実践:麻辣火鍋

実践:麻辣火鍋

本日は実践編です。麻辣火鍋をつくってみました。

漢方薬局に食材を仕入れにいってきたので、販売用の麻辣火鍋のサンプル第一弾を作ってみました。結果から言えば大成功で、作った自分が一番驚いています(笑)。

「口の中で数度味が変わる」をまさに体現した料理で、一緒に食べた台湾人にもものすごく好評でした。外で食べるよりぜんぜん美味い、筆者オリジナルの麻辣火鍋の作り方です。一応販売サンプル用に作成したので、一部材料の分量は内緒にさせていただきます。まぁ、見る人が見れば、分かるでしょうが…。

ちなみに使った香辛料・生薬は現時点で15種類、これから更に改良を重ね。20数種類まで増える予定です。

日本人向けに辛さはほとんど気にならない程度まで抑えて作りました。辛さが苦手な人も普通に楽しめる料理になったと思います。もちろん辛さの調整は可能なので、各人の好みに対応できるようにしています。

サンプルが完成したらいくつか無料で配って感想を聞きたいと思っていますので、興味のある方は心の準備をしてお待ちください。

では、実践編行きます。

今まで紹介した火鍋のレシピはこちら。
 『麻辣火鍋1
 『麻辣火鍋2
 『麻辣火鍋3



難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

材料1:(生薬、香辛料)
花椒、大紅袍花椒、ヒゲ人参、
八角、白豆蔻、三奈、
草果、甘草、党参、
黄蓍、川芎、桂円、
大棗、枸杞
 ……… 適量
唐辛子粉 ……… 15g
生姜 ……… 10g

材料2:
牛肉 ……… 400g
鴨血 ……… 400g
白菜 ……… 1/4玉
シメジ ……… 200g
米血糕 ……… 50g
水 ……… 1500cc+300cc

調味料:
酒 ……… 200cc
醤油 ……… 大さじ2
砂糖 ……… 大さじ1
塩 ……… 少々

作り方:
1.生薬を計量する。草果は殻を割って中身を取り出す。その他の生薬は包丁の背などで軽く砕いておきます。


2.桂円は殻を割って実を取り出します。ちなみに殻のないものは竜眼肉と呼ばれこちらも市場で普通に売っていますが、桂円のほうが高級品です。安かったのでたくさん(一斤も)買ってしまいました。もちろん殻は使わいません。


 3.生姜、花椒、大紅袍花椒を少量の酒と一緒に炒めて香りを出す。大紅袍花椒とは花椒の品種で、麻味が濃いのが特徴ですが、普通のものと食べ比べるて辛味が弱いように感じたので、二種類をブレンドして使いました。油ではなく酒で煮詰めるようにして炒め、ピリピリとしびれる麻味をまろやかに抽出しています。



4.大棗、枸杞、桂円、生姜以外の香辛料・生薬をティーパックに入れて鍋に入れます。唐辛子粉の半分は一緒に袋に入れて具に唐辛子が絡まないようにしました。残りの半分は後で調節できるように別に分けて置きます。(結局最後には15g全部使いましたが…)



5.香辛料、生薬を鍋に入れ水を加えます。


6.沸騰したら酒、醤油、砂糖を加えアルコール分が飛ぶまで中火で煮込みます。桂円の実は最初は黒ですが、煮込むと本来の淡い灰色に色が戻ります。大棗も水を吸ってふっくらしてきて、枸杞はフワフワに煮崩れていきます。10分も沸騰させると香辛料パックからだしが出て、鍋の水がうっすらと赤く色づいてきます。
時々味見をして、スープの味の変化を楽しみましょう。今回は醤油と砂糖、塩で味を整えましたが、少量ずつなのであまり味は表に出てきません。また、スープの味を楽しみたい人は塩、醤油は入れないほうが好みだという人もいるでしょう。どうせ食べながら煮込むことになるので、調味料は食べる直前に加えたり、ソースとして各自の好みで使うようにしてもいいかもしれません。



7.スープを作る間に具の下ごしらえをします。今回は台湾麻辣火鍋の具の定番中の定番、鴨血と米血糕そしてシメジを使いました。 鴨血は鴨の血を固めたもの、米血糕はもち米を豚の血で固めたものです。食べやすい大きさに切り分け、鴨血は一度沸騰したお湯に通しておきます。鴨血も米血糕も日本ではあまり売っていませんが、日本では寄せ鍋の材料を使えばいいと思います。


8.スープが沸騰して20分ほどの時点で、白菜の芯の部分と鴨血を加えます。材料からもだしが出るので、スープはよりおいしくなります。これでもうほぼ完成です。


9.白菜、牛肉、米血糕、しめじを加えて火を通します。


10.これで完成です。脇にコップ一杯ほどの水を置いておき、スープが煮詰まってきたら適宜足します。



感想:

オリジナルで配合した香辛料を使っての最初のサンプル作りでしたが、もうこれでいいんじゃないか?というくらいものすごくおいしい火鍋ができました。味は日本人向けに辛さ控えめで作りましたが、一緒に食べた台湾人も絶賛のおいしさでした。

煮込んだ牛肉を口に入れると、まず牛の旨みが口いっぱいに広がります。続いてほんのり大棗、桂円などの果実系生薬の自然の甘みが広がったかと思うと、間髪入れずにブレンドされた大量の生薬の出汁の味が押し寄せてきます。肉を噛むごとに染みこんだスープが肉汁と混ざってあふれだし、更に濃厚なおいしさを楽しめます。ほおばっている時に鼻で息を吸い込むと、スープの香りと具の味が混ざり合い、まさに至福のひと時です。

具を飲み込んだ後に、最後に舌先をわずかに痺れさせる花椒と唐辛子のほのかな辛味が口に残ります。辛いのが苦手という台湾人試食者も、これならぜんぜん食べられるというくらいのかすかな、しかし確かな辛味が食欲を刺激します。具を口に運ぶ手が止まりません。

そして吹き出る汗。ほとんど辛さを感じないのに、体から汗がふき出します。

最初のサンプルなのであまり期待せずに作ってみましたが、まさかの初球ホームラン。本当にすばらしい出来で、話を聞いた台湾の友人たちからも「次は私にも食べさせて」と、たくさんの連絡を受けておりすこし困惑しています(笑)。日本人向けに作ったんですけどね。

まだ加えてない香辛料がたくさんあるので、しばらく改良を続けて生きたいと思いますが、これはこれで一つの完成形のような気がします。台湾のお店で食べるよりもおいしかったので…。


これを日本の家庭で食べられるようにしたい!このおいしさを食べたことのない人にも伝えたい!と情熱を新たにし、更なる改良に励んでいきます。

今月か来月にはモニター募集もして、いろいろな人の意見もききたいと思っています。Blog上で告知するので、お見逃しなく。

いやぁ、本当においしかった!





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