ほどで作れるので、急な来客時にお菓子がない!という時にも重宝する…かもしれません。

台湾ではオランダ統治時代からの製糖の歴史があり、日本統治時代に国策として製糖業が奨励されてからは大日本製糖、明治製糖など多くの製糖会社が各地に工場を作りました。戦後国民党がこれらの製糖会社をすべて接収、合併し生まれた台湾製糖は1960年代まで台湾で最大の企業でした。現在でも台湾各地に40か所近い製糖工場(跡地も含む)があり、原料調達用の土地を大量に所有しています。というか台湾製糖は台湾最大の地主です。各地に観光に出かけたときに工場の看板などを目にする機会も多いことでしょう。

現在は工場跡地などを使ったレジャーや投資などにも進出して多角経営をしていますが、サトウキビを原料とした砂糖の生産は現在でも台湾製糖の主要産業の一つです。

サトウキビを使った製糖の過程で作られるのが黒糖なのは皆さんもご存じかと思います。黒糖の特徴ともなっている黒い雑物による独特の風味は、菓子に加工されたときにも特徴として受け継がれます。日本でも沖縄などでは島ごとに黒糖を売りにしていることがありますが、産地や製法によって黒糖は味が異なるので地域のお土産として使いやすいのです。

サトウキビの栽培には豊富な日照とたくさんの水が欠かせません。日本よりも日照が豊富で異なる水で作られたサトウキビは、日本のものとはまた違った甘さを作り出してくれます。精製された世界統一規格の白い砂糖もいいですが、その原料となる黒糖は味も風味も千差万別、同じ料理でも作る場所によって味が少しずつ異なります。

作ればそれがオリジナル、ぜひ皆さんも再現してみて下さい。



黑糖粉粿│黒糖わらび餅

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
台湾伝統のお菓子『黑糖粉粿│黒糖わらび餅』のレシピを紹介します。デンプン粉で砂糖水を固めたお菓子で、『豆花』のトッピングなどとしても食べられます。正確には『わらび餅』とは違うのですが食感も見た目も似ているのでそうしています。『くずきり』でもよかったかもしれません。

『粉粿』はもとは広東料理の一種で、餃子のようにたれをつけて食べます。これが台湾に伝わりなぜかデザートとなりました。台湾の『粉粿』はその食感以外に元の料理の影も形も残していません。まったく台湾独自の料理と言ってもよいでしょう。発音は台湾語で「フングイ」のように言います。中国語の発音でフェングオと言っても台湾では通じないかもしれません。

本家本元の『わらび餅』はその名の通り元々ワラビから採れるデンプンを使って製造します。『くず餅』はクズから採れるデンプンを、そして『粉粿』のような中国南部の伝統菓子はレンコンから採れるデンプンで製造するのが古来の作り方です。

ワラビからデンプンを生成するのはものすごく手間暇がかかります。まず冬の寒い時期にワラビの地下茎を掘り出し、叩いてほぐした後何度も何度も水にさらしてデンプンを抜きます。生成に十日以上かかる上、10kgのワラビの地下茎からわずか70gほどしかワラビ粉が採れないそうで、生産者は年々減り続けているのだとか。クズも同じくらい手間がかかりますが10kgから200gほど取れます。

レンコン粉はレンコンを天日干しにしてそのまま乾燥させたものなので、安く大量に作れます。もちろんレンコンの色をしているのですが、漂白されたものを使えば一応『わらび餅』もどきのようなものはできます。今回は無漂白のものに黒糖を加えて作るのでそれほど色は気にならないと思います。

わらび餅』も『くず餅』も、『粉粿』もいまではタピオカデンプンやジャガイモデンプンをつかってつくられることが多くなりました。大量消費するのなら仕方のないことですが、ぜひ一度それぞれ本物の原料を使って作ったものを味わってみてください。

レンコン粉は日本でなら買うより自作したほうが安いです。薄切りにして天日干し、乾燥したら粉砕で簡単に作れます。

それではレシピです。


紅豆酥│こし餡ケーキ

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難易度:☆ 調理時間:2時間
台湾名物『鳳梨酥│パイナップルケーキ』にも応用できる『紅豆酥│こし餡ケーキ』のレシピを紹介します。うっすらとチーズが香る生地でこし餡を包み、クッキー型に詰めて焼き上げて作る料理です。中の餡を換えれば様々なお菓子に応用ができます。

様々な料理やお菓子に鶏卵は欠かせません。和食でも中華料理でも卵がないと作れない料理が数多くあります。また日本国内では珍しく、需要量のほぼすべてを自国内で生産できている希有な食材でもあります。(もちろん加工されたものは一定量、生の卵液も少量ですが輸入されています。)

さて日本ではよく食料自給率の低さが問題となります。日本ではなぜかカロリーベースの食料自給率が問題になりますが、世界的には食料自給率といえば生産額ベースのものを指します。日本で問題になっているものと世界的に標準とされるものが違うという、なんというか…農林水産省の思惑が見え隠れする不思議な現象です(笑)。

世界各国のカロリーベースの食料自給率と、生産額ベースの食料自給率を比べてみましょう。(データ1データ2)


カロリーベース 生産額ベース
日本 39% 70%
アメリカ 127% 92%
スイス 57% 70%
ドイツ 92% 70%
台湾 32% 69%
カナダ 258% 121%

以上のようになっています。世界標準である生産額ベースの食料自給率はその他先進国とほぼ同じで、そう考えるとそれほど深刻な問題ではなさそうです。また日本のカロリーベースの食料自給率は先進国最低と言われますが、実は台湾のほうが下なのです。経済データだけでなく医療統計も時々こういうのが混ざりますので、心して眺めましょう。

それではレシピです。


芋頭酥│紫芋団子

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難易度:☆ 調理時間:2時間
前回紹介した『芋泥』を使って作る団子『芋頭酥│紫芋団子』のレシピを紹介します。サクサクのパイ生地で前回紹介した芋餡を包んで作るお菓子です。お菓子作りが得意な方はぜひ挑戦してみてください。

前回、前々回は料理と関係ない台湾の刑法についてちょこっと書きました。面白かったという人も割と多かったので、今回は民法について。

中華民国の民法は中華民国が成立してからしばらく後の1931年に施工されました。とはいえ当時の台湾は日本領土、台湾で施工されていた民法は日本の民法です。日本統治時代の台湾では当初から1923年までは台湾の旧習に則った民法が施行されていました。この時期を律令民法時代と呼びます。日本の民法が施行された1923年から終戦までは日本民法時期です。そして国民党が遷台後ようやく現在の中華民国民法が台湾に持ち込まれました。

日本の民法も中華民国民法もドイツ民法を踏襲したもので、台湾の日本統治が終わってから中華民国政治が始まってからも大きな混乱は起きませんでした。戦前の台湾には日本語の法学文献や判例を読みこなせる法律家が多数おり、中華民国統治が始まってからも当時の日本の最新の判例や研究を読みこなせる人が台湾には多数残っていました。このため70年代頃までは台湾の民法は日本の法律研究の後を追う形で、最新学説に言語上の問題なく触れることができたのです。その後ヨーロッパに留学していた研究者らが最新の学説を直接持り始めたことにより、日本統治時代以前から残る台湾の旧習、特に家族意識や男女意識に大きな影響を与え始めました。例えば台湾に根強く残る家長絶対優位制度や、男女差別が法律上は解消されていきます。実生活上はまだまだ家長優位制度が色濃く残っていますが、揉めたときに裁判所に調停を依頼すると(旧習からすれば)男性側に著しく不利な判断がなされることが多いです。

ドイツ民法を受け継いでいるはずの台湾民法の最大の特徴(?)は、前にも書きましたが不動産として土地と建物が分離していることです。(これは日本の民法も同じです。)これにより土地と建物の所有権を別々に移転することが可能なので、遺産相続の裁判時などに本家のドイツにはない判決が出たりします。あとは建築途中の家屋をいつから独立した不動産とみなすかなど、面白い研究もあります。

台湾と日本の民法で大きく異なる点といえば「債権の移動」が代表として挙げられます。日本の民法では双方で譲渡の意思の確認が取れた場合にすぐに債権が移動します。例えば抵当に入っている物件があり、債務不履行があった場合はその抵当物件はすぐに債権者のものとなります。(もちろん後日登記の変更は必要ですが)権利自体は双方の意思による時点で債務者から債権者に移動するのです。対して台湾の民法では登記を移転してはじめて債権者の手に抵当物件の権利が移動することになります。どちらが良いかはケースバイケースですが、ほかの法律と矛盾が生じたりもするので今なお研究がおこなわれています。


あとは必要以上に土地耕作人を保護する規定が散りばめられているのも特徴と言えるでしょう。

他にもいろいろあるのですが、どんどん難しい話になりそうで、筆者のキャパシティーを超えるものも多いのでこの辺にしておきます。興味があれば自分で調べてみてください。


それではレシピです。


綠豆椪│台湾まんじゅう

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難易度:☆ 調理時間:2時間
新年や中秋節などのハレの日に食べられる月餅の一種『綠豆椪│台湾まんじゅう』のレシピを紹介します。白餡を使った伝統的な『綠豆椪』と豚肉をつつんだ肉まんのようなレシピの二種類を一気に紹介です。その形状からまれに『緑豆凸』とも呼ばれます。

日本では「でこぼこ」と呼ばれる漢字「凸凹」、音読みは「とつ、おう」、中国語では Tu1 ao1 と発音します。単独の漢字だと凸レンズ(中国語では凸透鏡)、凸面、凸版印刷など面の形状を表すときに使います。

凹だけはごくまれに中国の地名に使われることがあり、その場合はwa1と発音します。もともと「洼」という漢字の代わりに使われるようになったもので、地形的には川によって浸食されてくぼんだ土地を指します。四川省あたりにいくつかこの漢字を使った地名があるので興味がある人は地図ソフトで探してみましょう。またごくまれに動植物の名前に含まれていることも。

日本ではその形状からデザイン的な使われ方をすることも多い漢字ですが、中国でも事情は同じようです。中国では設計やデザインの会社名などにも使われることが多く、この点の漢字を通したイメージは日本人と同じものがありそうです。

あと中国語には四角號碼(輸入法)という漢字のコードやそれを使っての漢字を入力する方法があります。四角號碼は一つの漢字につき、その形状によって最大五ケタの数字を割り当てたものです。王雲五という人によって発明されました。この四角號碼では数字の7が「角」を表す形状に対応しているのですが、「凸」の四角號碼は「77777」、「凹」は「77770」 。凸は角角角角角!凹は角角角角横!という非常に武骨なコードになっています(笑)。それにしても角角角角角!と言われたら確かに凸凹の漢字を思い浮かべてしまうかもしれません。ゲームのネタにも使えそうですね。

それではレシピです。


雙皮奶│ミルクプリン

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
広東省順徳の伝統菓子『雙皮奶│ミルクプリン』のレシピを紹介します。いわゆる『ミルクプリン』です。牛乳と卵白、砂糖だけで作るお菓子で、簡単なので子供と一緒に作るのも良いでしょう。表面に浮いた牛乳の膜が特徴で、名前の由来にもなっています。

見るからに西洋風の料理ですが、伝統ある広東料理の一つです。1850年に董という姓のお婆さんが順徳の大良で発明した料理とされます。本来は牛乳より脂肪分の高い水牛のミルクで作りますが、日本では入手が難しいので市販の全脂乳で作りましょう。

1940年代に広州で南信甜品というデザート会社がこの『雙皮奶』を売り出して大成功し、広東を代表するお菓子となりました。今では小豆餡や各種ジャム、シロップ、チョコレートをかけたものや、コーヒーやココアを加えて作ったものなど様々な『雙皮奶』が開発されています。

作るのは本当に簡単なので、基本を覚えて色々なアレンジを加えて見ましょう。



豆腐蛋糕│豆腐ケーキ

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難易度:☆ 調理時間:2時間
豆腐で作るお菓子『豆腐蛋糕│豆腐ケーキ』のレシピを紹介します。基本的に『スポンジケーキ』と同じ手法で作るので、お菓子作りが趣味の方には簡単に作れると思います。豆腐を使って生地が重いので、ベーキングパウダーの分解を促進するクリームターターという調味料を使います。

今回はベーキングパウダーや重曹が膨らむ原理を紹介します。

ベーキングパウダーと重曹が膨らむ原理は同じですが、ベーキングパウダーは重曹に各種の添加剤を加えています。

重曹は化学式NaHCO3、いわゆる炭酸水素ナトリウムと呼ばれる物質です。炭酸水素ナトリウムは酸と反応することで炭酸と塩に分解され、この炭酸が水と二酸化炭素に分解することで、食品中で気泡を生みます。ベーキングパウダーはこの重曹に酸性物質(酒石酸水素カリウム、リン酸二水素カルシウム 、酒石酸、焼ミョウバン、フマル酸、リン酸ナトリウム等)を加えて、デンプンで両者を遮断したものです。以下に塩酸と炭酸水素ナトリウムの反応式を示します。
NaHCO3 + HCl → NaCl + H2CO3
H2CO3 → H2O+ CO2
今回の料理で使うクリームターターは酒石酸水素カリウムの商品名で、重曹の分解を促進するために加えます。酒石酸水素カリウムの原料である酒石酸は英語で Tartaric acid と呼ぶことからタルタル酸と呼ぶのですが、酒石酸水素カリウムのクリームターターという製品名もここからきています。

また重曹は酸を加えなくても加熱、とくに65度以上で急激に炭酸ナトリウム、二酸化炭素、水に 分解します。

2NaHCO3 → Na2CO3 + H2O + CO2
混ぜてすぐに加熱するお菓子、例えば『クッキー』や『どら焼き』、『煎餅』には重曹を直接用います。逆に混ぜ合わせてからしばらく時間を置いたり酸性物質を含まない食品、例えばケーキやマフィン、イーストを使わないパンなどにはベーキングパウダーを用いるとよいようです。うまく使い分けて料理の腕を上げましょう。




豆沙芋棗│サトイモ団子

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
「中餐乙級葷菜證照」シリーズから『豆沙芋棗│サトイモ団子』のレシピを紹介します。サトイモ(タロイモ)で作ったサクサクの衣で餡を包んで揚げ菓子です。サックリとした衣と甘い餡がおいしい組み合わせとなっております。

この料理では広東料理などでおなじみの『水晶餃子』を作ると気に使う「浮き粉」という小麦粉を精製した粉を使います。和菓子でも使う材料なので日本でも手に入るのですが、なかなか常備している家庭はないと思いますのでこれを機会に購入しておきましょう。「浮き粉」で『シュウマイ』の皮を作ると加熱したとき透明になります。たこ焼きなどにも使えるので、手元にあると便利です。



数日かかりますが浮き粉は家庭でも作れます。 こちらのCockpadの記事を参考にしてください。一緒にグルテンも取れるので生麩なども作れます。

浮き粉は中国語で「澄粉」や「無筋麵粉」などと呼びます。台湾でも普通にスーパーで売っているので、日本にお土産として持ち帰っても良さそうですね。今回紹介する『豆沙芋棗』や『エビシューマイ』を作って家族や友達をびっくりさせてあげましょう。

また料理名の「棗(ナツメ)」とは団子の大きさを示しています。大体ゴルフボール1.5個分くらいの扁平な球状のサイズです。他の料理と比べると『芝麻球』>『豆沙芋棗』>『地瓜球』くらいの大きさです。


大救駕│お助けパン

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
料理名を見ても意味が分からないかもしれませんが、本当にこういう名前の料理です。安徽省の名物『大救駕│お助けパン』のレシピを紹介します。安徽省と雲南省でまったく同じ名前の別々の料理があるのですが、今回は安徽省版のレシピです。パイ生地状のパンに餡を包んで揚げて作ります。

安徽省の『大救駕』は特に雲南省の同名料理と区別して呼ぶ場合は『(安徽)油炸大救駕』と呼びます。雲南省のものは『(雲南)騰衝大救駕』です。どちらも皇帝の命を救ったことから命名された料理で、数多くの伝説があります。

今回は安徽省バージョンなので、安徽省の『大救駕』にまつわる伝説を紹介しましょう。

『大救駕』は安徽省壽縣一帯に伝わる伝統料理です。伝説によると956年、周の世宗が淮南地方を攻めた時に大將である趙匡胤は9ヶ月かかけてやっとのことで城を一つ落としました。攻城には成功したのですが、趙匡胤はあまりの疲労のため落城後すぐに病気にかかってしまいました。何を食べても吐き戻してしまい、まったく栄養が取れない状態になってしまったと言います。

この時軍の料理人は彼の体力を回復させるため、小麦粉と砂糖、干しミカンなどを使って簡単な揚げ菓子を作りました。料理人が趙匡胤の元に料理を持ち込むと、その香ばしい香りに臥せっていた趙匡胤は体を起こし、すぐに一口食べたといいます。咀嚼するたびに口の中に広がる柑橘類の酸味と砂糖の甘味、趙匡胤は出来上がった菓子をゆっくりと平らげ、しばらく休むと体はすっかり回復していました。

趙匡胤は料理人にいたく感謝し、多くの褒美を取らせたといいます。この時に作られたお菓子は、大将が病で動けなかった軍を救ったということで『大救駕』と名付けられ、今に伝わり多くの人に愛されることとなりました。安徽省だけでなく淮河河口一帯ならどこでも食べることができますが、安徽省のものが特に有名です。

たまにはこういう中華点心を自作してみるのも楽しそうですね。

ちなみにかなり珍しいですが「大救駕」という同名の生薬もあります。日本の園芸店などでもおなじみのアカバナ科ヤナギランという植物の根茎がそうです。日本ではほとんど薬用に使いませんが、打撲や不眠症に使ったりします。日本の北部地方には自生していますし園芸店でも手に入るので、園芸ファンは手に入れて鑑賞するのもよいでしょう(笑)。

もちろん料理にも挑戦してみてください。それではレシピです!一軍を救った菓子『大救駕│お助けパン』をどうぞ!



東坡餅│東坡パン

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
湖北省黄州の名物料理『東坡餅│東坡パン』のレシピを紹介します。練った小麦粉をごま油で揚げて作るサックリとしたパイ風の料理です。

『東坡餅』は名前からも分かるように北宋の大文人蘇軾(号が蘇東坡)と関係のある料理です。蘇軾に関しては以前紹介しているのでこちらの記事を参考にしてください。

若い頃あちこち遊びまわっていた蘇軾は料理や茶にも造詣が深く、『東坡肉』をはじめとする様々な料理を開発しました。今回紹介する『東坡餅』が黄州滞在時に茶菓子として開発した料理の一つです。

黄州に左遷された蘇軾は歩いて数百歩という近くにあった安国寺の和尚參寥と茶飲み友達になりました。蘇軾はこの寺を相当気に入ったのか、ほとんど毎日のように入りびたり、数多くの文学作品を著すことになります。

ある日、茶菓子を買いに出かけた蘇軾は黄州の街中にあった「何氏園」という菓子屋でそれまで見たことのない点心を購入します。寺に戻って參寥に「これって何ていうお菓子?」と訪ねると、參寥は「無名!」と答えました。更に蘇軾は「為甚酥(何でこんなにサクサクなの?)」と聞いたのですが、參寥は別の地方から来た蘇軾の言葉を聞き取れなかったのでしょうか、蘇軾の地元ではこのお菓子を『為甚酥』と呼ぶのだと勘違いして、「そう、それ『為甚酥』って言うんだ。」と答えてしまいます。それ以降名前のなかったこの料理はひょんな勘違いから『為甚酥』と名付けられて売られることになるのです。

数日後酒のつまみにこの『為甚酥』を買いに行かせた蘇軾はこんな詩を詠んでいます。

野飲花間百物無 腰間唯繫一葫蘆
已傾潘子錯著水 更覓君家為甚酥

庭の花に囲まれて適当に飲んでいる以外何もなく、腰には一本のダイコンを挿している。
水を飲む代わりにダイコンをかじっている。後は買いに行かせた為甚酥が届くのを待つだけだ。
(のような意味です)

相当のんびりと過ごしていたようですね。

ある日、東国寺の參寥は蘇軾のために自作の『為甚酥』を作ってまで彼を待っていたのですが、たまたまその日は蘇軾が訪ねてこず、一日放置された自作の『為甚酥』はバラバラになり味も悪くなってしまいました。次の日訪ねて来た蘇軾はバラバラになった『為甚酥』を見て"何で手先の器用なおまえが、もうちょっと日持ちする『為甚酥』を作れないんだ!"と憤慨します。參寥も怒って"おまえが来るのが遅すぎるんだ!"と言い争いになり、その日二人は丸一日中『為甚酥』の作り方の議論をしたのだとか。そして二人はそのまま寺に泊り込みで『為甚酥』の作り方を改良することにし、数回の試作をへてついに改良版『為甚酥』が完成しました。

まず生地を棒状に伸ばしてから巻いて円形にすること、こうすることで時間が経ってもバラバラになりません。そしてごま油を使ってあげることできつね色で美しい見た目を保持できること、そして完成した後に砂糖をまぶすことで味も香りも数日保存できることなど、数々の改良が行われました。彼らの改良した新しい『為甚酥』は作者への尊敬を込めて『東坡餅』と呼ばれることになったのです。

その後『東坡餅』は、黄州の名物となり、来客を迎えるときにはなくてはならない料理となりました。当地を訪れることがあればぜひ味わってみてください。スーパーで袋入りのものが買えるはずです。日本で食べたい方は自作しましょう!







棋子燒餅│河北風おやき

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
河北省の名物料理『棋子燒餅│河北風おやき』のレシピを紹介します。シンプルな材料だけでつくる一口サイズの料理で、お弁当のおかずにも良さそうです。皮はパイ生地風でサクサク、中に豚肉の餡が入っています。

この料理は河北省唐山の名物小吃です。唐山は港湾部の大爆発で注目を集めている天津の真北にある地方都市です。古くから炭鉱の町として栄えましたが、1976年の唐山大地震で壊滅的被害を受けました。もちろんすでに復興を終えており、多くの日本企業の工場が立ち並ぶ港湾都市として発展しています。

河北省は北京をぐるりと取り囲むようにある省なのですが、まずは地図を見てみましょう。下にごらんのように、北京と天津に囲まれた部分が飛び地になっています。(廊坊市の三河市、香河県、大廠回族自治県。)



台湾にもこういう飛び地がないものか探して見たところ…ありました!なかなか知る機会もないと思いますので一挙に公開したいと思います。(iframe タグでグーグルマップを表示していますが、表示されない場合は地名をグーグルマップで検索してみてください。)

1.台東縣金峰鄉

海岸線沿いに二箇所飛び地があります。北の方が台東縣金峰鄉正興村、南の方が台東縣金峰鄉賓茂村という場所です。台湾で飛び地を観光のウリ(?)にしている唯一の自治体だそうです。

2.高雄市桃源區

北西に高雄市桃源區建山里という飛び地があります。

3.屏東縣瑪家鄉

北西に屏東縣瑪家鄉三和村という飛び地があります。実はこの周辺は飛び地だらけですが、細かすぎてグーグルマップでは表現しきれないようです(笑)。

4.台中市南屯區春社里の中の春安里

境界に囲まれているのが春社里で真ん中に抜けている区域が春安里です。春安里に眷村(国民党の退役軍人村)があるので、それ関連の飛び地でしょう。


他にも郷や鎮レベルではもっと細かい飛び地が何個かあるのですが、グーグルマップでは表現しきれないようで(笑)、今回はこのくらいにしておきます。ちなみに中国語でも飛び地は「飛地」と書きます。

なお台湾のこういった飛び地はほとんどが原住民の部族の居住地に由来しています。インタビューして理由を尋ねたりすれば面白そうですけど、そんな物好きもあまりいないでしょうね…。

日本だと結構な数の二重飛び地があったりして地図を見るとにやりとしてしまうのですが、台湾ではさすがにそういうのはないようです。

地図を眺めてみるといろいろな発見があるものです。台湾旅行で楽しんだら、一冊道路地図を買って持ち帰るのをお勧めします。行ったことがある場所と行きたい場所をマークしておくと、次の旅行の計画も立てやすいですよ。筆者はもっぱらGoogleマップを利用します。

それではレシピです!



軟Q牛軋糖│ソフトヌガー、Nougat tendre

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
ヌガー三連発!最後はしっとり柔らかい『軟Q牛軋糖│ソフトヌガー、Nougat tendre』のレシピを紹介します。マシュマロを使って作るので、出来上がりがフンニャリ柔らかく、前回、前々回のものより簡単に作れます。今回はココアで味を付けていますが、いろんな味のものにアレンジが可能です。

今回は中国で発明されたと言われる『牛軋糖』について解説します。前回前々回のヌガーの作り方はこちら

突然ですが(笑)、科挙制度は地方で行われる郷試、中央で行われる会試、宮中で行われる殿試に分けられます。郷試の首席を解元、会試の首席を会元、殿試の首席を状元というのですが、この三つの称号を同時に持つ人を「三元及第」と呼びます。

明代の文人に商輅という人がいます。彼は中国の歴史上14人しかいない(明代には二人しかいない)、三つの試験すべてで首席合格を果たした「三元及第」の一人、中国史上まれに見る天才中の天才でした。

彼は試験が終わった後、学問の神である「文昌帝」の廟に感謝のお参りに行き、その晩ある夢を見ます。その夢で彼は水あめ、ピーナッツ、米などを使って牛の形に成形して作る奇妙なお菓子の作り方を知ることとなりました。彼はすぐに夢で見たお菓子の再現に取りかかりました。夢で見たその形状から『牛軋糖』と呼ぶこととにしたお菓子は、しかし夢で見るのと実際に作ってみるのは大違い。水あめは固まりやすく、上手に牛の形に成形できません。また形を作るのに非常に時間がかかってしまい大量生産が出来ないという欠点がありました。彼は牛の形に成形するのを諦め、長方形のまま売り出すことにし、名前にだけ牛の字を残しました。

この『牛軋糖』を明を訪れていた宣教師がヨーロッパに伝え、「Nogat」と呼ばれる松の実を使ったお菓子がイタリアで生まれることになったといわれています。

『牛軋糖』が中国で生まれたのか西方から伝わったのか未だにはっきりとした結論は出ていませんが、各地のいろんなお菓子がお互いに影響を与え合って現在の形になったのは間違いないようです。

今回の作り方なら家庭でも簡単に作れてしまいます。ぜひ、色々な味のヌガーを作って楽しんでみてください。



巧克力牛軋糖│チョコレートヌガー、Nougat de chocolat

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前回に引き続き『ヌガー』を作ります。今回は『巧克力牛軋糖│チョコレートヌガー、Nougat de chocolat』のレシピです。前回のが伝統的な製法に倣った基礎編だとすると今回は応用編。チョコレートを加える手間が増えていますが、温度管理が命の料理なので手順を簡略化してよりスピーディーに作れるようになっています。

ヌガーの起源には二種類の説があります。今回はその片方、ヨーロッパで生まれたとされるヌガーの歴史を追いかけて見ましょう。

ヌガー(Nougat)とはフランスの伝統菓子ですが、もちろんフランスにだけ存在するわけではなく、ヨーロッパ全土で親しまれています。ヌガーに関する最も古い記述は10世紀のアラビア語の書籍にあるといわれています。10世紀当時の製法(蜂蜜とラクダの乳を練ってつくるそうです)で作ったヌガーはネイティブヌガーと呼ばれ、現在もトルコやシリアなどで食べられているそうです。アラブ地域で生まれたネイティブヌガーはその後地中海に沿ってアフリカ北部、中東、ヨーロッパ南部に広がっていきました。10世紀から14世紀にかけてエジプトなどを旅した多くのヨーロッパ人旅行者がネイティブヌガーについて記述しています。

各地に伝わったネイティブヌガーはその土地その土地で発展を遂げていくのですが、15世紀のイタリアで現在の形式に近い卵白とナッツ(当時は松の実)を使ったヌガーが誕生しました。もともと結婚式の祝い菓子として開発されたそうですが、すぐに大人気となり、クレモナのヌガーなどと呼ばれて各地に伝わっていきました。この当時のヌガーは現在もイタリア南部に伝わっているそうです。

アーモンドを使った現代とほぼ変わらない形のヌガーが登場するのはこのすぐ後。15世紀にヨーロッパで唯一アーモンドを栽培していたスペインにクレモナのヌガーが伝わると、すぐにアーモンドを使ったヌガーが誕生しました。スペインのアーモンドを使ってクレモナのヌガーを作る製法を記録しフランスにもたらしたのは"あの"ノストラダムス。(ノストラダムスは料理研究家としても有名です)このレシピは健康食品としてフランス各地の薬局に伝えられ、伝統菓子として定着しました。その後多くの料理人の改良を経て現在のヌガーとなるのです。

アラビアのネイティブヌガーからイタリアのクレモナヌガー、プロヴァンスのアーモンドヌガー、そしてフランスのヌガーへ。ヌガーは時代も土地も民族も超えて、およそ1000年もの間多くの人々に愛されてきました。まさかあのノストラダムスがヌガーの歴史に一枚かんでいるとは思いもよりませんでしたね!

恐怖の大王はチョコレートたっぷりのヌガーで撃退してしましょう!次回はまったく別の製法、マシュマロで作る柔らかいヌガーです!

前回のレシピはこちら。使う道具など参考にしてください。


牛軋糖│ヌガー、Nougat

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難易度: 調理時間:1時間以内
最近どうも台湾を訪れる日本人の間でにわかに流行り始めている『牛軋糖│ヌガー、Nougat』のレシピを紹介します。元々はフランス生まれのソフトキャンディで、台湾では『パイナップルケーキ』に並ぶ人気菓子としてにわかに注目を集めています。まぁ、観光業界や雑誌の策略でしょうけど(笑)。

材料は日本のどこでも手に入るものばかりなので、 温度管理さえしっかり出来れば日本の自宅で作るのも難しくありません。しっかりとした温度計と道具を準備して製作してみましょう。

今回から三回連続で色々な『ヌガー』を作ってみます。お楽しみに。

「ヌガー」はもともとフランス語で Nougat と書きます。最後の t はリエゾンする場合にしか読まないのでフランス語での発音も日本語とほとんど変わりません。中国語では「牛軋糖」、アモイ辺りでは「紐結糖」などと呼ばれています。

中国では明の時代から西方から伝わり王宮にも献上されていた由緒ある伝統菓子の一つです。 一説によると逆に明から西洋に伝わったのだとも。


ちなみに台湾ではほとんどの人が「牛軋糖」と書いて Niu "Ga2" Tang と発音しています。「軋」の字は他にも Zha の発音などがあり、人によっては Niu "Zha2" Tang と呼ぶことも。しかし!これらの発音はどちらも間違いで、歴史的には Niu "Ya4" Tang の発音が正しいのです。フランス語の発音と近いので Niu Ga でも良さそうですが、軋の字はもともと「すりつぶす」の意味で使われており、この意味で使うときの発音は Ya4。明の時代に中国に伝わった時点では、確実に Niu "Ya4" Tang の発音が正式でした。


しかし近年「牛軋糖」がにわかに注目を集め、その大本がフランス菓子のヌガーであることが知られると…、ヌガーと発音の近い「Niu "Ga2" 」が一般的になり、いつの間にか定着してしまいました。その内 Niu Ga が完全に正しい読み方になってしまいそうな勢いです。正式には複数の読み方があることはみなさんも頭の片隅においておきましょう。ちなみに古い中国語の辞典ではYa4の発音で紹介されていますが、最近の辞典では「Niu "Ga2"」となっています。台湾教育部の国語辞典でも「Niu "Ga2"」ですね…。

もともと「軋」の字はYa4とZha2とGa2の三種類の発音があったのですが、Zha2の音はほとんどまったく使われないため、台湾教育部の辞書では10数年前に削除されてしまいました。 更にことを面倒くさくしているのはこの教育部発行の国語辞典。なんとフランス語のヌガーを語源とする牛軋糖の読みはもともと Zha2 と発音するのが正式であったそうで、Zha2の読みを削除する時にGa2に合流させることを決定してしまい Niu Ga2 の発音が教育部によって正式に認められてしまったのです。結局どの発音でも正しいことになってしまいますが、ここは"長いものには巻かれろ"の精神でNiugatangと発音しておくのが間違いなさそうです。『牛軋糖』の発音に関しては次回以降のコラムでまた取り上げます。

さて、台湾で食べられる『ヌガー』はほとんどがメレンゲを使った軽い食感の白っぽい『ヌガー』(フランス語ではNougat de Montélimar│ヌガー・ド・モンテリマール)です。今回のレシピもこちらを作ります。

いくつか道具を用意する必要がありますが、慣れると色々な『ヌガー』を自作できるので、この機会にそろえておいてもよいでしょう。高価な道具も必要ありませんしね!

それでは第一弾『牛軋糖│ヌガー、Nougat』のレシピです。温度管理が命!


桂花醬│キンモクセイジャム

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2016年7月21日 記事を更新しました。

難易度:☆ 調理時間:1時間以内
様々な中華料理で応用が可能な『桂花醬│キンモクセイジャム』のレシピを紹介します。その名の通りキンモクセイの花をジャムにしたものでとても良い香りがします。中華料理だけでなく様々な西洋菓子や飲料の香り付けにも使えますので、ぜひお手元に作り置きしておきましょう。

いわゆるキンモクセイは、モクセイ(ギンモクセイ、Osmanthus fragrans)の変種で学名を Osmanthus fragrans var. aurantiacus と言います。あくまでギンモクセイの変種なので独立した種ではないことを覚えておきましょう。キンモクセイは中国語では一般的に「桂花」と呼ばれますが、こちらも正確にはモクセイ(ギンモクセイ)の仲間を総称した呼び方です。キンモクセイの中国語は植物学的には「丹桂」と呼ぶのが正しいので注意しましょう。 また乾燥させたキンモクセイの花も「桂花」といい、古くは痰切りや歯痛の薬として用いました。現在も様々な料理の香り付けに用いられます。

中国南部、台湾、インド、東南アジアに自生する植物で、日本には江戸時代にもたらされました。江戸時代からすでに厠の側に植えて悪臭を消すのに使われていたそうです。その後、近代に入って香りの成分が化学合成されるようになり、芳香剤としてこれまたトイレの消臭に使われることとなりました。キンモクセイといえばトイレを連想してしまう人も多いことでしょう。そのため日本ではなかなか食品の香りとして定着するのが難しいようです。

実際のキンモクセイは鼻に残るしっかりした清涼感のある香りで、淡白な料理に彩を添えてくれます。通販でも購入できますが、自作も簡単です。

もちろん明日はこの『桂花醬』を使った絶品中華料理を紹介したいと思います。



倫教糕│もち米蒸しパン

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内+下準備
中華米料理シリーズ、続いては広東省のある地域で生まれた『倫教糕│もち米蒸しパン』という料理のレシピです。モチモチの蒸しパンが作れます。

料理名にある「倫教」とは広東省仏山市順徳区倫教という地名のことです。このあたり一帯は古くは順徳県と呼ばれ美食の都として栄えました。世界中で中華料理の代名詞ともなっている広東料理の下位分類には、「広州菜」、「潮州菜」、「東江菜」、そして「順徳菜」があるといわれ、中でも順徳は広東料理の始原であるとも言われています。細かいことを言うと、もともと明代に到るまで順徳という地名は存在せず、古くは太艮、またはこれが訛って太良、更には鳳凰山という山があることから鳳城とも呼ばれました。そのため歴史を強調して言う場合は「順徳菜」ではなく「鳳城菜」とも呼びます。

倫教はそんな順徳の一地域で、「糕村」の別名を持ちます。もちろんこの別名は今回紹介する『倫教糕』、つまりもち米で作る蒸しパンを150年ほど前に生み出したことから名付けられました。現代の世界各地で食べられる『米蒸しパン』の元祖とも言える料理なのです。

ちなみにこの料理は香港では『白糖糕』などとも呼ばれます。他にも各地で様々な別名があるようですが、すべては「倫教」に端を発します。150年前…、清末の混乱期によくこんな料理を生み出せたものですね…。

この『米蒸しパン』、今では中華全域に広がりもちろん台湾でもいたるところで食べることができます。現代人の趣向に合わせたコンビニ商品の方がおいしいかもしれませんが、たまにはオリジナルをリスペクトして日本で再現してみるのも悪くないでしょう。パン作りの材料があれば家庭ですぐに再現できます。


粉粿│キャッサバゼリー

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾伝統のゼリー状の食材『粉粿│キャッサバゼリー』のレシピを紹介します。『豆花』や各種ドリンクなど様々なデザートに配合される「Q感」が特徴の料理です。

台湾旅行に慣れてくると道端の店で適当に注文して食べるデザートが恋しくなってくるもの。今回は台湾の各種デザートには欠かせない『粉粿』のレシピを紹介します。中国語で「Fen guo」と呼んでも通じますが、やはり台湾で注文するなら「Hun gui」と台湾語で読んで注文したいところ。各種『カキ氷』や『豆花』にトッピングしても美味です。

材料にはキャッサバのデンプンを使います。日本ではキャッサバはそれほど有名な食材ではありませんが、東南アジアからインド、アフリカなどの熱帯地域においては炭水化物源として非常に重要な植物です。学名を Manihot esculenta といい、塊根に溜まったデンプンを食用にするいわゆるイモ類に分類されます。実はキャッサバの単位面積当たりの生産カロリー率はすべてのイモ類、というか食用植物中最高であり、米やコムギをも凌ぎます。毒があるので食べるには毒抜きをする必要があるのですが、イモ類だけに栽培も簡単で、世界中で飢餓を救っている優れた食用植物なのです。

このキャッサバを毒抜きして加工したのが「キャッサバ粉」。日本でも手に入ります。



台湾では他にも『粉圓│タピオカ』の原料としても使われます。

『粉粿』未経験の方がいたら、ぜひ台湾訪問時に味わってみてください。



杏仁瓦片│アーモンドトゥイレ

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難易度: 調理時間:1時間以内
過ぎ去りしバレンタインデーのお返し、3月14日のホワイトデーも近づいてまいりました。すこし気が早いでもないですが、『杏仁瓦片│アーモンドトゥイレ』という西洋菓子のレシピを紹介します。「トゥイレ│Tuile」はフランス語で瓦を意味し、英語の「タイル│Tile」 の語源となっています。

西洋のお菓子ですが、ポイントに中華風のアレンジをする方法を書いています。参考にしてください。

中国語でバレンタインデーは「清人節」、ホワイトでーは「白色情人節」と言います。どちらも日本の菓子業界が企画して生まれた記念日で、台湾では1980年代から日本好きな若者たちの間で流行しました。今では割りと一般的に受け入れられています。

最初期のホワイトデーのお返しにはキャンディーが一般的で、そのまま「キャンディーを返す日」と呼ばれていました。1980年からキャンディーに使う砂糖が白いことから「ホワイト」デーと呼ばれるようになったそうです。日本以外にホワイトデーの習慣がある国は韓国、台湾、中国(香港)だけで、他の国には存在しません。マスメディアの力恐るべしですね(笑)。

もともと中華圏では「七夕」を恋人たちの記念日として祝い、台湾も例外ではありません。この日は男女の区別なくプレゼントを送りあい愛を確認しますが、日本人はなかなか慣れないかも知れません。台湾人と交際する(したい?)方は「七夕」の方も忘れずに覚えておきましょう。逆に日本のように短冊を捧げて祈る風習は台湾にはありません。


蔥油餅│中華風ネギ焼き

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
もともとは東北料理だそうですが、中華圏なら何処でも食べられる『蔥油餅│中華風ネギ焼き』のレシピを紹介します。塩焼きのクレープにネギをまぶした簡単料理で、日本でも簡単に再現できます。

この『蔥油餅』、英名を「Scallion pancake」といいます。Scallion は一般に「ワケギ」のことです。(英語のScallionはワケギ以外のネギ属植物を示すことがあります。)ワケギは以前はネギの一種とされていましたが、近年染色体の分析により、ネギとエシャロットの雑種であることが分かりました。もともと学名を Allium wakegi といいましたが、これに雑種であることを示す「×」を加えて Allium × wakegi と呼ぶのが正しい表記となりました。覚えやすい学名ですが、知識を更新しておきましょう。

ネギの香りたっぷりで、おいしいだけでなく体を温める作用にも優れます。生地に卵を割りいれれば『葱油蛋餅』の出来上がりです。そのままでもおいしいですが、好みのソースをかけて食べましょう。豆乳との相性がばっちりで、朝ごはんにおすすめです。

台湾の有名なネギ、三星ネギの産地である宜蘭地区では名産品にもなっています。ぜひ皆様のお住まいの地域にあるおいしいご当地ネギで作ってみてください。


 
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