本日はちょっと珍しい料理である『五更腸旺│五更腸旺、四川風台湾豚モツ炒め』という料理を紹介します。
台湾で発明された四川料理というなんとも説明が難しい料理で、日本で言う『天津飯』や『酢豚』のような、当地中華というと分かりやすいでしょうか。台湾にある四川料理のレストランなどで食べられます。もちろん本場四川省にこの料理はありません。
本場四川省でこの料理に最も近いのは『毛血旺』と呼ばれる料理で、数十年前に重慶の王さん(一説によると毛さん)という人の奥さんが、毎日廃棄される腸などの内臓や骨などの部位を何とか再利用できないかと考案した料理が元になっているとされています。通常は捨ててしまう豚の血を使った「豚血(米血糕のようなもの)」も一緒に煮込んで作り、四方に広がる光を表す「旺(食欲旺盛の旺)」の字を加えて当初は「豬血旺」と呼ばれていた料理が出来上がりました。その後この料理が有名になり、『毛血旺』と呼ばれるようになったと言われています。
…どっかで聞いたことのあるような話ですが、この料理を参考にして台湾では「鴨血」、花椒、豚モツ、白菜の塩漬けなどを使って開発された料理がこの『五更腸旺』です。レシピはすでに『毛血旺』の原形を留めないほど違っており、豚モツくらいしか同じものはありません。
名前にある「五更」とは早朝3時から5時までの時間のことで、年越しのときこの時間まで元気で盛り上がって過ごそうという意味がこめられています。もともとは年越しの際に食べる年菜の一種なのです。「腸」の字には長久の「長」の意味もこめられているといいます。
今では台湾ですっかり定着してしまった四川料理である『五更腸旺』ですが、何度も言うように四川省では食べられません。もし台湾の四川料理店を訪れる機会があれば、ぜひ一度味わってみてください。
おっと、レシピを紹介したので日本でも作れるんでした…。ガスコンロと土鍋でつくってテーブルに置くと食卓が一気に賑やかになりますよ。
難易度:
☆☆
調理時間:
30分以内
材料:
鴨血 ……… 150g
豚モツ ……… 1本(300g)
白菜塩漬け ……… 30g
葉ニンニク ……… 1本
(ない場合はネギやニラで代用してください。)
ショウガ ……… 10g
ニンニク ……… 2個
花椒 ……… 小さじ1/2
調味料:
ラー油 ……… 大さじ2
中華スープ ………200cc
砂糖 ……… 小さじ1/2
酢 ……… 小さじ1
ごま油 ……… 小さじ1
水溶き片栗粉 ……… 小さじ1
作り方:
1.鴨血は良く洗ってさいの目に切る。豚モツは塩(分量外)で揉んでおき3-4cmの長さに切る。白菜塩漬けはみじん切りにする。鴨血、豚モツ、白菜塩漬けを沸騰したお湯にくぐらせて火を通し、網などですくい取って水気を切っておく。
2.葉ニンニクを千切りにする。ショウガとニンニクはみじん切りにする。
3.熱した鍋に大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、ショウガとニンニクを炒めて香りを出す。ラー油と花椒を加えて弱火で軽くいためたら、中華スープを加えて沸騰させる。
4.鴨血、豚モツ、白菜塩漬け、砂糖、酢を加え1分ほど煮込んだら、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。葉ニンニクを混ぜ、ごま油を振りかけて完成。
Point:
塩気は中華スープで調節します。日本のダシでも作れると思うので、味付けはいろいろと試してみてください。
糸状に切ったショウガを使う場合もあります。食材の切り方は好きにアレンジしてください。
日本では鴨血の入手が難しいと思います。手に入らない場合は思い切って豆腐などで代用してみましょう。
少量のケチャップを加えた方が日本人好みの味付けになると思います。お好みでどうぞ。
薄切りにしたマッシュルームなどを加えるとより豪華になります。
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