難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
浙江省は紹興酒で有名な紹興市の名物料理『紹蝦球│浙江風エビの素揚げ』のレシピを紹介します。素揚げとはいえかなり技巧をこらしてあるので、シンプルな見た目とは裏腹に素材のうまみを楽しめます。
もともとこの『紹蝦球』は100年ほど前に紹興市にあった「雅堂酒店」というホテルで作られました。開発された当時は『蝦肉打蛋』という名前で呼ばれており、宴席料理として非常に有名だったそうです。元々はエビの肉に卵を加工した糸状の衣を纏わせて揚げたもので、テンメンジャンを添えて食べる料理だったそうですが、その後数名の料理人の改良を経て現在のような形になりました。当初のものとは大きく形が変わっています。
紹興酒で有名な紹興市は中国浙江省にある都市です。紹興とは宋代の紹興元年(1131年)に越州という府が置かれたのが地名の由来です。それ以前にも越国(中国南方の異民族)文化発祥の地として長い歴史があり、6000年以上前から人類が居住していた遺跡も残っているそうです。《阿Q正伝》などの作者魯迅の出身地としても有名です。
紹興酒があまりにも有名ですが、紡績業が非常に盛んな都市で、現在世界中で交易が行われる半分以上の繊維が浙江省紹興市から輸出されたものだそうです。というより紹興市の紡績業によって浙江省の大半のGDPを稼ぎ出しているといった方がいいでしょうか。
繊維、紡績に興味がある方はぜひ浙江省紹興市にある「中国軽紡城」という産業センターを訪れてみましょう。あの巨大な中国において最初に「中国」の名を冠した専門市場です。その規模はきっとわれわれの想像以上でしょうね。筆者がいつか訪れてみたい場所の一つです。
[材料]
エビ ……… 300g
アスパラガス ……… 200g
トウガラシ ……… 1本
シイタケ ……… 3個
中華スープ ……… 適量
[調味料1]
卵白 ……… 1/2個分
コーンスターチ ……… 小さじ1/2
塩 ……… 少々
[調味料2]
酒 ……… 大さじ1
中華スープ ……… 大さじ2
塩 ……… 小さじ1/2
水溶き片栗粉 ……… 大さじ2
ごま油 ……… 少々
[作り方]
1.エビはきれいに殻をむき背中の中心に包丁を入れ背ワタを抜いておく。更に腹側から背中側の切れ目とは別に二本切れ目を入れる(→Point参照)。身を広げたらすべての調味料1と混ぜ合わせて5分ほど漬けおく。アスパラガスを食べやすい大きさに切る。シイタケのいしづきを除き、うす切りにする。トウガラシの種を抜きぶつ切りにする。
2.熱した鍋に大さじ1のサラダ油(分量外)をひき、アスパラガスを炒めて火を通す。火が通ったらアスパラガスが浸かるくらいの中華スープを入れ、蓋をして沸騰させて二分ほど弱火で煮込む。煮込んだアスパラガスは取り出しておく。
3.作り方1のエビの身を150度に熱した油で30秒ほど身が白くなるまで揚げる(→Point参照)。エビを取り出して油を切っておく。この鍋に少量の油を残し、作り方1のシイタケ、トウガラシを入れて香りを出したら、エビの身を鍋に戻す。すべての調味料2を鍋に入れて味を調えたら、作り方2のアスパラガスを加えて他の具材と混ぜ合わせ、器に盛りつけて完成。
Point!
エビの身がW型になるよう包丁を入れます。背ワタを抜いた部分が下側中央の切れ込みで、腹側から両側に一本ずつ切れ込みを入れて身を開いてください。
揚げる時点ではエビに芯に生の部分がうっすら残るくらいの火の通し方でOKです。
アスパラガスを煮込んだ少量の中華スープは使いません。捨ててください。
紹蝦球│浙江風エビの素揚げ
●
2015年8月30日日曜日
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