景頗鬼雞│景頗族の祭鬼鶏

難易度:☆ 調理時間:30分以内
数日前に紹介した中国少数民族彞族の伝統料理『坨坨雞』のレシピがかなり好評だったので、他の中国少数民族の料理も紹介してみたいと思います。今回は雲南省からミャンマーにかけて居住する景頗族(ジンポー族)の『景頗鬼雞』のレシピです。簡単に作れます。

景頗族は主に雲南省に居住する少数民族で、中国国内に15万人ほど、ミャンマーやチベットなどに居住する同じ民族を合わせると全部で100万人ほどがいるそうです。実は国共内戦時に国民党軍の一員として闘った景頗族の軍人がそのまま台湾に移住してきた記録が残っており、現在は200人ほどまで数を増やした景頗族の小さなコミュニティが高雄や屏東に存在します。毎年10月には台湾に住む景頗族の末裔が集まって祭りが開かれるそうです。一度覗いてみたいものですね。

景頗族は独特の精霊信仰を持ちますが、清末期にイギリス人によりキリスト教が広められてからはキリスト教と精霊信仰の二重信仰を持つようになりました。このためミャンマーに居住する景頗族は仏教徒だらけのミャンマーにあってほとんど唯一のキリスト教を信仰する国内集団となっています。景頗族はミャンマーではカチン族と呼ばれ、現在はミャンマー政府に対して独立を要求し時に戦闘行為が行われたりもしています。結構過激です。

女性の正装は赤い髪飾りとスカートに、黒いシャツ、肩から胸元にかけて独特の装飾を身に付けたもので、対して男性は白いシャツと帽子に黒いズボンといういでたちです。女性の衣服は竜女の生まれ変わりの意味を表すとされ、銀で作られた(現在はもっぱら錫だそうですが)装飾物を多く身につければ身につけるほど社会的な地位が高い家系の出身であることを表すそうです。

前回の『坨坨雞』や今回の『景頗鬼雞』に限らず少数民族の料理は普通の中華料理と比べてシンプルです。居住地にもよりますがあまり複雑な調味料を使わず素材をそのまま生かしたものが多いので、比較的楽に再現が可能です。中国に住む少数民族は漢族を除き五十五族(中国政府認定)、一度に全部覚える必要はありませんが、それぞれの独特の風俗と文化、そして料理はとても魅力的です。当ブログを通して少しずつですが紹介できたらいいと思っています。

それでは景頗族の伝統料理『景頗鬼雞』のレシピです!それっぽく盛り付けてみましょう。


[材料]
鶏むね肉 ……… 300g
ショウガ ……… 30g
ニンニク ……… 30g
トウガラシ ……… 2本
セリ ……… 30g
香菜 ……… 適量

[調味料]
塩 ……… 適量
レモン汁 ……… 大さじ2

[作り方]
1.鶏むね肉は薄切りにしたショウガと共に適量の水で20分ほど茹でて火を通す。火が通ったら鶏むね肉だけを取り出し、手で食べやすい大きさに裂いておく。

2.ニンニク、セリはみじん切りにする。唐辛子は1cmほどの長さに切り分ける。香菜は軽く刻んでおく。

3.器に鶏むね肉を入れ、残りの材料と調味料を加えて混ぜ合わせたら完成。

Point!
鶏むね肉はあまり火を通し過ぎないように。煮込みすぎると固くなります。

調味料はドレッシングなどを使いたいところですが、ぐっと我慢して塩とレモン汁のみです。家庭で作るなら色々とアレンジしてみてください。


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