難易度:☆ 調理時間:30分以内
「中餐丙級證照」シリーズから『香菇燴蝦仁│シイタケとエビの中華風あんかけ』のレシピを紹介します。シイタケのだし汁のあんかけと揚げたエビをあわせて作る料理です。
シイタケの主要なうま味成分は「グアニル酸」という化合物です。今回は色々なうま味成分についてざっと見てみましょう。
我々がうま味を感じる「だし成分」はグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などに分けられます。
グルタミン酸はコンブに代表される乾燥させた海の幸に豊富に含まれるうま味成分で、小麦の「グルテン」から発見されたことでこの名がつけられました。人体では神経伝達物質としても使われるアミノ酸の一種です。このグルタミン酸が長く繋がったものを「ポリグルタミン酸」と呼ぶのですが、これが納豆の粘りの正体です。味の素などのうま味調味料にはナトリウムと結合させた「グルタミン酸ナトリウム」の形で入っています。
イノシン酸はアミノ酸ではなくヌクレオチドの一種で、煮干や鰹節のうま味成分です。イノシン一リン酸(IMP、Inosine monophosphate)とも表記されます。 ちょっと難しいことを書くと、このIMPは生体内ではプリンヌクレオチドの代謝中間生成物として、AMPとGMPの分岐点になる重要な化合物で、生化学や薬理学では非常に重要な化合物の一つ。生体にはIMPからAMP、GMPを生合成する酵素があるのですが、この酵素を阻害するのがアザチオプリンという免疫抑制剤。薬剤師なら誰もが知っている非常に有名な薬です。6-MP…とか習いましたねぇ…。
グアニル酸は上に書いたイノシン酸が代謝されてできるGMPのことです。グアノシン一リン酸(Guanosine monophosphate)とも言います。シイタケのうま味成分のほとんどをこのグアニル酸が占めます。
他にもコハク酸などの有機酸にも強いうま味があり、またこれらが相乗することによって人体は更に強いうま味を感じることができるそうです。うま味成分としては30種類ほどの化合物が知られています。また近年はクエン酸などの酸味成分に単独ではうま味を感じないが、うま味を増強させる作用があることが発見されてもいます。「味」というものを科学的に追求していくのも面白そうですね。
[材料]
干しシイタケ ……… 6個
エビ ……… 300g
ネギ ……… 30g
ショウガ ……… 5g
[調味料1]
醤油 ……… 小さじ1/4
塩 ……… 少々
砂糖 ……… 小さじ1/4
ごま油 ……… 少々
水 ……… 300cc
[調味料2]
[調味料3]
水溶き片栗粉 ……… 小さじ1
[作り方]
1.ネギを段切りにする。ショウガをみじん切りにする。シイタケを水に浸けて戻し、薄切りにしておく。
2.エビの殻を剥いて頭、尾、背ワタを取り除き、すべての調味料2と混ぜ合わせる。
3.鍋に適量のサラダ油(分量外)を入れて150度ほどに熱し、作り方2のエビを揚げて火を通す。エビに火が通ったら取り出して油を切っておく。
4.作り方3の鍋に少量の油を残し、シイタケ、ネギ、ショウガを炒めて香を出す。続いてすべての調味料1と作り方3のエビを加え、水溶き片栗粉でとろみを付けたら完成。
Point!
シイタケの戻し汁は調味料1の水を使い、その後の調理にそれを使いましょう。出汁が出ます。
エビは強火で炒めて火を通しても良いのですが、その場合は片栗粉ではなく小麦粉を使いましょう。片栗粉を使って炒めて作ると鍋にくっつきます。
調味料1に少量の中華スープの素などを加えても美味です。
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