本日の料理はみんな大好き客家料理から『客家小炒│客家炒め』のレシピを紹介します。以前紹介した同名料理とはすこし作り方が違うので比べてみてください。
今までたくさんの客家料理を紹介してきましたが、ここで台湾の客家についておさらいしておきましょう。明末から清初期にかけて台湾に移住してきた漢人の出身地は大きく分けて福建省泉州、福建省漳州、広東省潮州、広東省恵州に分けられます。比率で分けると泉州45%、漳州35%、広東省がまとめて16%、そしてその他となっています。この広東省出身の16%の人々が、いわゆる客家人です。
客家の人々は他民族の文化と容易に混合せず、現在に至るまで台湾で独自の文化を育んできました。もともと台湾料理とは上記泉州と漳州の人々が伝えた福建料理がベースになっていますが、この広東省の人々が伝えた客家料理も立派な台湾料理なのです。当初「泉港、漳中、粵(広東)山」といわれたように、それぞれの地域出身者の定住先はほぼ決まっていました。時々苛烈な民族間の衝突を起こしながらも、移住者たちは台湾を開拓していくのです。その後日本による統治、国民党の遷台などの大きな変革を経験し現在の台湾につながります。
さて「粵(広東)山」といわれたように、当初客家人が移住してきた先は山間部や農耕に適さない土地ばかりでした。現在の新竹や苗栗などの山間地域がこれにあたります。これらの場所で客家の人々は茶葉の栽培や樟脳の採取、そして木工や彫金などで生計を立て、時に原住民らと交易を行いながら生活してきました。台湾に適応しながらも独自の文化を守り続けてきた客家の人々は、その料理にも福建省の料理とは異なる独自の哲学を感じさせます。しかも美味しい!
今回紹介する『客家小炒』は客家料理を代表する料理の一つです。客家料理のレストランだけでなく熱炒店でも食べられるほど台湾に浸透しています。台湾旅行時にはぜひ味わってみてください。
難易度:
☆☆
調理時間:
30分以内+下準備半日
材料:
豚ばら肉 ……… 150g
スルメ ……… 半分
岩豆腐 ……… 150g
(なければ厚揚げか普通の豆腐で代用する)
干しエビ ……… 10g
ネギ ……… 30g
ショウガ ……… 10g
ニンニク ……… 10g
トウガラシ ……… 1本
調味料:
醤油 ……… 大さじ1
塩 ……… 小さじ1/4
砂糖 ……… 小さじ1/2
酒 ……… 大さじ1
胡椒 ……… 少々
下準備:
1.スルメを幅1cm、長さ6-7cmの短冊状に切り、3時間から半日水に漬けてやわらかくしておく。
作り方:
1.豚ばら肉と岩豆腐を小指くらいの大きさに切り分ける。干しエビはみじん切りにしておく。
2.熱した鍋に多めにサラダ油(分量外)をひき、作り方1の豚ばら肉と岩豆腐を炒める。火が通ったら豚肉と岩豆腐を取り出し、油を切っておく。
3.鍋に大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、みじん切りにしたショウガ、ニンニクを炒めて香りを出す。続いてぶつ切りにしたネギを加え香りを出したら、下準備しておいたスルメを加えサッと炒める。作り方2の豚バラ肉と岩豆腐を加えてざっくり混ぜ合わせたら、調味料を加えて味を調えたら完成。
Point:
火から下ろす最後に葉ニンニクをぶつ切りにしたのを加えると本格的です。
材料さえ揃えば数分で作れてしまうのですが、スルメの処理に時間がかかります。日本で作るなら岩豆腐の購入が一番のネックになるでしょう。普通の豆腐か厚揚げなどで代用してください。
以前同じ材料を全てみじん切りにして、ご飯と卵と絡め『客家小炒飯』を作ってみましたが、好評でした。
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