難易度:☆ 調理時間:2時間
ピリリと辛味を効かせたスープで牛肉の唐揚げを煮込んで作る『炸滷牛肉│牛肉揚げのあんかけソース煮込み』のレシピを紹介します。七味唐辛子は料理に直接かけるだけでなく、煮込み料理にも使えます。
香辛料の歴史は非常に古く、インドでは紀元前3000年にはすでに栽培、利用されていたことがわかっています。紀元前の頃はアジアとヨーロッパが自由に行き来できた時代で、徐々ではありますがヨーロッパに香辛料がその存在を多くの西洋人が知ることとなりました。1世紀ごろにはシルクロードを通じて多くの香辛料がヨーロッパにもたらされ、ヨーロッパでも割りと普通に香辛料を使った料理が楽しめていたようです。水が乏しい地域ではほとんど沐浴の習慣がなく、肉食の問題もあって体臭が大きな問題となっていた地域ではこれでもかと香辛料を使った香りの強い料理が発達しました。
しかし中世ヨーロッパでは香辛料を巡る様相が一変します。ローマ崩壊、十字軍などにより東西の交流が途絶えると、香辛料の価格は跳ね上がり、貴金属のように取り扱われることとなります。特にオスマントルコの勃興により陸上の香辛料交易が途絶えると、ヨーロッパ諸国はこぞって海上ルートの開拓に力を入れ始めました。大航海時代の始まりです。
バスコダガマ、コロンブス、カブラル、マゼランなど、世界史に名を残す航海士らが次々と新世界を発見、新航路を開拓。その後の歴史は皆さんのご存知の通りです。そして当時の列強らはついに東インド会社を通じて経済的にインドを支配、特にオランダの影響は台湾にまで及び、台湾のオランダ統治時代として教科書にも載っています。当時のオランダが残した遺跡は現在まで多く残されており、台湾南部の重要な観光資源となっています。
こうして世界の地図を一変させた香辛料の交易はなんと19世紀中ごろ、冷蔵技術が発明されるまで栄えました。
香辛料が世界史に与えた影響は計り知れません。香辛料は他にも宗教、美術、紅茶、造船、そして経済、哲学などおよそ考えられうるありとあらゆる分野に多大な影響を与えました。もちろんヨーロッパとアジアを結ぶ地域の料理も大幅に変化したのは疑いようがありません。
今でこそ豊富な香辛料を手軽に楽しめますが、それら一つ一つの香辛料の裏には世界を巡る様々なストーリーが隠されていることをお忘れなく。
[材料]
牛肉 ……… 1000g
タマネギ ……… 1個
トマト ……… 1個
ネギ ……… 30g
ショウガ ……… 10g
ニンニク ……… 4個
七味唐辛子 ……… 15g
小茴香(フェンネル) ……… 5g
草果(カルダモン) ……… 1個
水 ……… 1200cc
[調味料]
小麦粉 ……… 大さじ2
片栗粉 ……… 大さじ2
醤油 ……… 大さじ2
塩 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 大さじ1
酒 ……… 大さじ1
[作り方]
1.牛肉をさいの目に切っておく。タマネギを食べやすい大きさに切る。トマトをさいの目に切る。ネギをぶつ切りにする。ショウガをうす切りにし、包丁の腹で叩いておく。ニンニクを叩いてつぶしておく。七味唐辛子、小茴香、草果をティーパックにいれておく。
2.牛肉に小麦粉と片栗粉をまぶし、160度に熱した油で1分ほど火が通るまで揚げておく。火が通ったら取り出して油を切っておく。
3.鍋に水を入れ、作り方1の香辛料入りティーッパックとしょうゆ、塩、砂糖、酒を加えて沸騰させる。沸騰したら作り方2の牛肉と残りすべての材料をいれ、弱火で90分ほど煮込んで完成。
Point!
七味唐辛子の一部をその他の香辛料に変えると風味が変わります。その他の香辛料をお持ちの方はいろいろな組み合わせをお楽しみください。
炸滷牛肉│牛肉揚げのあんかけソース煮込み
●
2015年7月27日月曜日
登録:
コメントの投稿
(
Atom
)
Search this blog
シリーズ
レシピ電子書籍紹介
About this blog
人気の投稿
-
2016年8月31日 クジの引き方と解説のお願いについて追記 台湾旅行時の楽しみの一つといえば現地の有名な寺廟をめぐってのおみくじ引き。台北市の 龍山寺 や行天宮は人気の観光スポットの一つです。いろいろな神様にお参りして、願いを届けた後はその願いに対する神様からのお告げ、お...
-
観世音霊籤百首 第四十六首 上平 勸君耐守舊生涯 把定身心莫聽邪 直待有人輕著力 滿園枯木再開花 意訳: 勸君耐守舊生涯 今以上の発展を望むなら今までのやり方を変えてはいけない。 把定身心莫聽邪 心身を定めてこそ邪な意見が聞こえてこなくなるのだ。 ...
-
観世音霊籤百首 第一首 上上 天開地闢結良緣 日吉時良萬事全 若得此籤非小可 人行中正帝王宣 意訳: 天開地闢結良緣 これは天を開き地を闢くよい時期である。 日吉時良萬事全 吉祥の時分であり、各種の条件は全て整っている。 若得此籤非小可 この籤を...
-
観世音霊籤百首 第四十一首 無限好事君須記 恰如認賊作為子 莫貪眼下有些甜 可慮他時還受苦 意訳: 無限好事君須記 物事に絶対はない。 恰如認賊作為子 盗人を自分の子供として育てるようなものだ。 莫貪眼下有些甜 目の前のうまい話に飛びついたり...
-
観世音霊籤百首 第三十六首 上上 目前病訟不須憂 實地資財儘可求 恰好繫猿今脫鎖 得歸仙洞去來遊 意訳: 目前病訟不須憂 目の前の病気、訴訟は心配することはない。 實地資財儘可求 今できることだけをやるだけでいい。 恰好繫猿今脫鎖 手足の鎖をは...
-
観世音霊籤百首 第三十一首 清閑無事靜處坐 飢時吃飯困時臥 放下身心不用忙 必定不遭殃與禍 意訳: 清閑無事靜處坐 静かに座って安穏の時を過ごすがよい。 飢時吃飯困時臥 腹が減ったら飯を食べ、困ったときは横になるのだ。 放下身心不用忙 心身を...
-
観世音霊籤百首 第十六首 中上 攢眉思慮暫時開 咫尺雲開見日來 宛如汙泥中片玉 良工一舉出塵埃 意訳: 攢眉思慮暫時開 混迷の時はしばらくおちつくだろう。 咫尺雲開見日來 曇り空からも光が差す。 宛如汙泥中片玉 泥の中から宝の原石を見つけ出し...
-
観世音霊籤百首 第二十六首 平 上下傳來事總虛 天邊接得一封書 書中許我功名事 直待終時亦是無 意訳: 上下傳來事總虛 上から下から伝わってくる情報は全て中身がないものばかりである。 天邊接得一封書 天に一通の手紙が届くだろう。 書中許我功名事 ...
-
観世音霊籤百首 第九十六首 上上 巍巍寶塔不尋常 八面玲瓏盡放光 勸汝志心勤頂禮 天龍擁護降千祥 意訳: 巍巍寶塔不尋常 今のあなたは普通ではない。 八面玲瓏盡放光 あらゆる方面に光を放つ。 勸汝志心勤頂禮 後は天に祈りを捧げよ。 ...
-
観世音霊籤百首 第五十一首 上平 夏日初臨日正長 人皆愁惱熱非常 天公也解諸人意 故遣薰風特送涼 意訳: 夏日初臨日正長 夏の日は一年でもっとも長い。 人皆愁惱熱非常 人は皆暑さに苦労するものだ。 天公也解諸人意 そんな時天は人々の意を汲み、 ...
材料で探す
調理方法で探す
Powered by Blogger.
0 コメント :
コメントを投稿