小雞燉蘑菇│遼寧風鶏のナラタケ煮込み

難易度: 調理時間:1時間以内
遼寧省の伝統料理『小雞燉蘑菇│遼寧風鶏のキノコ煮込み』のレシピを紹介します。鶏肉と干しキノコのうま味をシンプルに楽しむ素朴な料理です。

本来この料理は東北の至宝とも呼ばれる「榛蘑(ナラタケ)」というキノコを使って作ります。日本でも輸入された乾燥品が手に入りますが、入手が難しいときは他の乾燥キノコを使って作りましょう。


榛蘑はいわゆるナラタケを指し、学名を Armillaria mellea といいます。近年今までナラタケ一種だと思われていたものが数多くの種の集まりであることが分かり、他の Armillaria 属のキノコを含むようになりました。新鮮なものは痛みやすいためそのままではほとんど市場に出回りません。普通の人が購入できるのは中国から輸入した乾燥品か塩漬けなどにした缶詰でしょう。日本では東北地方、中国でも東北地方で採取されます。中国産はほとんどが乾燥処理され、日本や韓国などの国外に輸出されます。

ナラタケは植物に寄生して成長する植物寄生菌と呼ばれるものの一つで、寄生された種は栄養を根こそぎ奪われやがて枯れてしまいます。このためナラタケに寄生されることを「ならたけ病」とよび、特に果樹栽培農家などには忌み嫌われます。ナラタケは菌糸体以外の部分が発光することが分かっているのですが、そのメカニズムは未だに明らかになっていません。謎の多い菌です。

今回の『小雞燉蘑菇』はこのナラタケのダシで鶏肉を煮込んで作る遼寧省の伝統料理です。その他の調味料は控えめに、鶏肉とキノコのうま味を濃縮して楽しみます。まぁ…味の素使うんですけどね(笑)。

それではレシピです。


[材料]
干しキノコ ……… 20g
 (本来は干しナラタケを使うが、別の種類のキノコで代用しても良い)
鶏肉 ……… 600g
ネギ ……… 1本
ショウガ ……… 10g
花椒 ……… 2g
八角 ……… 3個
水 ……… 適量

[調味料]
醤油 ……… 小さじ1/2
砂糖 ……… 小さじ1/2
塩 ……… 小さじ1/2
酒 ……… 小さじ1/2
味の素 ……… 小さじ1/4

[作り方]
1.鶏肉をよく洗い食べやすい大きさに切る。干しキノコを温水に浸けて戻しておく。ネギとショウガをみじん切りにする。

2.熱した鍋に適量のサラダ油(分量外)をひき、ネギとショウガを炒めて香りを出す。続いて鶏肉を入れて上から酒を振りかけ、表面の色が変わるまで炒める。

3.作り方2の鍋に醤油と砂糖を入れてよく混ぜあわせ、鶏肉が半分浸かるくらいの水と塩、花椒、八角を加えて加熱し沸騰させる。作り方1で戻した干しキノコを加え、蓋をして時々かき混ぜながら40分ほど弱火で煮込む(→Point参照)。

4.最後に味の素を混ぜて味を調えたら完成。

Point!
最終的に鍋にはスープが少し残ります。水気が全部飛んでしまわないよう注意しましょう。

可能なら鶏肉は「小鶏」、即ち若鶏を使いましょう。本場遼寧省では若い地鶏、またはキジを使って作ります。

煮込みのラスト10分に水を吸わせたビーフンや粉條を加えて作ることがあります。これらは水を吸うので水量の調整が難しくなりますが、別でチキンスープを煮込んでビーフンを煮込んでから加えるなどしても良いでしょう。


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