京醬肉絲│北京風豚肉の醤油焼き

難易度:☆ 調理時間:30分以内
北京料理を代表する名物『』のレシピを紹介します。当ブログでも何度も紹介している料理ですが、今回は豚肉を二回に分けて火を通すレストラン風のレシピです。テンメンジャンの甘辛さが豚肉との相性ばっちりな料理です。作るのも簡単なのでぜひ挑戦してみましょう。



味噌やテンメンジャンを作るときに必要な細菌は正式な学名を Aspergillus oryzae といいます。和名は二ホンコウジカビといい、ビフィズス菌などと並んで、世界で最も有名な、そして有用な菌の一つです。

二ホンコウジカビといえば様々な物語が浮かびますが、やはり一番有名なのは高峰譲吉にまつわるエピソードでしょうか?清酒を作るカビである二ホンコウジカビの研究者として有名だった高峰譲吉は、二ホンコウジカビに当時西洋で知られていた麦芽以上のでんぷん分解能があることを発見し、ウイスキーの製造方法に革命を起こすためにアメリカにわたりました。

大工場も完成してコウジカビを使ったウイスキーの製造を始めますが、モルトウイスキー工場に投資していた人々から反感を買い、なんと暗殺されそうになってしまいます。隠れていて暗殺こそやり過ごしましたが、工場は火をつけられて炎上、高峰の夢は半ばにして挫折してしまいます。この事件がなければ世界のウイスキーは日本のコウジカビを使って作られていたのかもしれません。

また彼はアメリカ在住中にアドレナリンを抽出することに成功しています。彼の発見したアドレナリンは止血剤とし万能に用いられ多くの命を救いました。歴史上初めてホルモンを見つけた人でもあります。
また高峰は日本を代表する製薬会社第一三共の前身、三共製薬の初代社長でもあります。

そんな二ホンコウジカビにまつわる話でした。それではレシピです。


[材料]
豚バラ肉 ……… 120g
ネギ ……… 1本(適量)

[調味料1]
酒 ……… 大さじ1
固形ブイヨン ……… 小さじ1
小麦粉 ……… 小さじ1
胡椒 ……… 少々

[調味料2]
テンメンジャン ……… 大さじ2
水 ……… 大さじ4
砂糖 ……… 小さじ2

[作り方]
1.すり鉢にテンメンジャンと水を入れ、テンメンジャンの豆の粒がつぶれるようにすり下ろして水と混ぜ合わせておく。(粒のないテンメンジャンを使うならそのまま水と混ぜ合わせておく。)

2.豚肉を細切りにし、すべての調味料1を混ぜ合わせたものに満遍なく漬けて15分ほどおいておく。

3.鍋に大さじ6のサラダ油を引き、180度に熱する。これに作り方2の豚肉を入れ、手早くかき混ぜながらざっくりと火を通す。豚肉を取り出したら余分な油を捨て、豚肉をつけていたソースを鍋に入れてとろみがつくまで煮込む。これにさっき火を通した豚肉を戻してソースと絡めながら豚肉に完全に火を通す。

4.ネギを千切りにして器の底に盛り付ける。上に作り方3の豚肉とソースを乗せたら完成。

Point!
豚肉は揚げて半分、ソースと絡めてから炒めて残り半分と二段階で火を通します。最初の揚げる段で完全に火を通してしまわないよう注意しましょう。


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