金蜜│ジンミーマンゴー
日本統治時代にフィリピンに出征した台湾の軍人が一粒のマンゴーを山中で収穫して台湾に持ち帰った。これが台湾で芽吹いて原木となったという珍しい歴史を持つ品種である。
軍人が台湾に戻った時には果肉はすでに腐敗し種のみが残されていた状態だったが、彼はこの種を彰化縣埔心鄉に住む友人宅の庭に植え、これが7-8年後に結実して親株となった。この株を分けたものが現在台湾で栽培されている金蜜マンゴーである。フィリピンにあるという原種は不明。
台湾にある各種マンゴーの中でも最高クラスの21.3Brixという糖度を持ち、農協への登録品種名は金蜜21となっている。その産出量の少なさからほとんど市場に出回ることがなく高級品。農家によっては完全予約販売しかしていない。現在かの軍人の息子である二代目張金泉氏が原木とその子孫を守り続けており、農協も優良品種に指定して生産と販売拡大に力を入れている。生産量が少なすぎて生産に関する統計資料がない。
旬は6月末~7月末。未成熟の果皮は緑色だが、熟すと黄色になる。果皮は薄いが実は小ぶりで種が大きいため可食部が少ない。果肉は若干の繊維質を含む。
果実の重量は約300g、大きさは約10cm×幅約8cm×厚さ約7cm。糖度は21.3Brix、酸度は0.18%、糖酸比は118。数あるマンゴーの品種中で最高クラスの糖度を誇る。
強健で病虫害にも強く、アーウィン種よりも長期保存が可能。果実の熟度も外見から判断が可能なため、食べ頃の見極めが容易で最高の状態で出荷することが可能であるという特徴がある。
台湾のスーパーでは一個160-200元(約600元/kg)。高級品で多くは贈答用の箱に入れられて販売されている。流通量が非常に少なく、産地の彰化と台北の中央市場で小売りにされたもの以外を見かけることはない。旅行者は見かけたら即買うくらいの気持ちでないとまず食べることができない。強烈な甘味とほど良い酸味が特徴で、おそらく一度食べたら忘れられない経験となるだろう。シーズン中に台湾を訪れたらぜひ手に入れて食べてほしい。
金蜜│ジンミーマンゴー
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2015年6月27日土曜日
果皮は熟すと鮮やかな黄色になる。
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