難易度:☆ 調理時間:2時間
久しぶりの客家料理『客家豬腳│客家豚足煮込み』のレシピを紹介します。醤油ベースのスープで豚足をじっくり煮込んだ料理です。濃いめの味付けがおかずにぴったり、タケノコなどの野菜と一緒に煮込んでもいいですね。
近年でこそ盛んな客家研究ですが、日本統治時代初期は謎が多く、原住民とも純粋漢人ともつかないよくわからない存在とされていました。この謎に挑んだ幾人かの日本人がいたのですが、民俗学や人類学といった学問がほとんどなかった時代、客家の謎を解き明かそうと幾人かの研究者らが立ち上がりました。しかし客家語を話せる日本人がおらず、台湾語を話せる客家人もごく稀、客家の人らに日本語を覚えてもらわないことには会話すらままならなかったのです。そのため日本統治が始まった初期は漢人とは異なる言語を話し、原住民とも明らかにいでたちが異なる客家らを漢人と原住民の混血としていたことさえあったのです。
最初期に行われた研究は客家の集落に滞在していた宣教師らに話を聞くこと、そして家系図から祖籍がどこにあるかということの二点が精いっぱいでした。この族譜の調査から客家人の祖籍のほとんどが広東省の恵州と潮州に属することが分かりました。その次はもちろん、彼らの祖籍とされる地域に実際に赴いて、同じ言語・習慣を持つ民族がいるかどうか調べることです。
そして現在の広東省、広西省あたりに台湾客家と似たような言語を話す集団が見つかりました。しかし清朝での広東客家は被差別階級であり、文化的な生活を送っているものはいませんでした。教育を受けられなかったため民族に関する記録も残っておらず、歴史をそらんじる存在もいなかったようです。しかし客家部落の周辺に残っていた漢人らの彼らに対するわずかな記録と口伝などから広東省の客家らがかなりの長い期間この場所にとどまっていたことが分かりました。その期間はいくつもの王朝の歴史を超え千年以上、常識では考えられないほど古い民族であることが分かりました。
彼らについて調べていくと驚くべき事実が明らかになりました。古くは中原から南遷してきた民族であること、言語に中古代の漢字音を残していること、その祭祀文化や特殊な愛国心などについて続々と明らかになってきました。特に客家語が中古代の漢字音を残していることは、日本の言語学者らに大きな衝撃を与えました。その方面の大家とされる人々が客家語研究に夢中になり、研究が一気に進んだといわれています。このころ第二次世界大戦が勃発、残念ながら日本における客家研究はその小さな灯を消すこととなってしまいました。
戦後、これらの成果は中国、台湾の研究者らに受け継がれ客家研究は続いていきます。
この『客家豬腳│客家豚足煮込み』も何百年も変わらず作り続けられてきた客家の伝統料理です。数百年前の客家と同じ料理を食べるという経験はいかがでしょうか?
[材料]
豚足 ……… 900g
ネギ ……… 60g
ショウガ ……… 40g
ニンニク ……… 30g
八角 ……… 2個
[調味料]
醤油 ……… 大さじ3
塩 ……… 大さじ1
氷砂糖 ……… 大さじ1
酒 ……… 大さじ3
水 ……… 2000cc
[作り方]
1.豚足をよく洗い、沸騰したお湯にくぐらせてあくを抜いておく。ネギをぶつ切りにする。ショウガを薄切りにする。
2.熱した鍋に少量のサラダ油(分量外)をひき、ネギ、ショウガ、ニンニク、八角を香りが出るまで炒める。
3.作り方2の鍋に水、すべての調味料、作り方1の豚足を入れ沸騰させる。沸騰したら蓋をして、弱火で一時間ほど煮込む。ふたを開け中火で水気がなくなるまで煮込んで完成。
Point!
最後まで水を飛ばしてしまうと焦げてしまうので、ほどほどのところで火を止めて食べちゃいましょう。
黄豆醤が手に入れば醤油の代わりに使ってみましょう。
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