福建荔枝肉│豚肉のライチ風ケチャップ和え

福建荔枝肉│豚肉のライチ風ケチャップ和え

本日はすこし趣向を変えて福建省の家庭料理を紹介します。その名も『福建荔枝肉│豚肉のライチ風ケチャップ和え』 といい、ケチャップで赤く染まった豚肉が、果物のライチのように見えるためこの名があり、ただの『荔枝肉』とも言います。

中国八大菜と呼ばれる中華料理の分類では、台湾料理は福建菜に分類され、海の幸や茸などの山菜類を使った料理が特徴といわれます。台湾を訪れる旅行客のほとんどはご存じないかもしれませんが、中華民国には二つの「省」があり、ひとつはご存知台湾省、そしてもう一つが福建省です。

台湾本土のはるか北西、大陸から程近い金門と馬祖と呼ばれる二つの地域が台湾中華民国政府が管轄する福建省地域になります。現在の台湾の大部分は日本帝国の統治を受けていましたが、金門と馬祖だけは直接の統治を受けておらず、台湾語に多い日本語からの借用語も、この地域ではほとんど見られません。ちなみに両地域では住民のほとんどが国民党支持者で、選挙では民進党が逆立ちしても勝てない地域だといわれています。

国民党政府が台湾に移って以降、両地域は軍事的に最重要拠点とされていましたが、近年は豊富な自然を売りにした観光産業と、大陸までの渡航の足がかりとして利用する人たちでわりと賑わっています。金門の高粱酒は有名な特産品となっており、台北市内でもたくさんの広告やポスターを見ることができます。お酒好きな方にお土産として買って帰ると喜ばれるかもしれません。

台湾にも福建省(の一部)があり、歴史、文化がすこし違うよ、というのが分かっていただけたでしょうか?金門のレストランや家庭で食べられる料理は台湾料理と似ていますが、正統派の福建料理というべきもので、日本人にはあまりなじみのない隠れた名品中華料理がたくさんあります。

これからは時々福建料理の紹介もしたいと思いますのでご期待ください。時間のある旅行者は、金門、馬祖方面にも足を延ばし、本土とはまた違った台湾を楽しんでみてくださいね。



難易度:
☆☆

調理時間:
30分以内

材料:
豚もも肉 ……… 300g
 (脂身の少ない部分ならどこでもよい)
ジャガイモ ……… 100g
 (なくてもよい)
ネギ ……… 1本
ニンニク ……… 1個


調味料:
ケチャップ ……… 50g
酢 ……… 10g
醤油 ……… 10g
砂糖 ……… 15g
片栗粉 ……… 10g
 (他のでん粉粉でも可)
固形ブイヨン ……… 3g
水 ……… 100cc
ごま油 ……… 少々


作り方:
1.豚もも肉はブロック状に切り分ける。ジャガイモは皮を剥き、豚肉と同じ大きさに切り分ける。ニンニクはみじん切りにする。ねぎは千切りにする。

2.片栗粉を三倍量の水(分量外)で溶き、半量のケチャップを加え、作り方1の豚肉とジャガイモ表面に絡ませる。

3.ボウルに残りのケチャップ、巣、醤油、砂糖、固形ブイヨン、水を入れ、よく混ぜ合わせる。

4.熱した鍋に大さじ4のサラダ油(分量外)をひき、作り方2の片栗粉をまぶした豚肉とジャガイモを3-5分ほど揚げるようにして炒めて中まで火を通す。火が通ったら取り出して油を切っておく。

5.作り方4の鍋に少量の油を残し、ニンニクとネギを炒めて香りを出す。作り方3の混ぜ合わせた調味料を入れて沸騰させたら、作り方4の取り出しておいた豚肉を加え、ソースとよく絡めて完成。


Point:
このレシピのようにケチャップを使っても作れますが、本来は紅麹を使って色を付けます。日本ではケチャップ版のレシピの方が作りやすいので、今回はケチャップ版荔枝肉を紹介しました。

日本で言う「ライチ」は台湾語、福建語の発音が元になっています。日本での正確な植物名は「レイシ」というのですが、発音の違いだけで同じものです。

台北市内にも福建料理(福州料理)の店はたくさんあり、そこで食べることができます。グルメな方はぜひ足を運んでみてください。

肉を浸ける作業がいらないので慣れると10分ほどで作れます。味付けも日本人好みだと思うので、おかずのレパートリーに加えましょう。

紅麹を使って作るレシピはケチャップを全量紅麹に置き換え、すべてを豚肉とジャガイモに絡めてから炒めるだけです。真っ赤なまさにライチのような料理ができます。

 本物のライチはこんな感じ。








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