基隆港の東岸に位置する砲台跡で、別名を『二沙灣砲台』とも言う。天險とは「天然の険しい地形」を意味し、文字通り海と港を見渡せる絶壁の上にある。中正公園からも散策路を通って直接訪れることができるので、ついでに足を運んでみるのも良いだろう。砲台に至る散策路は美しい雑木林が整備されており、南国特有の鳥類や昆虫類も観察することができる。
砲台はアヘン戦争時の1840年に、英国軍の上陸を防ぐために設置されたが、1884年に撤去された。当時の砲台はもちろん残されていない。現在おかれている大砲は40年前に修復されたものである。
修復された大砲
港の守護のために設置されただけあって、砲台からは港を一望できる絶景が広がる。基隆市内に散在する砲台跡はどれも海を一望できる高台にあり、散策にはもってこいの場所だ。それぞれ少しずつ歴史的意義と守護対象が異なるので、興味のある方は当時に思いを馳せながら訪ねてみよう。
この海門天險には城門も残されており、当時の雄姿を容易に想像することができる。砲台の設置と城門は清朝当時の典型的な城郭設計にしたがって作られており、歴史的意義も高い。中国近代史、台湾近代史の研究上非常に重要な意味を持つ史跡であり、国定史跡にも指定されている。
当時の城門がそのままの形で残されている。
周辺の樹木が整理されていないため、港を望むには少々物足りない感じがあるが、砲台としての史的意義は高い。太平洋の絶景を望むなら基隆港対岸の『百甕米砲台』がベストだが、時間がある方はここまで足を伸ばしてみるのもよいだろう。
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