難易度:☆ 調理時間:1時間以内
家庭料理としても人気があり、大型の魚を使ったものは年越しの宴会料理としても作られる『紅燒鱸魚│スズキの中華風醤油煮』のレシピを紹介します。スズキをそのまま使うのは大きすぎますが、スズキ科の白身魚なら何でもおいしく作れると思います。
さていきなりですが、本来この料理はスズキで作りません。料理名や紹介でさんざんスズキスズキと書いていますが、中国語の鱸魚はスズキではなく「(イエロー)パーチ」のことです。全然別種の魚なのですが、漢字が同じでまぁまぁ近縁と言えなくもないので"そういうこと"にしています。
スズキは学名を Lateolabrax japonicus といい、分類はスズキ目スズキ亜目スズキ科、中国語で正名は「日本真鱸」といいます。対して(中国語の)鱸魚は学名を Perca fluviatilis、スズキ目ペルカ科の魚で日本では「ヨーロピアンパーチ」といいます。「ヨーロピアンパーチの醤油煮」ではさすがに雰囲気が出ないので、料理名をスズキにしていますがどうかご理解ください(笑)。20cmくらいの中型のスズキ目の魚を使えば同じように作れると思います。サバやカマスで作ってもまぁまぁ食べられる料理になるでしょう。ちょっとソースを甘くしてキンメダイやイサキなんかで作ってもおいしそうですね。その辺は料理人の腕の見せ所です。いろいろにアレンジしてください。
多くの食用魚を含むスズキの仲間(スズキ目)ですが、遺伝子を利用した分子系統分類はまだまだ完全には進んでいません。新しい論文が発表されるたびに科が丸ごと移動したりとダイナミックに分類が変動します。植物では過去に採取した標本がたくさんあるので遺伝子の解析が割と簡単なのですが、なんせ魚類は地球の7割を覆う水系が生息域なうえ、そこを高速移動しており、標本を採取するのも一苦労です。魚が好きで進路に悩んでいる方がいらっしゃれば、この方面に進んでスズキマスターとなるのもいいかもしれませんね。
それではレシピです。オーソドックスな「紅焼」の技法なので様々な魚料理に応用がきくと思います。ぜひ挑戦してみましょう。
[材料]
スズキ切り身 ……… 600g
(同程度の大きさの白身魚を丸ごとでもよい)
ショウガ ……… 20g
ネギ ……… 20g
八角 ……… 2粒
ニンニク ……… 2個
シナモン ……… 5g
[調味料1]
黒酢 ……… 大さじ1
醤油 ……… 大さじ1
紹興酒 ………大さじ1
砂糖 ……… 大さじ1/2
塩 ……… 少々
水 ……… 100㏄
[調味料2]
紹興酒 ……… 大さじ1
胡椒 ……… 小さじ1
花椒粉 ……… 小さじ1
[作り方]
1.スズキ切り身をよく洗い、全面に調味料2の胡椒と花椒粉を刷り込む。さらに紹興酒を散らして30分ほど漬けておく。
2.ショウガの皮をむき、薄切りにする。ネギをぶつ切りにする。ニンニクを薄切りにする。
3.熱したフライパンの前面にサラダ油(分量外)をひき、作り方1のスズキの切り身を入れて両面がきつね色になるまで焼く。火が通ったら取り出して油を切っておく。
4.作り方3の鍋に少量のサラダ油(分量外)を足し、ショウガ、ニンニク、ネギ、八角、シナモンを入れて香りが出るまで炒める。続いて作り方3で取り出したスズキ切り身を加え、調味料1の黒酢、醤油、紹興酒、砂糖を入れる。スズキ切り身に味が染みるように調味料を混ぜ合わせながら煮込んだら、水を加えて弱火で水分がなくなるまで煮込む。
5.最後に塩で味を調えて器に盛り付け、みじん切りにしたネギを散らして完成。
Point!
煮込む段階からはスズキの切り身はひっくり返しません。ときどきソースをすくって身の上からかけましょう。
丸ごと一匹の魚を使う場合は鱗と内臓を取り、身には隠し包丁を入れておきましょう。
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