水晶荔枝│水晶ライチ

難易度:☆ 調理時間:1時間以内
ちょっと季節はずれですが福建省泉州の名物デザート『水晶荔枝│水晶ライチ』のレシピです。作るのはとっても簡単、寒天入りの砂糖水に荔枝を半分だけ浸けて固め、半冷凍して食べます。非常に美しい料理です。

 この料理で使う寒天は中国語でも「寒天」と書きますが、地域によって「瓊脂」、「洋菜」、「大菜」、「菜燕」など様々な名称があります。台湾では「洋菜」と表記されることが多いですが、海を隔てた福建省では「瓊脂(琼脂)」と書くことも多いようです。どれも同じものなので覚えておきましょう。

英語の Agar はもともとマレー語で寒天を指す Agar-agar を短縮したものです。19世紀頃マレーシアのマラッカから西洋に向けて、盛んに寒天が輸出されていたことから定着しました。マレー語由来の英語はなかなか珍しいですね。

ほとんどの日本人はマレー語由来の英単語を知る機会がないと思い…、せっかくなので Agar 以外の有名どころを調べてまとめてみました。

Bamboo│竹 =  オランダ語 bamboes 由来ですが、 bamboes は更にマレー語の mambu に由来します。

Durian│ドリアン = すばらしい香りで有名な果物のドリアンです。マレー語で棘を表す Duri に名詞化の接尾辞 -an が付いています。

Gecko│ヤモリ = マレー語の geko または gekok から。

Gingham│ギンガム = 俗にギンガムチェックと呼ばれる織物の模様はオランダ語の gingang が由来で、 gingang は更にマレー語の genggang (縞模様)に由来します。

Gong│ゴング = ボクシングの試合などで使われるカーンという音を立てるあの楽器です。マレー語のGong または Gung に由来します。

Mandarin│標準中国語 = いわゆるマンダリンチャイニーズと呼ばれる中国の公用語(普通話)はポルトガル語の mandarim が由来で、mandarim は更にマレー語の menteri (大臣)に由来します。この menteri を更に遡れば、サンスクリット語のmantra(言葉)にまで遡れます。

Orangutan│オランウータン = 有名な単語です。 マレー語の Orang(人) + utan(森)で、森の人の意味です。

ドリアンをはじめとするいくつかの植物名やソースのサテー(satay)などの料理名は、他にもたくさんあるのですが、難しすぎるので省略しました。

どうでしょう?バンブーやゴング、マンダリンなど意外な単語がマレー語由来なのには筆者も驚きました。

それでは…寒天(Agar)を使ったデザート、お楽しみください。

[材料]
ライチ ……… 1kg
寒天 ……… 25g
砂糖 ……… 250g
水 ……… 1000cc

[作り方]
1.ライチの皮を剥き、包丁で果肉に切れ込みを入れて種を取り出しておく。寒天を水(分量外)で戻して柔らかくしておく。

2.鍋に水と寒天を入れ、加熱して沸騰させる。沸騰して寒天が溶けたら砂糖を加えて溶かす。

3.バットなどに寒天水を流し込み、半凝固(→Point参照)するまで冷ます。半凝固したら作り方1のライチ果肉を半分だけ差込み、荒熱が取れたら冷凍庫に入れて少しだけ凍らせる。

4.冷凍庫からゼリーを取り出し、食べやすい大きさに切り分けたら器に盛りつけて完成。

Point!
寒天の半凝固の状態とは、容器を少し傾けると表面が流れそうで流れない…そんな状態です。この瞬間を見極めて等間隔にライチの果肉を差し込みます。

お酒好きの方は寒天を溶かしたものがある程度冷めたら少量のブランデーやリキュールを溶かし込んでもよいでしょう。もちろん未成年は食べられません。

お酒やリキュールを溶かした寒天を種を抜いた切れ込みからライチの中に流し込んで作る方法もあります。この場合見た目はライチの果肉にしか見えませんが、食べると中からゼリーが飛び出すという面白い料理になります。





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