難易度:☆☆ 調理時間:3時間
中華米料理シリーズ。今回は満族の伝統料理、つまり清王朝の宮廷料理でもあった『驢打滾│リューダーグン、落花生団子』のレシピを紹介します。台湾を含む清朝の支配が及んだほとんどの場所でおやつとして食べられるお菓子です。
『驢打滾』は別名を『豆麵糕』ともいいます。料理としてはかなり珍しい名前ですが、当て字でもなんでもなく「ロバ(驢)が地面を転がりまわって泥まみれになった(打滾)」姿に似ている事から名付けられているそうです。すばらしいネーミングセンス!北京あたりでは元宵節に『湯圓』の代わりにも食べられます。通常は小豆餡を遣って作りますが、レシピではちょっと珍しい落花生とママレードジャムを混ぜた餡を使っています。
ロバは中国でも古くから家畜として飼育されてきました。少々小型なのが玉に瑕ですが、少食で強健、寿命が長く、食肉にもなり、熱帯から寒冷地、高山までほとんどの環境に適応し、世界各地の古代文明にも飼育の記録が残っているほど古い歴史を持つ優秀な家畜です。
古代から近代まで日本にもちょくちょく移入されているらしいのですが、なぜか日本ではまったく定着せず「畜産史の謎」とまで言われています。現在世界のロバのなんと1/3が中国で飼育されているそうですが、今現在日本にいるロバは多くてもせいぜい数百頭に過ぎないそうです。そういえば牛や馬に比べてまったく見かけませんね。
そんなわけで日本(そして台湾)ではほとんどロバ肉を食べることはありませんが、中国北部、とくに北京あたりではロバ肉は盛んに食べられます。筆者も数度食べたことがあり、味付け次第ですがかなりおいしいです。チャンスがあれば皆さんも一度食べてみてください。
そんなロバが地面を転げまわって泥だらけになった姿を模したお菓子『驢打滾』、ぜひ自作に挑戦してみましょう。『驢打滾』は台北にもいくつか専門店があります。
[材料1]
米 ……… 2カップ
落花生粉 ……… 2カップ
砂糖 ……… 2カップ
[材料2]
落花生粉 ……… 2カップ
ママレードジャム ……… 60g
砂糖 ……… 2/3カップ
ラード ……… 1カップ
[作り方]
1.材料2をすべて混ぜ合わせ餡を作る。出来たら直径2cmほどの球形に成形し、冷凍庫に入れて凍らせておく。
2.米を使って「水磨粉」を作る。作り方はこちら。
3.「水磨粉」をボウルに大さじ1取り、沸騰したお湯40ccを加えて糊を作る。これに残りの「水磨粉」と冷水を少しずつ加え、全体をよく混ぜ合わせて生地を作る。
4.作り方3の生地を直径3cmの棒状に延ばし、更に3cmの長さに切り分ける。これを手のひらで丸め、中央にくぼみを作る。このくぼみに作り方1の餡を乗せ、生地で餡を包み団子にする。
5.鍋にお湯を沸騰させ、作り方4の団子をかき混ぜずに5分ほど強火で茹でる。
6.作り方5で火を通した団子に材料1の落花生粉と砂糖を混ぜ合わせたものをまぶして完成。
Point!
「水磨粉」を作るのがちょっと手間です。簡単に作りたい場合はもち米粉を蒸したもの、つまり餅を使って作りましょう。
餡はレシピの他、ゴマ餡や小豆餡を使ったりします。好みのもので作りましょう。
『驢打滾』はレシピのように団子にする製法の他にも薄く延ばた生地に餡を広げて海苔巻きのように巻いたタイプのもの、金太郎飴のように同心円のようになったものなど様々な形状のものがあります。
一度糊を作ってから生地にするのは、茹でているときに生地が割れないようにするためです。
2 コメント :
はじめまして。
台湾のパン屋さんで買ったピーナッツ粉のかかったやわらか〜いお餅が忘れられません。
作り方が気になりこちらのページにたどり着きました。
餅の成分自体も日本のものとかなり違うようですが、ラードがあの柔らかさの決め手でしょうか??
>>餅ラバーさん
ラードは餡の材料なので餅の生地自体の食感にはあまり関係ありません。
とろけるような柔らかさはもち米ではなく、米粉を水磨粉という加工方法で作る技法によります。ちょいとひと手間掛かりますが、日本の米で作ると台湾のものより美味しい(日本人の口に合う)ものができると思いますので、挑戦してみてください。
Higene
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