鵝油飯│ガチョウ脂ご飯

難易度: 調理時間:30分以内
これを食べたことがある人は台湾中級者! 黄金に輝く『鵝油飯│ガチョウ脂ご飯』のレシピを紹介します。台湾では瓶入りの「鵝油」を買うだけで作れますが、日本では原料の入手から行う必要がありそうです。

ガチョウの脂は日本にも確実に存在はしていると思いますが、それが手に入るかどうかは別の問題です。食肉店で問い合わせるか通販で外国製のものを購入しましょう。「グースファット」の名前でフランス製のものなどが手に入ると思います。大量のガチョウの皮を集めれば「鵞脂」を集められますので、まずはこれを手に入れてください。(原料の入手が難しいので難易度☆3つとさせていただきました。)



ガチョウ(鵞鳥)はカリ(雁)を家禽化したもので、飛行能力がほとんどなく、粗食でも丸々と太り、肉は食用に、羽は装飾に使えることから主にヨーロッパで養殖が盛んです。犬と同じように見知らぬ人に吠え掛かり攻撃する性質があるため、「番鳥(?!)」としても飼育されます。台湾では卵を塩漬けにした『鹹鵝蛋』という商品もあります。

普通の日本人の皆様は「ガチョウの脂」と効いてもピンとこないかもしれませんが、西洋、特にフランス料理では一般的な食材です。ご存知フォアグラの副産物として大量に収穫でき、スープ料理に少し加えて風味をつけたり、なによりフォアグラを焼くときの脂として活用されます。低温で解けて体内に蓄積しにくいという特徴があり、健康食品としても注目されています。

紀元前2000年前の古代エジプトの壁画にはガチョウを飼育している姿が描かれており、その歴史の古さが伺えます。ニワトリは紀元前4000年ほど前からインドの歴史に登場するのでそれより少し遅れますが、家禽としての歴史が非常に長い鳥類です。

中国の歴史に最初に登場するのは紀元前400年ほど前の《荘子》。書名は皆さんご存知かと思います。"命豎子殺雁而烹之、豎子請曰、其一能鳴其一不能鳴、請奚殺。主人曰、殺不能鳴者。"という記載がありこの頃にはすでに雁を家禽化する技術があったものと推察されています。

エジプトからヨーロッパに伝わったガチョウと中国で飼育されるガチョウは実は元になる雁の種類が異なり、その家禽化の歴史も異なると推察されています。今後の遺伝子解析の研究が待たれます。

今回紹介する『鵝油飯』は非常に香り高く、ご飯だけでおかずが必要ないほどのおいしさです。日本ではまず食べられませんが、台湾ではガチョウ肉の店で食べられます。ぜひこのおいしさを体験してみてください。


[材料1]
ガチョウ脂 ……… 200g
ネギ ……… 20g
ショウガ ……… 10g

[材料2]
エシャロット ……… 適量

[調味料]
醤油 ……… 適量

[作り方]
1.ショウガをうす切りにする。ネギをぶつ切りにする。ガチョウ脂を細かく切り分けておく。

2.鍋の底に1cmほどの水(分量外)を張り、作り方1のショウガ、ネギ、ガチョウ脂を入れて沸騰させる。

3.鍋の水が沸騰したら火を止めて常温まで冷まし、冬場はそのまま放置、夏場は冷蔵庫に入れるなどしてガチョウの脂を凝固させる。

4.ガチョウの脂が凝固したらスプーンなどで清潔なビンに取り分けて「鵞脂(グースファット)」の完成。

5.フライパンに大さじ2の「鵞脂」をとり、みじん切りにしたエシャロットをきつね色になるまで炒める。

6.白ご飯(分量外)に作り方5の「鵞脂」とエシャロット、適量の醤油を好みの量かけたら完成。

Point!
作り方4の「鵞脂」さえ出来ていれば調理は一瞬で終わります。市販のものを使う場合は非常に簡単に作れます。

「鵞脂」は蓋をすれば冷蔵庫に入れなくても数ヶ月保管できます。ビンに分けるときに水分が入らないよう注意しましょう。

「鵞脂」さえあれば、米を炊くときに2合に対して大さじ1の「鵞脂」を加えて炊き上げると、とても香りの良い『鵝油飯』が作れます。これだけでも非常においしいのでぜひお試しください。

余った「鵞脂」は、鶏肉料理や野菜炒め、スープやパスタの隠し味として使ってみてください。見違えるほどのおいしさになります。


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