難易度:☆ 調理時間:30分以内
『李公什碎│李公炒め』という歴史上の人物にちなんだ料理のレシピを紹介します。
料理名にある「李公」とは中国清朝末期の傑物「李鴻章」のこと。台湾が日本の統治下に入ることを決定した下関条約の調印をした人物です。時は1896年、清朝直隷の総督及び北洋大臣であった李鴻章は、ヨーロッパ経てアメリカに長期外遊します。数ヶ月に渡る洋食の脂っこさに辟易していた李鴻章は、現地の華人が経営するレストランを訪れいくつかの料理を持ち帰りました。
当時李鴻章がアメリカを訪れていたのは列強各国にとっても一大ニュースでした。彼が「レストランに立ち寄って料理を持ち帰った」出来事は瞬く間にメディアに伝わり、件のレストランは取材攻勢を受けることになります。しかし英語があまり聞き取れない、無礼なカメラのフラッシュ、大勢の人数での同時質問、しかもアメリカ人、あまりにも腹が立ったレストランの経営者は、「李鴻章氏は何を持ち帰ったんですか?」という質問に対して「別にただの炒め物だ!(沒什麼,就雜碎唄!)」と答えて記者たちを追い払いました。
ところがこの回答に尾ひれが付き、このレストランには李鴻章が食べた野菜炒めを求めて多くの客が集まりました。レストランの料理人が仕方なく、李鴻章に渡したいくつかの料理を全て鍋に入れて炒めたものに『李公雑碎』と名付けたのが、この料理の始まりです。アメリカ生まれの中華料理というちょっと珍しい由来があります。現在は『李公雑碎』とも『李公什碎』とも呼ばれます。
要は「色々な料理をまとめて炒めなおしたもの」くらいの料理なので、お店や人により作り方や具は千差万別、そのボリュームと具の豊富さはまさに百花繚乱です。現在は様々なお店のメニューに記載されています。レシピはちょっと本格的ですが、なかなかおいしいので挑戦してみてください。細かいことを気にしないという方は、いくつかの中華料理をあわせて大きな鍋で炒めればOKです。
今回材料で使う皿うどんは長崎ちゃんぽんのお店などで食べられる揚げた細麺のことです。スーパーでも買えると思いますが、アマゾンのリンクを張っておきます。
[材料]
エビ ……… 50g
イカ ……… 200g
豚ロース ……… 50g
豚レバー ……… 50g
チャーシュー ……… 50g
シイタケ ……… 2個
モヤシ ……… 200g
ピーマン ……… 1個
皿うどん(炸麵) ……… 100g
ネギ ……… 10g
ショウガ ……… 10g
[調味料1]
塩 ……… 少々
片栗粉 ……… 適量
酒 ……… 大さじ1
[調味料2]
醤油 ……… 大さじ1/4
塩 ……… 小さじ1/2
味の素 ……… 少々
砂糖 ……… 少々
胡椒 ……… 少々
ごま油 ……… 少々
水 ……… 大さじ1と1/2
片栗粉 ……… 小さじ1
[作り方]
1.エビの殻をむき調味料1の塩を刷り込んで、片栗粉をまぶしておく。豚ロースは千切りにし、調味料1の片栗粉をまぶしておく。其の他の材料は全て千切りにする。
2.鍋に揚げ物油を熱し、作り方1のエビ、作り方1の豚ロース、イカ、豚レバーを別々にサッと揚げて表面に火を通し、取り出して油を切っておく。 鍋に大さじ2の油を残し、モヤシとピーマンを強火で炒める。火が通ったらネギ、ショウガ、チャーシュー、シイタケを加えてよくかき混ぜながら炒める。皿うどん以外の全ての材料を鍋に入れてざっとかき混ぜて炒めたら、酒を振りかけて香りをつける。
3.作り方2の鍋の材料に火が通ったら、火を止めて調味料2をすべて混ぜ合わせたものを入れ、よくかき混ぜて味をなじませる。
4.器の底に皿うどんを敷き、作り方3の鍋の中身を上からかけたら完成。
Point!
エビ、イカ、チャーシューなどは冷凍のものを使うと簡単です。もちろんなくても作れます。
一般的には皿うどんのようにパリパリに揚げた麺を使うか、焼きそばのように麺と具と一緒に炒めて作ります。
適当な野菜料理と肉料理をあわせて大きな鍋で炒めればOK。余った材料や料理を使って強火で炒めて作りましょう。決まったメニューはないのです。
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