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牛蒡雞肉湯│ゴボウと鶏肉のスープ

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
本日は炊飯器で作れる『牛蒡雞肉湯│ゴボウと鶏肉のスープ』のレシピを紹介します。ゴボウと鶏肉をその他の材料と一緒に炊飯器に入れるだけで作るお手軽スープです。

皆さん牛蒡の種は生薬になることを知っていましたか?今回は牛蒡の種「牛蒡子(ごぼうし)」、または悪実(あくじつ)について解説してみたいと思います。

牛蒡子はゴボウ Arctium lappa L. の種子を乾燥させた生薬で性味は辛、苦、寒で、帰経は肺、胃です。疏散風熱、透疹利咽、解毒散腫の効能があります。日本ではあまりなじみがありませんが、中医学で風邪に使われる有名な薬「銀翹散(ぎんぎょうさん)」にも配合されています。特に乳腺炎に絶大な効果があるので、漢方薬を使う産婦人科や門前の薬局ではおなじみの生薬かもしれません。皮膚に常在する細菌に優れた殺菌効果を持つことも分かっており、皮膚病に煎じ液を塗布したりして使うこともあります。近年抗腫瘍作用が発見されたことで、今後おおきく消費量を延ばしそうな生薬の一つです。

もちろんその根っこであるゴボウにも似たような作用があります。近年日本ではテレビでゴボウ茶が取り上げられたこともありブームになっているようですが、台湾旅行時に買い込んでお土産にすると喜ばれるかもしれません。

それではレシピです。簡単です。



廣式滷鴨翅│広東式カモ手羽先煮込み

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難易度: 調理時間:1時間以内
本格『廣式滷鴨翅│広東式カモ手羽先煮込み』のレシピです。香辛料をたくさん使って本格的に作ってみます。本場と同じ味付けをぜひお楽しみください。

今回は生薬「陳皮(ちんぴ)」にスポットライトを当てて見ましょう。日本でも七味唐辛子に香辛料として加えられたり、ぬか床の風味付けに使われたりすることからおなじみの陳皮。ミカンの皮を乾燥させたものというのは、多くの人がご存知のとおりです。もともとは「橘皮(きっぴ)」と呼ばれていましたが、古いもの即ち陳旧のものがよいとされるので「陳皮」と名付けられました。特に広東省産のものを「廣陳皮」と呼び、最高級品とされます。


冬に我々がコタツで食べるあのミカンが、陳皮の元になる植物ウンシュウミカン Citrus reticulata です。皮を乾燥させるとそのまま陳皮になります。実は生薬「陳皮」は加工方法が日本と台湾で若干異なります。日本ではそのまま乾燥させたものを主に使いますが、中国の一部、また台湾では一度蒸してから乾燥させたものを主に使います。一度蒸したものは真っ黒なので、日本の陳皮しか知らない方が、台湾で陳皮を購入するとびっくりするかもしれません。

またウンシュウミカンの成熟した果皮を乾燥させたものが「陳皮」ですが、未成熟果実の皮を乾燥させたものは「青皮」と呼び使い分けます。陳皮が理気調中、燥湿化痰の薬であるのに対し、青皮は疏肝破気、散結消滞と効能が異なります。含まれる成分はほとんど同じなのですが、特定の成分の比率の違いが薬効の違いになって現れるようです。不思議ですね。

他にもミカン科の生薬には、枳実、仏手、香櫞、黄柏、呉茱萸、山椒、橙皮など様々なものがあります。枳実、仏手、香櫞は科だけでなく属まで陳皮と同じです。ほかにも中華料理でおなじみ「花椒(この料理でも使います)」もミカン科の植物の果皮ですので覚えておきましょう。拡大してよく見てみるとミカンの皮に似ていることが分かります。

それではレシピいってみましょう。カモの手羽先専用の調合ですのでもちろんカモ肉との相性はピッタリですが、それ以外の肉類を煮込んでも美味です。いろいろなものを煮込むのに使ってください。


杞菊貞蓍茶│杞菊貞蓍茶

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難易度: 調理時間:1時間以内
久しぶりの薬膳飲料、その名も『杞菊貞蓍茶│杞菊貞蓍茶』です。「こきくていぎちゃ」と読みましょう。

枸杞」も「女貞子」も「黄蓍」も簡単に当ブログで触れたことがあるので、本日はもう一つの材料「(杭)菊花」について説明したいと思います。

実は菊花は古くは《神農本草經》に記載されている薬物です。キク科イエギク Chyrsanthemum morifolium Ramat. の頭状花序を乾燥させたもので、中国語での植物名は杭白菊といいます。生薬の別名は白菊花、黃菊花、滁菊花、杭菊花など。白菊花と滁菊花は白い花のもの、黃菊花と杭菊花は黄色い花のものを指します。

台湾を訪れる日本人の皆様は旅行中に絶対に“二度”、図案化された菊を目にする機会がありますが、おわかりでしょうか?そう、パスポートの表紙のマークも菊ですね。日本人には非常に馴染みのある植物です。

菊花は中医学では発散風熱薬に分類され、性味は辛、甘、苦、微寒で、帰経は肺、肝とされます。疏風清熱、平肝明目、解毒の効能があります。日本でも刺身のつまとして食用にされることが多いので、解毒の効能を知っている人も多いかもしれません。近代研究によって殺菌作用と血管拡張作用などが明らかになっており、高血圧や心臓病治療などにも応用されています。

細かくは色によって使い分けたりもします。白いものは清熱、明目、平肝の目的でよく使われ、黄色いものは外感風熱によく使われます。もう一つ似た薬に「野菊花」というものもあるのですが、こちらは解毒の作用が比較的強いとされます。野菊花は C. indicum L. という植物を使います。日本でも菊花茶などの名前で普通にお茶として買えます。入手が容易な生薬の一つです。

菊花は補腎の枸杞と組み合わせて腎陰虚による赤目、のぼせ、めまいなどに効果を発揮します。免疫力を高める女貞子と黄蓍を配しているので、放射線療法などの免疫力を低下させる物理治療中に飲んでもよさそうです。また高血圧によるめまいやふらつきなどがあるときにもいいでしょう。

もちろん菊花を単独で煮出してもうっすらと甘いおいしいお茶が出来ます。菊花茶は口内炎や喉のはれなどにも効果がありますので覚えておきましょう。

というわけで本日のレシピです。女貞子の入手が少し難しいかもしれませんが、ご入用の方はメールでご連絡ください。

黨蔘黃蓍燒鴨│党参黄蓍焼鴨

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難易度:☆ 調理時間:2時間
久しぶりの薬膳料理を!『黨蔘黃蓍燒鴨│党参黄蓍焼鴨』という党参と黄蓍の二大補薬で作る補気の薬膳です。

党参も黄蓍もどちらも非常に使いやすい補薬です。今回は党参について簡単に見てみましょう。

党参の基原植物は Codonopsis pilosula (Franch.) Nannf. といい、古くは人参の代用品として用いられました。始載は《本經逢原》というちょっと珍しい本草書で、人参の説明の後半に山西省に産出する「上黨人參」として登場します。その記載は“產山西太行山者、名上黨人參、雖無甘溫峻補之功、卻有甘平清肺之力、亦不似沙參之性寒專泄肺氣也。”と、わずか一行に過ぎませんが、党参の性質を良く表しています。即ち“甘温峻補の効能はないが、甘平清肺の力がある”というわけです。補中益気の他に後代に入り生津養血の効能も見つかりました。現代では強い免疫機能の増強作用があることも分かっており、様々な免疫疾患にも応用されます。

黄蓍についてはあちこちで紹介しているので今回は詳しくは書きませんが、補気升陽、益衝固表などの効能があります。黄蓍にも党参にも消化機能の増強改善効果があります。また黄蓍も党参もどちらも甘の薬味で、黄蓍は微温、党参は平の薬性ですので、、消化の比較的難しい鴨肉(涼性)を煮込んで食べるにはちょうどいいというわけです。

スープ自体はモヤシを煮込んだようなマメ科(黄蓍)の香ばしさがあり、そしてシソ科(党参)のうっすらさわやかな香りがします。薬用効果も高いですが、とてもおいしい薬膳料理です。

清宮香鍋油│清王宮火鍋油

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難易度: 調理時間:2時間
最近清朝王宮のレシピ集を手に入れてしまったので、そっち系のレシピが続いております。本日は清王宮で作っていたといわれる『清宮香鍋油│清王宮火鍋油』です。『香鍋油』は様々な料理に香り付けに使われる調味料で、紫禁城ではこの油を様々な料理の味付けに使っていたそうで、様々な派生レシピが紹介されています。

この『清宮香鍋油』を使った派生料理ももちろんおいしいですが、何よりこの『清宮香鍋油』自体がすばらしい香りで食欲をそそるので、単品料理としてあえて紹介させていただきます。

中国の古代王朝にはそれぞれ専門の厨房があり、後代によって御前レシピ集(?)が編纂されているものもあります。宮廷レシピは宋代あたりからしっかりとしたものが残されており、現在は書店でも購入ができます。ほとんど研究目的の専門書であるためかなり高価ですが…。

清朝の皇帝が“一日”どれくらいの量の食材を調理して食卓に並べていたか、詳細な資料が残っているので紹介しましょう。もう一度断っておきますがこれが“一日”の食卓に並ぶ食材の量です。

盘肉 22斤、湯肉 5斤、ラード 1斤、羊 2匹、鶏 5匹、鴨 3匹、白菜、キャベツ、香菜、セリ、ニラなどあわせて 19斤、大根など 60本、トウガン 1個、漬物類 30斤、ネギ 6斤、醤油、テンメンジャンなど各種ソース類 各 3斤、酢 2斤、朝夕には主食の肉まん 各8皿(各皿30個)、肉まんそれぞれにソース用のごま油 1斤、ゴマ 1.5合、餡 3合、砂糖、胡桃、ナツメなど 各 12両。その他御茶房が供する茶、牛乳などは、御用牛50頭から取れる毎日 100斤の牛乳、御用井戸から取る清水 12缶、茶葉 10斤など。時代によっても違いますが、清代初期は肉といっても虎、熊、狍、獐、鹿、 山羊、野猪、山鶏、野雉、野鴨など野趣溢れるものを調理していたそうですが、後代になると牛、豚などの家畜肉が増えます。この時代の1斤は約600gです。現在の100人分は越えてるんではないでしょうか。

味付けは材料をぶつ切りにして醤油や香辛料で煮込んだワイルドな満州風、しかし盛り付けには精緻な飾り付けがなされていたそうです。

これが「毎日」の皇帝「一人分」です。 他に皇太后、皇后、太子など、これよりも量は劣りますが、それはそれは豪華な食材を毎日毎日少しずつ食べていたようです。そして食べ残した料理を参考に御侍医が体調を診断して翌日のメニューに反映させたり、間食に養生食を提供したりしていました。

ものによっては現在の中華料理の方がおいしいこともあると思いますが、さすがにこの規模は現在でも真似できるものではありませんね。

そんな清王宮で味付けに使われていた『香鍋油』のレシピです。材料さえあれば簡単に作れますので、興味がある方は再現してみましょう。


[材料] サラダ油 ……… 200cc
鶏油 ……… 250g
ラード ……… 250g
酒 ……… 60cc
花椒 ……… 40g
豆豉 ……… 80g
生姜 ……… 80g
トウガラシ ……… 500g
豆板醤 ……… 150g
白豆蔲 ……… 20g
山奈 ……… 5g
桂皮 ……… 5g
甘草 ………10g
草果 ……… 5g
砂仁 ……… 25g
霊草 ……… 10g
丁香 ……… 5g
月桂葉 ……… 25g
八角 ……… 5g
小茴香 ……… 50g

[作り方]
1.材料を全て鍋に入れ、弱火で1時間、時々かき混ぜながら焦がさないよう加熱する。

2.火を止めて荒熱を取ったらボウルなどに入れ10分ほど置いておく。

3.油の上澄みをすくい取って漉したら完成。

Point!
低温でじっくり成分を抽出しましょう。

このレシピなら油は深い紅色に色づきます。ガラスの瓶などで保存しましょう。ラー油代わりに様々な料理に使えます。

火鍋のほかにも、ラーメンや、魚介類の味付けなどにも使えます。

トウガラシの量は日本人向けには半量程度まで減らした方がよいかもしれません。ちょっとひと手間掛けるなら、割って種を抜いておきましょう。


清宫美容秘方│清王宮美容石鹸

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
思った以上に好評なので美容レシピをもう一つ行って見ましょう。甘口男は美しい女性の味方です!時代は下がって清の末期に紫禁城で使われていたとされる『清宫美容秘方│清王宮美容石鹸』のレシピです。

なんと西太后が若い時から使っていたとされる石鹸(美容秘方)で、たしかに晩年の西太后も年相応の皺やたるみはありますが、皮膚には染み一つありません。この処方のおかげでしょうか?さすがに清朝末期といえば日本はもう大正時代。このころになると写真や海外記者による資料が豊富に残っているため、現代とも比較が出来るのがよいですね。残念ながら西太后は晩年の写真しか残っていませんが、おばあちゃんになった写真を見ても若いころはさぞ美しかったのだろうと想像出来ます。現代では麝香があまりにも高価なためほとんど使いませんが、もし手に入るなら完全な処方を再現したいものです。

この処方は光緒30年(1904年)6月23日に宮廷の御薬房から流出して民間に広まったという曰くが付いています。この時期の紫禁城周りは戦争に、内乱に、権力闘争に、ドロドロのスキャンダルが渦巻いていました。その一環でこの処方も流出したのでしょうか?

またオリジナルの処方では動物の膵臓を使って薬物を固めますが、本レシピでは普通の石鹸に練りこんで作ります。現代版の方が安価で作るのが簡単です。男の私も一度は試してみたい美容処方です。


宋宮面油│宋王宮の美容オイル

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難易度: 調理時間:1時間以内
昨日に引き続き美容のレシピをひとつ。『宋宮面油│宋王宮の美容オイル』というフェイシャルオイルの紹介です。

北宋の太宗趙光義の在位時に王宮で女性らが使っていたとされる美容処方です。現代化粧品に勝るとも劣らないすばらしい配合となっています。外用、しかも美容目的とあって内服で病気の治療では普通使わない珍しい薬物がいくつか使われています。簡単に見てみましょう。

まずは「零陵香」、すばらしい芳香を持つ生薬で解毒、殺菌、血流増加などの効果があります。香りに蚊や蠅などの害虫を遠ざける効果があるとされ、宮廷では観賞用の植物の下草として植えられていたこともあります。

「甘松」は中国南西部からチベットにかけて生えるオミナエシの仲間で、淡い甘味が特徴の生薬。消炎、血流改善の効果があります。

「干胭脂」は特殊な昆虫から取れる赤い色素で、現代でも超高級化粧品用の色素として使われます。宋代も海外から輸入していました。抗酸化作用を持ち、紫外線でも分解しないという特徴があります。近年高級化粧品の需要が高まっていることから価格が跳ね上がっており入手が困難です。

もとの処方では「腊鹅脂」というガチョウの燻製の油を用いますが、質のいい油脂が手に入る現代ではワセリンや他の植物油を使って作るのが現実的でしょう。薬局でワセリンを購入してください。

処方中の藿香、零陵香、山奈、甘松はすばらしい芳香と共に毛穴に詰まった汚れを除き、血流を改善する作用があります。(入手が難しいので使わなくても作れますが)干胭脂は皮膚に赤味を与えると共に肌に停滞した毒気、滞った血液を取り去ります。

本来のレシピ通りで作ると非常に高価になってしまいます(特に「麝香」…)。なくても作れますので、手に入るものだけで試してみましょう。筆者も作ってみたくなりました。

永和公主藥澡豆方│永和姫の洗顔薬

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2014/8/12 記事の一部を改変
2015/4/1 記事の一部を改変
難易度: 製作時間:一瞬
多忙であまり更新できていない薬膳シリーズ、ファンの皆様には申し訳ありません。

「もっとめちゃくちゃ珍しいのとかも紹介してよ」という意見を薬剤師仲間からいただきましたので、少し毛色を変えて、今回は「洗顔薬」の作り方です。

唐代德宗李适の女児である永和公主が洗顔に使っていたとされる薬で、皮膚の水分保持力を高め、血流をよくし、角質を去り、光沢を益すという効果があります。なんとも…現代的というか千年以上前から女性が美容に求めるものはほとんど変わっていないようです。原典は宋代の薬局方である《太平聖惠方》。巻四十の澡豆諸方の項に載っている歴史ある洗顔処方です。

面白いのは皂荚(そうきょう)というマメ科植物のマメの殻を使っていること。学生時代は皂荚は「サポニンという成分を豊富に含み水と振り混ぜるとよく泡立つので、古くは石鹸の代用にした」と習ったものです。当時はまさか本当にこれを使った処方を紹介する日が来るとは思いませんでした(笑)。

作り方が2種類あるので、二つとも紹介しておきます。レシピ2の方が作るの簡単ですが材料の取引が条約により規制されています。

皇帝の娘が使っていたとされる美容のレシピ、皆様でも試してみましょう。

難瓜燉牛肉│カボチャと牛肉の薬膳煮込み

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難易度:☆ 調理時間:2時間
本日の薬膳は『難瓜燉牛肉│カボチャと牛肉の薬膳煮込み』です。

この料理のメインの薬膳材料は「南瓜(カボチャ)」です。中薬材料としてはカボチャの種である「南瓜子」が有名ですが、ここではカボチャ本体を使います。

カボチャは中文で南瓜と書き日本語とまったく同じですが、台湾では「金瓜」などとも記載されます。これ以外にも麥瓜、番南瓜、番瓜、倭瓜、北瓜、金冬瓜、冬瓜、伏瓜、金瓜、飯瓜、老緬瓜、窩瓜、番蒲、瘌瓜、陰瓜など大きさ、色、形状、産地などで分けられた多数の別名を持ちます。

キュウリ、トウガン、スイカ、メロンなどウリ科基源の薬物は性:涼または寒、味:苦のものが多いのですが、カボチャは温、甘の性味を持ち体を温める作用があるのが特徴です。ちなみに同じウリ科でもヘチマは甘、平の性味で、こちらもちょっと特殊です。

伝統的には補中益氣、消炎止痛、解毒殺蟲の効能があるとされ、現代研究によると胃粘膜の保護作用、亜硝酸塩による発ガン作用への抵抗性を高める作用、血糖値の降下作用、成長促進作用、妊娠中の浮腫を改善する作用、血圧降下作用などが見つかっています。

おなじみ《本草綱目》にも南瓜の名前で記載があります。羊肉と一緒に摂ると気の流れを滞らせるので注意とも書かれています。また《滇南本草》という近代の書籍によると、しゃっくりを止めたり、疳の虫を止めたりする効能もあるそうです。

材料も簡単に手に入るので、消化不良や浮腫みでお悩みの方はお試しください。

竹葉粥│竹葉粥

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日の薬膳は『竹葉粥│竹葉粥』というお粥料理、夏バテに聞きます!

使う材料は生薬「竹葉」、漢字のとおり竹の葉、特にハチクの葉を乾燥させたものです。中医学では清熱瀉火薬に分類され、内臓、特に肺や膀胱に溜まった熱を排泄する作用があるといわれています。教科書的な効能は清熱除煩、生津、利尿で、中国で風邪のときに常用される処方「銀翹散」などに配合されています(日本の銀翹散に使われるのは「淡竹葉」ですが、中国ではあまり使い分けません。)

日本でも「竹葉茶」としてお茶にして飲まれることがありますが、今回はそのお茶でお粥を作ってみます。中国では良く使われる薬物で、この『竹葉粥』に石膏や石斛を加えて甲状腺の病気に、緑豆を加えて日射病患者の治療に使ったりしているそうです。

タケの香りがすがすがしい熱さましのお粥です。温かいままでもおいしいですが、体がとても火照っているというときは冷やしてどうぞ!竹葉は粉にしてアイスクリームに練りこんでもおいしいですよ。体の冷やしすぎには要注意!


近くに竹林があれば、生の葉も使えるので作るのはとても簡単です。さわやかな香りが特徴の夏の薬膳です。

姜糖飲│生姜ドリンク

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
お待ちいただいていた薬膳ファンの方!甘口男の薬膳シリーズが戻ってきました!まぁ、他の仕事が忙しかっただけなのですが…、お待たせしました。

さて、今回は『姜糖飲│生姜ドリンク』、いわゆる最もシンプルな形の「生姜湯」になります。1964年に中国で出版された《兒科證治簡要》という書籍に記載されている処方で、書籍名から分かるように大人の病気というよりも小児の血色が悪い、母乳を飲まないなどの症状を改善するために使われます。もちろん生姜本来の力で大人の風邪や冷え症などにも効きます。

ちなみに日本の漢方と中医学とではこの料理で使う「生姜(ショウキョウ)」の加工方法が異なります。日本の漢方では「乾燥させたショウガ」を、中医では漢字の意味そのまま「生のショウガ」を用い、日本の薬剤師が中医学を学ぶときに最初に混乱する原因となっています(笑)。日本の漢方で使う生姜、つまり乾燥させたショウガは中医学では「乾姜(カンキョウ)」と呼び、効能が異なるものとして使い分けます。

日本も中国も色々と歴史的な変遷があって一概には言えないのですが、日本では明治時代に最初の日本薬局方を作るとき、「生姜(ショウキョウ)」を生ではない乾燥品を用いることになりました。これは間違えて記載されたと言うよりも表記の統一をするためであったと考えられ、同じ「乾姜」でも様々な加工方法があり、それぞれ性味が異なるという中国の現状とは一概に比べられません。

さて、生薬としてのショウガは学名を Zingiber officinale と呼び、始載はおなじみ《神農本草経》。“乾薑 味辛溫。主治胸滿咳逆上氣、溫中止血、出汗、逐風濕痹、腸澼下利、生者尤良。久服去臭氣、通神明。生川谷。”と記載されています。現在もほとんど同じ目的で使用し、書籍に記載された当時にはすでにその使い方が確立していたことが推察されます。記録によれば紀元前500年にはすでに中国やインドで栽培されていたそうで長い歴史を持ちます。

ショウガは食材、薬として長い歴史を持ち、現在でも非常に重要な商品作物です。

以前広東省の名物デザートとして紹介した『姜汁撞奶│広東風ショウガプリン』もお忘れなく!


車前草茶│オオバコ茶

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日の薬膳料理…というか日本の民間療法でもあります『車前草茶│オオバコ茶』の作り方を紹介します。やっと日本の漢方でも時々使われる生薬の登場です(笑)。

「車前草」とはオオバコのことで、和名の漢字、またそのまま漢名にもなっています。種子を「車前子」といい、こちらは日本薬局方にも収載されている薬物です。漢字はそのまま、馬車や牛車の車輪の通る路の脇にも生えることから名付けられています。全草に利尿、消炎作用があり、日本でもよく使われる漢方処方「牛車腎気丸」などにも配合されています。「牛車腎気丸」の「車」の字は車前子の車です。

中医学では利水滲湿薬というカテゴリーに分類され、性味は甘、寒で、帰経は腎、肝、肺です。利水消炎の効能の他にも、止瀉、清肝明目、化痰などにも応用されます。慢性気管支炎にオオバコ茶のうがいが有効であったという臨床試験の結果もあります(有効率83.6%)。

オオバコは学名をPlantago asiatica L.といい、その他 Plantago depressa Willd も薬用にします。植物も踏まれて繊維がほぐされると長く延びるという特殊な性質があり、人に踏まれやすいあぜ道などに生えます。全草にゼラチン質が含まれており、水を含むと膨張する性質があります。このため飢饉のときなどオオバコを食べて飢えをしのいだという記録もあるほどです。

日本のどこでも手に入れることができる有用植物と言うのは実はそれほど多くありません。きれいに洗って乾燥させておけば家庭療法にも使える優秀な生薬です。ぜひ作り方を覚えておきましょう。

中薬学テキスト - 第二章 清熱薬 - 第二節 清熱燥湿薬

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第二節  清熱燥湿薬
清熱燥湿が主な作用で、湿熱証及び火熱証に用いる薬物の一群を清熱燥湿薬と呼びます。全ての薬物が清熱瀉火の作用を併せ持ちます。

全ての薬物が寒性を持ちます。

薬味に関しては“苦能燥湿”の薬性理論に基づき、全ての薬物が苦味を持ちます。この他秦皮は収斂作用を持ち、渋味を併せ持ちます。

 清熱燥湿薬が治療する湿熱及び火熱の部位は薬物ごとに異なり、帰経もそれぞれの薬物ごとに違います。清熱燥湿薬のうち、黄芩、黄連、黄柏、秦皮、苦参は湿熱瀉痢に効果があるため大腸経に属します。黄芩は清肺胃胆の効能があり、肺、胃、胆経にも属します。黄連は心胃の火を清め、肝の火を鎮める効能があり、心、肝、胃経にも属します。黄柏は腎火、膀胱の湿熱を取り除く効能があり、腎、膀胱経にも属します。竜胆草は肝胆の実熱を瀉し、下焦膀胱の湿熱を清める効能があり、肝、胆、膀胱経に属します。秦皮は清肝明目の効能があり、肝、胆経にも属し、苦参は心、肝、胃、膀胱経にも属します。白鮮皮は脾、胃経に属します。

以上をまとめると下の表のようになります。
薬物
薬性
薬味
帰経
大腸
膀胱
その他
黄芩


黄連


黄柏



竜胆草


秦皮
苦、渋



苦参

白鮮皮






清熱瀉火薬よりも更に体の熱を取り去る作用があり、薬性は全て寒、薬味はすべて苦であることを覚えましょう。帰経は少し複雑ですが、主に消化管や排泄器官に作用し、体の中に溜まった湿熱を排泄する作用があると覚えておくと分かりやすいです。このカテゴリーに属する黄芩、黄連、黄柏の三種の薬物は非常に重要です。それぞれの違いも覚えましょう。

黄芩
清熱燥湿、瀉火解毒、止血、安胎の効能があります。性味は苦、寒で、帰経は肺、胆、胃、大腸です。上焦の湿熱、実熱、肺胆の火をよく冷ます効果が特徴の薬物です。湿熱がたまり湿熱病となり、発熱して汗が出て、胸が苦しい、黄疸があり下痢をするなどの症状に用います。また肺熱による咳、熱病による口の渇き、寒熱往来などの証に常用されます。涼血解毒の作用も持ち、血の熱毒を取り除きます。癰腫瘡毒、咽喉腫痛、吐血、胎熱不安などにも常用されます。
黄連
清熱燥湿、瀉火解毒の効能があります。性味は苦、寒で、帰経は心、肝、胃、大腸です。性味は大苦、大寒とされ、清熱燥湿の作用は強大で黄芩に勝り、清熱燥湿薬の要薬とされます。中焦の湿火鬱結を清める力に優れ、胃腸の湿熱による下痢や嘔吐に用いられます。瀉火解毒の効能も非常に強く、胃火による歯痛、飢餓感、肝火による脇痛、心火による不眠、煩悩、熱邪による吐血、下血、鼻血などに用います。また癰腫瘡毒、火傷、耳痛、眼痛などにも用いられます。
黄柏
清熱燥湿、瀉火解毒、清退虚熱の効能があります。性味は苦、寒で、帰経は腎、膀胱、大腸です。下焦の湿熱を清め、虚熱を除く作用もあります。女性の湿熱が下がっておりものが悪臭を放つもの、脚気、足腰膝の腫痛などを治します。また膀胱に入って湿熱を冷まし、小便時に灼熱感があるものなどにも用います。腸胃肝胆の湿熱による黄疸、下痢や発熱、寝汗、遺精などの陰虚証にも用います。清熱燥湿、瀉火解毒は体表にも効果があり、瘡瘍腫痛、湿疹湿瘡、陰部の痒み、腫れなどにも用います。

黄芩、黄連、黄柏はどれも苦、寒の性質を持ち、清熱燥湿、瀉火解毒の効能があります。この三薬はどれも湿熱、火毒が引き起こす黄疸、下痢、瘡癰腫痛、湿疹湿瘡などの証に用います。黄芩は上焦の湿熱をよく清め、湿温暑湿、湿熱が胸につかえるものに多用されます。また黄芩は肺と胆の火を清める作用があり、止血、安胎の効果を持ちます。これにより排熱による咳、寒熱往来、血熱による吐血、下血、鼻血、胎熱不安などの証にも用います。黄連は大苦、大寒の性味をもち、清熱燥湿の力が非常に強いのが特徴です。中焦の湿熱を冷ます効果に優れ、胃腸の湿熱による下痢にはまず黄連が使用されます。また黄連は心胃を清める作用にも優れ、イライラや吐き気を止めるのに使います。また肝火による高熱、不眠、口内炎、胃熱による吐き気、飢餓感、胸焼け、眼、耳の腫れや痛みなどにも用います。黄柏は下焦の熱を除く作用があり、おりものの悪臭や脚気、脚腰膝の痛み、小便時に灼熱感があるものなどに多用されます。また黄柏には清虚熱の効能もあり、陰虚による発熱、寝汗、遺精にも用いられます。
竜胆草
清熱燥湿、瀉肝定驚の効能があります。性味は苦、寒で、帰経は肝、胆、膀胱、ときに肝、胆、胃です。性味は大苦、大寒ともされます。下焦の湿熱を除き、肝胆の実火を清める力に優れます。湿熱が下がって陰部の痒み、女性のおりものの黄変、男性の陰嚢腫痛や湿疹、黄疸、尿赤を引き起こしたものに多用されます。また肝火による頭痛、眼の充血、耳鳴り、味覚異常、肝火が極まり風を生んで、高熱で精神が定まらないもの、手足の筋肉がつるものなどの証に用います。

竜胆草と夏枯草はどちらも苦、寒の性味をもち、肝経、胆経に入ります。どちらも肝火上炎による頭痛眩暈、眼の充血や腫痛に用います。竜胆草は肝胆の実熱を除く作用に優れ、肝火が極まって高熱、錯乱、手足の筋肉がつるものなどに用います。夏枯草は辛味も持っており、肝火を清める作用は竜胆草には及びませんが、鬱結を散らす働きは勝ります。また夏枯草は肝火鬱結による、痰、首肩の痛み、嬰瘤など、さらに高血圧症にも用いられます。
秦皮
清熱涼血薬に分類されることもあります。清熱燥湿、解毒、清肝明目、平喘止咳の効能があります。性味は苦、渋、寒で、帰経は肝、胆、大腸です。収斂作用があり、下痢、下帯、特に熱毒による下痢、湿熱による帯下に常用されます。肝熱を冷ます力も優れ、目の充血、腫れ、痛みにも用います。
苦参
清熱燥湿、去風殺虫、利尿の効能があります。性味は苦、寒で、帰経は心、肝、胃、大腸、膀胱です。下焦の湿熱を除く作用に優れ、黄柏、竜胆草とよく似ています。殺虫、止痒の目的で外用されることもあります。湿熱を小便により排泄する作用があり、湿熱が下がっておりものに色が付いたもの、陰部が腫れて痒みがあるもの、湿疹、疥癬、妊娠中の小便不利、小便時に熱感や痛みがあるものなどに用います。

竜胆草と苦参はどちらも下焦の湿熱、肝胆の湿熱を除く作用があります。竜胆草は肝胆の実火を除く力に優れ、肝火による頭痛、目の充血、眩暈、脇の痛み、味覚異常に常用されます。また肝火が極まり風を生み、高熱でうなされるもの、手足がつるものなどにも用います。苦参は殺虫止痒の効果があり、また利尿作用にも優れます。湿疹や疥癬、妊娠小便不利、熱淋渋痛などの証にも用いられます。
白鮮皮
清熱涼血薬に分類されることもあります。清熱解毒湿熱、止痒の効能があります。性味は苦、寒で、帰経は胃、脾です。特に皮膚科で湿熱による瘡瘍に常用されます。瘡に膿が溜まったもの、肌が湿熱により糜爛したもの、陰部の腫れ、湿疹、風疹、皮膚炎などに用います。煎じ液を外用することもあります。

用法用量と注意
清熱燥湿薬のうち秦皮だけは渋味を持ち、収斂作用を持つことに注意しましょう。

全ての薬物が苦寒の性味を持ちます。用量が多すぎると容易に胃腸を傷害するので、用量が多くなりすぎないよう注意しましょう。

脾胃虚寒の症状には基本的に使用しません。また陰虚津傷のものには慎重に用いましょう。

黄芩は清熱に用いるときはそのまま、特に上焦の熱を清めるときは酒炒のものを、安胎に用いるときは炒めたもの、止血に用いるときは炭炒のものを用います。また黄芩は基原植物が古いものを枯芩、若い者を条芩と呼びわけ、枯芩は肺火を清める力が、条芩は大腸の火を清め、下焦の湿熱を除く作用に優れるとされます。

黄連は炒めることで寒性を低下させることが出来ます。またショウガ汁で黄連を炙ると胃火を鎮め吐き気を止める力を増します。また上焦の火を清めるには酒炙のものを、肝胆実火を瀉するには豚の胆汁で炒めたものを用います。

黄柏は清熱燥湿解毒にはそのまま、瀉水除蒸退熱には塩水で炙ったものを、止血には炭化させたものを用います。


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燕窩湯│燕の巣ジュース

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難易度: 調理時間:30分以内
薬膳料理『燕窩湯│燕の巣ジュース』です。

中国三大珍味の一つ「燕の巣」、皆さんも一度くらいは聞いたことがあることでしょう。台湾でもお土産品として有名です。漢方薬局に行けばガラスケースに飾られていたりします。

燕の巣に関しては過去の記事で詳しく説明しているので、今回は取り上げません。ここでは燕の巣の栄養や薬効について解説したいと思います。

もともとうっすらと赤や黄の色が付いているのが普通で、市場で出回るような真っ白な燕の巣は多くが漂白処理がされたもの。雑物が少なく白いものは「官燕」と呼ばれ、かなり珍重されます。赤色が付いているものは「血燕」と呼ばれ、色が付くのは「巣を作るまで子供を埋めないので血を吐いてでも作り上げるため」という俗説がありますが、実際は岸壁に含まれる鉄分が雨などで溶け出して巣に浸み込み色が付いたものです。血燕は最高級品とされ非常に高価です。

主成分はムチンでクニクニとした独特の食感が特徴。IL-6やEGF、FGFなど多くのサイトカイン成分を含有し、特に女性の美容に効果があるといわれており、高価ながら非常に人気があります。

古くから薬用に用いられている薬物でもあります。《本草綱目拾遺》から記載を抜き出してみましょう。

燕窩
素燕窩 一名燕菜蔬。

從新云:出漳泉沿海處有之、乃燕銜小魚、春壘之窩中、人取之。
閩小記云:燕取小魚、粘之於石、久而成 窩、有烏、白、紅三色、烏色品最下、紅者最難得、能益小兒痘疹、白色能愈痰疾。
泉南雜志:閩之遠海近番處、有燕名金絲者、首尾似燕而甚小、毛如金絲、臨卵 育子時、群飛近沙汐泥有石處、啄蠶螺食之。蠶螺背上肉有兩筋、如楓蠶絲、堅潔而白、食之可補虛損、已痢癆症。此燕食之、肉化而筋不化、並津液嘔出、結為小窩、附石上、久之與小雛鼓翼而飛、海人依時拾之、故曰燕窩也。似此則形狀功用時候族類、俱有可信。
嶺南雜記:燕窩有數種、日本以為菜蔬供僧。此乃海燕食海邊蟲、蟲背有筋不化、複吐出而為窩、綴於海山石壁之上、土人攀援取之、春取者白、夏取者黃、秋冬不可取、取之則燕無所棲凍死、次年無窩矣。

(中略)

味甘淡平、大養肺陰、化痰止嗽、補而能清、為調理虛損勞瘵之聖藥。一切病之由於肺虛不能清肅下行者、用此皆可治之。開胃氣、已勞痢、益小兒痘疹、可入煎藥、或單煮汁服。

(中略)

老年痰喘 文堂集驗方:用秋白梨一個(去心)、入燕窩一錢(先用滾水泡)、再入冰糖一錢蒸熟、每日早晨服下、勿間斷、神效。 噤口痢。
救生苦海:白燕窩二錢、人參四分、水七分、隔湯頓熟、徐徐食之、立效。

(後略)

《本草綱目拾遺》は1765年、清の時代に書かれた書物です。現在と同じように赤いものを最上品としてたようですね。当時の日本の僧は燕の巣を野菜として食べていたようです。

後ろのほうにはまさに薬膳料理としか言いようのないレシピが記載されています。清肺の効能を持つナシと一緒に煮込んで毎朝飲めば、老人の痰や咳に神効があると書かれています。今回紹介する料理とも似ているので、ナシの季節になれば試して見ましょう。

材料を手に入れるのが難しいかもしれませんが、非常に美容効果が高いのでぜひ一度は試していただきたい薬膳料理です。

品質により重量あたりの価格が変わるので一概には言えませんが、30gで5000-7000円ほどします。

中薬学テキスト - 第二章 清熱薬 ‐ 第一節 清熱瀉火薬

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第1節    清熱瀉火薬
気の邪熱を排泄する作用を主とし、気実熱証に用いる薬物を清熱瀉火薬と呼びます。

清熱瀉火薬の薬性は“寒能清熱”の薬性理論に基づきほとんどが寒で、決明子、密蒙花、青葙子は微寒、穀精草のみが涼よりの平です。

大多数の薬物の薬味は甘ですが、梔子、夏枯草、青葙子の薬味は苦です。このほかにも石膏は解肌退熱、夏枯草は散結の効能から辛味、知母、天花粉、鴨跖草、決明子は排熱の効能から苦の薬味を併せ持ちます。また竹葉、淡竹葉は通利小便の効能から淡味も持ちます。また寒水石の薬味は通常辛、鹹とされます。穀精草は甘の薬味を持ちます。

清熱瀉火薬はそれぞれ異なる作用部位を持ち、帰経は多岐にわたります。肺熱、胃熱、心火、肝火などが引き起こすそれぞれの臓腑の火熱証ごとに薬物の帰経が異なります。石膏、知母、蘆根、天花粉、鴨跖草、梔子は肺胃気の邪熱を清めるので肺、胃経に属します。夏枯草、決明子、密蒙花、青葙子は清肝明目の効能があり肝経に属します。竹葉、淡竹葉は清心排熱、除煩止渇、滲湿利尿の効能があり、心、胃、小腸経に属します。この他、知母は滋腎陰、潤腎燥、退骨蒸の効能から腎経にも、鴨跖草は利水消腫の効能から膀胱経にも、梔子は清心、肝、肺、胃、三焦の熱を除くことから心、肝、三焦経にも、夏枯草は清肝胆火の効能から胆経にも、決明子は益腎陰、潤腸通便の効能から腎、大腸経にも属します。寒水石は心、胃、腎経に属します。穀精草は肝、胃経に属します。

以上をまとめると下の表のようになります。

薬物
薬性
薬味
帰経
小腸
その他
石膏
甘、辛




寒水石
辛、鹹



知母
甘、苦



蘆根




天花粉
甘、苦




竹葉
甘、淡


淡竹葉
甘、淡



鴨跖草
甘、苦



膀胱
梔子

三焦
夏枯草




決明子
微寒
甘、苦




腎、大腸
密蒙花
微寒





青葙子
微寒





穀精草






熱を冷ます薬効を持つだけあって、ほぼ全ての薬物が寒の薬性を持ちます。また帰経はそれぞれの薬物の作用部位をほぼそのまま表しており、それぞれの薬物の特徴ともなっています。全ての薬物が胃と肝経のどちらかに帰属し、また胃経に属するもののほとんどは肺経にも属します。違いをしっかり覚えましょう。

それぞれの薬物の特徴を見てみましょう。

石膏
清熱瀉火、除煩止渇、収斂生肌の効能があります。性味は甘、辛、大寒で、帰経は肺、胃です。特に強力な清熱作用を持つため大寒の性味をもちます。臨床では肺胃の実熱を取り去る実熱の要薬です。温熱病で壮熱、煩渇、汗出、脈:洪大などの肺胃気の実熱証に常用され、また邪熱が肺に溜まったもの、呼吸過多、粘る痰、肺熱の咳、胃熱による胃のむかつき、頭痛、歯痛などにも使われます。温邪が気と血の両方に入ってしまった場合、石膏は清熱涼血薬と配合して用いられます。また石膏を炙ると清熱収湿、斂瘡生肌の効能が出てきます。このため粉末にして、長引く瘡瘍潰爛の傷口や、熱湯や直火による熱を持った火傷などに塗布し外用して用いたりもします。
寒水石
清熱瀉火の効能があります。性味は鹹、辛、大寒で、帰経は胃、腎、心ですが、時に胃と腎のみとされます。石膏と同じく大寒の薬性を持ち、常用はされませんが丹毒や火傷に内服、または外用されます。
知母
清熱瀉火、滋陰潤燥の効能があります。性味は甘、苦、寒で、帰経は肺、胃、腎です。寒の薬性で熱を清め、甘の性味で陰を潤します。清熱の力は石膏より劣りますが、滋陰燥湿の作用は勝ります。上は肺熱を冷まして潤し、中は胃熱を清め津液を生み、下は腎火を瀉するという、上中下の三焦すべてに効果のある薬物です。また清実、虚熱の両方に用いることができるという特徴があります。熱病の邪熱が亢進し、壮熱、煩渇、脈:洪大などの肺胃実熱証、肺熱の咳、陰虚の乾いた咳、陰虚火旺、骨蒸潮熱、盗汗心煩、陰虚消乾、腸燥便秘などの証に用います。
石膏、知母はどちらも性:寒で、肺、胃経に属し、清熱瀉火、除煩止渇の効能があります。気の温熱病邪で、壮熱、煩乾、汗出、脈:洪大などの肺胃気の実熱証、また肺熱の咳などに用います。石膏の瀉火力は知母よりも強力で、肺胃の実火を清める方に効能が偏っており、肺熱の咳、胃熱によるむかつき、頭痛、歯痛などに多用されます。また加熱した石膏は収斂生肌の作用があり、外用にも用いられます。対して知母は滋陰潤燥の力が強く、肺胃の燥を滋潤する作用に効能が偏っており、陰虚の咳、陰虚による喉の渇きなどに多用されます。また知母は腎経にも入るので、腎火を鎮め、潤腸通便の効能も持ちます。陰虚火旺、骨蒸潮熱や腸燥便秘などの証に用いるのも特徴です。
蘆根
清熱生津、除煩止嘔、利尿、透疹の効能があります。性味は甘、寒、また潤で、帰経は肺、胃です。肺と胃の熱を取り去り、渇きを止め、熱毒を除いて吐き気を止める作用があります。熱病で津液が不足しているものなどに常用され、煩熱口渇、舌赤少津、胃熱嘔逆、肺熱の咳、肺癰吐膿などの証に用います。この他清熱利尿、透疹の効能もあり、小便短赤、熱淋渋痛などの証にも用います。
天花粉
清熱生津、清肺潤燥、解毒消癰の効能があります。性味は苦、甘、寒で、帰経は肺、胃です。効能は蘆根に似ており、清熱の効果は蘆根に劣りますが、生津の効果は勝るとされます。熱病で津液が不足するもの、口燥煩渇、陰虚内熱、消渇多飲などの証に用います。天花粉は清熱解毒、消癰排膿の効能もあり、癰腫瘡瘍などの傷口に外科的に用いることがあります。また近年は出産や子宮の各種病気に数々の研究報告があり、出産時の出血を軽減したり、子宮外妊娠、流産体質の改善、子宮がんなどにも用いられます。
蘆根と天花粉はどちらも甘、寒の性味を持ち清熱生津、除煩止渇の効能があります。熱病が津液の不足を招いたもの、肺胃熱で口が渇くもの、肺熱の咳などに同じように用いられます。清熱の力は蘆根が勝り、清肺去痰、排膿、清胃止嘔、清熱利尿などの効果に優れます。生津の力は天花粉が勝り、陰虚内熱、消渇多飲、空咳などには天花粉が常用されます。天花粉には解毒消癰の効果もあり外用され、また各種子宮の疾患などにも用いられます。
竹葉
清熱除煩、生津、利尿の効能があります。性味は甘、淡、寒で、帰経は心、胃、小腸ですが、時に肺、心、胃として、淡竹葉と区別することもあります。清心、清胃熱の効果に優れているとされ、心火による気分の悪さや胃熱による口の渇きによく用いられます。また熱病による津液の不足や、心火による口渇、口内炎などにも用います。
淡竹葉
清熱除煩、利尿通淋の効能があります。性味は甘、淡、寒で、帰経は心、胃、小腸です。清心泄熱の効果に優れているとされ、熱病による津液の不足や、心火による口渇、口内炎などに用います。また熱が小腸に到ったものにも用いられます。滲湿泄熱の効果に優れ浮腫で尿量の少ないもの、また黄疸で尿が赤くなったものなどにも用います。
竹葉と淡竹葉はどちらも甘、淡、寒の性味を持ち、どちらも帰経は心、胃、小腸とされます。どちらも熱病による津液不足による煩熱口渇、また心火上炎による口内炎、心熱が小腸に到ったことによる小便短赤渋痛などに用います。どちらもよく似た効能を持ちますが、竹葉は清心除煩に長け、淡竹葉は清熱利尿に長けているとされます。また竹葉は風熱の邪を冷まして除く作用を期待して、外感風熱で口渇のあるものなどにも用いられます。この他に、竹葉の幼葉を竹葉巻心と呼び、清心火の作用に更に優れているとされ、熱病の邪が心包にまで到り、昏倒したものなどに多用されます。
鴨跖草
清熱解毒、利尿通淋の効能があります。性味は、甘、苦、寒で、帰経は肺、胃、膀胱です。温病の初期で邪が衛に入り、熱が気に入ったものによく用いられます。高熱を出して喉が渇いたり、喉が痺れたり、浮腫みや小便痛があるものなどに用います。
梔子
瀉火除煩、清熱利湿、涼血解毒の効能があります。性味は苦、寒で、帰経は肺、胃、肝、三焦、時に心をくわえます。梔子は薬効がゆっくりと下降して、肺、胃、肝、三焦の熱を小便として出すという特徴があります。また気の熱を冷まして煩を除き、血の熱を冷まして解毒するという気血両方の清熱効果があるという特徴もあります。熱病による煩悶や、湿熱による黄疸、血熱による出血、吐血、ニキビ、打撲などに常用されます。
夏枯草
清肝火、散鬱結、降血圧の効能があります。性味は苦、寒で、帰経は肝、胆です。肝胆の鬱火を除く効能に優れ、特に肝火の上昇による目の充血、眼球痛、涙目、頭痛などに常用される清肝明目の良薬とされます。肝火が凝結した肩こりや疲労、子宮筋腫などにも用いられます。現代では高血圧症で肝熱陽亢のものによく用いられます。
決明子
平肝息風薬に分類されることもあります。清肝明目、平肝潜陽、潤腸通便の効能があります。性味は甘、苦、微寒で、帰経は肝、腎、大腸、時に肝、大腸のみです。肝火を排泄し、腎の陰気を益す作用に優れ、明目の佳品と呼ばれます。肝の実火を清め、目の腫れや充血、痛み、腎気不足による視力低下など眼科での実虚両方の証に用いられます。また潤腸通便、降血圧の効能もあり、内熱による便秘や肝熱亢進による高血圧にも用いられます。
夏枯草と決明子はどちらも清肝明目、降血圧の効能があり、肝火上炎による目の充血や高血圧などに用いられます。夏枯草は清肝火の力が強く、肝火鬱結による肩こりや子宮筋腫などに用いられます。決明子は益腎陽の作用に優れ、眼科の実虚両方の証に用いることができます。また清熱潤腸通便の効能もあり内熱による腸の乾燥が原因の便秘に用いられることもあります。
密蒙花
清肝、明目退翳の効能があります。性味は甘、微寒で、帰経は肝です。
青葙子
清肝瀉火、明目退翳の効能があります。性味は苦、微寒で、帰経は肝です。
密蒙花と青葙子はどちらも夏枯草、決明子などと同じように眼科の処方によく用いられる薬物です。密蒙花は清肝熱の効果に優れまた、弱い養血の作用があるとされ、虚実どちらの証にも用いられます。青葙子は清泄肝火の力が比較的強く、高血圧などの合併症があり、肝火の亢進したものに用いられます。
穀精草
疏散風熱、明目退陰の効能があります。性味は甘、平で、帰経は肝、胃です。眼科の疾患に多用されます。また風熱の頭痛、歯痛、喉の痺れなどに時々用いられます。

木賊、谷精草にも明目退翳の効能があり、肝火上炎による目の充血、涙目などに用います。木賊は疏風の力が比較的強く、また止血や痔にも用い、谷精草は清熱の力が比較的強いという違いがあります。

用法用量と注意
石膏の辛寒清解、知母の甘寒滋潤、蘆根と天花粉の甘寒生津、竹葉と淡竹葉の甘淡利湿、梔子の苦寒清降の効能と薬味は必ず覚えておきましょう。どれも常用される薬物です。

石膏は鉱物薬で毒性がないため煎液では15-60gほどの大量を用いることがあります。砕いて他の薬物よりも先に煎じると良いとされます。また外用時は炙ってから粉にして用います。また大寒の性質を持つため、脾胃の虚寒及び陰虚内熱のものには使ってはいけません。

知母は寒性で潤質であり、潤腸の効能があります。脾虚で便が泥状のものにはあまり使いません。

天花粉には子宮収縮効果があり、妊婦には禁忌とされます。また天花粉は別名を栝楼根といい、栝楼と同一の植物が基原となっています。このため栝楼と反するとされる烏頭とは同時に用いません。

決明子を通便の目的で用いる場合は、炙る時間を短くしたものがよいとされます。また気虚で便が泥状のものには用いません。

青葙子は瞳孔拡大作用があり、緑内障には禁忌とされます。

生石膏は清熱瀉火、除煩止渇の効能に優れ、焼石膏は収斂生肌の効能に優れます。知母は清熱瀉火にはそのまま、滋陰降火には塩水で炙ってから使うと良いとされます。蘆根は新鮮なものの方が作用が強く、乾燥品は新鮮なものよりも効果が劣るとされます。梔子はそのまま用いると気の瀉火に、黒炒したものは血の瀉火に優れるとされます。

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