八大菜系第六弾は蘇菜(江蘇料理)から『無錫排骨│無錫カルビ』のレシピを紹介します。昨日までの八大地域の料理とはちょっと違い、今回は俗っぽい(?)料理です。
江蘇料理は日本でも有名な文学都市蘇州や、旧首都である南京などの料理を含み旬の素材を調理する淡白な味付けが特徴です。上海料理の原型にもなっています。
『無錫排骨』の無錫とは蘇州の隣にある無錫市のこと。その名の通り「錫が無い」を意味する地名なのですが、その昔は反対に有錫と呼ばれ「錫が有る」を意味していました。そのため武器や農具の加工で非常に発展しましたが、紀元前までに錫を掘り尽くしてしまい無錫と呼ばれるようになったといいます。大躍進政策や文化大革命で壊滅的な打撃を受けて経済的にも貧しい土地になっていましたが、近年は工業、観光都市として国が力を入れて発展を後押ししているため、見事な巨大都市に生まれ変わりました。
80年代から大量の観光客が押し寄せ、無錫の飲食店はそれぞれ熾烈な競争を繰り広げるようになります。どうすれば観光客の目を引けるか、どうすれば食べやすく、そして美味しく作れるか、各店の苛烈な新料理の開発競争が始まります。中国人の食に関する執念はすさまじいもので、清朝末期に無錫市で人気を博していた『無錫肉骨頭』という料理に改良に改良を重ねついに『無錫排骨』が完成します。精肉店の余った材料でも作れ、原価が安く、観光客が歩きながらでも食べられ、しかも美味い。見事に大ヒットした『無錫排骨』は今でも当地の人気料理として観光客の胃袋を鷲掴みにしています。
結構簡単に作れるので、日本でもそのまま再現が可能です。日本でも売れると思いますので小さなお店を構えてみるのもいいかもしれませんね。それではレシピいきます。
難易度:
☆☆
調理時間:
30分以内
材料:
豚骨付きばら肉 ……… 300g
ネギ ……… 1本
ショウガ ……… 100g
桂皮 ……… 0.5g
八角 ……… 1個
水 ……… 100cc
調味料1:
醤油 ……… 大さじ2
調味料2:
水溶き片栗粉 ……… 大さじ1
調味料3:
固形ブイヨン ……… 小さじ1
酒 ……… 大さじ2
砂糖 ……… 大さじ1
ケチャップ ……… 大さじ3
塩 ……… 少々
作り方:
1.ネギはよく洗い、包丁の背で叩いて繊維を砕きぶつ切りにする。ショウガはよく洗い薄切りにする。
2.豚骨付きばら肉は一本一本バラバラに切り分け、長すぎる場合は10-15cmくらいの長さに切り、調味料1とよく混ぜ合わせておく。(→Point参照)
3.適量の油(分量外)を140度に熱し、豚骨付きばら肉を入れて全面が黄色になるまで揚げる。火が通ったら取り出して油を切っておく。
4.別の鍋に大さじ1の油をひき、ネギとショウガを炒めて香りを出す。作り方3の豚骨付きばら肉と、桂皮、八角を加え、強火で軽く炒めたら水を加えて一気に沸騰させ中火で蒸すようにして水量が半分になるまで煮込む。ネギ、ショウガ、桂皮、八角を取り出したら汁が煮詰まるまで加熱し、調味料2の水溶き片栗粉を加えてとろみをつけ、最後に調味料3を加えて肉に味を絡めたら完成。
Point:
豚肉をまず沸騰したお湯にくぐらせて血抜きをし、酒と醤油をまぶして作る方法もあります。お好みでどうぞ。
手に持って食べる場合は、肉から骨をずらして骨部分を手で持って食べます。
いわゆる「江蘇料理」はこの『無錫排骨』とはぜんぜん違います。機会があれば紹介したいと思います。
ちなみに台北でも江蘇料理が食べられます。
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