難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾夜市の定番中の定番軽食『魚丸湯|台湾風魚つみれスープ』のレシピを紹介します。普通の家庭ではカジキマグロやタラ、サバヒーなどで作った「魚丸(魚つみれ)」を買ってきてスープを作りますが、今回はその魚つみれから自作してみましょう。
台湾全土を巻き込んだ選挙戦もいよいよ佳境です。総統候補は全国遊説に出かけ、各選挙区で立法委員候補たちの最後の追い込みが続いています。日本では選挙法違反にあたるようなビラやポスターもどんどん配られています。対立候補のネガティブキャンペーンも本格的です。特に国民党候補は今までの悪事(といっても大半が政治的な失策)を喧伝され、不利な戦いを強いられているようです。今まで立法委員であったことがここまで不利になる選挙もなかなかないことでしょう。
さて、ほとんどの日本人はご存じないかと思いますが、実は中国大陸全土でも"一度だけ"民主主義の原則に則った正式な選挙が行われたことがあります。その後の経緯もなかなか面白いので簡単に紹介しましょう。(ちなみに台湾に限れば日本統治時代の1935年と39年に地方選が行われています。)
時は1947年、第二次世界大戦後すぐのことです。当時中国全土を支配していた中華民国政府は憲政期に移行しており、憲法に則った国民大会議員と立法委員の同時選挙を行いました。有権者数はなんと民主主義史上最大となる4.6億人(現在はインドが世界最大の民主主義国家とされます)。しかし共産党の妨害により鉄道などの公共機関が破壊され有権者の移動と集合が妨害されたために予定した日時での同時選挙はならず、国民大会の選挙は1947年11月、立法委員の選挙は翌1948年に延期して行われました。とはいえすでに中国東北部は完全に共産党の支配下に落ちており、近隣の省で流民らの投票を行うなどの無茶もありましたが、南部では比較的平和裏に選挙が行われました。(とはいえ、かなりの選挙違反や無効票もあったそうですが…。)
こうして第一回の中華民国立法委員選挙は行われ、760名の議員が誕生しました、が、すぐに共産党の攻勢を受け、中華民国政府はほとんど全ての政府機能を台湾に移転することになります。約半数の議員が政府と共に台湾に逃げ延びてきましたが、ほとんどの議員の代表する地域はすでに共産党の手に落ち、改選も不可能となってしまいました。そのため中華民国政府は彼らの議員資格を無期限に延長する法律を作りました。これによって台湾地域の住民の民意を代表していない、そして無期限の議員資格を持つという奇妙な国会議員が多数誕生することとなったのです。(さらにいえば全中華民国を代表する立法委員と、台湾省の地方議員が台湾の政治を行うという二重行政問題もありました。これは後に解消されます。)
立法委員の増員や死亡した議員の欠員補充などで形ばかりの選挙が何度か行われますが、大多数を占める万年議員らはほとんどが国民党員で、改選で当選する新議員も党の息がかかった人ばかり。批判が続出しますが法律で定められたことで、しかも軍政真っ只中、反政府勢力への弾圧も横行しており、そのまま法律改正の機会もなく万年国会は1992年まで続くことになりました。台湾の国会が一院制で速やかな法律の改正を特徴とするのもこうした背景があってのことです。
1992年から数えて15年目の今年、記念すべき9回目の立法委員選挙と14代目の総統選挙が行われます。大勢は決しているとはいえ、選挙は今回で終わりではありません。もしあなたが各政党のブレーンだったとしたら、どのような戦略を取るでしょうか?一発逆転にかけるか、次に繋がる手を売っておくか、対立政党の政策の穴をつくのか、それとも協調するのか…?そして相手の策を封じるにはどうしたら良いのか?無数に有る戦略の中には一発逆転のシナリオもまだ残っているかもしれません。たっぷり頭を使ったらおいしいもので栄養を補給しましょう。
それではレシピです。
[材料1](魚丸)
ビール ……… 100cc
片栗粉 ……… 100g
卵白 ……… 1個分
魚肉ミンチ ……… 300g
(すり身なら何でも良い)
[材料2](スープ)
魚頭 ……… 100g
(中型魚1匹分)
魚骨 ……… 100g
(中型魚1匹分)
水 ………1000cc
ショウガ ……… 20g
セリ ……… 適量
[調味料1](魚丸)
塩 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 小さじ1
サラダ油 ……… 小さじ1
[調味料2]
カツオブシ粉 ……… 小さじ1
塩 ……… 適量
胡椒 ……… 少々
ごま油 ……… 少々
[作り方]
1.ビールをフライパンに入れて沸騰させる。ビール全体があわ立ったら火を止め、ボウルに入れておいた片栗粉とよく混ぜ合わせる。片栗粉がダマにならないよう良く混ぜ合わせたら卵白と魚肉ミンチを加え、全体が均一になるようよく混ぜ合わせる。さらに塩と砂糖を加え均一になるようよく混ぜ合わせる。更にサラダ油を加えよく混ぜ合わせる。
2.鍋に冷水(分量外)を取っておく。片手にスプーンを持ち、もう一方の手で作り方1の魚肉ミンチを絞る。絞る手で魚肉ミンチをゴルフボール大に絞り出し、スプーンですくって冷水に入れる。魚肉ミンチを全て絞って鍋の冷水に入れたら、水が沸騰するまで中火でゆっくりと加熱する。水が沸騰して魚肉ミンチが浮いてきたら取りだす。魚丸の完成。
3.魚頭と魚骨に沸騰したお湯(分量外)をかけてアクを抜いておく。ショウガを千切りにする。セリをみじん切りにする。
4.鍋に水を入れて強火で沸騰させて魚頭と魚骨、ショウガを入れて2分加熱し、その後蓋をして弱火で30分煮込む。魚頭と魚骨を除き、カツオブシ粉、塩を加えて味を調える。スープの完成。
5.作り方2の魚丸を作り方4のスープに入れ、セリを散らす。適量の胡椒とごま油を振りかけて完成。
Point!
魚丸に加えるビールは臭み抜きです。加熱で苦味やアルコール分は飛んでしまいます。
スープには好みでチキンブイヨンなどでうま味を足しましょう。通常は魚、特にサバヒーの不用部(頭と骨など)の出汁で作りますが、日本で食べるなら澄まし汁やお吸い物をスープにしてもよいでしょう。
たくさん作りすぎた場合は、一度火を通した魚丸を熱いうちにパッキングし、冷凍して保存しましょう。自作の魚丸は保存料など全く加えないので市販物のように日持ちはしませんが、冷凍しておけば1-2週間ほど保存できます。
魚肉の半量をイカやエビのすり身に変えるとそのまま『花枝丸』、『蝦仁丸』になります。
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