難易度:☆☆ 調理時間:3時間
本場とまったく同じにとは行きませんが、日本でも簡単に手に入る材料ばかりで簡易版の『紅燒牛肉麵│台湾風醤油牛肉ラーメン』を作ってみましょう。簡易版とはいえ、台湾のものと少し風味が違うだけでこれだけで一品料理として完結するおいしさです。
紅焼牛肉麺の起原は一説によると、戦後国民党軍として台湾に渡り高雄岡山空軍眷村(退役軍人村)に住んでいた四川省出身の老兵が、成都の『小碗紅湯牛肉』を改良して作ったとされています。確かに今回紹介する『紅燒牛肉麵』のように花椒とトウガラシを少量使った醤油ベースの技法は四川料理を彷彿とさせます。もちろん辛くないものも多数あるのですが、台湾人の好みに合わせて進化してきたということでしょう。
台湾の牛肉麺を現在でも進化を続けています。今後台湾を訪れる観光客の好みに合わせ味付けも作り方もどんどん改良されていくでしょう。数年後には「前に食べた牛肉麺よりおいしい!」という声が聞けるかもしれません。もちろん日本人の手によって新しい牛肉麺が生まれてもまったくかまいません。和風ラーメンの技法や和食の技術で新しい牛肉麺に挑戦してみませんか?
[材料1]
八角(スターアニス) ……… 5個
小茴香(フェンネル) ……… 200g
草果(ラウンドカルダモン) ……… 2個
桂皮(シナモン) ……… 7g
甘草(リコリス) ……… 3g
陳皮(オレンジピール) ……… 4g
花椒(スーチュアンペッパー) ……… 7g
(なければ山椒で代用する)
[材料2]
牛サーロイン ……… 1000g
ニンジン ……… 1本(約150g)
ダイコン ……… 1本(約1000g)
ネギ ……… 3本(約150g)
ショウガ ……… 50g
トウガラシ ……… 1本
水 ……… 1000cc
ラーメン ……… 適量
[調味料]
醤油 ……… 100cc
塩 ……… 大さじ1
[作り方]
1.材料1をすべて綿袋などに入れて口を縛り、鍋に入れて水を加え20分ほど浸けておく。
2.ネギはぶつ切りにする。ニンジンは皮を剥き、乱切りにする。ダイコンは皮を剥き、乱切りにする。ショウガはうす切りにする。
3.牛サーロインを食べやすい大きさに切り、作り方2のショウガの半量とネギの半量と共に鍋に入れる。牛サーロインが浸かるほどの水(分量外)を加え、加熱して沸騰させて火を通す。牛サーロインに火が通ったら、取り出して冷水に付けて冷まし、水気を切っておく。
4.熱したフライパンに大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、作り方2のショウガの半量とネギの半量、およびトウガラシを炒めて香りを出す。続いて作り方3の牛サーロイン、作り方2のダイコンとニンジンを加えてかき混ぜながら軽く炒める。
5.作り方1のスープを加熱して沸騰させ、作り方4で炒めたすべての材料を加えて蓋をし、弱火で1時間半煮込む。最後に調味料を加えて味を調えてスープの完成。
6.適量のラーメンを茹でて火を通し、作り方5のスープと肉を加えたら完成。
Point!
トマトを一玉一緒に煮込んでもほど良い酸味と甘味が加わっておいしくなります。『番茄牛肉麵』という料理になります。
本格的に作るには百芷、羅漢果、桂枝、川芎、そして豆板醤などの香辛料を加えて味に深みを出しますが、台湾のお店でもここまで本格的に香辛料を配合して作っている店は希です。どちらかというと牛肉や醤油の味で味の外枠が決まりますので、こだわって作ってみましょう。
麺を食べずにスープだけを食べても美味。水餃子を加えて『紅燒牛肉湯餃』としてもよいでしょう。
香辛料はどれも大手スーパーの香辛料コーナーで手に入ると思います。個別でかうと高くつくかもしれませんが、どれも中華料理には欠かせない香辛料ですので、これを機に準備しておくと料理の幅が広がります。
使う牛肉の部位により油の量や質が違うので、スープの味がガラリと変わります。色々お試しください。
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