難易度:☆ 調理時間:30分以内
さっぱりとした前菜料理『』のレシピを紹介します。ごま油を使って中華風に仕上げた冷菜で、砂糖醤油ベースのドレッシングをかけてたべます。野菜と鶏肉にドンピシャで火が通ると驚くほどおいしく作れます。
台湾料理で時々見かける「絲(si1)」の字は日本でも古くは「糸(シ、mi4)」の旧字体として使われていました。しかしよくよく考えてみると「糸」の字が先にあって「絲」の字が生まれたと考えるのが自然です。それなのに「絲」のほうが旧字体とはどういうことでしょう?
「糸」はご存知の通り細長いものを寄り合わせたものを表す象形文字です。更に古くは糸の上の部分「幺(ヨウ、yao1)」であり、縄をあらわす「玄(ゲン、xuan1)」とも関連があります。「幺」が「切れ目のなく続く長いもの」をあらわす象形文字で、それの上下を束ねたのが「糸(下の部分にだけ束ねた形が残っています)」、片側だけを結んだのが「玄」となりました。順番としてはもちろん「糸」が先ですが、この字は古文でほとんど使われることはなく、絹糸をあらわす漢字として絲が用いられるようになり、この字のほうが一般的になりました。幺からは「幻」、「幼」、「奚」、「率」、「後」などの漢字が、また玄から「玄」、「畜」、「蓄」などの漢字が生まれました。どれも「細長くか弱いもの」、「切れ目なく続くもの」、「縄」と関連があるのがお分かりかと思います。糸からは「線(泉から流れる一本の水流)」、「經(横糸をめぐらせたもの)」、「素(加工していない糸、生糸)」、「綴(糸で描いた模様)」、「紐(手で縛った糸)」、「絶(刀を持って糸を断つ)」など数々の漢字が生まれました。
また手で数本の糸を持った形の「系」や、二本の糸で二つのものをつなぐ形の「兹」という漢字もあります。どちらも糸から派生した漢字ですが、トーナメント表のような「系」と、= や ⇔ のような「兹」のイメージの違いはなんとなく分かってもらえるのではないでしょうか?「縣(県)」、「孫」などと「慈(たくさんの子供を生んだ母の心)」、「聯(連絡の連はもともとこの漢字、聯盟など)」、「關(閉の旧字)」のイメージを比べてみるとなるほどちょっとイメージが違いますね。
幺から派生した漢字はまだまだあります。二つの幺の間に何かを挟んだ漢字、例えば「樂(楽)」、「幾」、「幽」などは「似たようなものからわずかな違いを引き出すこと」といった意味が生まれ、楽器、攻防の機微、幽玄さなどの意味を生み出しました。楽の字の真ん中の「白」は親指を表していますが、これを音を表す「言」に変えたものが「變」の上の部分で、楽器の音、長く続く美しい音を表します。それを工具をもって調節することを「變(変)」、美しく続く心の音を「戀(恋)」、楽器の曲線を「彎」などなど…数多くの漢字を生み出しました。一つずつ見ていくとキリがないのでこの辺で止めときましょう。
それではレシピです。
[材料]
鶏むね肉 ……… 100g
モヤシ ……… 100g
ニラ ……… 10g
赤ピーマン ……… 15g
(何色でもよい)
ニンニク ……… 2こ
[調味料1]
片栗粉 ……… 小さじ1
塩 ……… 少々
酒 ……… 小さじ1
水 ……… 大さじ1
卵白 ……… 1個分
[調味料2]
醤油 ……… 大さじ2
ゴマ油 ……… 大さじ1砂糖 ……… 小さじ1
[作り方]
1.鶏むね肉を長さ4cmほどの千切りにし、全ての調味料1を混ぜ合わせたものに3分ほど浸けておく。モヤシのヒゲを除いておく。ニラを良く洗い4-5cmの長さに切る。赤ピーマンを千切りにする。ニンニクをみじん切りにする。
2.鍋に水を沸騰させ1の鶏むね肉を入れて、箸でかき混ぜてばらけさせたらすぐに火を止めて余熱で火を通す。鶏むね肉の表面の色が変わったら、作り方1のモヤシ、赤ピーマン、ニラをお湯に入れ、中火で加熱して再び沸騰させる。沸騰したら全ての材料を取り出して水気を切り、器に盛りつける。
3.フライパンにごま油を熱し、ニンニクを炒めて香りを出す。火を止めて醤油と砂糖を加えて混ぜ合わせたら作り方2で盛りつけた材料の上からかけて完成。
Point!
レシピでは温かいまま作っていますが、材料を一度氷水で締めてから水気を切って作っても美味です。
レタスの葉などで巻いて食べてもよいでしょう。
鶏肉の代わりにエリンギを使って作るとベジタリアン料理『香蔥杏鮑菇銀芽』になります。ニラの代わりにネギを使ったり、煎り卵をあわせたりとアレンジの幅が広い料理です。
0 コメント :
コメントを投稿