佛跳牆│中華いろいろ乾物煮込み、フォーティァオチャン、ぶっとびスープ
台湾の結婚式や祝いの席で出される定番料理である『佛跳牆│中華いろいろ乾物煮込みスープ、フォーティァオチャン』。この珍しい名前は「修行中の仏教徒(佛)が寺の塀(牆)を飛び越えて(跳)食べに来る」が由来だといわれており、その名前に劣らず非常に濃厚で食欲をそそる香りが特徴の乾物主体のスープ料理です。とある旅行会社が命名したという「ぶっとびスープ」という日本名もあります。仏跳(ぶつとぶ)と驚きの意味をかけてぶっとびなのでしょうが、高級料理っぽくないので筆者は余り好きではありません。
料理としての名前は『佛跳牆』ですが決まったレシピがあるわけではなく、どの食材を必ず入れなければならないというわけでもありません。高級料理店の佛跳牆となればまず予約が必要で、その時に予算も一緒に告げます。乾物主体のスープなので、もどす時間も必要で、予算に合わせて料理人が材料を選んで作る料理です。高齢者の誕生日などで家族そろって高級料理を食べたりする時にはびっくりする値段と材料(アワビ、フカヒレなど)を使った佛跳牆を食べるそうです。
昔は一般人が食べるのは難しいほどの高級料理の代名詞でしたが、今では冷凍食品も多く出回っており、スーパーで購入して家で煮込むだけでそれなりのものを食べることができます。
かく言う私も正月1月1日の夕食として冷凍の佛跳牆を買ってきて食べました。日本円にして600円くらいで高級店とは10倍以上も値段が違いますが、なかなかおいしく食べることができました。台湾に長期滞在される方は、冷凍の佛跳牆もお試しください。そして短期旅行中の方は料理店で本物の佛跳牆を食べてみましょう。一口飲むだけで帰国しても思い出しては口中に唾があふれるそんな料理になることうけあいです。
今日は日本でも手に入る材料を使って、それなりにおいしい、そして家計にもやさしい佛跳牆を作ってみたいと思います。
難易度:
☆☆☆
調理時間:
3時間+下準備
材料:
里芋 ……… 350g
栗 ……… 20個
(調理済みの甘栗を使ってもOK)
タケノコ ……… 100g
キクラゲ ……… 20g
白菜 ……… 200g
豚足 ……… 5本
豚ばら肉 ……… 100g
干しシイタケ ……… 5個
ウズラの卵 ……… 5個
鶏もも肉 ……… 2本
材料2:(高級感を出したいなら好みで加える)
干しアワビ ……… 1-2個
フカヒレ ……… 2枚
調味料:
胡椒 ……… 少々
ブイヨンスープ ……… 1000cc
ごま油 ……… 小さじ1
醤油 ……… 大さじ2
塩 ……… 少々
下準備:
1.もし使うなら干しアワビ、フカヒレを水で戻しておく。
2.星シイタケは水で戻しておく。栗は水に4時間ほどつけて置き殻と皮を剥く。
作り方:
1.里芋の皮を剥き、半分に切り分ける。200度の油で表面がきつね色になるまで揚げて取り出しておく。豚ばら肉は食べやすい大きさに切り、200度の油で表面の色が変わるまで揚げ、取り出して油を切る。ウズラの卵は茹でて殻を剥いた後、卵と小麦粉をまぶして表面の色が変わるまで油で炒めておく。
2.タケノコ、キクラゲは糸状、もしくは板状に切る。白菜はぶつ切りにし、一度熱湯をかけたあと氷水に付けて冷やす。
3.豚足、鶏もも肉はぶつ切りにし、沸騰したお湯にくぐらせて血抜きをする。
4.土鍋に里芋、アワビ、シイタケ、豚足、豚ばら肉、鶏もも肉、白菜、栗を敷き詰め、調味料を加える。上にフカヒレ、タケノコ、キクラゲをのせる。乾物の戻し水も加える。
5.土鍋に耐熱のラップを張り、器ごと蒸し器に入れ2時間以上蒸して完成。(Point参照)
Point:
里芋の皮は厚めに剥きましょう。
ウズラのゆで卵は要はてんぷらにします。
作り方5は直火で煮込んでもOK。材料が焦げないように弱火でじっくり煮込みましょう。 本来は甕(かめ)というそこの深い壷に入れて蒸します。蒸して作るときはより長い時間蒸すとそれだけおいしくなります。
スープにはすこしとろみが付きます。
好みの乾物を加えて味に深みを出しましょう。高級店では朝鮮人参やクコ、棗なども加えます。日本で簡単に手に入りそうな乾物なら干し貝柱、干し肉(ジャーキー)、干しエイ、煮干、干しエビ、スルメなど、魚介類の干物を加えて作れるとおもいます。乾物はどんどん加えましょう。シイタケ以外のキノコ類も相性がいいので、松茸、舞茸(色がでるので一度湯通ししてから)などもいいかもしれません。またXO醤や金華ハムもくわえることがあります。
決まった作り方は無いので、乾物を戻す→白菜と豚肉と一緒に煮込む or 蒸すでOK。
材料は節約するも好し、奮発するも好しであなた次第の料理です。
2 コメント :
沢山レシピを公開してくださってありがとうございます!私は台湾が大好きでよく遊びに行くのですが、帰ってきて「また食べたいな」と思ってもなかなか自分では再現できず、ということがしばしばでした。日本なら何となくこんな感じかな?と作れるのですが、台湾だとなじみの薄い調味料や香辛料を使っていたりするので少々難しくて。
しかも先日BSの番組で台湾特集を見た父が、「なんか、ぶっ飛びスープとかいうの知ってる?うまそうだったよ」などど言い出しまして。父は高齢で持病もあり、台湾に連れて行ってあげることは出来ないので私が作ってあげるしかないと思ってレシピを探したところ、こちらのブログを見つけました。材料はちょっとだけ奮発して、次の休みに作ってみます!他の料理にも順次挑戦予定です!御礼の気持ちをお伝えしたくてコメントさせていただきました(^^)
コメントありがとうございます。
この佛跳牆は、少々手間がかかりますが、出来上がると驚くほど濃厚な本当においしいスープです。
佛跳牆でお父様が喜びになられることを祈っています。
これからもおいしいレシピを紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
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