難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
珍しい福建・台湾地方の料理を紹介します。今回は比較的簡単に再現可能でとってもおいしい『玉板豆腐│恵安風海鮮豆腐』のレシピです。カニやエビのすり身を豆腐で挟んだ絶品中華をぜひ!
この料理は福建省泉州惠安の伝統料理です。惠安は伝統的に豆腐の生産が盛んで、豆腐を使ったすばらしい料理がたくさん作られています。今回紹介する『玉板豆腐│恵安風海鮮豆腐重』もそんな豆腐料理の一つで、とても面白いアイディアで作られています。中華スープの代わりにダシを使うとそのまま和食として料亭で提供できそうなすばらしい料理です。
福建省は言語学的には5-7つの言語グループに分けられます。この地域の言語をまとめて閩語と呼び、古代中華王朝がこの地域を地図に組み込んだ唐代の漢字音を現在に伝える言語とされます。日本に漢字が伝わったのも同じ唐の時代なので、日本の漢字音と非常に似ている単語が少なくありません。ただしいくつかに分けられる閩語の言語グループはそれぞれに意思疎通が困難なほどの差異があります。いくら音が似ている(ものによってはほとんど同じ)とはいえ、日本語と台湾語が通じないようなものですね。
それら閩語の下位グループのひとつが台湾語の元になっている閩南語です。かつて多くの泉州恵安の漢人らが台湾に渡りました。そのため恵安で話されている閩南語は台湾語の祖語ともいえます。とはいえ台湾語と閩南語も分岐してから数百年経っているので意思疎通はギリギリ可能という程度でしょうか。数字や挨拶はほぼ共通だそうですが、他は言語センスのある人なら「慣れればいける!」くらいの差があるようです。ネイティブの台湾語を話す台湾人が訪れればお互いなんとなく何を言ってるか分かるくらいの微妙な雰囲気になり、普通話で会話した方が早いという変な状況が楽しめるそうです。
近年は台湾と福建省(特にアモイ)をつなぐ飛行機やフェリーも数多く運航されています。台湾から海峡を越えて中国に渡り、台湾に渡った漢人のルートを遡るのも面白い旅行プランになりそうです。その場合、台湾でたっぷりおいしい台湾料理を楽み、福建でその台湾料理の元になった福建料理を楽しんでみましょう。旅行にいけない!という方は、そう、そのための「甘口男」です!
[材料]
木綿豆腐 ……… 1kg(5丁)
豚ひき肉 ……… 200g
カニ肉 ……… 150g
エビ ……… 250g
卵白 ……… 2個分
中華スープ ……… 1000cc
[調味料]
味の素 ……… 小さじ1/4
塩 ……… 小さじ1/2
[道具]
豆腐を一丁ずつ包める大きさの綿布(医療用ガーゼ) ……… 5枚
[作り方]
1.エビの殻を剥き身を細かくみじん切りにした後、豚挽き肉と卵白、半量の塩とよく混ぜ合わせておく。餡の完成。
2.木綿豆腐を底面に平行に三つに切り分ける。まな板に綿布を敷き、中央に豆腐片を一枚乗せる。上に作り方1の餡とカニ肉を乗せ、その上に蓋をするようにもう一枚の豆腐片を乗せる。更に餡とカニ肉を乗せて最後の豆腐片一枚を最上段に乗せたら、綿布できれいに包んで耐熱容器に乗せる。
3.作り方2で綿布に包んだ豆腐を蒸し器にかけ中火で10分加熱して中の餡に火を通す。
4.鍋に中華スープを熱し、味の素と残り半量の塩(→Point参照)で味を調える。
5.作り方4の中華スープに作り方3の豆腐を崩さないように入れ、豆腐に味が染みるように10分ほど弱火で煮込んだら器に取り分けて完成。
Point!
中華スープの味付けは好みで行ってください。塩の分量も決まった量はありません。また煮込むときは必ず弱火で沸騰するかしないくらいの火力で煮込みましょう。グツグツ沸騰させると豆腐が崩れます。実際はスープの入った器ごと蒸して作ります。
難しいと思う方は層を一層に減らして作りましょう。逆に上級者は豆腐を更にうす切りし、餡を薄く広げて重ねる回数を増やして作ります。
本来一丁ずつに切り分けられた豆腐ではなく、できたての大きな一枚豆腐を使って作り、最後にスープに入れるときに切り分けて作ります。
絹ごし豆腐では柔らかすぎて途中で崩れてしまいます。木綿豆腐で作りましょう。
スープに入れて煮込む時間を長くするなら、厚揚げで作ってもよいでしょう。厚揚げがスープを吸って美味しいと思います。
好みで餡にイカのすり身を加えたり、ネギのみじん切りを加えたりしてみましょう。
玉板豆腐│恵安風海鮮豆腐重
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2015年3月31日火曜日
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