塔香牛肉片│バジルと牛肉の中華炒め

難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の家庭料理『塔香牛肉片│バジルと牛肉の中華炒め』のレシピを紹介します。台湾バジルと牛肉の薄切りをオイスターソースとごま油で炒めた料理です。ショウガやトウガラシを少量使って味にアクセントをつけています。

この料理名にある「塔」とは「九層塔」、つまり台湾バジルを意味します。台湾料理で名称に「塔」とあったら「ああ、台湾バジルを使ってるんだな」と考えましょう。

「塔」の語源はサンスクリット語の स्तूप (stūpa、ストゥーパ)で、もともと古代インドで饅頭型に盛り上げた土の塚を意味しました。このストゥーパは仏教が起こってからは今日でいう「卒塔婆(そとば)」に取り入れられ、やがて卒が取れて「塔婆」に、さらにそれが一文字に省略されてただ単に「塔」と呼ばれるようになりました。

元々土を盛り上げただけの塚を意味していたのですが、仏教が中国に渡ってから中国式建築の影響を受け、背の高い建築物、さらに転じて「何かを高く積み上げたもの」、すなわち今日でいう「塔」の意味が生まれました。土の塚から高層建築へ、形は大きく変わってしまいました。

さて、英語で塔を意味する「Tower」は、その他の西洋語と同じく古代ラテン語の「Turris(城砦、大宮殿)」を語源とします。このTurrisもさらに古くは古代ギリシャ人がエトルリア人を指して言った「テュレニア人(Τυρρήνιοι (Turrēnoi)」という語に由来するそうです。テュレニア人は高度な建築技法を持ち、古代ギリシャのアーチ建築や神殿も彼らの技術を流用して建てられているそうです。

西洋のTowerも何かを積み上げて作るという点で東洋の塔と奇妙な一致を見せており、発音も比較的似ていることから、Towerもストゥーパから派生して生まれた単語なのではないかという説もあります。

興味深いですね。


[材料]
牛肉 ……… 200g
ショウガ ……… 10g
トウガラシ ……… 1本
バジル ……… 30g

[調味料1]
片栗粉 ……… 小さじ1
醤油 ……… 小さじ1
卵白 ……… 1個分


[調味料2]
オイスターソース ……… 大さじ2
水 ……… 大さじ1
水溶き片栗粉 ……… 小さじ1
ごま油 ……… 小さじ1

[作り方]
1.牛肉を薄切りにし、すべての調味料1と混ぜ合わせておく。バジルの葉だけをちぎっておく。ショウガを短冊切りにする。トウガラシを薄切りにする。

2.熱した鍋に大さじ2のサラダ油を引き、牛肉を入れて表面の色が変わるまで中火で炒める。続いてショウガとトウガラシを入れ、香りが出るまで炒める。

3.作り方2の鍋に調味料2のオイスターソースと水を入れ、混ぜ合わせて沸騰させてたら水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。最後にバジルの葉とごま油を加え、全体をざっくり混ぜ合わせたら完成。

Point!
中火で作ります。強火で作ると鍋の縁が焦げるので注意しましょう。

ショウガとトウガラシはひし形に大きさをそろえて作ると見た目が良くなります。

好みで皮をむいたニンニクを数個一緒に入れてみましょう。

牛肉以外の肉でも作れます。鶏肉で作る場合は皮のある部位を使うと美味です。


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