XO醤|XO醤

難易度: 調理時間:下準備+2時間
広東料理には欠かせない調味料『XO醤|XO醤』を自作してみましょう。日本で手に入る材料で作るオリジナルの『XO醤』のレシピを紹介します。干し貝柱、干しエビをベースにオリーブオイルを使って作ります。

過去に紹介した同名料理のレシピはこちら

いまでは日本でもすっかり定着した『XO醤』。実は材料さえあれば家庭で自作できます。

『XO醤』のXOとは高級ブランデーなどに使われる「eXtra Old」から取られています。ただエクストラオールドが意味する長期熟成の意味ではなく、単に高級感を表す為に使われているだけです。

1980年代という割と最近に香港で生まれた調味料ですが、その開発者には諸説あります。当時の香港は魔都と呼ばれていただけあって、料理の裏の世界が垣間見えます(笑)。

一般的には香港ペニシュラホテルの広東料理レストラン「嘉麟樓」の主任料理人だった許成氏が、ホテル独自のシュリンプペーストに改良を加えて創作したものだといわれています。しかしシュリンプペーストとXO醤は全く別物といって良いほどの違いがあり、この説には長年疑問符が付けられていました。

近年(2010年)香港のテレビ局による調査で、XO 醤は香港の有名な料理人である黃永幟氏が開発したものであると報道されました。これに対して本人からのコメントや別ホテルからの抗議はなく、香港料理界は黙認したと考えられています。

現在でもそうですが、本場香港のXO醤はホテルやレストランによって材料も製法も異なります。当時の香港は各ホテルが様々な新料理を創作しては、他のホテルがそれを改良して発表するということが当たり前だったので、XO 醤もそういう過程の中で生まれてきたものなのでしょう。

台湾でも様々な有名レストランチェーンがオリジナルのXO醤を売っています。どうせ同じ乾物で作るのですから『佛跳牆』の材料で作った『ぶっとびXO醤』を試作してみても面白そうです。材料が揃えば自作もやぶさかではありません。 

[材料]
干し貝柱 ……… 150g
干しエビ ……… 150g
ニンニク ……… 150g
トウガラシ ……… 150g
オリーブオイル ……… 1000cc

[調味料]
オイスターソース ……… 大さじ2
醤油 ……… 70cc
酒 ……… 600cc

[下準備]
1.干し貝柱と干しエビをそれぞれ半量の酒に一晩付けておき柔らかくしておく。

2.干し貝柱が柔らかくなったら、麺棒などで突き崩してほぐしておく。干し貝柱と干しエビを浸けておいた酒は漉して取り分けておく。

[作り方]
1.トウガラシを1-2cmの長さに切る。ニンニクをみじん切りにする。

2.熱した鍋に大さじ2-3のサラダ油(分量外)をひき、弱火で下準備した干し貝柱をきつね色になるまで炒める。干し貝柱の色が変わったら干しエビを入れて香りが出るまで中火で炒める。

3.作り方2の鍋にニンニク、トウガラシ、干し貝柱と干しエビを浸けておいた酒を入れ、水気がなくなるまでかき混ぜながら炒める。続いてオイスターソースと醤油を加えて材料と混ぜあわせたら、オリーブオイルを材料が浸かるくらいの量まで加える。かき混ぜながらゆっくり加熱し、オリーブオイルが少し泡立ったら火を止める。

4.作り方3の鍋の中身が常温まで冷めたら消毒したビンに詰めて完成。

Point!
材料を加熱するときはとにかく焦がさないように!焦げると苦味が出ていっぺんに台無しです。じっくり火を通しましょう。

オリーブオイルを入れる前に材料の水気はしっかり飛ばしてしまいましょう。少しくらい残っていても加熱しているので大丈夫ですが、ある程度飛ばしておかないと腐敗の原因になります。

ビンは比較的小さなもので小分けしておくと(他人に配るにも)良いでしょう。冷蔵庫に入れておけば数ヶ月保存できます。

他に加えるならカツオブシやシイタケなどダシの出る食材を50gずつほど。オリーブオイルを入れる前に軽く炒めて加えます。海苔や干し魚で和の風味を加えても面白いと思います。千切りにしたスルメや干し肉、あとはピクルスなどの漬物もおすすめ。またオリーブオイルを他の油で作っても風味がガラリと変ります。オリジナルXO醤を目指しましょう。本場では金華ハムなどの高級乾物も使われます。

辛いのが苦手な方はトウガラシの一部をパプリカに変えてください。またショウガを適量加えてもよいでしょう。


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