難易度:☆ 調理時間:30分以内
広東省の伝統料理『脆炸煙三文魚春卷│スモークサーモンの揚げ春巻き』のレシピを紹介します。薄切りにしたスモークサーモンを香草と一緒に春巻きで巻き、揚げて作る料理です。実際には火を通す必要のない燻製ですが、このようにひと手間かけてさらにおいしくする技術は面白いですね。
この料理に使われている香草は英語でディルと呼ばれます。和名は「イノンド」というそうですが、ディルの方が通じやすいでしょう。セリ科の一年草で学名は Anethum graveolens といいます。一種一属の珍しい属です。中国語では蒔蘿、洋茴香、刁草などとよばれます。
古くからヨーロッパでは痛み止めの薬として使われ、英名のディルは古いスウェーデン語で「あやす」を意味する「Dylle」に由来するといいます。
種子は生薬「蒔蘿子」と呼ばれますが、アジア各国、地域で基源となる植物が異なります。別の地域で同じ料理を作る場合は材料を吟味する必要があるでしょう。
日本でも栽培は可能ですが、夏の高温と大量の日照を必要とするので栽培可能な地域は限られそうです。ビニールハウスやLED照明などで作る必要があるかもしれません。
糸のように細い新鮮な葉もハーブになります。ただし新鮮なうちに使う必要があるので、日本ではなかなか手に入らないかもしれません。
ポーランド人には日本人にとってのタマネギくらいありふれた食材らしく、筆者の知人のポーランド人は料理をご馳走してくれる時は何とかこの野菜を台湾で手に入れる方法を探していました。結局手に入りませんでしたが、彼がディルについて熱く語る姿は忘れられません(笑)。もしポーランド人の知り合いがいたらディルを使った料理の作り方を聞いてみるといいでしょう。
それではレシピです。
[材料]
春巻き皮 ……… 7-8枚
スモークサーモン ……… 150g
サワークリーム ……… 100g
ディル ……… 30-50g
[調味料]
一味唐辛子 ……… 適量
塩 ……… 適量
胡椒 ……… 適量
[作り方]
1.ディルをみじん切りにする。
2.サワークリームを常温に戻しておく。スモークサーモンを薄切りにし、2cm角ほどに切り分けておく。
3.ボウルにサワークリーム、スモークサーモン、ディル、一味唐辛子、胡椒、塩を加え、よく混ぜ合わせる。
4.春巻き皮を対角線で三角形に切り、長辺の中央あたりに作り方3のスモークサーモンなどを長く乗せる。長辺の両側を折りたたみ、そのままもう一つの頂点に向かってクルクルと巻く。
5.鍋に揚げ物油を入れて160度に熱し、作り方4の春巻きを入れてきつね色になるまで揚げる。春巻きに火が通ったら取り出して油を切る。春巻きの中央あたりを斜めに切るなどして器に盛り付けたら完成。
Point!
ディル以外の好みの香草を使ってもよいでしょう。パセリやバジル、面倒ならタマネギを薄切りにしても代用できます。
ある程度下味をつけているのでそのまま食べられます。塩や胡椒を少なめにして薄味に仕上げたなら、ケチャップやマヨネーズなどをディップして食べてもよいでしょう。
春巻きの皮は餃子の皮で代用できそうですが、大型の正方形をしているので形が合いません。ベトナム料理のライスシートは大体が大きな円形なので、これなら代用が可能です。
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