咖哩麵|台湾風カレー焼きうどん

難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾北部の七堵の名物料理『咖哩麵|台湾風カレー焼きうどん』のレシピを紹介します。茹でたうどんをカツオ風味のカレーソースに絡めて厚揚げと一緒に食べるというなんとも和風な料理です。

この料理を名物とする七堵は台北から基隆に向かって北上、新北市の石碇を超えてすぐの基隆市七堵区のことです。清末に基隆廳石碇堡と呼ばれていた地域の一部が、日本時代に基隆市の行政区画とされ、現在に到ります。基隆市で最大の面積を誇る区です。最大の面積を誇るだけあって…田舎です(笑)。その唯一の名物が今回紹介する『咖哩麵|台湾風カレー焼きうどん』です。日本のカレーうどんのほうが確実においしいですけど…(笑)。七堵という地名は清代から存在していたそうです。

さて、"七"堵と頭に数字がついていますがもちろんすぐ付近には五堵、六堵、八堵(以上全て基隆市)と四堵(新北市坪林)という地名があります。現地在住者には高速道路の出口がある五堵や八堵のほうが有名でしょうか。

そしてなぜか基隆から遠く離れた宜蘭縣の冬山鄉に頭堵、二堵、三堵という地名が存在するのです。一(頭)から八まで重複なく順に、しかし遠く離れた土地にこのような地名が有るということで、多くの人がこの謎を研究しました。いくつかの研究結果を紹介します。

最初にこの謎に挑んだのは日本統治時代に台湾の地名を研究した安倍明義という人。彼は《台灣的地名研究》という本の中で、「堵とは原住民の築いた土垣または坂の意味である」としていますが、解説がこれだけで詳しい説明もなく、根拠にも乏しいため余り支持されていません。

続いては中国紫禁城の城郭を数える単位である「開間(9999の部屋)」という単位を堵という漢字で表していたという説で、これが台湾に伝わる途中で城郭の一辺の長さを表す"方言"単位として用いられたことがあり、それが地名の由来になっているという説。上の安部の説とも一部関連し、有る程度信憑性もあるのですが、基隆河に沿ってある五、六、七、八堵間の距離がそれぞれ全く異なること、四堵の地名が歴史上もっとも最後に名付けられていること、などからこの説も多くの疑問をはらんでいます。冬山郷の頭、二、三堵も冬山河という川沿いにあります。しかしこちらは基隆河沿いに数キロに渡って離れている○堵と違って、ほとんど数十から数百メートルしか離れていません。距離が全く異なるため冬山郷の「堵」は客家語の「肚(まとまり)」の音が転じたものであるという説もあります。

○堵に関する問題は今でも好事家による研究が進められており、様々な台湾の地名に関する本にも登場します。なかなか面白い説は、堵は川沿いの小山の名前だったというもので、もともと基隆河沿いの目印となる小山に頭堵から八堵まで順番に名前がつけられており、頭の部分の地名ば居住空間と近かったこともあり、早期に「○山」に変わってしまったのではないかという説。頭堵は基隆河の支流が分かれる現在の台北市「圓山」で、以下台北市でも早期に川沿いの港として発達していた松山、汐止の横科山などが二堵三堵の候補として挙げられています。他にも河を小船で登る時の時間を元に名付けられているといった説や、手書きの地図を元に大体等間隔で書かれていたものが、測量の結果距離が離れてしまったという説などいろいろな考察があります。

案外なんの謎でもなんでもなく台湾のことなので「占いで適当に付けた」というのもありえます(笑)。

そんな七堵の数少ない名物の一つ『咖哩麵|台湾風カレー焼きうどん』のレシピです。おいしくアレンジできれば新しい七堵の名物として脚光を浴びることも…あるかもしれません。



[材料]
うどん ……… 1玉
タマネギ ……… 60g
モヤシ ……… 50g
厚揚げ ……… 1丁
エシャロット ……… 10g

[調味料]
カツオ出汁 ……… 600cc
 (うどんだしをそのまま使う場合は塩と胡椒を抜く)
カレー粉 ……… 大さじ2
氷砂糖 ……… 小さじ1
塩 ……… 小さじ1
胡椒 ……… 少々

[作り方]
1.タマネギをみじん切りにする。モヤシのヒゲを除く。エシャロットをうす切りにする。

2.熱した鍋に大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、エシャロットをきつね色になるまで揚げたら取り出しておく。続いてタマネギを入れ、中火で香りが出るまで炒める。これにカツオ出汁200ccとカレー粉を加え、よく混ぜ合わせる。更に氷砂糖、塩、胡椒を加え、弱火で汁気がなくなるまで時々かき混ぜながら炒めてカレーソースを作る。

3.残り400ccのカツオ出汁を鍋で沸騰させ、厚揚げを入れて中に火が通るまで4-5分ほど煮る。火が通ったら四等分しておく。

4.沸騰したお湯でうどんとモヤシを茹でて火を通す。うどんが煮えたら取り出して水気を切り、取り出しておいたエシャロットと共に作り方2のカレーソースに入れて混ぜ合わせる。これを器に盛り付け、厚揚げを添えたら完成。

Point!
厚揚げは普通のお湯で煮込んでも、醤油で煮込んでもOK。下味をつけておいたほうが飽きずに食べられます。

作り方3で使ったカツオ出汁があまりますが、具と味噌を溶いて『味噌汁』などにしてしまいましょう。

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