豆瓣醬煮鯊魚│サメ肉の豆板醤煮込み

本日は『豆瓣醬煮鯊魚│サメ肉の豆板醤煮込み』というちょっと珍しい料理を紹介します。名前の通りサメ肉を使った中華料理です。

サメは日本の「因幡の白ウサギ」の神話に登場するほど、古代からその獰猛さを恐れられていた動物です。恐ろしいイメージのある動物である一方、一部地域では神に捧げる生贄としてその肉が珍重され食されてきました。今までサメ肉はかまぼこに加工されることが多かったようですが、その肉質は高蛋白、低脂肪、低カロリーで、骨は全て軟骨、子供でも骨を気にせず食べられ、大人の健康に良さそうです。近年は食肉としての地位を見直されています。

「サメ軟骨」 の名で健康食品としても利用されるサメは近年需要が高まり、特定の種は絶滅の危機にすら瀕している動物の一種です。しかしそのイメージの悪さから余り保護は進んでいないようです。人に危害を加えるサメはホオジロザメなどのごく一部なのですが…、いろんな映画のせいでどうも恐ろしいイメージが固まってしまったようです。悲劇の動物と呼ばれる日が来ないことを祈りましょう。

需要が高まっている一番の原因はなんと言っても中華料理のフカヒレ。あまりに珍重しすぎて中国では偽物が横行し、中国全土で食べられるフカヒレの9割がゼラチンで作った偽物だったというニュースも報道されたことがありました。台湾でも冷凍食品に入っているフカヒレはほとんど全て偽物ですが、こちらはきちんと表記されているのでご心配なく。本物が食べたいなら結婚式やホテルのレストランで形が残っているものを食べましょう。

ちなみに日本の一部地域でも食べられるエイは、サメ類から派生した近縁の動物です。大雑把にいえばエラが体の下にあるのがエイ、体の横にあるのがサメと分類します。筆者の故郷ではフカヒレと似た食感のエイヒレをみりんに浸けて干し、炙ってお酒のつまみにしたり、お茶漬けの具にしたりして食べていました。台湾ではエイを食べる習慣はないそうですが、お土産に買っていくと喜ばれるかもしれません。エイは中国語で「魟魚」などといいます。

おっと、忘れてはいけませんでした。サメは海中での食物連鎖の頂点に君臨するため、水銀などの重金属を体内に高濃度で蓄積する性質があります。乾燥品のフカヒレなどは重量あたりの有機水銀濃度が非常に高く、アメリカでは妊婦や乳幼児は食べるのを避けるように指導されています。すぐに問題が出る量がはいっているわけではありませんが、それでも妊婦さんは旅行時にフカヒレを口にしないことをお勧めします。料理で出てきたら…涙を飲んで他人に譲りましょう…。

サメ肉は中華料理ではわりと一般的な食材です。日本語では「鮫」、中国語では「鯊」。この辺の違いも調べてみると面白いのですが、キリがないので今回はこの辺にしておきましょう(笑)。

それではレシピいってみましょう。



難易度:
☆☆

調理時間:
30分以内

材料:
サメ肉 ……… 450g
ニンニク ………2個
ネギ ……… 2本
トウガラシ ……… 1本
ショウガ ……… 10g

調味料:
豆板醤 ……… 大さじ6
醤油 ……… 大さじ3
味の素 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 小さじ1
酒 ……… 小さじ1
水 ……… 大さじ3
ごま油 ……… 大さじ1

作り方:
1.ニンニクはみじん切りにする。ネギはぶつ切りにする。ショウガは千切りにする。トウガラシは半分に割って種を抜いておく。

2.サメ肉はよく洗い、沸騰したお湯で2分ほど白くなるまで茹でておく。その後ウロコのある皮を剥き、再び沸騰したお湯に入れて3分ほど茹でておく。

3.熱した鍋に大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、ニンニク、ネギ、ショウガ、トウガラシを入れて香りが出るまで炒める。続いて作り方2のサメ肉を加えて軽く両面を炒めた後、全ての調味料を加えてよく混ぜ合わせ、沸騰したら弱火で30分ほど煮込んで完成。

Point:
サメ肉は下関から九州北部のスーパー、漁港のある街の朝市などで手に入ると思います。

冷蔵庫に入れる前に作り方1の湯引きまでしておくと、保存時に独特のアンモニア臭が出るのを押さえられていいでしょう。

作り方3で煮込むときに強火で汁気を煮きってしまえば『豆瓣醬炒鯊魚』という料理になります。お好みでどうぞ。



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