客家小炒│客家炒め

難易度: 調理時間:下準備 + 30分以内
台湾の客家料理筆頭、いつ食べてもおいしい『客家小炒│客家炒め』のレシピを紹介します。水で戻したスルメの旨味、豚肉の油、セロリのさっぱり感、豆干の食感の対比という一つ一つの食材の役割が明確でその組み合わせの妙が楽しめる絶品料理です。ぜひ挑戦してみてください。

台湾ではいくつかの異なる言語が話されているのは台湾通の皆さんならご存知のことでしょう。

まず共通語として国語、台湾華語などと呼ばれるいわゆる「中国語」があります。一部の日本人は「北京語」などと呼んだりしますが、台湾人には通じないので注意しましょう。口語ではもっぱら「国語(國語)」が使われます。国民党が南京で使っていた言語です。日本統治時代以前には台湾ではほとんど使われることのなかった言語なので、共通語ではありますがお年寄りは話せない人が多くいます。

続いて台湾語。日本統治時代前から台湾で話されていた固有の言語で、中国語福建方言の一種「閩南語」がもとになっています。口語では「台語」などとよばれます。台湾南部では国語よりこちらの方がメインで使われます。台湾人の半数ほどはこの台語と上記国語のバイリンガルです。文法は中国語とほとんど同じですが、音韻や単語がかなり異なります。日本統治時代初期、日本語教育が普及する前は台湾の人々はこの言語を使っていました。日本語からの外来語が多いのも特徴です。

さらに客家語。これは台湾客家の人々が台湾語とは別に使用する特殊な言語です。数ある中国語方言の中でも最も古くに派生したと考えられている言語のひとつで、太古の漢字音を受け継いでいると考えられています。客家の人が多く住む地域や一部の小学校で使用されるくらいで、旅行者が耳にする機会はほとんどありません。客家出身者でも都会に住んでいると話せないこともあるので、話者は年々減少しています。台湾では政府を挙げて保護、保存活動に取り組んでおり最近は学習者も少しずつ増えています。口語では「客語」などと呼びます。台湾では客家語検定も行われています。

最後に原住民語。台湾には多くの原住民が居住していますが、彼らが使う言語をまとめてこう呼びます。原住民語とひとくくりにしていますが、部族ごとに異なり、タイヤル語、セーデック語など様々な言語があります。すでに消滅してしまった言語も。DNA研究により、台湾の古代原住民は5000年ほど前から潮の流れに乗って東南アジア各地に生活圏を広げていったことが明らかになりました。アジア各地、遠くはハワイ辺りまでの原住民のルーツをたどっていくと、すべて台湾にいきあたるのです。東南アジアの古い言語はすべて台湾の原住民語と同じ祖先を持ちます。言語学研究上非常に重要な言語なのですが、近年急速に話者を減らしており、保護が叫ばれています。

客家語を勉強したい!という日本人はまれでしょうが、中国語が話せればいくつかの教材を手に入れることができます。

台湾の小学校で使われている客家語教材のリンクを張り付けておくので、中国語が読める方はダウンロードして勉強してみましょう。リンク先にある教科書の朗読を聞けば、客家語がどんなものか分かるかと思います。


CCライセンスです。しかも方言タイプ別に数種類……、中央研究院すごいですね(笑)。



[材料]
豚ばら肉 ……… 250g
スルメ ……… 100g
木綿豆腐 ……… 2丁
ネギ ……… 25g
トウガラシ ……… 10g
ニンニク ……… 10g
ショウガ ……… 5g
セロリ ……… 25g

[調味料]
オイスターソース ……… 大さじ1
砂糖 ……… 小さじ1
五香粉 ……… 少々
胡椒 ……… 少々
塩 ……… 少々
酒 ……… 大さじ1

[下準備]
1.適量の水に大さじ1の酒(分量外)を混ぜ合わせ、スルメを柔らかくなるまで一昼夜浸けておく。

2.豆腐をガーゼで包み、上に重石を乗せて一昼夜圧を加えて余分な水を抜く。その後表面の色が変わるまで醤油(分量外)で1時間ほど煮込み、取り出して扇風機の前で数時間乾かす。豆干の完成。


[作り方]
1.豚ばら肉を小指くらいの大きさに切り分ける。トウガラシを千切りにする。ニンニクとショウガをみじん切りにする。セロリを豚ばら肉を同じくらいの長さに切り分ける。

2.下処理したスルメと木綿豆腐を豚ばら肉と同じくらいの大きさに切り分ける。

3.熱したフライパンに大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、豚ばら肉を入れて表面の色が変わるまで炒める。続いてニンニク、ショウガ、木綿豆腐を加えて香りが出るまで炒める。

4.作り方3のフライパンにネギ、トウガラシ、スルメを加えて中火で炒めながらよくかき混ぜ、すべての調味料を加えて全体に馴染ませる。最後にセロリを加え、すべての材料に火が通るまで炒めて完成。

Point!
スルメは重曹を加えた水で戻すともう少し早く作れますが、どのみち半日以上は浸けておかないといけません。酒を加えた水にはコバエが飛び込んできやすいので上にはラップをかけておきましょう。

豆干は台湾では市販のものを使うのが簡単です。レシピの作り方では少し柔らかめになります。固く作る場合は水きりと乾燥の時間を長めに取りましょう。面倒くさい人は厚揚げで代用してください。

好みでその他の旨味を持つ食材、例えば干しエビや干しシイタケを水で戻して加えるとおいしさがアップしますが、量を間違えると味のバランスが崩れるので注意です。


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