八大菜系シリーズ第五弾は浙菜(浙江料理)から『金銀滿倉』というすばらしい名前の料理を紹介します。
浙江省は東部を海に面し、北部には網目のように水路が張り巡らされ、南西部には丘陵地帯(日本とはスケールが違います)が広がる土地で、山野の幸、海川の幸が豊富に取れる食材天国。観光や『トンポーロウ』で有名な杭州、お酒で有名な紹興、そして台湾ではワンタンでおなじみの温州などが有名な都市です。
中国には「上(天)に天堂(天国)あれば、下(地)に蘇杭あり」の諺があるほど風光明媚、なによりその豊かな食材は中華随一で、浙江省で獲れる水産物だけでも500種類を超えるといいます。じっくりと時間をかけて食材の味を引き出すように調理する料理が多く、精緻な飾り包丁や美しい装飾が施されているのも特徴です。
本日紹介する料理は名前もめでたい『金銀滿倉』という料理、干し貝柱と大根、そしてブロッコリーだけで作るシンプルかつ美しい料理です。貝柱が金、大根が銀をそれぞれ表しています。日本で言う『餅』のような縁起を担ぐための料理です。ぜひ、レシピに忠実に作っていただきたいと思います(笑)。
それではレシピいって見ましょう。
難易度:
☆☆
調理時間:
1時間以内
材料:
大根 ……… 半分
干し貝柱 ………9個
ブロッコリー ……… 適量
調味料:
酒 ……… 大さじ1
熱水 ……… 100cc
塩 ……… 小さじ1
ごま油 ……… 小さじ1
固形ブイヨン ……… 小さじ1
水溶き片栗粉 ……… 小さじ1
作り方:
1.干し貝柱をよく洗い、熱水と酒を加えて30分浸けておく。浸けておいた水は後で使うので捨てないで取っておく。
2.大根の皮をむき、厚さ3cmの輪切りにする(先端部分は使わない)。クッキー型などで大根をくりぬき、大きさをそろえる。
3.大根の中心に干し貝柱と同じ大きさの穴をくり抜く。作り方1の貝柱をこの穴に置き、平たい耐熱容器に輪になるように並べる。
4.器ごと蒸し器に入れ強火で30分蒸す。取り出すときに器に溜まっている汁を別の皿に取り分けておく。ブロッコリーはよく洗い沸騰したお湯でゆでて火を通しておく。
5.作り方4の汁と作り方1で干し貝柱を浸けておいた水、塩、ごま油、固形ブイヨンを混ぜ合わせ鍋に入れ沸騰させる。沸騰したら火を止め水溶き片栗粉でとろみをつける。
6.大根と貝柱を環に並べた中心に作り方4で火を通したブロッコリーを置き、作り方5のソースをブロッコリーの上からかけて完成。
Point:
ソースにはつけるとろみはさらさらと流れる程度です。流れるソースが最後にブロッコリーの味を引き出し絡めて、器に広がります。
干し貝柱の旨みがガツンと脳に響くほどおいしい料理です。ぜひ一度味わってみてください。
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