玉米濃湯│中華コーンスープ

今日は『玉米濃湯│中華コーンスープ』のレシピを紹介します。ミキサーでコーンの缶詰をすりつぶして作る中華料理では定番のスープで、街中いたるところで食べられます。

店により作り方が違うので味も千差万別なのですが、今回はオーソドックスな作り方を紹介します。

トウモロコシは商品作物として非常に重要なのは皆さんご存知のとおり。一代限りの雑種優勢という穀物としては特殊な性質を持つため、1920年代以降のアメリカの穀物ビジネスを確立するのを手助けしました。

ちょっと難しいことを書くと、雑種優勢とは異なる品種を掛け合わせると繁殖力、成長力、収穫量などが増すこと。しかもこれが一代限りなので収穫された雑種優勢の株からは生育力が大幅に減少した種しか取れません。これらの性質により、農家は「毎年」新しい種を購入必要があります。農地転換しても一年で大量の収穫が見込めるため、従来別の作物、例えばオレンジなどを栽培していた農家が急にトウモロコシ農家に転換することもアメリカでは頻繁に見られます。

ちなみに世界全体で生産されるトウモロコシで人間が食用にしているのはわずか4%のみ。大半は動物の資料として用いられ、残りがコーンスターチやアルコール生産用に使用されます。人間が食べるトウモロコシは全生産のごくごく一部なのです。

ところでここ十年くらいで果汁100%オレンジジュースの値段が上がった、もしくは余り見かけなくなったことに気づいた方はいらっしゃいますか?筆者が子供の頃は現在よりもたくさんオレンジジュースを飲んでいた記憶があるのですが、2000年代に入ってから突然見かけなくなりました。

これは石油価格の上昇に対応するため、世界中で代替燃料の需要が高まったためです。世界最大のオレンジ生産国であったアメリカのオレンジ農家の多くが、トウモロコシ農家に転作したため、オレンジの生産量が世界的に減少しました。トウモロコシからは簡単な処理でエタノールが生産できるため、オレンジ園を潰してエタノール生産用のトウモロコシが大規模に栽培されるようになったのです。ブラジルの自動車は半数以上がアルコール燃料だそうですが、アメリカも2035年までに全自動車の3割をアルコール燃料車にする計画があります。

…日本の自動車メーカーがハイブリッド関係の特許を独占しているのも関係があります。

トウモロコシ一つで世界経済が分かる!とまでは言いきれませんが、なかなか興味深い作物です。皆様も興味があったら自分で調べてみてくださいね。

それでは、レシピいきます。


難易度:


調理時間:
30分以内

材料:
コーン缶詰 ……… 内容量400g
ハム ……… 10g
タマネギ ……… 半分
中華スープ ……… 600cc
水溶き片栗粉 ……… 大さじ1


調味料:
塩 ……… 小さじ1
胡椒 ……… 少々


作り方:
1.コーン缶詰の汁と中身を分ける。汁と中身の2/3をミキサーにかけ、すりおろしておく。タマネギはみじん切りにする。ハムはみじん切りにする。

2.鍋に少量のサラダ油(分量外)を熱し、タマネギを柔らかくなるまで炒める。続いて中華スープ、作り方1のすりおろしたコーンと残りのコーン粒を入れ、かき混ぜながら沸騰させる。

3.塩と胡椒で味を調え、沸騰したら水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。食べる前にハムを散らして完成。


Point:
好みで溶き卵や生クリームを加えてみましょう。

ハムの代わりに焼いたベーコンなどを加えてもいいでしょう。

コーン粒が苦手な人は全部すりおろしてください。

出来上がりに好みでパセリや胡椒を振りかけると本格的です。クルトンももちろんOK。



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