永和公主藥澡豆方│永和姫の洗顔薬

2014/8/12 記事の一部を改変
2015/4/1 記事の一部を改変
難易度: 製作時間:一瞬
多忙であまり更新できていない薬膳シリーズ、ファンの皆様には申し訳ありません。

「もっとめちゃくちゃ珍しいのとかも紹介してよ」という意見を薬剤師仲間からいただきましたので、少し毛色を変えて、今回は「洗顔薬」の作り方です。

唐代德宗李适の女児である永和公主が洗顔に使っていたとされる薬で、皮膚の水分保持力を高め、血流をよくし、角質を去り、光沢を益すという効果があります。なんとも…現代的というか千年以上前から女性が美容に求めるものはほとんど変わっていないようです。原典は宋代の薬局方である《太平聖惠方》。巻四十の澡豆諸方の項に載っている歴史ある洗顔処方です。

面白いのは皂荚(そうきょう)というマメ科植物のマメの殻を使っていること。学生時代は皂荚は「サポニンという成分を豊富に含み水と振り混ぜるとよく泡立つので、古くは石鹸の代用にした」と習ったものです。当時はまさか本当にこれを使った処方を紹介する日が来るとは思いませんでした(笑)。

作り方が2種類あるので、二つとも紹介しておきます。レシピ2の方が作るの簡単ですが材料の取引が条約により規制されています。

皇帝の娘が使っていたとされる美容のレシピ、皆様でも試してみましょう。

[材料1]
百芷 ……… 70g
白蘞 ……… 100g
白芨 ……… 100g
白附子 ……… 70g
茯苓 ……… 100g
 (白朮を使ってもよい)
桃仁 ……… 60g
杏仁 ……… 60g
沈香 ……… 35g
皂荚 ……… 5本
鹿角膠 ……… 10g
大豆 ……… 2kg
粳米 ……… 600g

[材料2]
百芷 ……… 150g
川芎 ……… 150g
栝楼仁 ……… 150g
鶏骨香(土沈香) ……… 70g
皂荚 ……… 300g
大豆 ……… 250g
小豆 ……… 250g


[効能]
理氣除湿、祛風活経、滋潤洁浄皮膚、活血、悦澤容顏、祛除垢腻など

[作り方1](材料1を使う)
1.桃仁と杏仁を熱湯に3時間ほど浸けておき取り出して皮を剥く。

2.大豆、粳米、鹿角膠以外の全ての生薬を水3000ccで煮込んでエキスを抽出する。

3.エキスを漉して雑物を去り、粳米と鹿角膠を加えて米粒が溶けるまで煮込んで粥を作る。粥ができたら粉末にした大豆を加え、水気が飛ぶまで天日で乾燥させたら完成。

4.朝夕の洗顔時に適量を突き崩して水で溶き、洗顔に用いる。

[作り方2](材料2を使う)
1.材料2を全て粉砕し粉にする。目の細かい網でよくふるって雑物を取っておく。

2.朝夕の洗顔時に作り方1の粉適量を水で溶いて使う。

Point!
作り方1の粥は本来数日置いて発酵させたものを使ったそうです。現代風にするならヨーグルトで代用するとよいでしょう。

材料1を使って作り方1の方法で作るほうが効果は高いと思いますが、現実的にはいくつかの材料を抜いて作ることになりそうです。材料2のほうは鶏骨香(土沈香)が条約により国際取引が厳しく規制されています。数グラムの密輸で逮捕されてしまうほどですので、中国や台湾で手に入れても国外に持ち出さないようにしましょう。

どちらにせよ日本で材料を手に入れるのはちょっと難しいと思います。興味がある方は甘口男に今すぐメールしましょう!


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