復元湯│復元スープ

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難易度: 調理時間:1時間以内
明代に発明された薬方が由来の『復元湯│復元スープ』のレシピを紹介します。四川料理の一つとされますが辛くありません。羊肉と補気の薬剤を薄い粥で煮込んで作ります。オリジナルのレシピとはかなり形が変わっています。

『復元湯』は≪魯府禁方≫(別名を≪魯府秘方≫)という書籍が原典となっています。明代、1554年に龔廷賢という医師によって書かれた医学書で、筆者の経験をまとめた処方となっています。全四巻でそれぞれの巻に福、壽、康、寧の名前が付けられています。

ちなみに原書の記載は以下の通り。第一巻福集、傷寒の項に記載があります。

復元湯
有患傷寒無頭痛,無惡寒,身微熱,面赤微渴,目無精光,口出無論語,脈數無力,此汗下太過,下元虛弱,無根虛火泛上,名曰戴陽症。
 熟附 黃連 甘草 人參 五味子  麥門冬 知母 芍薬 童便
 姜棗煎。臨服藥入蔥白二茎搗汁調之,温服。

附子、黄連、甘草、人参、麦門冬、知母、芍薬、そして童便(子供のおしっこのことです)と、現代のレシピとは全く異なる内容となっています。当時の復元湯は風邪で、頭痛も悪寒もなく、微熱で顔が赤く、少し喉が渇き、…、というような症状の人に使うと書かれています。虚弱すぎて高熱の出ないインフルエンザなどに使ったのでしょうか。童便さえ除いてしまえば今でも高齢者の風邪に通用しそうです。

現代の復元湯はきちんとした料理に変貌を遂げており、羊肉を使った栄養補給が目的の薬膳スープとなっています。特に男性機能の改善、 陽痿早泄…いわゆる早漏へ効果があるとされています。というか全くの別物ですね(笑)。

ちなみに薬材を一切使わずに羊肉と薄めの粥を使っただけのスープは風邪や病中病後の体力回復に効果的です。味もなかなかなので手に入る食材だけ使って作ってみましょう。

  

扒栗子白菜│白菜と甘栗の中華風あんかけ

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
山東料理から『扒栗子白菜│白菜と甘栗の中華風あんかけ』のレシピを紹介します。今回のレシピでは蒸して火を通した白菜と甘栗に、中華風の餡かけをかけて作っています。このレシピはあくまで一例、ほとんど餡かけを使わず白菜を棒状に丸めて栗を添えたものや、ロールキャベツ風に栗を包んでたっぷりのスープに浸けたものなどさまざまな形態のものがあります。

台湾や中国で食べられる栗は日本の栗とは種類が異なります。日本の栗はクリ、学名は Castanea crenata、中文名は日本栗という種で、中国や台湾の栗は和名をシナグリ、学名は C. mollissima、中文名は板栗と言います。

学名からピンとくる方もいるかもしれません。そう、楽器のカスタネットはクリの木で作っていたことから名づけられています。

クリの実にはイガがあります。植物学的には殻斗と呼ばれる部分で、クリの含まれるブナ科植物に共通してみられる特徴です。椎の実などのいわゆる帽子の部分で、この部分がクリではイガ状に発達するのです。

クリのトゲが刺さったときは、刺さった部分に五円玉か五十円玉の穴を強く押し当てると、トゲの先が浮き出て取りやすくなります。穴がない硬貨なら二枚で刺さった場所を挟むようにすると同じようにできます。ちょっとした生活の知恵ですね。


北耆杞子燉乳鴿│仔鳩の黄耆と枸杞スープ煮込み

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難易度: 調理時間:1時間以内
久しぶりの本格薬膳、福建料理から『北耆杞子燉乳鴿│仔鳩の黄耆と枸杞スープ煮込み』のレシピを紹介します。特に小児の気虚に高い効果を発揮する薬膳で、大人の陽虚証にも使われます。メインの小鳩ですが、野生のものではなくきちんと養殖されたものを使いましょう。

日本の公園などで当たり前にみられるハトはカワラバト Columba livia という種です。もともと外来種で日本には1000年以上前に家畜として中国からもたらされたと考えられています。伝書鳩としてもおなじみですね。伝書鳩は電話も手紙も普及していなかった頃は安価な連絡手段として重宝されました。伝書鳩を撃ってしまう可能性があるため狩猟が禁止されていますが、そのため都市部で爆発的に数を増やし、獣害を発生させています。

ミミズなどの餌をヒナに与えることもありますが、親ハトはピジョンミルクと呼ばれる高たんぱくの栄養分を喉から排出することが可能で、これをヒナに与えて育てます。哺乳類以外で授乳(?)を行う数少ない動物の一つです。そのうち大量生産されるようになるかもしれませんね。

中国ではハトは食肉として養殖されています。というか日本以外では割と一般的な食材なので、海外旅行時に食べてみるとよいでしょう。台北では広東料理のレストランなどで食べられます。鶏よりも味がしっかりしていて美味です。



八寶豆腐箱│八宝豆腐箱

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
山東料理の名品『八寶豆腐箱│八宝豆腐箱』のレシピを紹介します。箱状にくりぬいた厚揚げに、様々な具を詰めて作る料理です。外見からは中に何が入っているのかわからない、食べてびっくりの料理となっています。

山東省は山の東と書きます。ここでいう山とは太行山(というより山脈ですが)のことで、もちろん西側には山西省があります。太行山は北京市、山東省、山西省、河南省にまたがる400kmほどの山脈で、石炭をはじめ、鉄、銅、モリブデン、タングステンなどの豊富な鉱物資源が算出します。

また中国東部で最も活動的な活断層があり、1966年には中国における20世紀最大の地震である邢台大地震の震源地となりました。 邢台大地震は近代中国史上で最初に起こった人口過密地域を襲った大地震で、記録に残っているだけで8000人を超える死者を出しました。最も被害の大きかった馬欄村では建造物の95%が一瞬にして倒壊し住民のほとんどが生き埋めになり3割が死亡、残りの3割が傷害を負ったという、とんでもない記録が残っています。マグニチュードは6.8でしたが、震源が地下10kmと非常に浅く、エネルギーがそのまま地表に伝わってしまったのも被害が大きくなった原因とされています。

この地震と同じ年から悪名高い文化大革命が始まるのですから、住民はたまったものではなかったでしょう。ろくな復興も行われず、住民たちの財産にも精神にも大きな傷跡を残したのです。今年は震災から50年ということで震災の日付である3月8日に式典が執り行われました。や特別番組の放送などが行われる予定です。

≪参考URL≫
http://www.hebgcdy.com/2016/0308/181478.html
http://www.heb.chinanews.com/longyaoxian/20160307336214.shtml

台湾に住んでいると小さな地震には慣れっこになってしまいます。いざという時の準備はしておくに越したことはありません。旅行者も滞在者もライフラインの確保はしておきましょう。




八寶梨罐│八宝梨缶

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難易度: 調理時間:1時間以内
山東料理からちょっと珍しい中華デザート『八寶梨罐│八宝梨缶 』のレシピを紹介します。皮をむいて中をくりぬいたナシに、もち米と各種フルーツを詰めて加熱して作る料理です。器になっているナシごと食べます。一度冷やしてもおいしいので、興味がある方は挑戦してみましょう。もち米の代わりに白玉などを詰めてもよさそうですね。

もともとこの料理は現在の山東省煙臺市の縣級市である萊陽市の名物料理です。萊陽の名産品である「茌梨」と呼ばれる品種のナシを使って作ります。茌梨は中国ナシの一品種で、明末から清代初期にこの地で栽培が始まり、朝廷へ献上されていました。庶民が口にできるようになったのはここ100年ほどの話です。大型の物は800gを超えるサイズとなります。日本で再現するなら二十世紀などの中~大型のナシを使って作りましょう。

中国で栽培されているナシは、正確には日本のナシとは異なる種で、チュウゴクナシと呼ばれます。中国語では日本のナシ Pyrus pyrifolia を「水梨」、「日本梨」、「沙梨(標準中文名)」などと呼び、自国のチュウゴクナシ P. bretschneideri は「鴨梨」、「白梨」と呼び分けます。ちなみにセイヨウナシ >P. communis はそのまま「西洋梨」です。台湾の市場ではほとんどが水梨か西洋梨、ごくたまに白梨を見かけます。

日本ではナシは弥生時代から食用にされていたようで、かなり歴史のある食材です。中国ではさらに古くから食用にされていたと言われています。

砂糖がなく、甘いものといえば果実くらいしか手に入らなかった時代、ナシの実は庶民にとって最高のごちそうだったことでしょう。歴史ある料理ですが昔の人の気持ちになって食べてみるとまた違った発見があるかもしれませんね。




 
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