翡翠蛋炒飯│チンゲンサイのチャーハン

難易度：☆　調理時間：一瞬
本日は「中餐丙級證照」シリーズより『翡翠蛋炒飯│チンゲンサイのチャーハン』という料理のレシピを紹介します。

とても簡単に作れるのですが非常に美しい料理で、チンゲンサイのとてもよい香りがします。中国語名にある「翡翠」とは、皆さんご存知カワセミ…ではなくそのままヒスイの意味です。

中国大陸や台湾ではお土産として翡翠のアクセサリーがたくさん売られています。台北市で土日に開かれる建国玉市などを訪れたことのある方も多いのではないでしょうか？さて、ほとんどの方がご存じないと思いますが、中国のヒスイについて幾つかの事実をお知らせしておきましょう。

「翡翠」と呼ばれる宝石は大きく分けて二種類、「軟玉」と「硬玉」に分けられます。どちらも宝石としての組成はまったく異なり別の石なのですが、色が似ているため同じ「翡翠」の名前で呼ばれます。宝石とされるのは硬玉”のみ”で、軟玉は半貴石に分類します。台湾故宮博物館にある有名な「翡翠の白菜」はこの硬玉で作られていますが、博物館のその他の翡翠の玉器はほとんどが軟玉です。

そして重要なことに中国では翡翠の硬玉は産出しません。中国、そして台湾、更には韓国で手に入る硬玉はすべて輸入品で、本物は非常に高価でほとんどは鑑定書がつきます。市場やお土産屋さんで売られている値札のついている翡翠は全て軟玉（もしくは偽物）であることに注意しましょう。さらに現在は別の石を染色して見かけだけは翡翠と区別できないものを簡単に作れるようになっています。実際に手にとって見ただけでは人間の眼では鑑別ができません。市場で翡翠を購入する場合、買い手どころか売り手の側も本物かどうかをその場で判断できないのです(科学的にははっきりと鑑別できます)。観光客が知っておくには少々残酷な現実ですが、まぁ…、そんなもんです。アジアの市場で翡翠を購入する場合は、それが本物の軟玉であることを祈りましょう。

台湾では多少良心的なことに、偽物の染色翡翠には「○○翡翠」という別の名詞、特に国名が頭につけて売られています。たとえば美国翡翠、韓国翡翠などですが、これらはすべて染色された別の石なので、購入する場合はこれらを理解した上でどうぞ。

もうひとつ…韓国でも土産物屋などで翡翠を売っていることがあります。ほぼ100パーセント偽物です。これは台湾で売られている韓国翡翠と呼ばれるものと同じなのですが、蛇紋石を緑に染めたもの、またはそのままの蛇紋石です。見た目が似ているので韓国ではこれも翡翠と呼び古くは珍重しました。市場に出回っているものはほとんどこれです。こちらも理解の上購入しましょう。

日本の一部地域では硬玉が産出します。経済的に意味のある規模ではありませんが、これは地球規模でかなり珍しいことなのです。お近くにお住まいの方は、探しに…(大体自治体で禁止されていると思いますが)、いや、太古の地殻のロマンを感じに訪れてみてはいかがでしょうか？硬玉が産出するのはアジアでは日本以外に、ミャンマーしかありません。日本で古代「玉」として使われたヒスイはほとんどが硬玉なのです。けっこう貴重です。

というわけで料理とは関係ない知識でしたが、鉱物ロマンを感じていただけたでしょうか？ 今日の料理は紹介した翡翠のようにチンゲンサイの緑が美しいチャーハンです。簡単な料理ですが、地球の内部と悠久の時を感じながらご賞味ください。

[材料]
ご飯 ……… 400g
チンゲンサイ(葉) ……… 3枚
卵 ……… 2個
ニンニク ……… １個

[調味料] 塩 ……… 小さじ1
味の素 ……… 小さじ１/４
胡椒 ……… 少々

[作り方]
1．ニンニクはみじん切りにする。チンゲンサイの葉はよく洗って細かくみじん切りにする。卵は溶いておく。

2．熱した鍋に大さじ1のサラダ油(分量外)をひき、溶いた卵を炒めて焦がさないように軽く火を通す。

3．作り方2の卵を鍋の縁に寄せ大さじ2のサラダ油(分量外)を追加し、ニンニクを炒めて香りを出す。続いてチンゲンサイ、ご飯、全ての調味料を入れて卵と混ぜ合わせて完成。

Point!

チンゲンサイはこれでもかというくらいみじん切りにしてください。米粒の表面に葉の緑が張り付いて美しい翡翠色になります。

卵に火が通りきる前に鍋の端に寄せておきます。ニンニクの香りが出るのと同時にオムレツの卵が出来上がる感じです。

チャーハン系の基本として最初から最後まで強火というのがありますが、卵とニンニクを炒めるまでは弱-中火でもよいでしょう。ご飯を入れてからはもちろん強火です。

あとは好みの緑色の材料を使ってアレンジしてください。

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