開陽炒粄條│干しエビ風味焼ききし麵

難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は「中餐丙級證照」シリーズから『開陽炒粄條│開陽炒粄條│干しエビ風味焼ききし麵』という料理を紹介します。このシリーズも始めて長いことになりますが、まだまだ半分も終わってません。いつ終わるんでしょうか(笑)。

今回は「台湾料理」と呼ばれる物を歴史的にかんたんにまとめてみましょう。

長い歴史を持つ中国ですが、実は明朝末までは現在の台湾本島は領外とされ、王朝の支配が正式には及んではいませんでした。台湾には数十の部族に分かれた「原住民」らや、大陸の王朝支配から逃れた漢人、更には日本や東南アジアの海賊たちが隠れ住む土地で、まさに暗黒の島。この時代から残されている「原住民料理」も素朴ですが広義の台湾料理に数えられます。

そしてオランダ東インド会社による数十年の支配を受けた後、明王族の末裔と鄭成功が台湾南部に逃れてきて台湾の漢族による統治が始まります。鄭成功一族による台湾統治は清王朝による攻撃もありこれまた数十年で終焉を迎えますが、これ以降清王朝は台湾の漢化を進め、ほとんど未開の地であった台湾へ移民政策を進めます。、福建省、そして広東省から公式に多くの漢人たちが台湾に移住し「福建料理」、そして「客家料理」を台湾にもたらすのです。

そうして300年ほど清朝の統治を受けるわけですが、この時に台湾の風土に合わせて新たに生まれた料理も数多くあります。そして1895年から50年間日本による統治を受けます。近代化が進み新たな食材と日本風の味付けがもたらされ、多くの新しい料理が開発されます。現在われわれ日本人に「台湾料理」としてなじみがある料理は、この日本統治時代に開発されたものが少なくありません。

そして1950年代、国民党政府の遷台に伴って、中国大陸全土から多くの優秀な料理人たちが台湾に渡ってきます。よほどマイナーな地域の料理でない限りは、中国各地の料理のほとんどが台湾で食べられるといっても過言ではありません。中国全土から集まった一流の料理人たちは、時に伝統を守り、時にお互い交流しながら、特に台北地方で各地の料理の腕を磨きました。今では四川、広東、湖南、北京、江蘇、上海、山東、陕西、浙江、香港、雲南など(安徽以外の…)あらゆる地域の本格的な中華料理が、手軽に食べられます。

そしてナイトマーケットで売られる多くのファストフードと、街角で買えるドリンクなど、これらを全て含めて「台湾料理」と呼ぶのです。解説書や人によっては福建料理の一部であるとしますが、似て非なるものと考えた方がいいでしょう。台湾料理はそれほど独特で、多様で、複雑なのです。

中国語が読めるという方は、台湾史の教科書を一度読んでみることをお勧めします。日本史や中国史ほど長くなく、近代以降は日本との関連も強いので非常に面白く読めます。

本日は客家の粄條(米粉で作ったきし麵)と開陽(干しエビ)を炒めた料理、日本で作るなら幅広の麺や餃子の皮を切って使いましょう。客家料理らしくオイスターソースと醤油がきいた濃い目の味付けです。サラダやスープとあわせてお楽しみください。


[材料]
干しエビ ……… 40g
きし麵 ……… 3玉
 (なければ餃子の皮を幅2cmに切って使うか、普通の麺を使う)
タマネギ ……… 1/3玉
モヤシ ……… 100g
豚肉 ……… 80g

[調味料]
オイスターソース ……… 大さじ1
醤油 ……… 大さじ1
胡椒 ……… 小さじ1
味の素 ……… 小さじ1/4
ごま油 ……… 小さじ1

[作り方]
1.干しエビは少量の水に10分ほど浸けてやわらかくしておく(→Point参照)。モヤシは良く洗っておく。タマネギは千切りにする。きし麵は茹でて火を通しておく。

2.豚肉はみじん切りにするか、薄切りにし、食べやすい大きさに切りそろえ、少量の醤油に10分ほど漬けて置く。

3.熱した鍋に大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、作り方1の干しエビと作り方2の豚肉を加えて、豚肉に火が通るまで炒める。続いてタマネギともやしを加えてサッと炒めた後、きし麵と残りの調味料、干しエビを戻した水を加えて中火で汁気がなくなるまで炒めて完成。

Point!
調理に使った材料はエビの戻し汁まで全て使い切ります。客家の精神で作りましょう(笑)。

干しエビを戻すときの水は最小限にしましょう。多すぎると最後の工程で麺が延びてしまいます。

好みでピーマンやニンジンの千切りを加えて作ってください。


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